キャンプ・アウトドア情報メディア | hinata〜もっとそとが好きになる〜
リスッコ・ファミリーキャンプ場のハロウィンキャンプは死者の日

【あのキャンプ場は、今?】オープン半年!いつまでたっても完成しないリスッコ・ファミリーキャンプ場を突撃

2023.11.20キャンプ場

夫婦で山を開拓してキャンプ場を作る様子を赤裸々に綴った連載「パパ、キャンプ場作るってよ。」直近の連載は、2023年7月。もう4カ月も連載がストップしてしまっていますが、「果たして夫婦は、生きているのだろうか。無事、夏を乗り切ったのだろうか…?」。オープンから半年経ったリスッコ・ファミリーキャンプ場の今を取材してみました。

person icon

編集部

こんにちは。連載が滞ってますが、大丈夫ですか?生きていますか?
person icon

パパ

はい、かろうじて…笑
person icon

編集部

夏は、大忙しだったんですか?
person icon

パパ

なんとも言えないところですね…。 子ども連れ専用のキャンプ場なので、普段は学校が休みの土日しかお客さんが入らないのが当たり前でした。 ところが、夏休みは、毎日営業。管理人常駐なので、妻が毎日管理棟に泊まるという新たな挑戦をしました。
リスッコ・ファミリーキャンプ場 夏の様子 カブトムシはもちろん、クワガタは何種類も見られた(写真はミヤマクワガタ)
夏の様子。カブトムシはもちろん、クワガタは何種類も見られた(写真はミヤマクワガタ)
person icon

ママ

そうなんですよ、元々私はピンチヒッターとして常駐する予定だったのですが、息子が「パパがいい」って。なんか、パパって特別感があるんですかね? 娘はまだ2歳なので、最初は「ママがいい!」って泣き叫んでいたらしいのですが、数日で慣れたとか…。こどもの環境適応能力ってすごいですよね^^; 結局、お客さんがいる日は、たとえ1組であっても、私が管理棟に泊まるので、8月で家に帰れたのは7日間もありませんでした。
リスッコ・ファミリーキャンプ場 管理人 丸太運びを手伝う息子さん(連載当初は2歳だったのに、もう5歳に)
丸太運びを手伝う息子さん(連載当初は2歳だったのに、もう5歳に)
person icon

パパ

キャンプ場自体が大変ってよりは、初めての生活スタイルで家が大変でしたw まだITの仕事もしているので、キャンプ場の薪や竹弓、竹筒ご飯の在庫を作って、こどもたちを保育園に送迎して、夕食も作って、お風呂に入れて・・・俺、頑張り過ぎじゃない?www
person icon

ママ

いやいや、その間、私は1人でチェックイン対応や、管理人してるから!
person icon

編集部

まぁまぁ。お二人共大変だったってことで^^; お客さんは毎日たくさん入ってたんですか?
person icon

パパ

今年の夏は猛暑だったので、さすがに毎日満員ってわけには…。 勝浦は、100年以上猛暑日知らずの街としてテレビにも取り上げられる避暑地で、さらにリスッコは林間で木陰が多いので、冷房なしでもギリどうにかキャンプできるって感じでしたね。 勝浦でずっと暮らしてる方も、ここ30年で一番暑かったっておっしゃってましたし。
リスッコ・ファミリーキャンプ場がある勝浦は朝のニュース番組で避暑地として取り上げられた
朝のニュース番組で避暑地として取り上げられた勝浦
person icon

ママ

お客さんの中には、避暑地を盲信して「長袖とか防寒着をいっぱい持ってきました!」って方もいらっしゃいましたが、夜は扇風機があったほうが寝やすいですね。 例年は最低気温が25℃を超える日が数日しかないのが魅力的なのに、連日25℃を超えていて、湿気もあるので、風がないと寝苦しいと思います。 キャンプの避暑地で有名な山梨は、夜は15℃まで下がるけど、日中は山間でも35℃を超えていたそうです。一方勝浦は、夜は25℃前後、日中は30℃前後で、海水浴が楽しめるくらいの気温にはなるというのが特徴です。 逆に、7月の海の日はまだ寒くて、海水浴できなかったって方もいらっしゃったんですけどね。
▲リスッコ・ファミリーキャンプ場の夏の模様。木々や木陰の多さがうかがえる。
リスッコ・ファミリーキャンプ場の夏の模様。木々や木陰の多さがうかがえる。
person icon

編集部

今年はとにかく暑かったですもんね…。 最近は一気に寒くなってきましたが、どうですか?
person icon

パパ

やっと秋キャンプらしい気候になってきましたよね。 リスッコは林間なので、木漏れ日が気持ち良い季節になりました! ハロウィンイベントをやったり、オリエンテーリング・ゲームなどを始めたこともあってか、比較的お客さんが増えてきました。
person icon

編集部

イベントやゲームを始めたんですね!
person icon

パパ

はい。ハロウィンイベントは、メキシコの「死者の日」をテーマにしました。 映画「リメンバー・ミー」に出てきたマリーゴールドの橋を再現したり、フォトスポットになる祭壇を作ったり。
リスッコ・ファミリーキャンプ場のハロウィン 死者の日のフォトスポットから撮れる写真。
完成したフォトスポットから撮れる写真。
person icon

ママ

突然「来てもらうキッカケを作るのにイベントが必要だ!予算◯万円で、いい感じにして!」って言い出して。 以前、私が季節のイベントをやりたいって言ったときは、そんな時間も手間も予算も割けないって即却下したくせに、丸投げですよw イベントは、骸骨を塗り絵して、自分だけのオリジナル仮面を作ってフォトスポットで写真を撮ろうって。 みんな集中して真剣に作って見せに来てくれたり、オリジナリティを発揮しようと、いろんな工夫をしてくれていて、見ていて楽しいです❤
リスッコ・ファミリーキャンプ場 ハロウィンキャンプの死者の日のイベント参加者
実際に参加してくれたこどもたち
person icon

編集部

こんなハロウィンは、見たことないですね。 ゲームはどんなものですか?
person icon

パパ

キャンプ場内で、隠れミッキ◯ならぬ、隠れリスを探してもらうものや、地図を頼りに謎解きをするようなものです。 ゲームをクリアするとレアガチャ、クリアできなくてもノーマルガチャができて、ガチャの中身はリスッコ・オリジナル缶バッジになっています。
リスッコ・ファミリーキャンプ場のオリエンテーリング・ゲーム
ゲームの一部
person icon

ママ

このゲームの内容も丸投げされましたwww せっかく林間キャンプ場に来てもらったので、山を探検できるように、未開拓の探検エリアを残したんですが、意外と皆さん探検しない。 まぁ、最近のキャンプ場はかなり整備されているところが多いので、整備されてない=入るべきところではないって感覚が普通なのかもしれません。 ただ「こどもが裏山を駆け回るような体験ができるように」と思って作ったキャンプ場なので、なんとかして探検させたい←w そこで「リスの小道」というトレッキングコースを作ったのですが、滞在時間が想定より短すぎた^^; 何か目的がないと、すぐに帰ってきてしまうのでは?と思い、何かを探し、その中で、植生や虫など違う何かを発見してくれたらいいな~って、オリエンテーリングゲームに落ち着きました。
リスッコ・ファミリーキャンプ場 裏山探検の様子
想定していた裏山探検。これはキャンパーには難易度が高そう。
person icon

パパ

実際に開始すぐから、大人気アクティビティになりましたね。
person icon

編集部

そうなんですね。では、キャンプ場としては結構順調そうな印象ですね?
person icon

パパ

どうなんでしょうねw 当初の事業計画からすると、全然ですが。
person icon

ママ

それは、事業計画が無謀すぎたんだって!! 実際に集客を担当しているのが私だと言うことは抜きにしても、そこそこ上手くいってるほうだと思います。 コロナ禍の空前のキャンプブームが落ち着いてからオープンし、なっぷにも掲載していないので、基本的にホームページやインスタ、Google Mapsしか露出がありません。 それでも、連休は基本的に満員、週末もサイトの3分の2が埋まってきたところです。 これから冬になっちゃうので、また予約は減ってきちゃうと思いますが、オープン半年で、既に何百組もリスッコに来ていただいてるって、ちょっと信じられない←w
ちなみに、月ごとの集客の所感はこんな感じ↓ リスッコ、オープンからの軌跡
5月オープンと同時にGWは連日満員で大喜び
6月梅雨でふるわず…
7月いよいよ夏❣ と思いきや、なかなか回復せず…
8月暑すぎて思ったよりも…
9月残暑がキツイ
10月ハロウィンイベントもあってか、やっと秋キャンプでお客さんが増えてきたところ
person icon

編集部

やっぱり、気候や天候には左右されますね…
person icon

ママ

そうですね、今年は台風が少なくてコレだったんでね…。 毎週末満員にするのが、直近の目標ですね。 埋まるようになったら、少しサイトを増やす計画もあります。 また、冬は、電源サイトをオープンできるように電線埋設工事の真っ只中だったり、クリスマスはイベントを開催する予定です。
リスッコ・ファミリーキャンプ場 電線の埋設工事も夫婦で。木々を避けながら手作業で掘り、運んでいる電線も長いため重いらしい。
電線の埋設工事も夫婦で。木々を避けながら手作業で掘り、運んでいる電線も長いため重いらしい
person icon

パパ

イベントは、結構好評だったんで! 来てくれたお客さん、というかこどもの満足度が圧倒的に上がるのと、一度リスッコに来てリピートしたいと思ってくれた方の再訪するキッカケになっているかと思います。
リスッコ・ファミリーキャンプ場のクリスマスデコレーション。イベントは、枝を使った雪だるまのクラフトやイルミネーション点灯式を開催予定。
クリスマスデコレーション。イベントは、枝を使った雪だるまのクラフトやイルミネーション点灯式を開催予定
person icon

ママ

ありがたいことに、Google Mapsのクチコミなどで「また来たい!」と言ってくださる方が多いのですが、人によってリピートの間隔やキャンプスタイルが違うので、なかなか難しいところです。 毎月キャンプに行っていても、いろんなところに行きたいタイプの方は、年に1回来てくれれば良い方だったり、年に数回しかキャンプしない方も大勢いらっしゃいます。 一方で、夏に何回も来てくださる方や、毎シーズン定期的に来てくださる方、半年ですでに5泊もしてくださっている方など。
person icon

パパ

ただ、基本的なサイクルは1年なので、来年・再来年に来てもらうことを想定して、新規のお客さんへの認知をあげなきゃって感じですね。
person icon

ママ

うちは、ぶっちゃけ、パパのITの仕事があるので家族4人で生活できてますが、キャンプ場一本だったら、正直キツイ。 なので、脱サラしてキャンプ場作るとか、マジで勧めません!!怖すぎる^^; 趣味の延長とかだったらいいんですけどね…キャンプ場一本で食っていくなら、運転資金は3年分用意しておきたいところ。
person icon

パパ

あとは、突発的な工事で、急遽資金が必要になることも。 夏のお客さんの要望を踏まえて、仮設シャワーを作ったのですが、除菌した湧き水を使っていたので、日照りで水不足になっちゃって。 急遽、利用中止にしたり、逆に豪雨で再開できたり。 こんなことなら、最初から水道を引いておけばよかった…
リスッコ・ファミリーキャンプ場の思い立ってから14日間で完成させた仮設シャワー
思い立ってから14日間で完成させた仮設シャワー
person icon

ママ

いやいや、当時は、水道工事の費用が足りなくて、湧き水が渡りに船だったでしょ! ちゃんと記事にもしてあるから、第11回を読んで!思い出しなさい!!w ただね、安定して水が得られる上水道というインフラの価値を思い知ったよねwww 水道ひねれば水が出るって、ホントすごいんだから!!w
(※ちなみに、この時点では埋めた井戸だと思っていたのは、昔の炭焼小屋だと言うことが先日発覚しました。)
person icon

編集部

まだまだ、いろいろ開拓されているのですね。
person icon

パパ

やりたいことは尽きませんね。 購入した4,000坪のうち、すでに開拓したのは2,000坪ちょっとで、裏山はまだほぼ手をつけていません。 傾斜があるので、サイトにはせずに、地形を生かしたツリーアドベンチャーを作りたいと思っています。 僕が樹上伐採で地上20mくらいまで木に登ると、目下に鳥目線での山が広がっていて、地上や上空から見るのとはまた別の世界なので、こどもたちにも見てほしいという思いがあります。 許認可の関係で、数年後にはなると思いますが…
リスッコ・ファミリーキャンプ場の裏山 ▲木に登ればワンチャン海が見えるかも!?
▲木に登ればワンチャン海が見えるかも!?
person icon

ママ

他には、管理棟の横にウッドデッキとファイヤーサークルを作って、コミュニティスペースを作りたい。 オリエンテーリング・ゲームも増やしたいし、要望があればキャビンも作るかもしれない。 今も、日々何かしらアップデートしているので、毎回来るたびに新たな驚きがあって楽しいと言ってくれているリピーターさんもいます🥰
person icon

編集部

これからの進化が楽しみですね!
person icon

パパ

それは、プレッシャーかけてます?w
person icon

ママ

お客さんの中には「気に入りすぎて、秘密にしたい」「予約がとれないキャンプ場になっちゃいそうで心配」と言ってくださる方が結構いらっしゃいます。 我々としては、今すぐにでも人気キャンプ場になってほしいくらいですが^^;、人気が出てもリピーターさんは予約がとりやすいように工夫をしたり、良いところは変えずに、守っていきたいと思っています。 そうやっていけば、数年後には人気ファミリーキャンプ場の仲間入りも夢じゃないんじゃないか?って夢見ています←www 是非みなさん、人気になる前のリスッコのBEFOREも見に来てください!!
リスっこファミリーキャンプ場
Googleのクチコミは4.9。半年で、90件のクチコミがついていることからも、満足度の高さがうかがえる。
person icon

パパ

それは、コミットと受け取って差し支えない?w

パパ、キャンプ場作るってよ。

森永ファミリーのキャンプ場作り体験記「パパ、キャンプ場作るってよ。」。千葉県勝浦市に、赤ちゃんでも安心して楽しめる「リスッコファミリーキャンプ場」を作るまでのドタバタ劇を、完全ノンフィクションで赤裸々に連載します。


特集・連載


あわせて読みたい記事