キャンプ・アウトドア情報メディア | hinata〜もっとそとが好きになる〜
雪山と湖

キャンパー憧れの北海道で夏を楽しむ/道東地区国設野営場を探訪(第2弾:ぬかびら湖)

2021.06.10キャンプ場

キャンパー憧れのアウトドア天国、北海道でキャンプの第2回目は糠平(ぬかびら)湖国設野営場を紹介します。でも北海道でキャンプするにはいろいろと準備が大変そうと思われたり、どんなものを持って行ったら良いか迷ったりしますね。そこで今回は北海道キャンプに必要な準備や手順などもご紹介します。

国設野営場とは?

日に照らされる森の中
国設野営場とは林野庁(まさしく国)が管理運営するキャンプ場で、その多くは国有林の中にあります。ですから本来無断で立ち入ったりキャンプなどが禁止されている国立公園内でキャンプができるということで、大自然に囲まれたそのロケーションの良さが何と言っても大きな魅力です。 また国営ということで利用料が非常に安いのも特徴で、少人数であれば予約も無しにすぐにキャンプができます。 ただし国有林を保護する観点から、設備が最小限に留められていることと、動植物の保護に対する制約も細かく設けられていますので、利用に際しては管理棟にある注意書きをよく読んでおきましょう。最小限に留められた設備と言っても、整備はしっかりとされていますので、十分なキャンプの準備がされていれば、利用時に大きな不快感を持つことはほとんどないでしょう。

ぬかびら湖野営場

ぬかびら湖野営場の看板と森
糠平湖は十勝平野の北端から大雪山に向かった、山岳地帯の始まりのあたりに位置するダム湖です。もともとは山間の渓谷でしたが、発電用ダムが建設されたことでできた湖です。この畔にできた温泉街からすぐの所にある白樺を中心とした林間の国設野営場です。 今回筆者はここを訪れましたが宿泊をしていませんので、現地を見た感想と基本情報をご紹介します。
ぬかびら湖野営場のキャンプ場案内の看板
【基本情報】 住所:上士幌町字ぬかびら源泉郷 電話:01564-2-4291 営業時間:8:30-17:15 料金:大人1泊350円/小学生1泊200円/小学生未満無料 チェックイン/チェックアウト:フリー 公式はこちら:国設ぬかびら野営場

キャンプサイトの状態

ぬかびら湖野営場のキャンプサイト
ぬかびら湖野営場のテントサイトは駐車場からフラットで、17カ所の砲台型と場内奥にある開けたキャンプファイアー広場もテントの設営が可能です。砲台型テントサイトはおよそ5mx5mで30cmほどの高さになっています。地面は細かい砂利ですからペグは刺し辛いので、強度のある鉄ペグか石などの重りを利用する必要があります。または砲台サイトの外までガイドロープを伸ばせば、柔らかい地面になりますからペグは刺しやすくなります。 テントはこの砲台サイトに必ず設営しなければならないということではないようで、木やテーブルの配置次第で好きな場所に設置が可能とのことです。 ぬかびら湖野営場は国道273号線から近いので、サイト内でも車の音が良く聞こえました。

設備

ぬかびら湖野営場の炊事棟
炊事棟があり、給水と釜戸炊きができます。水は必ず煮沸してから飲用とするように注意書きがあります。トイレは場内南側の10mほど降りたところにあり、男女別の汲み取り式です。 テントサイトへの荷物の運び込みは手運びになりますが、リヤカーが借りられます。 またぬかびら湖野営場ではゴミの分別回収を行っていますので、ルールに従ってゴミを処分することができます。

焚火

ぬかびら湖野営場の2つの炉
筆者が現場を見回った限りでは、焚火ができそうなのは写真のような炉が2つあるだけでしたが、その後の調査により、焚火台があればテントサイトの近くで焚火をすることが可能とのことでした。 薪の調達は帯広市内のジョイフルエーケー帯広店、またはコメリパワー帯広南店資材館で購入することをおすすめします。場内にもある程度倒木や枝は落ちていますが、ハイシーズンにはすぐになくなってしまうそうです。 ジョイフルエーケー帯広店 所在地:北海道帯広市東七条南16-2-1 営業時間:9:00~20:00 電話:0155-28-3333 薪販売:¥734(税込み)/10kg~ コメリパワー帯広南店資材館 所在地:北海道帯広市清流東2-13-12 営業時間:平日・祝日 07:30-21:00 / 日曜日 09:00-21:00 電話:0155-49-1008 薪販売:¥698(税込み)/ナラ材約40cmx7~8本~

周辺の見どころ

ダム湖である糠平湖は季節により水かさが増減しますが、これに伴い姿を現したり湖底に沈んだりする幻のめがね橋、タウシュベツ川橋梁が有名です。例年夏には湖底に隠れてしまうそうですが、今年は水の量が少ないので現在も完全な姿を見ることができます。幻想的な幻の橋梁と呼ばれていますが、浸食が進んでいるので、今後何年先までその姿を保てるか危ぶまれているそうです。 湖畔にあるぬかびら源泉郷は野営場からも近く、立ち寄り湯もありますからキャンプと共に気軽に温泉も楽しめます。

ぬかびら湖へのアクセス

ぬかびら湖野営場への行き方の地図
ぬかびら湖は大雪山系の南端に位置し、帯広空港からは車でおよそ1時間半です。食材などの買い物は空港から1時間ほどの上士幌町内で済ませておいたほうが良いでしょう。ぬかびら湖にはコンビニエンスストアーは無く、雑貨店が1件あるだけです。ただし薪は帯広市内で調達する必要があります。
ぬかびら湖野営場への行き方の詳しい道のり
ぬかびら湖野営場へは国道273号線を利用しますが、この道は道東から旭川方面に繋がるルートでもあるので、大型トラックの通行も多いので運転には注意してください。

北海道キャンプの準備

北海道へキャンプに行く方法は2つあります。1つは自家用車などを自分で運転していく方法。もう1つは飛行機とレンタカーを利用する方法です。 首都圏から自家用車利用の場合は、本州を縦断運転して青森から青函連絡船で津軽海峡を渡るルートと、大洗港から苫小牧へフェリーを使うルートがあります。どちらのルートも移動に往復で3日~4日間を要しますので、時間に余裕のある方には荷物の制限が少ないフェリーをおすすめします。 今回は移動時間を節約して短い日数で北海道キャンプを楽しむために、飛行機とレンタカーを利用する場合の準備について紹介します。

航空券

まず第1に手配する必要があるのは航空券とレンタカーですね。航空券はなるべく早めに手配することで、早割などの割引料金が利用できます。この時預入荷物で長さが極端に長い物や、大きいものが予想される場合は、混雑時などの状況によっては、空港で突然機内への搭載を拒否されることもありますので、航空会社に事前相談と連絡をしておきます。

機内持ち込み及び預入荷物の制限

飛行機に預けられた荷物
国内線各航空会社では荷物について、サイズや重量に制限を設けています。また持ち込みや預け入れにかかわらず航空機自体に搭載できない物品もあります。これらは各航空会社のホームページで十分に確認しておきましょう。

サイズと重量の制限

バックパックなど飛行機に乗せるものは、背負うなどして持って体重計に乗って重量を測っておきます。荷物の制限については航空各社で取り扱いに若干の差がありますが、おおよそ以下の通りです。 預入荷物: 1人20kgまで無料(総重量20kgを超えた場合超過料金がかかります) ただし、1個当たり32kgまでで、総重量100kgまでです。 1人の預入個数は無制限 3辺の合計寸法が203cmを超える場合は事前確認が必要です。 機内持込荷物: 1人10kgまでで、3辺の合計寸法が115cm以内、かつ、55cmx40cmx25cm以内

搭載できない物品

旅客機には持ち込み、預け入れにかかわらず搭載できないものがあります。ライターはガス・オイルを問わず1人1個までですし、爆発の危険性があるスプレーや燃料類は一切搭載できません。特にキャンパーの場合、燃料系は大きなネックになります。

荷物の制限を解決する

オーバーサイズや重量超過

大きな荷物
キャンプの日数や現地でやりたいことによっては、持って行く荷物がどうしてもオーバーサイズになったり、重量が20kg以上になることがあります。複数人で行動する場合は、一時的に荷物を分散させることもできますが、単独行だったり分散させても重量超過になる場合は、現地に宅配便などで事前に送ってしまう方法があります。 送り付ける先は、行先で借りるレンタカー会社の営業所が良いでしょう。ただし北海道の場合関東以西からは宅配便で2日ほどかかることがありますので、できれば3日ほど前には発送しておくことをおすすめします。 送る物はサイズや重量の嵩むテント、シュラフ、ロール式スリーピングマットなど。またダッチオーブンなど重量のある調理器具も別途送っておいたほうが良いでしょう。

火器類

芝生の上のガスバーナー
飛行機利用の遠征で特に制約を課せられるのが、ガスカートリッジやアルコールなどの燃料です。これらは宅配便でも受付できず、旅客機には載せることができないため、現地で調達することになります。しかし現地で購入することができても、帰りにはその容器や余った燃料の処分に困ります。そこでレンタカー会社のサービスを利用することをおすすめします。 ニッポンレンタカー北海道では各空港営業所でガスカートリッジの販売を行っています。

レンタカー

レンタカーの予約はインターネットで出来ます。この時保険や免責事項の告知など、法的確認手続きも事前にできますので、現地での手続き時間節約のためにも行っておきましょう。 車種は今回の国設野営場までの工程であれば、ほとんどが舗装路で悪路走行が無いので、料金の安いコンパクトカーで十分です。ただし現地で渡河や悪路走行が予想されるのであれば、4輪駆動車や大型1BOXカーを予約する必要があります。このクラスは台数に限りがありますので、できるだけ早く予約することをおすすめします。

ニッポンレンタカー北海道

車種が豊富で親切なサービスが嬉しい、頼れるレンタカー会社です。

ニッポンレンタカー北海道はイワタニプリムスの取扱店でもあるので、ガスカートリッジの販売と、レンタカー帰着時に残ったガスカートリッジの回収も行ってくれます。ただし在庫がなくなることもありますので、事前にガスカートリッジ購入の予約連絡を入れておきましょう。悪天候などでガス使用量が多くなりそうな場合は、少し余分に購入しておくことをおすすめします。回収できるカートリッジは基本的に当該営業所で購入したものに限ります。 予約サイト:ニッポンレンタカー北海道

まとめ

サイドミラーに映る飛行機
北海道はアウトドアのメッカでキャンパー憧れの地ですが、なかなか気軽に行くことができないイメージがあります。でも飛行機とレンタカーと宅配便などを上手に利用すれば、限られた休日でも十分大自然を楽しむことができます。特に予約なしで破格的に安価な国設野営場は、事前準備と手配だけをしっかりしておけば、いつでも大自然を楽しむことができるので、一度計画されてみてはいかがでしょうか。次回は然別湖野営場と、北海道キャンプに必携のアイテムについて紹介します。


あわせて読みたい記事