【パパ、キャンプ場作るってよ。】第11回「建設計画 インフラ編」水を求めて三千里…
赤ちゃんでも安心して楽しめる「リスッコ・ファミリーキャンプ場」を千葉県勝浦市に作るまでのドタバタ劇を、完全ノンフィクションで赤裸々に連載する「パパ、キャンプ場作るってよ。」。 第11回は「建設計画 インフラ編」。キャンプ場で工事予定のインフラは、電気、上水、下水、ガス。ところが、工事費が高くて、上水をどうにか調達せねば!井戸の調査に始まり、謎の池、水質検査…。行き詰まったり、転がったり、嘘のようなホントの話。
森永ファミリーのインフラ事情
前回、第10回でやっと建設計画が完了したかと思いきや、泣きのもう一回で「インフラ編」って(;^ω^)
これでホントのホントに、最後です!
建設計画の中では、しれーっと決まっていたインフラ工事に関して、前回見積もりの中でさらーっと書いてしまいましたが、キャンプ場を作る上で、最も重要な要素と言っても過言ではありません。
今回は、水を中心に、改めてインフラについて解説します。
実は、キャンプ場って本当は作るのが結構簡単で、インフラを整えて、小屋を建てれば終わりなところがあります。
我々が苦労しているのは、「ファミリー」の使い勝手にこだわって、市街地の近くの都市計画区域内(建築許可が必要)に、子ども連れが使いやすい広い施設を作ろうとしているからで…(;´∀`)
設備は必要最小限でいいと思えば、インフラさえひいてしまえば、後は自分で小屋を建てればいいんです(都市計画区域外であれば;区域内では建築確認申請を行わないと違法建築です)。
まず、キャンプ場を作る際に必須なインフラは、以下の3つです。
- 電気
- 上水道(水道水など、飲用に適した水を供給する水道)
- 下水道(生活排水などの汚水を処理する施設全般)
管理棟やトイレ、炊事場を作る際にないと、必ず困ります。
それにプラスして、お湯を使う場合は、
- ガス
も必要になります。
一般的なキャンプ場では、電気をひき、上水は井戸水を利用、下水は浄化槽を埋めているところがほとんどです。
ここで言う一般的なキャンプ場とは、高規格な設備ではなく、比較的山奥にあったり、オーナーが自由に作っているようなキャンプ場です。
電気は、最寄りの電柱が遠いと、そこから電線を延長しなければならず、キャンプ場に住まない場合は、自分で電柱を立てる必要があったり、電力会社と揉めることもあるとかないとか?^^;
上水は、最寄りの水道管がないような山の中だと、井戸以外の選択肢はないですね^^;
下水は、下水道をひけるようなところにキャンプ場は無いので、自動的に浄化槽を設置することになります。ちなみに昔は炊事場等の水は敷地内に浸透させたり、側溝にながしたりで処理できましたが、現在は法律で全て浄化槽に入れる必要があります。
さて、我々は、電気をひき、上水は湧き水を利用、下水は浄化槽を埋め、ガスはガス給湯器を設置します。
電気は、キャンプ場の接道に電柱が立っているので、そこから引き込みます。
上水は、後ほど詳しく説明します。
下水は、もちろん法律に従います:(;゙゚'ω゚'):
ガスは、冬季営業する上で、かなり重要な設備です。冬場屋外で洗い物をする際に、お湯が出るか出ないかは、キャンプ場を選ぶ際の決め手になる可能性もあるからです。
というか、哺乳瓶はミルクの油分があるのでお湯が無いと洗うのが大変。。。
給湯器には、灯油給湯器とガス給湯器があり、灯油にする予定でしたが、ガスに変更しました。
当初はランニングコストが安く、ガス給湯器と違って設置に資格が要らないため工事費も安く済ませられそうだ!ということで、灯油で考えていました。
ただ、見積もりを出してもらうと、設置工事が思ったより安価で、灯油の場合は何十リットルもの灯油のタンクの置き場を考えなければならなかったり、その灯油を補充するために、ガソリンスタンドへ頻繁に通う手間を考慮し、灯油給湯器をやめました。
結果、ランニングコストこそ高いですが(プロパンなので都市ガスの約2倍)、ガス缶を業者が宅配してくれるので、手間もかかりません。
我が家では灯油ストーブを使っていますが、冬は灯油がなくならないか、心配で、心配で。
その心配をキャンプ場でもしなくて済むだけで、よかったのではないでしょうか。
まぁ、光熱費は蓋を開けてみないと、わからないので…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
発覚!上水調達問題
さて、ここから上水の紆余曲折ストーリーの始まりです(;^ω^)
前回の工事費の見積もりを削っていく中で、水道工事の見積もりも仕分けの対象になり、突如、上水調達問題が勃発。
というのも、もともとは、上水道をひく予定でした。
選択肢としては、井戸水もありましたが、井戸は掘ってみないと、水が出るかわからないという博打^^;
周囲の民家には使える井戸があるので、出ることは出ると予想できますが、どれだけの深さまで掘ればいいかはわかりません。
更には、山の高さの分も掘る必要があり、掘れば掘るほど、工事費がかさみ、結局水道工事よりも高くなりそうなので、没。
一方で、上水道をひくと、キャンプ場を運営していく限り、毎月水道料金はかかってしまいます。
しかし、赤ちゃんもウェルカムなキャンプ場をうたっている以上は、全ての蛇口から安心して飲める水が出てくることが重要だと考えました。
また、キャンプ場の立地が都市部で、近隣に住宅があるため、既存の水道管が比較的近く、そこから延長するので、そこまで長くひかなくてもいいはずという見込みも要因の一つでした。
ところが、その工事費も、やっぱり金額はそれなり。
延長するために道路を掘り返すことになるのですが、既に敷かれたアスファルトを掘り返して埋め直す作業は、なかなかな金額。
じゃあ、道路をほとんど掘らないルートで!と思ったら、水道メーターの設置場所がNGとのことで、やっぱり道路を掘るしかないみたい…
さて、水、どうしよう…
裏の浄水場、水くれないかな?(;^ω^)
実は、敷地の裏側に今は使われていない浄水場があって、定期的に職員が水を流しているのが聞こえるんです。
その大量の水音を聞くと、ちょっとくらいくれないかな?とか思っちゃいます(*ノω・*)テヘ
ただ、溜め池があるわけでもなく、川もそこまで近いわけではないので、何か水脈があるはず…
そこで、土地を知り尽くしたパパが、ふと思い出す。
枯れ井戸があった!!!!…はず。
しかも、ちょうど浄水場の裏。
これは、水の匂いがする!←笑
ということで、枯れ井戸の調査スタートです!!
調査!枯れ井戸
ママは、ただのゴミ捨て場くらいにしか思っていませんでしたが、たしかに井戸でした!
そして、思っていたよりも5倍くらい大きい!!
しかも、井戸の周りだけ植生が少し違い、コケやシダっぽい植物が生えていて、水の気配…(゚∀゚)
横穴があったり、水量を調整するような仕組みもあって、ちゃんと使われていた感じがします。
これは、ワンチャン、まだ枯れていなくて、水が出るのではなかろうか!と高まる期待!!((o(´∀`)o))ワクワク
ところが、残念。
枯れ井戸ではなく、埋めた井戸でした。
一度埋めてしまった井戸は、再度掘るのは危険で、費用がとてもかかります。
これでは本末転倒なので、井戸調査はあっけなく終了。
後日わかった話ですが、一昔前に、農業用水として使われていた井戸だったようです。埋められたのもだいぶ前で、実際に立ち会った人はご存命ではないレベルだそうな…(゚д゚)!
何の池?
さて、水調達問題は、一瞬で振り出しに戻りました(;^ω^)
そんな中、土地の売主でもあり、キャンプ場の裏の集落に住んでいるお隣さんたちにご挨拶に伺うことに。
手土産を片手に、現状の報告などをしていると、ふと水の話に。
ご自身の土地だったにも関わらず、枯れ井戸の存在自体ご存知ないとのこと(;´∀`)
山の所有者が急逝されると、山の詳細が不明のまま書類上で相続されることも多いようです。
実は、我々の山には、小さな池のようなものが敷地の端っこの浄水場の裏にあり、ダメ元で、あの池は何か聞いてみましたが、明確な回答は得られず。
そこにたまたま同席していた地元の人が、唐突に「あの池の水は、N川アイランドのコーヒーで使われてたんだよ」
え、、、はい!?(゜∀。)
想定と違いすぎて、頭がまったくついていきません。
池は、車道沿いにあり、周囲に草が生い茂って鬱蒼としているので見づらく、場所的に防火水槽かな?と。
▲山の裏の崖の下の池(崖から水面までの長さを図るパパ)
しかも、魚が泳いでいたり、ザリガニもいたので、雨水が溜まっているだけのドブのような汚い水なんだろうくらいにしか思っていませんでした。
それが、まさかの湧き水で、飲用可能!?
N川アイランドとは、かつて勝浦市にあったレジャー施設です。そこで売られていたコーヒーに使われていたということは、ある程度の水質と水量が担保されているということ!?
これは、使えるかもしれない!と逸る気持ちを抑える必要もなくw、すぐさま設計事務所の所長に伝えたら、周囲に聞き取り調査をしてくれました。
昔、山を横向きに掘り進めたら湧き水が出て、農業用水として使われていたそうです。
水利権を主張する人もいないため、キャンプ場で使って良いとのこと。
ママは後から知りましたが、土地の所有権と水の所有権は違うそうで…。
現在は誰も使っていないとのことで、すんなりOKが出ました。
突然権利を主張されるような近隣の方もおらず、本当に良い方ばかりの集落だなって(´;ω;`)
あとは、水質です。
いざ水質検査!
善は急げ!
いざ、検査キットを取り寄せました。
採水して、検査機関に送ると、後日結果を知らせてくれるサービスです。
ところが、採水方法に頭を抱えるパパ。
なるべく水が湧いているところに近い綺麗な水をとりたいのですが、それがどこかわからない。
ひとまず、雨水などで撹拌される水面よりも、底の方が綺麗だろう。
しかし、水深は1.5mくらい…え、潜るの?って思ったのは元ダイバーのママだけでした('∀`)アハハ
パパが工夫を凝らしてできあがった装置がこちら▼
水底まで到達させたホースを灯油ポンプにつなぐことで、採水に成功しました!
どうですか?この透明感!▼
0.5リットルの瓶に入れても、奥の紙の文字がくっきりと見えます(≧▽≦)▼
今までは、水が濁っているものと思い込んでいましたが、よくよく見ると、水が透明で、底の地面の色が見えていたということがわかりました!
そして、釣ってみたザリガニがこちら▼
コンビニで買ったあたりめを紐に結びつけて池に垂らそうとするやいなや、ザリガニがくっついて来てしまい、パニクるママ(∀`*ゞ)エヘヘ
餌のあたりめに関係なく、ハサミで紐を挟んでしまったようで、お互いビックリ!
長丁場になると思い、事前に準備をしておいて、途中から紐を息子に渡して、釣り上げる瞬間をやらせてあげようと思ったのに…
ザリガニは一度味わった恐怖が忘れられないようで、この後もう一度釣られてはくれませんでした(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
けれど、カニや、白い魚(おそらく金魚がフナ化したもの)を見られて、満足の息子に一安心(*˘︶˘*).。.:*♡
生き物が暮らしているので、飲めないかなぁとは思いつつも、あまりの透明度に喜び、検査の結果を待つことなく、次の準備が始まります。
着々と準備…
準備って、草刈りかよ!って感じですが、大事です。
池の周りは、1.5mくらいのフェンスで囲まれているので、大人でも水面にアプローチすることができません。
実際に水が使えるとなれば、池に蓋を付けたり、水を引き上げるポンプを設置する必要があるので、フェンスを取り外すのか、取り外さなくてもアプローチできる場所があるのか、実態を明確にしなければなりません。
ひとまず、池の周りに茂り散らかした竹を刈りまくって、道を作ります。
車道側から見ると竹藪ですが、実は、中には道ができています。
この後も、ひたすら刈り進めて、全長10mを超える道が。
そして、ついに、水面にアプローチできそうな場所を開拓しました!
地味な作業ですが、狭い場所なので草刈り機も使えず、鎌一本2人交代制で、丸一日の大仕事です。
ここから、どうにかして、水面に蓋をつけるそうです…ママは未だに想像ができませんが(・ัω・ั)
検査結果、オープン!
待ちに待った検査結果が判明する日…
ママはてっきり、ネットでアクセスすれば、瞬時に結果が見られるものと思っていましたが、結果、郵送でした(゚ω゚)チーン
一方、パパはメールにPDFが添付されてくるものと思っていたので、パソコンでもスマホでも来ないメールを待ちぼうけヘ(゚∀゚ヘ)
結局、電話で問い合わせて郵送だということを知り、土日を挟んで、郵便が届いたのが翌週だったので、悶々としながら気が気じゃない週末を過ごした夫婦でしたꉂꉂ(థꈊథ)੭ु⁾⁾
結果は、簡単に言うと、総じてOK!!
一般細菌と大腸菌は発見されましたが、これは井戸水などと変わらず、滅菌すれば飲用可能とのことです。
大腸菌は、絶対にあの魚のフンのせいなので、ママは「あいつ~」と思いました( ̄∇ ̄)エヘヘ
今回は、1.5万円くらいの1番安価で、検査項目が1番少ないテストを行い、必要十分でした。
けれど、せっかく項目がズラーっと並んでいると、検査していない項目の結果が気になって仕方なく、もっと高い検査やっておけばよかったなーと後悔するパパなのでした(´∀`*)ウフ
ちなみに、ママは全然気持ちがわかりません(゜∀。)
え、そんな細かい検査いる?いらんやろ?なんで?水道局じゃないんだから!って突っ込んでます(;^ω^)
最終テストだん
そこで、次のテストは、鉄分の検査です。
鉄分が入っていると、管や機械など全てが錆びてしまうからです。
これは、井戸水検査セットとして販売されているので、自分で簡単に調べることができます。
▲朝早く届いたセットで早速テストしようとテンションが上がる寝起きのパパ
▲試薬の入ったチューブに水を吸わせると、含有量が色でわかるという説明
▲1人で水を汲みに行ったパパから送られてきた検査結果…
わかるかい!(;^ω^)
pH、鉄、硬度、COD、亜硝酸の5つを検査し、結果的に、何も問題なかったようです!
▲注目の鉄は、0.05mg以下!ワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
▲CODとは水の汚れの度合いを示す指標で、高いと汚い…ギリOK!!
▲亜硝酸とは下水などの混入で、0.02mg以下ε-(´∀`*)ホッ
持ち帰ってきたチューブは、もちろん息子のおもちゃに^^;
そんなこんなで、水調達問題は、湧き水の発見によって、事なきを得たのでした。
未だに、ママは、どうやって池に蓋をつけるのか、どうやって山まで汲み上げるのか全然想像できていませんが、リアルタイムでは、パパがポンプやタンクを購入し、次々と山に届いております…どうなることやら┐(´∀`)┌
▲あまりの重さに、人力で山の頂上まで運べるのか心配な受水槽^^;