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険しい岩山と青空

初心者だって日本百名山に挑戦できる!オススメの山Vol.17「北岳」

※本記事には一部プロモーションが含まれます

南アルプスの北岳は、日本で2番目に標高が高い山として知られます。つまり「富士山の次に高い山」。日本百名山にふさわしい圧倒的な存在感をほこり、景色や高山植物尾を楽しめることもあって、多くの登山客から愛されています。「登山って楽しい!」と感じられるような魅力も盛りだくさん。今回はそんな北岳を紹介します。交通アクセスは若干不便ではありますが、北岳を登った人にしか味わえない感動や達成感をぜひ味わってみてください。

富士山の次に標高の高い山「北岳」

北岳が位置するのは、山梨県の南アルプス市。標高は3,193mあり、間ノ岳・農鳥岳とあわせて白峰三山(白根三山)と呼ばれています。北岳の魅力は南アルプスの中でもひときわ華やかなところ。「花の宝石箱」「高山植物の宝庫」などとも称されており、約32種類の花が咲きほこっています。特に、6月中旬~6月下旬に咲く北岳の固有種のキタダケソウは必見です。
そのほかにも、チングルマやミヤマキンバイ、ウサギギクなど、高地ならではの植物が四季折々に華麗な花を咲かせ、岩場や日当たりのいい草地などを彩っています。その美しさを思わずカメラに収めたくなる人も多いはず。前もって、どんな草花が生息しているのかなど、高山植物について調べておくと、現地に行った際により楽しみが広がるでしょう。

北岳の天気

登山の必須項目のひとつ、事前の天気調査。山の天気は変わりやすいとよくいわれますが、特に夏場の北岳では、積乱雲が発達しやすく、夕立や雷雨の発生率が高くなります。岩稜(がんりょう)の稜線(りょうせん)では逃げ場がないため、雨雲レーダーや最新の気象状況を常にチェックしておく必要があります。

発雷情報を確認するには

夕立や雷雨の際、気をつけなければいけないのが落雷です。雷がゴロゴロと鳴り出したら要注意。想像よりも早く、近くまで雷がやってくる可能性が高いため、もし万が一遭遇してしまった場合には、できるだけ安全な場所に身を置き、雷がすぎるのを待つ必要があります。 発雷情報はインターネット上から確認可能です。仮に予報で雷の発生確率が低いとされている時間帯でも、全く発雷が起こらないわけではないので留意しましょう。夏の時期は特に、発雷情報をこまめに確認することをおすすめします。 詳細はこちら:北岳(3,193m)の発雷情報

10日分の天気や天気図をまとめてチェック

天気予報も必ず事前にチェックを。なかには10日間分の天気予報がまとめて掲載されているサイトもあります。また、スマホのアプリから天気の状況を確認するのも良いでしょう。アプリは、雨雲レーダーや天気図が見られるもの、雨が近づいてくるとアラートを発するものなど、さまざまな種類があるので、ぜひ自分に合うものを探してみてください。 詳細はこちら:tenki.jp

北岳の地図も持って行こう!

登山の際には紙の地図を常備しておくと良いでしょう。スマートフォンからも地図の閲覧は可能かもしれませんが、万が一端末をなくしたり、破損してしまったりしたことを考えると、電源なしで閲覧できる情報を持っておくことは大きな安心材料になります。

ロングセラー地図「山と高原地図 北岳・甲斐駒」

昭文社が発行する「山と高原地図」は、半世紀以上の歴史を持つ、ロングセラーの登山・ハイキング用の地図。登山家からの支持が非常に熱い商品です。こだわりポイントは、プランを立てる際や実際の登山の際に役立つための「実用性」。高線や登山道が綿密に描かれていて、登山に役立つこと間違いなし。水にぬれても破れにくい耐水性紙で作られているのもうれしいポイントです。

ユポ紙で作られている「ヤマケイ登山地図 読図ができる登山地図 」

山と渓谷社が発行する「ヤマケイ登山地図」は、ユポ紙で作られた丈夫な地図。ユポ紙とは、選挙の投票用紙などとしても使われる、こすれや水に強く、破れにくい紙です。地図には、信頼のおけるアルペンガイドと連携して洗い出した、危険箇所や注意が必要なポイントなどが細かく記載されています。そのほか、コースタイムや登山施設、見どころなどの情報も。携帯に便利なビニール素材の特製ケース付きです。

北岳までの交通アクセス

電車・バス利用の場合

北岳を登る際には、「広河原」の登山口から入るのが一般的。広河原に向かうには、甲府駅から「南アルプス登山バス」に乗ります。乗車時間は約1時間55分、バスの本数は1時間に1本あるかないか。バスの発着時間を事前によく調べてから現地に向かうことをおすすめします。 なお、「南アルプス登山バス」は、通年運行ではなく、登山のオンシーズンのみの運行。毎年6月下旬から運行をスタートしますが、2020年は新型コロナウイルスの影響で7月23日(木・祝)に運行がスタートする予定です。 詳細はこちら:[南アルプス登山バス]の運行について

車の場合

南アルプスでは、自然保護のため、毎年6月下旬から11月上旬までのあいだ、マイカー規制が行われています。規制が行われているのは、登山口・広河原に通じる県営林道南アルプス線(芦安~広河原)および県道南アルプス公園線(奈良田~広河原)の区間。そのため、車で向かう場合には、芦安や奈良田、夜叉神峠に設置されている無料駐車場に車を停め、バスやタクシーに乗り換えて、広河原へ向かう必要があります。 ・芦安無料駐車場約600台(芦安駐車場~広河原間をタクシー乗車した場合:約1,200円) ・奈良田駐車場約200台 ・夜叉神峠無料駐車場約90台

初心者に最適!難易度低めの登山ルート

いくつかある北岳の登頂コースですが、なかでも景色や高山植物を楽しめるうえ、分かりやすいのが下記のルート。1泊2日の行程で、白根御池小屋~北岳肩ノ小屋~北岳をめぐります。難易度が低いため、登山女子にもおすすめです。

花畑を満喫コース

コース:広河原~白根御池小屋~二俣~右俣コース~北岳肩の小屋~北岳 コースタイム:(コースタイム:登り約6時間20分、下山約4時間25分)
高山植物も多く展望も良しと、登山の醍醐味が盛りだくさんなコースです。まず、広河原山荘の脇にある登山道を進むと、20分ほどで白根御池分岐に到着します。そのまま直進して、しばらくのあいだ単調な急坂の登りを歩いていくと、白根御池小屋に着きます。さらに、平坦な道を30分ほど進むと、大樺沢二俣着。 このあたりで、北岳特産のミヤマハナシノブを観賞できます。ミヤマハナシノブは、7月上旬に咲き始める初夏の花。淡い青紫色がとても可憐で、見る人の心をいやしてくれます。二俣から先は、「右俣コース」と呼ばれるコースへ。右俣コースは、鎖場や急なはしごもないため、登山初心者でも安心です。 そんな右俣コースを進んでいき、ダケカンバの林を右斜めにあがっていくと、次第に左手の上方に北岳が姿を表し、裾野には花畑が広がりはじめます。そうしたら、花畑の中を、小太郎尾根の稜線に向かって進みます。
花畑を抜けたら、進路を変えて右方向へ。今度はダケカンバの林の中へ向かいましょう。この林の中にも花がたくさん咲いています。自然と足取りも軽くなるほど、咲き乱れる花をぜひ楽しんでください。林を抜けると、「草スベリルート」と呼ばれるルートに合流します。ここから、花畑の中をジグザグに登っていくと、小太郎尾根に到着。このあたりにくると、展望がさらに楽しめます。 小太郎尾根から先は、稜線上を北岳肩の小屋に向かって進みます。その間、一箇所だけ鎖がありますが、初心者でも問題なく進むことができるでしょう。さらに、北岳肩の小屋から北岳山頂までは約50分。急な岩場が続きます。小ピークをこえたら両俣小屋への分岐があります。 その後も、山稜までさらに岩場が続いたのち、北岳山頂に到着します。富士山の次に標高が高い山(3,193m)からの、360度の大パノラマ風景をお楽しみください。きっと目の前に広がる雄大な景色に見惚れてしまいます。

北岳山頂に一番近い小屋「北岳肩の小屋」で大自然を満喫

先述のコースは、登山6時間20分・下山4時間15分と、コースタイムの合計が10時間半におよびます。そのため、登山初心者は山小屋で1泊するのがおすすめ。北岳山頂から徒歩50分の距離には「北岳肩の小屋」があります。宿泊の際は、小屋宿泊とテント設営、2種類の宿泊方法から選べるほか、食事の有無を選択可能です。1日目のうちに、頑張ってこの小屋まで到着しておけば、翌日午前中に登頂して、ゆっくりと下山できます。
北岳頂上に一番近い小屋で過ごす夜には、きっと満天の星に感動することでしょう。運がよければブロッケン現象に出会える可能性もあります。ブロッケン現象とは、虹と似た光の輪が現れる現象のこと。この現象は、太陽の光がうしろから差し込み、影側にある霧や雲によって、光が散乱されたときにのみ現れます。
住所:山梨県南アルプス市芦安芦倉643 予約・問い合わせ:090-4606-0068または055288-2421 料金: [小屋1泊2食付き]8,000円 [素泊まり]4,000円 HPはこちら:北岳肩の小屋

北岳にあるそのほかの小屋

北岳山頂に一番近い小屋「北岳肩の小屋」以外にも、北岳の各所に小屋は点在しています。ここでは、それらの小屋の概要を紹介します。

北岳山荘

北岳と中白峰の尾根がくぼんだ付近、標高2,900メートルの場所に位置する山小屋です。北岳の小屋の過密利用解消のため、山梨県が1978年に建設しました。収容人数は150人でキャンプも可能。7月中旬以降になると、富士山の左側からの日の出が、客室から楽しめます。なお、2020年度は営業を休止しています。 詳細はこちら:南アルプス市

白根御池小屋

北岳の北東部・白根御池付近、標高約2,200メートルの場所に位置する山小屋です。2階は家族やグループが個室として利用することも可能。収容人数は150人、キャンプも可能ですが、2020年度は営業を休止しています。 詳細はこちら:一般社団法人南アルプス市観光協会

広河原山荘

登山のスタート地点、広河原にある山小屋です。コマドリがよく鳴く林に囲まれ、目の前には野呂川が流れる…という気持ちの良いロケーション。収容人数は80人、キャンプでの利用も可能ですが、2020年度は全面的に営業を休止しています。 詳細はこちら:広河原山荘(Facebook)

日帰りで北岳登山は可能?

北岳登山は日帰りでも可能です。ですが、かなりハードな1日になるでしょう。なぜならば、広河原〜山頂〜広河原の所要時間はおおよそ10時間以上。しかも、そのすべての行程を日中のうちに行う必要があるからです。登山口・広河原を6時前には出発し、お昼ごろに山頂に到着、16時前には広河原に戻る…という感じです。登山に慣れていない場合には、宿泊する前提で北岳へ向かうことをおすすめします。

ダイナミックな景観「北岳バットレス」とは

北岳の東側斜面には「北岳バットレス」と呼ばれる、高さ約600メートルの大岩壁があります。ここは、古くは戦前から、アルパイン・クライミングのクラシックルートとして親しまれてきた場所。愛好者も多いです。初心者には難しいアクテビティですが、登山に十分慣れ、クライミングを楽しみたいと思った際にはぜひ、思い出してみてください。

北岳に登ってみよう!

北岳は、日本百名山の中でも登山者が憧れる山のひとつ。コースも多く季節によって新たな感動があるので、何回行っても楽しめます。体力面でも技術面でも自信がついてきたら、難易度の高い白峰三山の縦走にチャレンジしてみるなど、夢は広がる一方。リピーターの多さにも納得です。 一度登ってみたら、「こんな景色を眺めることができるんだ!」という感動が押し寄せてくるはず。交通アクセスが不便でも、行った甲斐があったと感じるのではないでしょうか。ただ、標高が高いので、防寒対策は万全に。たとえ夏に行く場合でも、朝晩はかなり冷えます。しっかり準備をして、北岳で素敵な思い出を作ってきてください。

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商品画像山と高原地図 北岳・甲斐駒ヤマケイ登山地図 読図ができる登山地図
商品名山と高原地図 北岳・甲斐駒ヤマケイ登山地図 読図ができる登山地図
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