【37CAMP】軽量・シンプル・効率ヨシ!三拍子そろったカスタムギア
フラットバーナー用の五徳やシェルフコンテナ用の各種パーツなど、機能性もデザイン性もアップするカスタムギアがキャンパーを魅了している「37CAMP」。でも、実はオリジナルギアも多数つくっていて、どれも使えば「なるほど…」と思わずうなる逸品ぞろい。そんなギアを生み出すブランドのバックグラウンドを覗いてみました。
キャンパーにとって「共感性の高いオリジナルギア」が続々
37CAMPは、長野県上田市でアウトドアギアをつくっているガレージブランド。とはいえ、もともとは都内で2017年に創業し、事業拡大とともに手狭になってきたため、2021年に移住したのだそう。
キャンプ歴10年ほどの代表・湯川さんは、そと遊びをする中で「自分が欲しい」と思うものを企画・デザイン。キャンプ場やスキー場に近い環境になった現在では、より仕事とアウトドアの境界が薄くなり、身軽に自然の中へ出掛けてはアイデアを持ち帰っています。
めざすは「シンプルで軽く、使い勝手がいい」もの
IGTテーブルとフラットバーナーという定番アイテムが37CAMPのカスタムギアでグッとハンサムなルックスに。「わかってる!」と思わず呟いてしまいます
2017年のスタートアップ以来、みずからのキャンプスタイルと並行するようにさまざまなギアを設計してきた湯川さん。最近は、「シンプル」「軽量」「効率がいい」ことを重視しているのだそう。これはもちろん、開発するギアにも影響しています。
こうした考えは、近年のUL(ウルトラライト)ギアや、一つで複数の役割をするギアの人気を考えても世の中のニーズにしっかり合っていると言えそう。「そうそう、こういうのが欲しかった!」と、かゆい所に手が届くギアたちにファンが多いのも納得です。
ロゴを入れなくても気づいてもらえるような世界観を
37CAMPのギアのもう一つの特徴が、「製品にロゴが入っていない」ということ。
これもやはり湯川さんの「シンプルなものが好き」という考えに基づいており、自分自身「すごくいい製品なのになんでこんなところにロゴを入れてしまったんだろう?」と思うことがあるのだとか。そうした「ちょっと惜しい」をなくすために、個性のあるギアでブランディングを心掛けているそうです。
37CAMPの代表作3選
こういうものが欲しいな、これをつくりたいなと思うと、サッと3D設計ソフトで図面を引いてサンプルをつくるというフットワークの軽い湯川さん。37CAMPのギアは新作発表も早いのですが、実はサンプルまで行かなかったものも含めれば、160アイテムは図面を引いてきたのだそう。
あふれるアイデアの中から使い勝手やコストとのバランスを考えて世に出され、さらにその中でも売り切れ続出の精鋭3商品を紹介します。
【FBパネル】スノーピークの定番人気商品をおしゃれにカスタム!
左からチタン製(ブラスト仕上げ)、つや消し黒(ステンレス製)、ステンレス製(ブラスト仕上げ)。テーブルなどの色合いに合わせて3種類からコーディネートすることができます
スノーピークの定番、フラットバナーのトッププレートの交換用カスタムパーツ。
人気商品だけにおしゃれなレイアウトを楽しんでいる人も多いフラットバーナーですが、「純正だとそこだけが浮いてしまうのでシンプルでかっこいいものを作りたいと思った」と湯川さん。スリットの入ったスタイリッシュなデザインで、一番外側のスリットには純正器具栓ホルダーを差し込むことが可能。マットな色合いもクールです。
※純正の五徳やセンター部分に突起のある五徳は取付けることができません
【フラット五徳】FBパネルとあわせて使えばルックスも機能性もグレードアップ
上記のFBパネルに装着できるフラットバーナー用五徳。その名の通りフラットな形状で、鍋などの調理器具を安定して置くことができます。何より、幾何学模様のデザインもかっこいい!
今でこそフラットバーナー用の五徳も増えましたが、この商品が登場した2021年当時はほとんど見かけられなかったのだそう。こちらも、サイトのなかで浮かないようなものを…と考えたそうで、発売から3年が経った今でも不動の人気です。FBパネルと同じで、チタン、鉄製、ステンレスの3種類を用意。
【フレームテーブル】37CAMPの「エゴが爆発」なオンリーワンギア
ロースタイルに適した組み立て式のIGT規格対応テーブル。分解すると長さ40cm直径10cm程度に収まるため、自転車やバイクでも持ち運ぶことが可能です。
これだけ聞くと、単純に「コンパクトになってIGT規格対応のスタイリッシュなテーブルだな」…と思いますが、開発裏話を聞くと、とことん湯川さんの「こういうものが欲しい!」を具現化したものだとわかります。
シェルコンと連結するとこんなに広々とした天板に!しかも、シェルコンなしで単体でも使えます
「スノーピークのIGTフレームが大きくて重かったので軽くしたい」「ついでにコンパクトにもしたい」「シェルフコンテナにも連結させたい」「どうせなら今までにないような構造にしたい」…。
これらの欲望がギュッと詰まった結果、とんでもなくカスタム幅のあるテーブルになりました。
しかも、軽量化のために全てアルミ削り出しでつくっており、わかる人には「よくこれを製品化しようと思ったね」と言われることもあるとか。
これは間違いなく唯一無二。ロゴなんてなくても絶対に知っている人からは「あっ、37CAMPじゃん!」と言われるテーブルです。
本当は「37」で終わるつもりだったけど…まだまだ続きます
ところで、「37CAMP」の名前の由来、知っていますか?なんと、「最初の製品を作ったのが37歳のときで、37個製品を出したら終了させようと思っていました」とのこと。
でも、かなり早い段階で37アイテムは突破してしまい、「まだまだつくりたいものがあるから続けています」ということなので、ファンもほっと一安心ですね。
実は、取材した2024年2月下旬現在も写真のようなキッチンシステムをつくっているところ。IGT対応サイズのシンクユニットで1ユニットと1.5ユニットの2サイズあり、かなり汎用性があるのだとか。発売は2024の春を予定。またしても「あ、こういうの欲しかった!」と叫びそうなギアが登場する予感です。