電気湯たんぽには蓄熱式と充電式の2種類があります。どちらも熱源が電気であることは共通していますが、使い勝手や温かさの持続時間などいくつか異なる点があります。
蓄熱式は使用前に10〜15分程度蓄熱した後、コードレスで使えることが特徴。1回の蓄熱で4〜8時間と長く使えるため、夜布団の中にあんかとして入れたり、仕事や勉強中に膝に乗せたりして使うことに適しています。
充電式はその名の通り、給電をしながら使う電気湯たんぽです。基本的には電源につないだまま使うため、温かさが変化しないことが魅力。充電してコードレスで使えるものもありますが、その場合は蓄熱式よりも持続時間がやや劣ります。また、コードがあるため、使う場所を選ぶ点もデメリットです。
普通の湯たんぽでは使用する前にお湯を入れる手間がありました。仕事や学校で疲れて帰ってきて、わざわざお湯を沸かすのは面倒だと感じる人も多いはず。その点、電気湯たんぽなら、湯沸かしやお湯を入れ替える手間がなく、すぐに使えます。
さらに、低温やけどの危険性が低いのも電気湯たんぽのメリットのひとつです。普通の湯たんぽは温度の調整ができないので、知らず知らずのうちに低温やけどを負っていたなんてことも…。電気湯たんぽの中には、ある一定の温度に達すると自動で電源がオフになる安全装置付きの製品があり、安全性が高いことも特徴です。
また、蓄熱式の電気湯たんぽは10〜15分程度で充電できるため、寝る前に歯を磨いたり、少しスマホを見たりしているうちにあっという間に充電できます。
このように、電気湯たんぽは、手間と危険性が少なく、扱いやすい点が最大の魅力です。
【湯たんぽの種類と特徴】
電気湯たんぽは、電気の供給ができない場所では使えません。オフィスやキャンプなど屋外で使う場合は使い方に計画性が必要です。屋外で使う場合は、モバイルバッテリーが使えるUSBタイプの湯たんぽを選ぶと充電切れを防げます。
また、普通の湯たんぽと違い、電化製品なので故障がつきものです。傾けたまま充電してしまったり、カバーを付けたまま充電したりと故障の原因はさまざまなので、事前に正しい使い方をチェックしておきましょう。
さらに、普通の湯たんぽは、大きいサイズだと翌日の昼まで温かさが持続するものもありますが、電気湯たんぽの持続時間は4~8時間と短めなこともデメリットといえます。
「電気湯たんぽ」で検索すると、数えきれないほどの製品がヒットして「どれにしたらいいか分からない」と思う人も多いのではないでしょうか。ここでは、電気湯たんぽの失敗しにくい選び方を紹介していきます。5つのポイントを解説するので、湯たんぽ選びの参考にしてみてください。
給電方法から選ぶ
電気湯たんぽの給電方法は「蓄熱式」と「USB充電式」の2つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットは次の通り。良い点・悪い点を理解してどちらにするか決めましょう。
コンセントタイプは、主に自宅で使う予定の人にぴったりです。クッションのような大きさのものが多いので、寝る前に布団の中に入れて温めるのに便利。また、15~20分で充電が完了するスピードの速さも魅力です。
USBタイプはコンパクトなサイズが多いので、オフィスやキャンプなど自宅以外の場所で使いたい人におすすめです。そのコンパクトさからお腹だけ・腰だけなど局所的に温められます。
シーンに合ったサイズを選ぶ
電気湯たんぽの大きさは大小さまざまです。就寝時に布団の中をポカポカに温めたいなら、大きいサイズを選ぶことがおすすめです。サイズが大きいほど、布団に触れる面積が増えて効率よく温められます。
オフィスなど外出先で使ったり、足元やお腹だけを局所的に温めたりするなら、小さいサイズを選びましょう。中には手のひらサイズの湯たんぽもあり、散歩や近所への買い物などちょっとした外出のカイロ代わりにも使えます。
充電・蓄熱時間を要チェック
充電時間および蓄熱時間もしっかりチェックしましょう。蓄熱式湯たんぽは10分程度の短時間でフル充電できるものが豊富な一方で、充電式湯たんぽは5時間ほどかかるものもあります。
また、蓄熱式の場合、どんなに蓄熱が早くても温かさの持続時間が短いと不便ですよね。そのため、使う場面に合わせて「蓄熱時間」と「連続使用時間」の2つをチェックしましょう。夜、寝るときに使うのであれば温かさがより持続するタイプが適しています。反対に、オフィスなどで使うなら蓄熱時間が短くても、すぐに使えるタイプの方が使いやすいです。
安全面も重要!
寝ているときは無防備な状態なので、危険を察知しにくいです。そのため、安全性が高い製品を選ぶことも、失敗しない湯たんぽ選びのコツのひとつ。
一定の温度になったら電源が自動でオフになる過熱防止機能や充電が完了したら自動で充電が止まる過充電防止機能などが付いている製品がおすすめです。
また、電気用品安全法の基準をクリアしている製品には、「PSEマーク」が付いています。多くは製品本体や蓄熱または充電コードに表示されているので、購入検討時にチェックしてください。
カバーの素材で選ぶ
電気湯たんぽのカバーはデザインはもちろん、肌触りもさまざまです。もこもことした縫いぐるみのような湯たんぽもあれば、鞄に入れてもかさばらないスッキリとしたデザインのものもあります。
湯たんぽ選びにはカバーの触り心地も重要ですが、長く使いたいのであれば汚れがしみ込みにくく、手軽に洗える素材のものがおすすめです。
電気湯たんぽが壊れた際は、次の2ステップで処分できます。捨て方は製品によっても異なるため、捨てる前に説明書を確認しましょう。
【蓄熱式の場合】
- カバーを外して可燃ゴミで捨てる
- 湯たんぽの中身を水道に流し捨てる
- 「小型家電」として自治体のルールに従って捨てる
蓄熱式湯たんぽの中身は、水や弱塩化ナトリウム水溶液といった液体が入っています。これは、
湯たんぽ本体に切り込みを入れて水道にザッと流してしまってOK。弱塩化ナトリウム水溶液は
薄めた食塩水のようなものなので、環境にも影響はありません。そのあとは自治体のルールに沿って、ドライヤーなどと同じ「小型家電」としてゴミ捨て場に出しておけばごみ処理完了です。
【充電式の場合】
- カバーを外して可燃ゴミに捨てる
- 「粗大ゴミ」や「不燃ゴミ」として自治体のルールに従って捨てる
充電式の多くは
電気毛布と似た構造をしており、一見布のように見えても、中には電熱線が入っています。そのため可燃ゴミとしては当然捨てることはできません。自治体のルールを一度確認し、分からない場合は一度問い合わせてみましょう。