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良い薪を選ぶためのある確認方法とは!?プロに聞いた、意外と知らない薪のあれこれ

2020.05.15ノウハウ

営業を再開するキャンプ場も増え、多くのキャンパーが待ち遠しくしている焚き火。すっかりキャンプの夜の定番となった焚き火ですが、鍵は焚き火台ではなく、「薪」にもあります。意外と知らない薪のあれこれを専門店に聞いてきました!

焚き火に欠かせない“薪”

専門に扱うお店が存在!

近年の焚き火人気を追い風に、存在感を増しているのが「薪専門店」。特にキャンパーの間に注目されているのが、長崎県対馬の「対馬やまねこ薪」です。
九州最北端に位置する対馬。「対馬やまねこ薪」は、地層がほぼ岩盤でできた島で強くたくましく育った堅木を扱っています。対馬の木は一般的な堅木に比べ、成長スピードが著しく遅く、島特有の吹きさらしにも耐えることで、太くしっかりと成長しているのが特長です。
対馬の自然環境の影響を受け、曲がったり、節くれだったり、曲者だらけの原木たち。それぞれの個性を鑑みながら1本1本手作業で検品され、徹底した管理のもとで出荷されています。「そんな骨の折れる作業を専門店として続けていたら、日本一の生産量までなることができました」とホームページにあるほど、誠意を込めて薪を作り続けているのが「対馬やまねこ薪」です。 樫(カシ)や楢(ナラ)、桜(サクラ)といった堅木薪をそろえ、購入者の用途や好みにあった大きさや乾燥レベル、数量を指定してオンラインでオーダーできるのも購入者にとってうれしいポイントです!

イベントのために40トン持ってきた!?

編集部がお話を伺ったのは、昨秋に東京都江東区の若洲公園キャンプ場で開かれた焚き火イベント「焚キ火ノ音」。「対馬やまねこ薪」が会場内に運び込んだ薪の総重量は40トンにも及びました。3つのコンテナで運ばれてきた薪は、対馬のありとあらゆる木があるのではないか、と思ってしまうほどです。

薪の種類とその違い

王様はカシ、不動のエースはナラ

樫や楢、桜といった堅木薪をはじめ、着火しやすい杉や檜(ヒノキ)といった軽量で扱いやすい薪も取りそろえ、焚き火を楽しむ目的によって薪の種類を変えられます。豊富な品ぞろえにどれを選ぶべきか迷ってしまうので、対馬やまねこ薪の担当者さんに選び方を聞いてみました。
薪の定番中の定番で「王様」と言われる樫(カシ)の名前は、もともと「硬し」という言葉に由来しているほど。堅さに定評のあるブナ科の木なので、硬さ故のゆったりと続く燃焼時間が特長です。同じブナ科で「不動のエース」にあたる楢(ナラ)は、その扱いやすさと燃焼バランスの良さがあげられます。着火の難しさはありますが、火持ちがよいため、灰の出る量も抑えられます。イベントでは「この2種類を使いこなすのがおすすめですが、自分の目で見て体感して、薪の違いを感じるのが一番!」と、熱量高く語ってくれました。
ちなみに、良い薪は、ヒビで選ぶのがポイント。年輪に対して縦にヒビの入った薪は、ちゃんと乾いているため火持ちが良いものが多いそうです。断面でパッと判断できるのはうれしいですね。
もっと良し悪しを判断する材料が欲しい人には、音で確認する方法がおすすめ。薪同士の断面をぶつけ合い、音を打ち鳴らします。そのとき、火の用心くらいの「カンカン」という高い音が鳴れば、ちゃんと乾燥した薪の証!逆に重めの音が鳴った場合は、しっかり乾燥していない証拠です。一見して薪の良し悪しがわからない場合は、お店の許可を得て鳴らしてみると新しい発見があるかもしれません。

焚き火台を使わない!?

男前な焚き火の楽しみ方&自宅は薪ストーブ

薪専門店として、焚き火の楽しさを心得尽くしている「対馬やまねこ薪」。彼らは一体どのメーカーの焚き火台を使っているのか試しに聞いてみたところ、「焚き火台は使っていません(笑)」とまさかの回答。 「一体何で焚き火しているの?」「直火なの!?」と驚いていたところ、「ドラム缶を切ったのを普段から使っています」とのこと。実際のところ、大型車で移動することも多く、焚き火台を組み立てたりたたんだりという工数を増やすこともないため、理に適った独自のスタイルを確立していることもあるようです。

出典:AlbertPego / ゲッティイメージズ

ちなみにご自宅には薪ストーブが鎮座しており、どんなに寒い日でも薪と薪ストーブがお部屋を暖かくしてくれるのだそう。寒い季節になると、必然的に薪と炎を眺められる生活がうらやましい限りでした。

まとめ

焚き火には薪が当たり前の存在ながら、薪についてあらためて聞くことで驚きの連続だったhinata編集部。今後は薪を買う際にも、良し悪しに敏感になってしまいそうな予感がします。皆さんも今回得た学びを参考に、より長く素敵な焚き火の時間を楽しんでみてください。

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