【MOUNTAIN GOURMET LAB.】山飯に革命!シェフの味と絶景が織りなす至福体験
風景を楽しみながら歩く低山、違う惑星へ来たような錯覚におちいる高山、息を切らせながらめざす頂上――。一度として同じ体験がない登山は、自然を五感で感じる最高のアクティビティ。「そんなロケーションで最高の食事が食べられたら!」という思いから生まれた山飯、「MOUNTAIN GOURMET LAB.」を紹介します。
こんな山飯見たことない!シェフのスペシャリテが15分で完成
鶏と舞茸のシェリー煮込み、香ばし海老のレモン麻婆飯、ラムと豆のトマトシチュー…。
メニュー名を見るだけでもヨダレが出てきそうなこれらは、なんと沸騰させて15分蒸らすだけで完成する山飯!ブランディングエージェンシーPARKの代表取締役で、自他ともに認める食いしん坊な三好拓朗さんが立ち上げた「MOUNTAIN GOURMET LAB.(マウンテングルメラボ)」のラインナップです。
レストランの看板メニューのような顔ぶれですが、なぜこんな山飯を開発したのか?実際、味はどうなのか?登山の食事シーンに革命を起こした美食の裏側を聞いてみました。
登山にハマったものの…うまい山飯がない!
雪山でMOUNTAIN GOURMET LAB.の試食をする田嶋シェフ(左)と三好さん(右)
そもそも、なぜおいしい山飯をつくろうと思ったのか。それは、三好さん自身の登山経験によるものでした。
2020年の秋、たまたま愛犬と高尾山へ行ったところ、いきなり2kg痩せたのだとか。「調べてみたら、登山ってカロリー消費量がすごい!ジョギングと同じくらいの強度の運動を、6時間とか連続でできるんです」
これはいいぞ!と、山に登り始めるうちに、もともとのアウトドア好きも手伝ってダイエットより登山そのものが目的に。気が付けば、友人たちも巻き込んで2,000m級の山の縦走までするようになっていました。
体力勝負の縦走なのに…2日目から何も食べたくなくなった
初めての縦走は奥秩父の瑞牆山(みずがきやま)を中心とした33.4kmのコース。山仲間たちと楽しく歩いていたものの、持って行った山飯がだんだん喉を通らなくなって参ってしまったのだとか。
「食欲が落ちて、ラーメンも汁を飲み干すのが辛いし、山に汁を捨てるわけにはいかないし。2日目からは何も食べたくなくなってしまいました」
33km以上を歩くにはエネルギーは不可欠。三好さんにとって「山でもがっつけるほどうまい飯」は、登山における死活問題だったのです。
下北沢「namida」のシェフを巻き込んで開発開始!
最高の山飯を開発するにあたって三好さんが頼ったのが、行きつけのイノベーティブな和食店「namida」の田嶋シェフ。料理のファンだったこともあるけれど、何よりシェフの「おいしいですべてを解決する」という哲学と、ロジカルで柔軟な調理スタイルが山飯に合っていると感じたのだそう。
マウンテングルメラボの山飯・第一弾の「鶏と舞茸のシェリー煮込み(リゾット仕立て)」
MOUNTAIN GOURMET LAB.三好さん
「設備から」ではなく「料理から」つくる非常識が強み
田嶋シェフがつくるからには、ごまかしは一切なし。シェリー酒も贅沢に使い、素材のうまみで勝負!
記念すべき第一号の山飯は、田嶋シェフがフランスのジュラ地方で食べて忘れられない味となった「コック・オ・ヴァン・ジョーヌ」を日本で手に入る食材でアレンジした「鶏と舞茸のシェリー煮込み(リゾット仕立て)」。ドライフードでこの味が!?と驚く、まさにシェフのスペシャリテと言える傑作です。
ところが、この味を再現して製造・パッキングしてくれる工場を探すのに思いのほか難航。その理由は、そもそも「工場でつくる食品」と三好さんたちがつくった「料理」の考え方がまったく違うことでした。
MOUNTAIN GOURMET LAB.三好さん
商品は半年でできたのに、工場を探すのにはなんと2年もかかったそう。工場に調理施設があるところが少ないため、ソースやフリーズドライした具材を持ち込まなくてはいけなかったり、パッキングは別だったりと、苦労は尽きません。それでも納得いく山飯のために、原価ギリギリでなんとか商品が完成!
「工業製品のプロがやれば設備に合わせてつくるけれど、僕らはシェフが確かな素材からつくっている。だから、世の中にないオンリーワンの山飯なんです」
登山のモチベーションになる!三好さんおすすめ3選
2025年1月現在で7種類がラインナップされているマウンテングルメラボの山飯。味のバリエーションも幅広く、いずれも甲乙つけがたい逸品ですが、あえて三好さん的おすすめを3つ聞いてみました。
どれから試してみようと悩んでいる人や、次は何を買おうか迷っている!という人はぜひ参考に、次回の登山でのご褒美を選んではいかがでしょう。
【烏賊塩辛のクリームペンネ】山で海のものを食べるって贅沢
まずは2024年ラストに登場した新作の「烏賊塩辛のクリームペンネ」。
「濃厚で、レストランで出てくるような味わいのパスタです。しかも、山の上で海のものを食べるって贅沢ですよね」と三好さんも太鼓判!ちなみに、三好さんたちはテント泊ありの登山ではお酒を持って行き、マウンテングルメラボの山飯と共に楽しむのが定番。本来は水を運ぶためのプラティパスにお酒を入れて運ぶ「酒ティパス」なる文化が根付いているそうです。
こちらのクリームペンネにはミネラル感のある白ワインやシェリーなどの酸化熟成のニュアンスがあるワインが合うそう。山の上で最高の乾杯をしたいならぜひ選びたい一品です。
【タケノコと柑橘のグリーンカレー】人気のカレーが刷新!より薫り高く
2つめは2025年最初に登場した「タケノコと柑橘のグリーンカレー」。
マウンテングルメラボの商品の中でも人気上位の「ライムと筍のグリーンカレー」がリニューアル!ライムの代わりに山口県の旧田万川町(現萩市)原産の柑橘で、爽やかな香りとまろやかな酸味が特徴の「長門ゆずきち」を使用。
既存品ではライムをエアドライにしていたのを、フリーズドライに変更することで香りを強く残すことにもこだわりました。疲れも吹き飛ぶ新生グリーンカレー、ぜひ試してみてください!
【鶏と舞茸のシェリー煮込み(リゾット仕立て)】一度は食べたいMGLのスペシャリテ!
最後はマウンテングルメラボのスペシャリテ!「鶏と舞茸のシェリー煮込み(リゾット仕立て)」の紹介です。
前述の通り、田嶋シェフがフランスのジュラで食べて以来「あの味が脳にこびりついた」というメニューを再現。シェリー酒を贅沢に使ったソース、しっかりと具材感のわかる鶏肉や舞茸のうまみが口に広がり、ハフハフと夢中で食べ進めてしまう美味は、まさに田嶋シェフの追体験をしているといえるでしょう。
ピンクペッパーのピリッとしたアクセントも心地よく、食べ終えると体がぽかぽかに。冬山でも元気がもらえる逸品です。
使命は「山の食事シーン」を進化させること
2023年の発売以来、「山の食事のシーンを進化させる仕掛けを考えていきたい」と走り続けてきたマウンテングルメラボ。「食べる」という体験や文化に並々ならぬ情熱を注ぐ三好さんは、「今後、食にはコンディショニングも重視する時代が来るのではないかと思う」と語ります。
いわく、「食べるという体験は自分の状態や環境で幸福度が大きく変わる。自分のコンディションをどう“おいしいものをおいしいと認識できるところへ持っていくか”」ということだとか。
三好さんと田嶋シェフの山を最高のレストランにする探求はまだまだ続きます
普段はないような運動で空腹になり、感覚も鋭敏になり、最高の景色を仲間と眺められる山には、その条件を満たす要素がたくさんあるというのも三好さんの見解。
「山という最高のレストランで食べる食事は、味はもちろん食器も大事。実は、機能性はもちろん、テンションも上がるようなクッカーを考えているところです」とニヤリ。マウンテングルメラボという100人100色のレストランは、まだまだ進化中です。