ウッドバーニングで身近なものをおしゃれに!準備・方法・作品も紹介
【僕にしか出せない味わいを】センスと感性で極めたアンティーク家具職人"meeting encounter"を特別取材
2019.01.31ノウハウ
おしゃれで独特な風合いをもつアンティーク家具ブランド「meeting encounter」。その木工製品は久下沼義則さんが想い込め、時間と手間をかけて一つ一つ手作りした作品でした。アンティークのリペア職人として20年勤めた後に独立し、ウッドワーク全方面で活躍される久下沼さんを取材しました!
制作者
トギー
みかんとアイスをこよなく愛す、山ガール志望のアラサー女子
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もくじ
【meeting encounter】久下沼義則氏
木工職人の久下沼義則さん。アンティークショップ「Ware House」でアンティーク家具のリペア(修理)職人として20年ほど勤務されたのち、2013年に独立。今では「meeting encounter(ミーティング エンカウンター)」という名前でウッドワーク全般を手がけ活躍中です。
公式はこちら:meeting encounter
インスタグラムはこちら:meeting encounter
meeting encounter一番人気の作品はネイティヴ柄のテーブルや壁デザイン。一つ一つ手作りされたのそ作品は、アンティーク風な大人っぽさと可愛らしさのバランスが絶妙な、おしゃれなデザインです。
家具や内装、さらに建築まで。マルチに活躍する木工職人
hianta編集部:さまざまな作品を手がけていらっしゃいますよね!普段はどのようなお仕事をメインとされているんですか?
久下沼:メインの仕事は、オーダーメイド家具の製作と、リノベーション。でも今では、内装だけでなく外装や庭の設計も担当することがあります。店舗作りなら、内装外装や家具だけでなく、看板のデザインからウィンドウアート、名刺のデザインまで手がけます。
hinata編集部:家具や内装にとどまらず、幅広くデザインを手がけるのはなにか理由があってのことなのですか?
久下沼:僕、やりたがりなんです。せっかくやるならトコトンこだわりたいんですよね。建物なら土台組みから、ペンキ塗り、クロス、電気の配線工事だってやりますよ。任せていただけるのなら、なんでもやります(笑)
二度と再現しない、正真正銘オリジナル作品!
hinata編集部:一番人気の作品といえば、やっぱりネイティヴ柄テーブルですよね。作るのが難しそうですが…。
久下沼:ネイティヴ柄を作るのは、実はそんなに難しくないんです。木材を45度に切れる機材さえあれば、誰にでも作れちゃうんですよ。でも材料以外に必要なものがあります。それは感性と、センス。どの色をどう組み合わせるか、それが重要なんです。
hinata編集部:久下沼さんの製品は魅力的なデザインばかりですが、どのようにデザインを決めていくのですか?
久下沼:頭の中でイメージをふくらませたら、とりあえず木を切って組み立てていきますね。切って組み立てて、切って組み立てて、そうしてデザインを決めていきます。
久下沼:ネイティヴ柄テーブルを作る人の多くは、まず図面を描いてデザインを決め、必要な木材に色をつけ、図面通りに木材をカットする。そして最後に組み合わせるって工程だと思います。
でも、僕は図面を引かないんです。図面があったとしても、結局作りながら「もっとこうしたほうがいいかな」「やっぱりこっちにしよう」って思っちゃうんですよね。製作中はすごく集中するので、図面を見ないってこともあるかもしれません(笑)
久下沼:だからお客さんに「このテーブルと同じものをください」って言われても作れないんですよね。だって図面がないんですもん(笑)似たようなものなら作れるかもしれませんが、まったく同じものは二度と作れません。
でも、だからこそ良いんだと思っています。だって製品をお客さんに渡すときに、自信をもって「これは世界にただ一つのオリジナル作品です」って言えますからね!お客さんもそのほうが喜んでくれますし。
手間は惜しまない。最後まで良いものを追求するために
hinata編集部:世界に一つだけのオリジナル製品っていうのはステキですね!でも、図面がないものをどうやって作っていくのですか?
久下沼:テーブルの枠を作ったらセンターの位置を確認します。そうしたらイメージを膨らませて、色もつけていない木材を切っていくんです。はめ込んで「もうちょっと長いほうがいいな」って思ったら、切り直したり。木の組み合わせが完成したら、最後に色を塗るんです。1本1本丁寧に塗っていきます。
hinata編集部:図面通りに作るよりも時間がかかりそうなイメージですが…
久下沼:そうですね(笑)面倒なことをしていると思います。でも図面通りに作るのは面白くないって思っちゃうんですよね。実際に組み合わせてみると、より良いイメージが浮かんでくるんです。木の組み合わせが決まっても、色の塗り方次第で何種類もパターンが作れますからね。どんな色で、どんな柄を浮かび上がらせるか、最後の最後までこだわって作りたいんですよね!
誰にも真似できない、自分だけのフィールドを探して
hinata編集部:【meeting counter】のアンティーク家具には、独特な風合いがありますよね。どのようなこだわりをもって作られているんですか?
久下沼:日本には、綺麗な作品を手がける素晴らしい木工職人さんがたくさんいます。そういった職人さんと違ったフィールドで闘いたいと思って仕事をしています。
僕はあえて綺麗なものを作らないんです。新品の製品なのに、どこか古びていて、20年前や30年前からそこにあったかのような、そういったアンティークなものを作ることにこだわっています。その古びた雰囲気は、僕にしか出せない味だと思うんです。僕、古いものが好きですしね。
誰にも真似できないような、特殊な部分で勝負したいと常に思ってます!
すべては“縁”で繋がっている。人との出会いとつながりを大切に。
hinata編集部:今では美容院や幼稚園のリノベーション、ツリーハウスの建設など、幅広く活躍されていますが、どのようにして活躍の場を広げたのですか?
久下沼:人との”縁”ですね。頼まれたオーダーメイド家具をクライアントの家に届けに行くと、「ここもやってくれませんか?」ってリノベーションを頼まれたりして、新しい仕事をいただくんです。さらに、その家を訪れたかたが「我が家もこんな風にリノベーションしたい」と言ってくださって、新たな依頼をいただく。そんな風にいつも人とのつながりが縦や横に広がってお仕事をいただいています。
久下沼:一番思い出深い仕事は、森の一画に小屋がガーデニングを1から作ったことです。千葉の森の一画を買い上げたかたが、その区画のデザインや設計をすべて僕に任せてくださったんです。ウッドワーク全般を手がける仕事スタイルが身についた最初の仕事でもありますね。今でもその人とは仲良くて、他の仕事を請け負うこともあります。また、その仕事がキッカケで、木工DIYの雑誌「ドゥーパ!」に特集されました。
hinata編集部:雑誌に特集されるのは素晴らしいですね!やはり良い作品は誰かが必ず見つけるんですね。
久下沼:いえ、僕はまわりの人に恵まれているんです。僕よりすごい人なんていっぱいいますよ。それでも、僕は人の縁に恵まれ、その縁を大切にすることで木工職人を続けられています。ブランド名の「meeting encounter」は、”縁”や”めぐり逢い”っていう意味なんです。こういった縁に感謝して、この名前を付けました。
ずっと使ってほしいから。“僕が死ぬまで”永久保証!
hinata編集部:今後やりたいことや挑戦したいことはありますか?
久下沼:正直、大きな夢やビジョンがあるわけではありません。僕が作ったものを喜んでくれたら、それだけで満足なんです。こんな僕にお仕事をくださるだけで嬉しいことだって思っています。
久下沼:ただ、僕の作った家具をずっと使ってほしいと願っています。家具でも部屋のリノベーションでも庭作りでも、それって一生使えるものですよね。いつまでも使い続けられるように、僕が死ぬまでずっとケアします。何度でも修理しますよ!僕が作るものは永久保証です。そうすることで、僕の家具が子供に受け継がれ、孫に受け継がれていったら嬉しいなあ。それが僕の夢ですかね!
meeting encounter 久下沼氏の作品
基本情報
公式はこちら::meeting encounter
インスタグラムはこちら:meeting encounter
E-mail :meeting.encounter@gmail.com
写真提供: meeting encounter