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初心者連載

イチから学ぶ「キャンプ」の始め方。初心者ファミリーの1泊キャンプはこう過ごす!

2023.08.14ノウハウ

新たに始める家族の趣味として、キャンプに興味がある日向ファミリー。ですが、全くの初心者なので「キャンプってどんなことをするんだろう…」「何が必要で、どれぐらいお金がかかるんだろう…」と不安や疑問もたくさん。そんな人に向け、どこよりもていねいに「キャンプの始め方」を解説するのが本連載!「アウトドアのなんでも屋」田中翔さんとタッグを組んで、キャンプデビューをサポートします!

家族で「キャンプデビュー」したい!

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出典:PIXTA

東京都武蔵野市在住の日向家は、会社員のパパ(35歳)、保育士のママ(35歳)、娘のヒナタちゃん(5歳)の3人家族。まわりの友人や、テレビで芸能人がキャンプを楽しんでいる様子を見て、キャンプに興味を持ちました。 最近、娘が5歳になったということもあり、家族で一緒に楽しめる趣味を始めたいと思ったのもきっかけの一つ。とはいえ、どんな道具をどれぐらいそろえれば良いのか、費用はどれぐらいかかるのか、子どもが楽しんでくれるのか…など、不安がたくさん。
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日向パパ

最後に行ったキャンプは、学生の時に友人に連れられて行った時かな。と言ってもすでに10年以上前の話なので、ほぼ100%初心者…。子どもも大きくなってきたので、家族でまた始めたい!
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日向ママ

公園遊びもたくさん楽しめたけど、そろそろステップアップできたらいいな。マンションの収納には限りがあるから、私たちでも一式そろえて気軽に楽しめる趣味なのかはちょっと心配だけど…

キャンプの先生は「アウトドアのなんでも屋」田中翔さん

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アウトドアのなんでも屋さん

田中翔(たなか しょう)

2児の父。那須や北軽井沢のキャンプ場「Outside Base」や大規模アウトドアイベント「Tokyo outside Festival」のプロデュースを手がける。開催するビギナー向けのキャンプ教室は満員必須であり、まさにキャンプのプロ。

そんな日向家のキャンプデビューに向けて、キャンプの楽しみ方を教えてくれるのは、「アウトドアのなんでも屋」として数多くのアウトドアイベントのプロデュースなどを手がける田中翔さん。自身も2児の父として、ファミリーキャンプを楽しむ一人です。

キャンプの楽しさをイチから教えちゃいます!

今回は、翔さんに「ファミリーで過ごす1泊キャンプの楽しみ方」をイチから教えてもらいます。「キャンプって何するの?」となかなかイメージが湧かない人も、これさえ読めばなんとなく全貌が掴めるはず!

【10:00】クルマに荷物を積んで「キャンプ場」へ向かおう

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キャンプに必要な道具をクルマに積み込んで、翔さんが向かう先は長野県にあるキャンプ場。その場所を選んだ理由は、標高が高い場所に位置しているので夏でも涼しく過ごせるからだとか。 都内からはおよそ2時間のドライブ。時間に余裕をもって午前中には出発していたので、キャンプ場のチェックイン開始時間である13:00よりも少し早めに現地に到着。近くの道の駅で昼食をとりつつ、地元の新鮮野菜をゲットできました。 サービスエリアや直売所で手に入るその土地ならではの食材を、新鮮なうちに調理出来るのもキャンプの醍醐味です!
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田中翔さん

季節や遊び方に合わせてキャンプ場を選ぶのも、楽しさの一つですね!夏は涼しい山の方へ。水遊びができる川や湖に面したキャンプ場を予約するのもおすすめですよ。 キャンプ場までのドライブは長時間になることもあるので、道中でトイレに立ち寄れるサービスエリアなどをあらかじめ調べておくと困りません。 小さい子どもがいるなら、ドライブに飽きないようにタブレットなどを持っていくのも良いですね!

【13:00】広いキャンプ場でサイトを選ぶのも楽しみの一つ!

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出典:PIXTA

いざ、キャンプ場へ到着!受付でチェックインを済ませたら、さっそくテントを張るサイトの場所選び。木の下や川の近くなど、キャンプの楽しい夜を過ごすためのとっておきスポットを見つけましょう。 キャンプ場の種類は、受付時にサイトが指定される「区画サイト」と、指定エリアの中で自由に場所を選べる「フリーサイト」の2種類。今回のキャンプ場はフリーサイトです。 同じキャンプ場でも、場所によって雰囲気はさまざま。何度訪れても、テントを設営する場所を変えることで違った楽しみ方を味わえます。
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田中翔さん

テントを張る場所に迷ったら、キャンプ場の人におすすめの場所を聞くのが良いでしょう。きっと、そのキャンプ場を熟知したスタッフが、ぴったりの場所を教えてくれますよ!

【13:30】サイトが決まったら、メインとなるテントをたてよう!

キャンプ地が決まったら、さっそくメインとなるテントを設営していきます!木陰があるエリアなら、直射日光に長時間さらされずに済みます。
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家族みんなの寝床となるテントは、子どもと一緒に設営できるシンプルなドームテントがおすすめ。 翔さんのキャンプでドームテントの登場頻度が高い理由は、シンプルな構造で子どもと一緒に設営を楽しめるからとのこと。慣れないうちは設営に時間がかかってしまうこともありますが、子どもも一緒に設営を手伝えるテントなら、アクティビティのように楽しく進められるというわけです。
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田中翔さん

設営は危ないから大人だけでスムーズにしてしまいたい!という気持ちもわかりますが、せっかくなら子どもにも出来る範囲で手伝わせてあげることで、子どもなりに楽しんでくれると思いますよ! お父さんやお母さんと同じ作業を一緒にできるのは、子どもにとってもうれしいですよね。
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日向パパ

テントってネットで見ても本当にたくさん種類があって、何をポイントに選べばいいか迷います。子どもと一緒に設営を楽しめるかどうかは、たしかに大切ですね!

【15:00】アウトドアリビングが完成!自然の中で過ごす“非日常感”を味わおう

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テントの設営が終わった後は、屋根となるタープやチェア、テーブルを組み立てたらアウトドアリビングの完成です! まずはコーヒーを淹れて一息。追加の買い出しで運転する必要などがなければ、ここでプシュッとビールで乾杯するのも最高のタイミングです。 そして、ここから夕食までの時間は、子どもたちが待ちに待った遊びの時間です!キャンプ場によっては子どもが遊べる遊具が用意されていることも。翔さんは二人の子どもをどのように遊ばせているのでしょうか。
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田中翔さん

僕は子どもとキャンプ場で遊ぶ時、「好きなことをさせてあげつつ、目だけは離さないようにしておく」を心がけています。 子どもにとって、自然は興味の宝庫。ちょっとした水たまりを見つけては石を投げ入れてみたり、アリの動きを見ていたりと、大人が考える以上に、自分で楽しみ方を見出してくれることが多いと思いますよ。 もちろん、家からおもちゃを持って行くのも良いと思います。ダメって言ってしまうと、「キャンプ嫌い!」って言われかねないですからね(笑)
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日向ママ

子どもたちがどんな遊びで楽しんでくれるかわからないから、最初は遊具のあるキャンプ場を予約するのはよさそう。いつも乗ってる小さな三輪車も、クルマに積めたら積んでいこうかな!

「夕食」はキャンプのメインイベント!

【17:00】明るい時間から調理する特別感を味わおう

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遊び疲れた後は、いよいよ夕食の準備がスタート。まだ明るい17:00過ぎから、余裕を持って調理を始めるのもキャンプの楽しみの一つ。いつもなら面倒な作業と感じてしまうような野菜のカットでさえも、親子で一緒にすることで思い出の一つになります。
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田中翔さん

外で食べればなんでもおいしく感じてしまうマジックがあるのは、みなさんご存知のはずです。キャンプだからと無理して特別な料理をつくらなくても大丈夫!
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日向パパ

夕食といえば、キャンプの一大イベントですよね!普段家ではあまり料理をしないのですが、なんだかキャンプだと率先して手伝いたくなってしまいそうですね…!笑

【18:00】「焼くだけ」でもキャンプならご馳走に!

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翔さんが作ってくれたのは、オージー・ビーフを使った「特製ステーキプレート。」下味をつけておいた牛肉をフライパンで焼いて、事前に用意してきたサルサとカットしておいた野菜を盛り付けたワンプレートご飯です。 この日はバーナーとフライパンを使って調理しましたが、慣れてきたら炭火や焚き火での調理もおすすめ。火加減を自分で調整しながら焼いたお肉は、おいしさ倍増です!
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日向ママ

おいしそう!しかも写真映えも最高です…!子どもと一緒に楽しめる野菜のカットなどは現地でできるように少し残しておいて、家で下ごしらえをしておけば、料理のハードルはあまり高くなさそう!
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田中翔さん

前日の夜まで仕事で忙しいこともあると思いますので、最初はレトルト食品などを活用するのも方法の一つです。 なるべくラクをして自由な時間を増やすことも、キャンプを楽しむコツです!

食後の「焚き火時間」を満喫!

【19:30】火をコントロールする楽しさを味わおう

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キャンプで外せない楽しみの一つが、「焚き火」。揺れる火を前にする会話やコーヒーを飲みながらゆったりと過ごす時間は、普段の生活では味わえない特別な時間です。「焚き火を楽しむためにキャンプしている」という人も多いのです! タープの下から少し離れた場所に焚き火台を置いた翔さん。手際よく着火すると、薪を加えて火の大きさを調整していきます。
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田中翔さん

子どもが焚き火に興味を持ったときは、小さな木の枝を投げ込ませてあげたりしています。安全な範囲で遊ばせてあげることで、キャンプの中に自分で楽しさを見出してくれます。「危ないこと」を知ってもらう上でも、焚き火は重要な勉強道具になってくれていますね。 子どもたちが就寝した後は、妻とゆったりお酒を飲みながら話せるのも、大切な時間です。
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日向パパ

友人のキャンプの写真を見せてもらった時も、一番楽しそうだったのが焚き火でした!薪をくべるだけで楽しそう。いつか、焚き火での調理にも挑戦してみたい!

【20:00】焚き火で外せない「焼きマシュマロ」

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ファミリーキャンプで焚き火をするなら、チャレンジして欲しいのが焼きマシュマロ。ほどよく溶けたマシュマロをクッキーで挟んだお菓子「スモア」は、子どもの大好物。大人はコーヒーと合わせることで、食後のデザートにもぴったりです。
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日向ママ

家でもお菓子ばかり食べたがるから、これは間違いなく気に入るはず!シンプルだけど、火にかけて、挟んで食べることが、まるで料理を最初から最後まで自分でしているような気持ちになれるのかも。

テントでの就寝は子どもたちにとって特別な思い出

【21:30】寝袋にくるまって夢を見よう

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食後の焚き火で別腹と心を満たせたら、いよいよ就寝の時間。キャンプの就寝には、布団やベッドの代わりとして軽量&コンパクトでもあたたかい寝袋を使います。 「慣れない環境で寝られるか心配…」という人もご心配なく。遊びの疲れと夕食の満腹感のダブルパンチで、すぐに眠りにつけるはずです。風で揺れた木の葉が擦れあう音や、夏場は虫の鳴き声が良い子守唄になってくれます。

大満足の朝ご飯でキャンプをしめくくる!

【7:30】親子でホットサンドづくりを楽しもう

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目覚ましをかけず、陽の明るさや鳥の鳴き声で起床するのがキャンプならではの朝。翔さんがさっそくつくってくれたのは、ツナやベーコン、野菜など、好きなものを挟んでつくれる定番の朝ご飯「ホットサンド」です。
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田中翔さん

朝食からしっかりご飯をつくるのは大変。夕食同様に、こっちもできるだけラクをしてつくるのがおすすめです。 なかでもホットサンドは、子どもと一緒に楽しみながらつくれるので我が家でもお気に入りです。中身の具材を選ばせてあげれば、喜んでつくってくれるはずですよ!

【8:30】「チェックアウト」に向けてテントを片付けよう

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朝食が済んだら、いよいよ一泊二日のキャンプも終盤。帰りの高速道路が混み始める前に撤収すれば、週末キャンプの場合でも帰宅後の日曜午後をゆったりとお家で過ごせます。 キャンプ場の平均的なチェックアウト時間は、ホテルなどと同じく10:00〜11:00ころ。時間の余裕をもって、9:00前には撤収作業を始めるのがおすすめです。
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日向パパ

キャンプの朝ご飯は全くイメージができていなかったので、見せてもらえて良かったです。ホットサンドは家でもたまに作りますが、外で食べたらもっとおいしいだろうな!

「詰め込まない」がキャンプデビューのコツ

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初めてのキャンプは、料理からアクティビティまで、チャレンジしたいことがたくさん浮かんでしまうかもしれません。 最初から全部を遊び倒そうとするのはぐっと我慢して、コーヒーを飲んだり、キャンプ場の中を散歩してみるなどのちょっとしたことでも、普段と違って新鮮さを感じる体験になるはずです。 連載第二回では、キャンプデビューに向けた日向家のギア選びがいよいよスタート!予算20万円で全部そろえたい!という条件の中でどんなギアをそろえられるのか!お見逃しなく!
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日向ママ

キャンプ場での調理や子どもをどう遊ばせるかなど、純粋にキャンプを楽しめるようになるまで時間がかかるのかな…と思っていましたが、田中翔さんのキャンプを見せてもらえてかなりハードルが下がりました! 料理も家で下ごしらえをしたりレトルトをうまく活用すれば、想像していたよりも簡単に楽しめそう!
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日向パパ

普段の生活では当たり前のことも、キャンプですれば特別な体験になるのがよくわかりました。 これから道具探しを始めますが、自分たちのキャンプがもうすぐ始められそうな実感が湧いて来ました!
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田中翔さん

今回は、僕のキャンプを見てもらいながら全体の流れを説明しましたが、いよいよ次回からは日向家と一緒にギア選びをスタートしますよ! 予算や家族構成を考えたギアの選び方を紹介していくので、ぜひチェックしてくださいね!
モデル/田中翔 撮影/赤田英志

キャンプの教科書 きほんの「き」

キャンプ人気の定着とともに、ますます多様化しているキャンプスタイル。しかし、快適なキャンプを過ごすための基本は共通しています。初心者はもちろん、独学の中級者、教えることの多い上級者にも役立つ基礎知識をまとめました。



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