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アウトドアおやじの秘密基地づくりvol.1

【0から始める山小屋DIY】建てる場所と小屋のコンセプトを決めよう

2023.12.12ノウハウ

新連載【アウトドアおやじの秘密基地づくり】がスタート!この連載では、おやじライター丹羽孝之が念願の山小屋をフルDIYで仕上げていく過程をお届け。25年前に購入した長野県大町市の土地が、ついに有効活用されるタイミングがやってきました!

憧れの「山小屋セルフビルド」がついにスタート

登山やバイクツーリングでのテント泊を入り口に、キャンプ歴は40年ほどになる筆者。ファミリーキャンプや夫婦キャンプを経て、現在はもっぱらソロキャンプに勤しむ、自他ともに認める「アウトドアおやじ」です。 そんなアウトドアおやじの永年の夢だった「山小屋のセルフビルド」。この連載では、土地選定のポイント、小屋のコンセプト、設計、建築上のさまざまなハードルなど、2022年6月からスタートした小屋建築作業をまとめていきます。 2023年12月初旬現在、すでに私の山小屋「大町ベース」の建築状況は、仕上げ段階まで来ています。ですので、この連載は完成までちゃんと続きます。ご安心ください。 実は、この土地の購入からはすでに25年が経っています。当初は購入してすぐに動き出す予定だったのですが、計画通りにコトは運ばず今に至ったわけです。自宅のウッドデッキなどのDIY経験しかないおやじが、どのように山小屋を完成させられたのか。 さっそく、vol.1がスタートです。
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アウトドアおやじ/ライター

丹羽孝之(にわ たかし)

キャンプ歴40年。登山(クライミング、沢登り、縦走)、ヒマラヤ山域や北インドでのトレッキングとバイクツーリングなどなど、アウトドア全般を愛する。 年間のキャンプ泊数は約20泊。2021年はバイクでの北海道一周と九州一周のソロキャンプツーリングに繰り出し、50泊を達成。

土地選定には落とし穴がいっぱい

松林
都会に住んでいると、郊外の広い土地に憧れますよね。都内の地価と比べると驚くほど安価な場合もあり、つい購入してみたくなる気持ちもわかります…。でも、ちょっと待った! 地主には所有する土地の管理責任が課されます。都会での疲れを癒しに行くはずなのに、雑草が道路にはみ出しそうになったせいで、朝から晩まで草刈りをするハメになりかねません。山小屋の候補地となるような場所の利用はせいぜい月に一度か二度。夏ならあっという間に草が茂ってしまいます。 土地の購入については考えなければならないことが山ほどあります。さっそく選び方についてレポートしていきましょう。

格安物件には何かしらの理由がある

山小屋

出典:PIXTA

新型コロナウイルスによって地方に目が向けられたこともあり、山林購入ブームが続いています。場所によっては1,000平方メートル(サッカーフィールドの半分ほど)で数十万円という、破格の金額であることも理由の一つです。 しかし、値段が安いのは需要がないからだけでなく「その金額でも良いから手放したい」と考える地主さんもいるということ。広大な山林の管理責任の負担が大きく、タダでも良いから手放したいという人も多いのです。 土地が地域の生活道路に面していた場合に、自分の土地に生えていた木が台風で倒れて道を塞いでしまったら、土地の持ち主が早急に対処しなければなりません。倒木で集落の電線を切ってしまったら、そりゃもう大騒ぎです…。

土地の「地目」を役所に確認すべし!

土地選び
土地の地目(種類)の確認は超重要!
日本の国土は全て、分類や目的を示す「地目」が定められています。住宅を建てるための宅地や、農業のための農地などです。不動産屋さんの言葉を鵜呑みにしないで、自分で市役所などに土地の地目を確認するようにしましょう。確認せずに土地を買ってしまい、「結局何も建てられない」という事態はなんとしても避けるべきです。 本題に入る前に難しい話になってしまいましたが、地域とのお付き合いや管理コスト、景観保護ルールも大事なポイント。そういう話は皆さんあまり口にはしませんので、私からあらかじめお伝えしておきます…。 まとめると、土地の購入には事前調査と勉強が必要だということです。さて、それではおまちかね。山小屋のコンセプト設定に入っていきましょう!

山小屋のコンセプトを考えよう

懸念事項がクリアできたらさっそくコンセプトを考えましょう。

おやじの小屋は「遊び最優先」がコンセプト

小屋の設計図
筆者が実際につくった設計図。建屋の中の配置をどのようにするか、あらかじめ設定しておきましょう
筆者が最も優先したのは「自分のスタイルに合った利便性」です。趣味のアウトドア・アクティビティーやDIY作業のしやすさを最優先として、居住性は二の次。完成してすぐは来客も多いかもしれないですが、やはり一番長い時間を過ごすのは自分自身ですからね。 さらに、土地環境、通年利用するのかどうか、近年の積雪傾向、予算、工期、耐用年数など多角的に検討しましょう。それが終われば、いよいよストーブの場所や天井の高さなど、具体的な設計に落とし込んでいきます。
オヤジの小屋
小屋の中には小上がりもつくりました
自分がどういう使い道にしたいのか。住宅のような内装にしたいのか、土間にしたいのか。冬も使える断熱仕様にするのか。時には思い切った割り切りも必要です。筆者の小屋は断熱材無しの仕様です。キッパリ! 小屋への出入りが多いので土間仕様としています。靴を脱いだり履いたりは面倒だし、雨で濡れても気兼ねなく小屋に出入りできるのです。さらに、くつろぎ用に小上がりをつくり、就寝スペースとしては小さなロフトを。蚊帳代わりに現役引退したテントのインナーテントを活用しています。

キット購入とDIY、どちらがお得?

丸ノコ作業
材木から加工するのか、加工済みキットにするのかで工期とコストは大きく変動します
自分のコンセプトに沿って山小屋を建築する上で、まず一つ目の分岐点が、キットを使うか、全てDIYでこなすかというポイントです。 キットは建築する土地によってさまざまな追加仕様や部材変更が必要になります。積雪地に対応できる屋根仕様に変更したりすると一気に価格も跳ね上がります。これらを試算してみて最終判断すると良いと思います。 また、キットを購入する場合、材料は小屋一軒分がまとめて搬入されます。人の動線を考えておかないと、作業が始まってから泣きをみることに…。木材は雨に濡れるとカビてしまうこともあるので、気をつけたいポイントです。筆者の小屋はキットではないので、作業の進捗に合わせて都度材木をホームセンターに買いに行っていました。
小屋の骨格
ここで気をつけたいのが、屋根材や釘などはキットに含まれないのが一般的ということ。屋根材とは、塩化ビニールやポリカーボネートなどの波板や、アスファルトシングル、ガルバリウム鋼板、瓦などのこと。どの素材を選ぶかによって、原価は大きく左右されます。 屋根材の見積もりを甘くみていると痛い目にあいますよ!ほかならぬ、筆者もその一人。積雪による雪落ちや強度を考え、屋根材を波板からガルバリウム鋼板に変更したり、新型コロナウイルスの影響による金属部材の価格高騰があったりなど、金額が膨れ上がりました…。
小屋のロフト
ロフトにはインナーテントを張り、夏も蚊を気にせず快眠できるようにしています
電気については、電線の引き込み、太陽光発電、発電機などを検討することになります。小屋の建築作業って楽しいけどかなり過酷なんです。引き込み前に工事を始めると、充電や照明など電力調達がかなりストレスに感じてきます。電力に関してはコスト比較して悩み抜いた結果、おやじの選択は電力会社からの電気引き込みにしました。 また、積雪地なので水道の凍結なども考慮し、小屋内に水廻り設備はありません。山小屋の生活様式に慣れているので、筆者的にはさほど不自由は感じないのも理由の一つ。トイレは仮設トイレをレンタルしています。

土地と工法が決まったら、作業場を準備しよう

物置
ずっと作業をできるわけではないので、まずは工具などを収納しておける物置を設置。もちろん、小屋が完成した後も備品庫として活躍します
すぐにでも作業に取りかかりたいところですが、まずは作業環境を整えるところからスタートしましょう。 工具は、丸鋸やインパクトドライバー、ドリル、定規類、水平器、脚立などが必須です。これらは小屋が完成した後もメンテナンスで使う場面が多いので、そろえておくと良いでしょう。そして、工具を保管する物置も必須。工具は盗難されることもあるので、保管には注意が必要なのです。

基礎工事がスタート!次々とハードルが立ちはだかる…

vol.1となる今回は、小屋を建てる上で知っておきたいけど誰も教えてくれない、リアルな情報をお伝えしました。セルフビルドを検討している方にはぜひ参考にしてください。 土地の整地の様子は筆者のYouTubeチャンネル「アウトドアなちゃんねる」でも公開していますので、興味のある方はチェックしてみてください。次回は基礎工事から小屋の建築スタートまでを紹介していきます。どうぞお楽しみに!

アウトドアおやじの秘密基地づくり

おやじライター丹羽孝之が念願の山小屋をフルDIYで仕上げていく過程をお届け。25年前に購入した長野県大町市の土地に、遊びの拠点をつくっていきます。



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