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minimumTATAMI

【重澤製畳店】自分色に染められる「ポータブル畳」をキャンプのお供に!

洋式の生活が定着し、時代とともにどんどん減っている「畳」。でも、田舎のおじいちゃんやおばあちゃん家の和室でごろんと寝転がる気持ちよさや、神社仏閣を訪れたときに感じる凛とした雰囲気など、日本人の記憶の底には「畳」が強く息づいています。そんな畳に「好みの柄が選べる」「持ち歩ける」という新しい付加価値を生み出した、重澤製畳店を紹介します。


重澤製畳店 minimum TATAMI

4,000円(税込)


飛騨の奥座敷で三代続く製畳店から、新しい畳文化の提案

畳をつくる重澤さん
白壁土蔵の古い町並みや、色とりどりの鯉が泳ぐ瀬戸川がまるで江戸時代にタイムスリップしたような情緒を漂わせる飛騨古川(岐阜県)。観光の中心地から少し離れた閑静な場所に、昭和24年創業の「重澤製畳店」があります。 その三代目を継ぐ重澤頼正さんとその奥様が、「アウトドアで使える畳」のTATAMITATAMIとminimumTATAMIの開発者。軽くて持ち歩け、水に濡れてもカビないという夢のような畳ですが、その開発には長い時間がかかったと言います。
畳を持ち上げているところ

出典:PIXTA

実際、畳ってかなり重たいしかさばるしで、そのままではとてもアウトドアに持っていけるものではありません。さらに、濡れれば腐敗したりカビたりすることも…。 青空の下に畳を敷いて寝転がったら気持ちいいだろうなあ、とは思っても、実現するのはかなり難易度の高いことなのです。なぜそんなハードルを超えようと思ったのでしょう。

2回言われたのだから、つくるのが使命かも?

TATAMITATAMIでキャンプ
写真はTATAMITATAMI。約一帖分のサイズの畳を折りたたんで持ち歩くことが可能
最初のきっかけは、重澤さんが3代目を継いで2年ほど経ったころのこと。工場に知らないおじいさんが来て、「病院で妻の介護をしているけれど、寝泊まりをするのに簡易ベッドが硬くて眠れない。たたんで持ち運べるような畳はできないですか?」という話があったのだそう。 ただ、その当時は畳を軽くするための材料も、折り曲げるという構造も考えられなかったという重澤さん。このときはできないと伝えたそうなのですが、さらに2年くらいして、今度は友人から「外でハンモックで読書するというシーンに憧れるんだけれど、折り畳んで持ち運べるような畳でできないかな?」と尋ねられたそう。
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重澤頼正さん

「あれ?昔も言われたな…」と思って(笑)。当時はお断りしましたが、また違う形で言われるということは何かご縁があるのか、つくらなくてはいけないのかと思うようになりました。
とはいえ、素材の組み合わせや重さ、強度などを考えるとやはり一筋縄ではいかず、試作を重ねに重ねたそう。構想10年、形になるまでは3年もかかり、ようやく発売できたのは2017年のことでした。 そしていざ商品を出してみたら、世の中にまだそういうものがないからか「すぐ反応が出た!」ということはなく、展示会でバイヤーなどに見てもらってぼちぼちと扱ってもらっていたそう。火が点いてきたと感じるのは、この数年のこと。
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重澤頼正さん

イベントに出て、直接お客さまに見てもらうようになったら、徐々に広まっていった気がします。私の顔を見て、話を聞いて購入してくれるというパターンが多く、やはり作り手が語るというのが大きいんだと思いました。「畳屋がつくっている」というのも付加価値なのかもしれませんね。

アウトドアでガシガシ使える畳で和のくつろぎを

軽くて外で使える「ハイスペック畳」

川でTATAMITATAMIを使っている人
防水でカビないから、川の中でヨガマットみたいに使うことも可能。ちなみに、TATAMITATAMIはボディボードのように水に浮かせて使うことも可能なのだとか。畳を超えた畳です
最初につくったのは、約一帖分(1,845×892mm)の畳を折りたたんで持ち歩ける「TATAMITATAMI」でした。 姿かたちこそ畳に似ていても、素材はまったく違うもの。芯材には軽くて丈夫なパワーボードを使い、下は冷気を防ぎつつボコボコした地面の感触を伝えない素材、真ん中は断熱材、一番上にクッション性のあるものの4層構造です。 さらに、ゴム連結している部分の開閉テストや上からの圧にどこまで耐えられるかなどの強度テストも受け、アウトドアでの使用に耐えられる頑丈さを実現。ちなみに、開閉テストは6,000回、「上からの圧」に関しては、通常は折れるところが、弾力があってしなるため折れることはなかったのだとか。

気付けば妻が端材から「minimumTATAMI」をつくっていた

重澤さんの奥さんとminimumTATAMI
見よう見まねでminimumTATAMIをつくり始めた重澤さんの奥さん。今ではすっかりminimumTATAMI職人!
もう一つの商品である「minimumTATAMI」は、TATAMITATAMIの発売からさらに5年後の、2022年に登場。イベントで、お客さんから「もっと小さくて、引っ掛けて持ち運べるようなものはつくれないか」という声があったのだとか。
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重澤頼正さん

とはいえ、なかなか手が回らない…と思っていたら、TATAMITATAMIをつくる際に出る端材で妻がつくりはじめたんです(笑)。大きいとちょっと派手すぎるなあ…という柄も、minimumTATAMIになるとかわいい!というものが多くて、新しい発見ですね。
実際に販売されてみると、「小さくてかわいい」「畳をこんな風に持ち歩けるなんて面白い」と好評の声が続々。重澤さんのもとに「こうやって使っています」という写真も多く送られてくるそうで、それも大きなモチベーションになっているのだとか。
minimumTATAMIをぶら下げている人
小さくてぶら下げて持ち歩けることで畳の活躍の場がぐんと広がった「minimumTATAMI」。カラビナに提げて登山のお供にしている人も
リュックのアクセントにもなるminimumTATAMI
バックパックの表面に留めれば、和のアクセントをプラスするファッションアイテムに!

638通りのパターンから自分だけのTATAMIがつくれる!

minimumTATAMIのバリエーション
hinataストアのオリジナルデザイン10種類が2024年3月から販売開始!
これら「アウトドアに連れて行ける畳」のもう一つの魅力が、22種類の畳表と29種類の畳縁を組み合わせて638通りものデザインがつくれること。ほぼほかの人とかぶることがなく、自分だけのオリジナルを手に入れることができます。 2024年3月、hinataストアでもバイヤーたちが厳選した組み合わせで10種類の「hinataストアオリジナルminimumTATAMI」を販売開始!「組み合わせに迷ってしまう」という人はぜひこちらでminimumTATAMIデビューをしてはいかがでしょう。

hinataストアオリジナルminimumTATAMIをGET!

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ブラック好きにたまらないチャコール×業平黒
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カラフルだけど自然の中でなじむ色がかわいいボルケーノ×麻の葉イエロー

キャンプサイトという「もう一つの家」にも畳を連れ歩こう

車中泊とTATAMITATAMI
「アウトドア=第二の生活空間だと私は思っています。そこへ畳も一緒に持っていってほしいですね。しかも、自分の好きな柄の畳が持っていけるとなれば、気分も上がるのではないでしょうか。TATAMITATAMIやminimumTATAMIには、“畳で悩む”という楽しみもあるんです」と、重澤さん。 星を見るときに畳を敷いたり、車中泊でクルマの中に和室をつくったり。アウトドアに和のくつろぎを取り入れれば、そとで過ごす時間がいっそう特別なものになりそうです。

重澤製畳店 minimum TATAMI

4,000円(税込)


今週の注目ブランド

hinataストアの旬なブランドを毎週紹介!気になっていたあのブランドのバックグラウンドストーリーやギアへのこだわりを掘り下げます。



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