【梅雨の愛犬キャンプグッズ】キーワードは「泥汚れ対策」「速乾」「楽しませる」!
愛犬と朝市や夜景を満喫!いつもと違う風景に出会える「涼しい夏散歩」のススメ【キャンプのついでにも】
2023.08.22ライフスタイル
暑さ厳しい真夏の外出は、ワンちゃんも人も体力を奪われてしまいます。早起きしたり日が暮れてから散歩したりと、時間をずらして工夫している飼い主さんも多いのではないでしょうか。そこで、せっかくのその時間帯、お散歩がてらのプチトリップはいかがでしょう。少し目先を変えれば、犬も同行できる朝市や日没からのマジックアワーなど、普段は出会えない「アウトドア」ならではの風景が広がっています。
制作者
hinata編集部 舟橋愛
旅行・レシピ・ウエディング・ペット系などが得意な編集ライター。2020年8月から房総半島に移住して甲斐犬たちと田舎暮らし満喫中。休みの日は畑に行ったり庭でお酒飲みながら犬とご飯食べたりしています。今やりたいことは犬との快適な車中泊を極めること。
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もくじ
真夏の昼間のお出かけは、思っている以上に「熱い」!
出典:PIXTA
まずは夏の太陽がもたらす危険性をおさらい。致死率が36~50%と高い熱中症や、焼けたアスファルトを歩くことによる肉球の損傷など、真夏の昼間のお散歩はワンちゃんにとって人間以上に危険です。
「#hinataいぬ部」で監修をお願いしている日本橋動物病院の園田院長先生は、「犬の肉球は靴のアウトソールのようなもので、皮膚よりも熱さは感じにくいものの、焼けたアスファルトの路面で走るとズルッとむけてしまうこともあります。また、マンホールなどの鉄部はさらに危険なので、上を歩かせないように気を付けたい場所なんですよ」と語ります。
犬は人間より気温が高い場所を歩いている!?
出典:PIXTA
サントリー食品インターナショナルとウェザーマップとの共同検証実験によると、地面の照り返しの影響の差などにより、子どもの身長の高さで計測した気温は大人と比較して+7℃程度になることを確認。
「ということは、さらに低い位置にいる犬は大人と比較して+10℃くらい気温差があるのではないかと予測できます」と園田先生。飼い主さんが大丈夫と思っていても、犬はそれ以上に暑い思いをしているかもしれません。
天気予報の気温は日陰の温度
天気予報に出てくる「最低気温・最高気温」。これって、じつは日陰の数字なのだそう。筆者も園田先生に言われて目からうろこでしたが、気温の測定方法というのは、直射日光の影響を受けないよう、百葉箱に入れて地面から120~150cmほどの高さの場所で測ります。
ということは、日なたは予想最高気温よりもっと温度が高く、地面に近付くほど照り返しなどで熱くなります。つまり、犬にとっての「最高気温」は天気予報より遥かに上。「夏の日中の散歩が危険」というのは、大げさでもなんでもありません。
そこで、早朝・夕刻に楽しめるお散歩コースを提案。筆者が実際に、愛犬と行ってきました!
hinata編集部
舟橋 愛
乗馬のインストラクター、制作会社などを経て編集ライターとして独立。甲斐犬に魅せられて2020年に房総半島に移住。本業の傍ら、保存のために甲斐犬のブリーダーをしている。現在、一緒に暮らす犬は7頭。愛玩動物飼養管理士2級、ペット共生住宅管理士。
「勝浦朝市」でおいしいものをゲット!【早朝散歩のススメ】
勝浦朝市は毎月1~15日と16~月末で開催する通りが違う。取材した日は月の前半だったので、「下本町朝市通り」へ。ちなみに、月の後半は「仲本町朝市通り」で開催
早朝散歩のついでに、特別感のあることができないか…。そう考えて狙いを付けたのは朝市。犬と一緒に行けて、なおかつ面白そうなところを探してみたところ、「日本三大朝市」の一つでもある「勝浦朝市」がワンコフレンドリーなことを発見。これはぜひ行ってみなくては!
そんなわけで、筆者宅の甲斐犬ウタ(生後8カ月)と、早朝の勝浦へお出かけしました。
430年の歴史を持つ青空市場
勝浦朝市は、かつて漁師と農民が物々交換する場として始まったのだそう。海を見守る高台にある遠見岬(とみさき)神社のふもとに毎朝6:00頃からお店が集まりはじめ、地元の人や観光客が買い物を楽しんでいます。
月の前半と後半で開催する通りが違い、出店者も変わることや、同じ通りでも曜日によって違うお店が出ること、さらに毎月第2・第4土曜日は登録店舗以外でも参加OKの「マルシェ」が開かれることなどで、行くたびに違うお店に出会えるのも魅力!
今日はどんなお店に出会えるのでしょうか。
朝市にたどり着く前にいきなり買い物。勝浦の破壊力がすごい
勝浦朝市が開催されている通りへ向かう途中にもお店があり、早朝から営業しているところもちらほらあります。その一つ「朝市新鮮広場 魚水(うおすい)」さんは、店頭では干物や鮮魚を、奥では海鮮丼などが食べられるお店をやっている魚屋さん。
通りがかりにこのいかにも港町らしい豪快な目刺しに目を奪われたのですが、お値段も安い!この日はほかにも地物のキンメダイの干物が3枚1,000円という価格破壊っぷり。まだ本丸にたどり着いていないのに…。「帰りに買うので」と予約してしまう始末。気を引き締めないと財布ごと持っていかれそうです。
高級魚の干物が3枚で1,000円!しかも、ちゃんと大きいんです。買うしかない
お店がほかにもあるのなら…と、朝市に踏み込む前に周辺を少し散策しておきました。やめておけばよかった。また何か見つけてしまいました。
店頭においしそうな角煮や佃煮を並べていたのは「佃煮 近江」さん。勝浦の名産であるカツオや、マグロの角煮が看板商品です。すべて手作りで、しょうゆや砂糖、みりんなど家庭にあるような調味料だけでつくっており、保存料など余計な添加物は使っていません。
名物のカツオの角煮は、中までしっかり甘辛い味がしみ込んでいるのに、カツオのうまみもしっかり。炊きたてご飯にのせたら…と想像しただけでたまらなくなり、ついつい買ってしまいました。
笑顔が素敵なおかみさん。あまりのおいしさに、道の駅などにも売っているのか聞いたところ、「たくさんつくれないから」と、大阪の高島屋と某ゴルフ場にだけ卸しているそう。一流百貨店のバイヤーも目を付ける隠れた名品です
勝浦の鎮守、遠見岬神社にお参り
下本町朝市通りの中心にある「遠見岬神社」は、勝浦の鎮守であり、かつうらビッグひなまつりの舞台としても有名。ひなまつりの時期は、社殿のある境内へ向かう階段がそのまま豪華絢爛なひな壇になります。こちらもワンちゃんOKなので、ついでに参拝させて頂きました。
高台にあるので階段や坂道を結構上るのですが、途中からの景色は開放感抜群。美しい海と港町・勝浦が一望できます。早朝は風も涼しく、気持ちのいい参拝になりました。
静かな境内に佇む社殿。祭具の製造や宮殿・神殿の造営などの神様で、房総半島に技術と文化をもたらした天冨命(あめのとみのみこと)が御祭神
野菜、果物、魚、コーヒー、パン、本、雑貨…。目移りしながら散策
いよいよ朝市を歩いてみます。6:00頃からぽつぽつと集まり始めたお店は、7:00を過ぎるころにはほぼ出そろう状態に。お客さんも増えてきて、買い物を楽しむ声があちこちから聞こえ始めました。
まずはインドの布を仕入れてハンドメイドアクセサリーを販売している「青空cafe」さん。お友達がつくった野菜も一緒に販売しています。
ふいにかわいい子猫が登場!野菜をつくっているお友達が最近保護して飼い始めた男の子だそうです。その愛くるしさにあっという間に人だかりができて、招き猫状態になっていました。
次に目を引いたのは勝浦朝市名物、わらび餅の「南蛮屋」さん。プレーンと黒ゴマ2色のトロトロもちもちのわらび餅に、きなこと黒蜜、黒ゴマをたっぷりかけてくれます。早朝は「こんなにいいの?」と思うほどの量を盛った試食を配っていることも。時間が経つにつれ、あちこちでわらび餅タイムをしている人を見かけるようになります。
試食でもこのボリューム。おいしそうな匂いにウタも興味津々
朝食を買いたいな…と思って立ち寄ったのは、「キッチンヤマト」さん。ハーブが好きなオーナーが、オリジナルソースを使った手作りサンドイッチやハーブホットドッグを販売しています。
特にハーブホットドッグは「100人食べたら100人が食べたことがないって言いますよ!」と胸を張る自信作。それは食べないわけにはいきません。今日の朝食はハーブホットドッグに決定です。
さらにブラブラしていると、目を引く看板がありました。「暮ラシカルデザイン編集室」。なんと、取材・撮影・執筆・デザイン・出版・販売まで、すべて一人でやっている沼尻亙司(ぬまじりこうじ)さんのお店です。房総半島のカフェやパン屋さんを一軒一軒ていねいに取材し、その場に流れる空気や質感を感じさせる本がずらり。
この日はちょうど、「数年前に沼尻さんの本を買った」というファンのお客様もいました。房総半島を中心に、千葉の本当にいいお店を知りたい人はぜひ立ち寄って本を手に取ってみてください。
2023年8月時点で17冊もの本を出版。取材先などが本を置いてくれることも多いそう
笑顔がすてきな沼尻さんとウタで記念撮影。新刊の「房総カフェ」を買わせて頂きました
通りの最後でお店を構えていたのは、焙煎やブレンドも自社で手掛けるオリジナルコーヒーをその場で淹れてくれる「SPAiCE COFFEE」。アジアの豆を使い、勝浦朝市をイメージしたオリジナルブレンドはすっきりとした酸味が朝にぴったり。
SPAiCE COFFEEさんもですが、実店舗が近隣にあるお店も多いようです。ここでファンになったら、今度はお店を訪ねてみるのも良さそう!
もう一つ気になったドリンクが、下本町朝市通りの入口に出店していたフルーツソーダ屋、「かわべー」さん。自家製のフルーツピューレを炭酸水で割ったソーダがおいしそうです。キウイソーダやサングリアがありましたが、なんといっても看板は「朝市梅ソーダ」。ハーブホットドッグのお供に、こちらをチョイスしてみました。
完熟梅のピューレを使った爽やかな甘みと酸味が絶妙の朝市梅ソーダと、「キッチンヤマト」のオーナーさんが言った通り、食べたことがない!と唸る、ガーリックが利いたハーブソースがくせになるハーブホットドッグで朝ごはんです。大満足の勝浦朝市でした。
ワンちゃんにもたくさん会えた!
ワンコフレンドリーな勝浦朝市とあって、散策中にたくさんのワンちゃんにも会えました。みんなお行儀がよく、犬にも人にも懐っこくて、ウタも楽しかったようです。何より、飼い主さんたちもみんなマナーがよく、周囲に気配りしながら楽しんでいらっしゃるのが素敵でした!
近所のお寺から来た柴犬のコロちゃん。お客さんに顔見知りも多いようです
「犬もOKのお寿司屋さんがあったよ!」と教えてくれたのはレオちゃんとルルちゃん
きれいな毛並みが目を引いたサルーキのライライちゃん。おっかなびっくりのウタにやさしく挨拶してくれました
飼い主さんとカートで散策していたのはボストンテリアのハートちゃん。勝浦朝市に何度か来ているリピーターだそう
実はこれ以外にも買い物したり食べたりと、筆者は大満足の朝市でした。唯一心残りは、ウタちゃんにあげられるものがあまりなく、ソースのかかっていないホットドッグのウインナー部分を少しあげるだけになってしまったこと。
日曜日にはジビエを使ったフレンチのお店が出店することがあるそうなので、愛犬と一緒に行くときは探してみるといいかも!
勝浦朝市の詳細はこちら:勝浦観光協会
戦利品の一部。ThiOuThe LIFE(シアザライフ)の折りたためるFolding Cooler Boxが大活躍でした!
木更津の「中の島大橋」でマジックアワー撮影【夜散歩のススメ】
出典:PIXTA
お次は夕方から夜にかけてのお散歩です。夜といえば夜景。海沿いなら涼しそうだし、筆者が住んでいる千葉県には海を渡って架けられた、日本一高い歩道橋「中の島大橋」があるのです。
こちらは、発電所や工場の夜景と共に、天気がよければ富士山や対岸の横浜の街並みも見える絶景スポット。そしてもちろん、ワンコも渡ってOK!気温が下がり始める夕方からお出かけして、工場夜景を狙ってみることにしました。
今回一緒に出掛けたのは、特に暑がりな夜雲(やくも・7歳)。家を出た17時過ぎはまだ暑い…と思っていましたが、到着すると涼しい海風がビュンビュン吹いていて、ハアハアしていた夜雲もすぐ元気に歩き始めました。
この中の島大橋、高さ27m、長さ236mもあり、海の上を通るだけあって予想以上に風が強い!暑さ対策に帽子を持って行きましたが、風で飛ばされそうだし、夕方にならなくても充分涼しかったです。
まずは歩道橋を渡って「中の島公園」に行ってみる
らせん状にスロープを上り、あまりに巨大な歩道橋を渡ります。歩いて海の上を渡れるという機会もなかなかありません。両サイドには木更津港や君津共同火力発電所、遠くに横浜の街並みなどが見渡せ、360℃絶景!
歩いて10分もせず、歩道橋の反対側にある「中の島公園」が見えてきます。ちなみにこの歩道橋、テレビドラマ&映画「木更津キャッツアイ」のロケ地。若い男女がおんぶして渡ると恋が叶うというストーリーから「赤い橋の伝説」も生まれています。
「中の島公園」は、海に囲まれた広い芝生のある公園で、春から初夏にかけては潮干狩りもできるのだとか。穴場なのか時間帯のせいなのか人が少なく、この日は貸切状態。これならロングリードで犬をのびのびと遊ばせてあげることもできます。
今日はカメラや三脚を持っていたためロングリードまでは用意しておらず、海沿いに船を見ながら散歩したり芝生でおやつをあげたりしてのんびり過ごせました。
日が暮れ始めたら歩道橋のてっぺんに戻って夕景・夜景ハント
「どこがいいかな…」夜雲も手すりの間から風景を眺めながらチェックしているみたい?
18時半。だんだん空の色がオレンジ色になってきて、もうすぐ太陽が沈みそうになってきました。ぼちぼちと中の島大橋を逆戻りして、撮影スポットを決めます。スロープの途中からもいい景色が見えるけど、やっぱり歩道橋のもっとも高い場所へ行くことに。
まずは横浜方面の夕景をパチリ。海面から立ち上る水蒸気のせいなのか霧がかかったような風景でしたが、それがまた幻想的。海に浮かぶ船のシルエットとあいまって、絵画のようなマジックアワーが始まりました。
さらに時間が進んで、宵闇が迫ったころの木更津港。濃紺の空とピンク色の雲のコントラストが美しい
19:00を過ぎると、いよいよ工場や発電所の夜景が輝き始めます。が…この日はなんだか、工場の灯りが寂しい?夕陽が落ちる場所も季節的にずれているため、夜景というよりは空の色とシルエットを楽しむ撮影になってしまいました。
ちなみに、冬は工場の方角に夕陽が落ちるため、無機質な煙突やクレーンのシルエットへと海面に光の道が伸びて、なんともいえず神秘的な風景になります。
マジックアワーも終盤。煙突からたなびく煙もいい雰囲気!
1時間半ほどの間に次々と変わる空と海の色、町や工場のシルエットがつくるアートをたっぷり堪能。夜雲も大人しく、ずっと一緒に景色を眺めていました。散歩というとどうしても決まったコースをルーティン的に歩いてしまいますが、立ち止まって同じ風景や風の匂いを楽しむのも愛犬とのコミュニケーションにとてもいいように思います。
近くにはワンコOKのレストランも
出典:PIXTA
中の島大橋のすぐ隣には、2022年にリニューアルしてレストランやカフェ、宿泊施設などができた「鳥居崎海浜公園」も。こちらのレストランの一つ「HARBOR NICE DAY!」は、テラス席はワンちゃんOKなので、帰りに立ち寄るのもおすすめです。
中の島大橋の詳細はこちら:木更津市公式サイト
HARBOR NICE DAY!の詳細はこちら:HARBOR NICE DAY!
暑さと無理に向き合わない!早朝や夜だから楽しめるお出かけを
今回は千葉県内の朝市や夜景スポットを紹介しましたが、調べると意外にワンコフレンドリーな朝市ってあるもの。夜景ならなおさら、少しドライブすればいつもは気付かない穴場がきっと身近にあるはずです。ついでに近くのカフェやドッグランを開拓するのも楽しそう!暑い季節こそ愛犬と新しい楽しみ方を見つけてみては?
#hinataいぬ部
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