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鋸山の地獄覗きを背景にした犬

犬連れ登山の暗黙のマナーとは?千葉県房総半島の秘境・鋸山に登ってみた

2023.06.05ノウハウ

※本記事には一部プロモーションが含まれます

5~6月は気候もさわやかで最高のトレッキングシーズン。土や木々の濃厚な匂いに愛犬も大はしゃぎだし、メスティンで炊いたご飯を犬とシェアするのも楽しい。でも、犬と行ってはいけない山もあるの?どんなことに気を付けたらいいの?今回は、犬連れ登山の心得を紹介。さらに、初心者も登りやすくて写真スポット満載の、千葉県・鋸山(のこぎりやま)登山もレポートします!

最高の犬連れ登山を楽しむために…まずは覚えておきたい「心得」!

鋸山登山道の看板と犬
気持ちよく犬と登山できるドッグフレンドリーな山なら、登山初心者も安心。今回紹介する鋸山はその一つ!
自分自身が山が好きだというオーナーさんや、活発な犬を飼っていて発散させてあげたい!と思っているオーナーさん…。犬連れ登山を検討する理由はそれぞれ。 筆者も時間がある時は愛犬たちと千葉県・房総半島の低山をトレッキングすることがありますが、初めての場所でふと気になるのが「ここ、犬連れてきていいのかな…」というそもそも論。なにせ、最近「犬禁止」の看板がある山も増えているという話だし…。 それ以外にも、山でのマナーや気を付けることは実は結構あるんです。クライミングのお仕事で全国の山域を周り、ボーダーコリーのソル君、ジョシュ君と山遊びを楽しんでいる小野智さん(Instagram:@asobidamashii)にお話を聞いてみました。
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クライミングインストラクター

小野 智

幼少期から登山や釣り、スキューバダイビングなど自然の中での遊びに親しむ。技術取得のために始めたクライミングにはまり、ルート設定や設備点検、講師などの仕事をするように。現在は原点回帰でクライミングの仕事から再び山を純粋に楽しもうと、長野県茅野市へ移住。ボーダーコリーのソル君(4歳)、ジョシュ君(5カ月)と八ヶ岳山麓で自然を満喫している。

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hinata編集部

舟橋 愛

乗馬のインストラクター、制作会社などを経て編集ライターとして独立。幼少期からずっと犬と暮らしているが、甲斐犬に魅せられて2020年に房総半島に移住。本業の傍ら、保存のために甲斐犬のブリーダーをしている。現在、一緒に暮らす犬は7頭。休日は自然の中で遊ぶことが好きな犬達と共に房総で野山を満喫中。愛玩動物飼養管理士2級、ペット共生住宅管理士。

国立・国定公園を含め、法律では日本に「犬禁止」の山はない!?

滝をバックにした2匹のボーダーコリー

出典:Instagram(@asobidamashii)

滝や岩場のある山は運動量の多い犬にとっては絶好の遊び場!でも、行っていいところと悪いところがある?
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小野さん

まず、最近よく聞く「犬連れ禁止」の山についてなんですけれど、日本には「犬を山に連れてきてはいけない」という法律がないんですよ。地方の条例で禁止されているところはありますけれどね。だから、国立・国定公園も含めて、犬を連れてきたからといって罰せられることはありません。
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hinata舟橋

そうなんですか!?でも、条例とも関係なさそうなのに、犬禁止の看板があったり、犬連れが歓迎されてないなあっていう雰囲気の山ってありますよね。その辺りを詳しくお伺いしたいです!

法律ではOKでも、信仰的な理由や自然界への影響で地域的なNGがある

犬禁止の看板

出典:PIXTA

国立公園や国定公園を含み、犬禁止という法律はないということですが、中央アルプス・北アルプス、世界遺産の富士山などでは、犬連れ禁止や、歓迎していないムードを感じる山域も少なくないのが事実。なぜなのでしょう?
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小野さん

そうですね。実際、国立・国定公園では犬連れを禁止しているところは多いです。いくつか理由がありますが、多いのが信仰的な理由。それから、よく言われるのが自然界への影響です。以前は「犬が雷鳥を食べるから」という理由での禁止もあったんですよ。
日本では山岳信仰の対象となっている山が全国に点在。雷鳥を襲うというのは今ではちょっと考えにくい理由ですが、狩猟が盛んだった昭和中期までは現実的な問題だったのかもしれません。
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hinata舟橋

自然界への影響といえば、貴重な植物に犬がおしっこをかけると枯れるとか、雷鳥の話と同じですが野生動物を襲うからだめだ、とかは聞いたことがあります。実際どうなんでしょうか?
山林でおしっこをする犬

出典:PIXTA

山で犬がおしっこをすると生態系に影響が…説を聞くことがあるけれど…
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小野さん

犬のおしっこに関しては、実際、ほとんど影響がないですよ。ひと雨降れば流れてしまいますから。野生動物を襲うというのは、最近では「野生動物から犬が病気を移される」という理由に変わってきています。ただ、どんな理由にしても、犬連れで山に来てほしくないという人が一定数いるのはたしかなんですよね。
それが山の持ち主だったり、登山で嫌な思いをした人からのクレームを寄せられた市町村だったりすると、入山すればトラブルの元。「犬禁止」という看板を見かけたら、入らない方が無難そうです。 また、インターネットで調べてから行っても、現地に行ったらダメだった…ということもあるので、事前に現地を見に行くか、観光協会などに確認するのが確実だそう!

犬OKの山でも「街中と同じ」気配りを。命の危険に繋がることも!

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hinata舟橋

犬OKの山は前提だとしても、気を付けるべきことって何でしょう?
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小野さん

いくつかあるんですけど、特に気を付けてほしいことは3つ。①ノーリード ②伸縮リード ③「犬だから仕方ないは通じない」ということ。 順番に説明していきますね!

山の中こそ、「ノーリード」は絶対NG!

「犬を山の中で走らせてあげたい」という思いで犬連れ登山に行く人も多いと思いますが、ノーリードは本当に危険!筆者も小野さんへの取材で気が付きましたが、登山に慣れていない人や犬が好きな人の目線では気付かない危険が潜んでいます。
リードを付けて山の中を歩く犬

出典:PIXTA

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小野さん

想像してみてください。狭くて見通しの悪い山道で、犬が走っていった先に他の登山者がいたら?その人が犬嫌いだったら?たまたま横が崖で、犬にびっくりした人が滑落したら? 街中でノーリードにしても大騒ぎになると思うのに、山の中なんてなおさら危険です。
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hinata舟橋

犬が起こす事故は一瞬ですもんね…。あ!と思った時には手遅れになっていることだってめずらしくない。山の中は平地以上に危険という当たり前のことを忘れてはだめですね。
ちなみに、ノーリードは国が定める飼養基準や、多くの市町村の条例でも禁止になっているので、トラブルになった場合、刑事責任や損害賠償責任を負うこともあります。 また、山中で犬が原因で起こったトラブルの連絡が担当の市町村に行けば犬連れ禁止にだってなりかねません。犬連れ登山を楽しむためにも、マナーは守りたいですね。

「伸縮リード」は大事故のもと!

伸縮リードで散歩する犬

出典:PIXTA

犬の動きに合わせて伸び縮みする伸縮リードは、犬にとって自由度が高く便利に見えます。でも、こちらも山では危険なアイテムのひとつ。
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小野さん

伸縮リードの紐ってね、細すぎて、他の登山者から見えにくいんです。足元にあることに気が付かずに他の登山者が引っかかって傾斜のきつい山道でつまづいたら…。
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hinata舟橋

大惨事ですね…。あと、犬が苦手な人がいきなりリードが伸びて近くに来られたらやはり驚いてケガのもとかも。そういう意味では、平地でも伸縮リードって気を付けて使うべきだと思ってるんです。山ではなおさらですね。

「会う人全員、犬嫌い」だと思って行動するくらいでちょうどいい

登山客とすれちがって犬を抱えているところ
犬が苦手な人もいることを考えて、狭い山道ですれ違う時は犬を足元に引き寄せたり抱っこしたりして道を譲ろう
小野さんが大切にしている心得の3つ目は、「犬だから仕方ない」という考え方は通用しないということ。犬を飼っていると、ついつい自分の感覚では「まあいいか」と思ってしまう、他人からのNGごとが結構あります。
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小野さん

マーキングの話で先ほど自然界に影響はないと言いましたが、それとは別の話で、ベンチや山頂標識に犬がおしっこをしたら普通に周りの人は嫌ですよね。
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hinata舟橋

たしかに。周囲への配慮として、山の中でも公共の場感があるところではおしっこをさせない、もししてしまったら水で流すといった気配りはしたいですね。
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小野さん

あと、大きな声で人や野生動物に吠え続けるのもやめさせるべきです。犬の声って山麓から山頂まで届くくらいに響くので他の人に迷惑ですし、苦手な人からすれば怖いはずです。
公共の場でおしっこをさせないよう気を付けるのも、大きな声で吠え続けていたら𠮟るのも、街中では当たり前。でも、なぜか山ではその辺りの感覚が緩くなってしまいます。そして、こうした「犬だから仕方ないじゃない」が積み重なると、犬連れ登山に対する世間の目は冷たくなっていってしまうかも…。
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小野さん

僕はたまに友人や知人から「犬と一緒に山に連れて行って」と頼まれて同行するんですが、「会う人全員犬嫌いだと思って行動して!」と伝えています。それくらいでちょうどいいんですよ。

「犬が自分で登れる山」が選定基準。人も犬も楽しめるトレッキングを

愛犬と一緒に山に行こう、と思った時に、山の選び方もとても大事。犬と行って楽しめそうな場所や設備があるか、というのはもちろんですが、犬にとってのハードルという目線も必要だそうです。
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小野さん

犬と行く山の絶対条件として、「犬が自分で登れる」というのがあります。「険しい場所は人間が抱っこして登る」のはちょっと犬にとってオーバースペックな山かも。
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hinata舟橋

犬を抱っこするということは、人間も両手が使えなくなって危ないですもんね。
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小野さん

はい。あと、犬の肉球は寒さを感じにくくはあるんですが、小型犬はその機能が弱いそうです。雪山や岩場のある山に小型犬を連れて行くのは、ケガのリスクが結構高いと思いますよ。
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hinata舟橋

なるほど…。あと、持ち物で気を付けることなどはありますか?
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小野さん

どんなに低い山でも、犬と人間の食料の予備と犬用救急セットは持っていってほしいです。道に迷ってしまったとか、犬がくじいたり肉球を切ったりしたということは割と起こり得ることなので。安全に楽しく犬連れ登山を楽しんでほしいですね。

【登山レポ】初心者もおすすめの千葉県・鋸山へトライ!山の概要と装備をチェック

かつて房州石を切り出していた鋸山は、遺跡のように神秘的な見どころがいっぱい

鋸山へ犬と登山しているところ
まだまだ子どものウタ、果たして一緒に日本寺までたどり着けるか?
犬連れ登山の心得を聞いたところで、さっそく房総半島の鋸山(のこぎりやま)に犬と登ってみることに。千葉県富津市と安房郡鋸南町の間に佇む鋸山は、東京都心から電車で約2時間。329mと気軽に登れる高さながら、見どころが多く眺望もいい名山です。 山頂から中腹にかけては「日本寺」の境内が広がり、「地獄覗き」や石切り場跡に彫られた「百尺観音」、座像の石仏としては日本一の大きさを誇る「薬師瑠璃光如来」など、こちらも見どころ満載! 登山道がいくつかありますが、今回紹介する車力道~日本寺コースは、のんびり登っても2時間くらいでゴールが可能。しかも、登山道はもちろん、日本寺境内、山頂と山麓を結ぶロープウェーと、すべて犬OK!(ロープウェーは10kgまでの犬に限る) 今回は登山初挑戦、生後5カ月の甲斐犬・ウタと行ってきました!

山の中で愛犬とシェアするご飯が最高!気軽な登山だけど、メスティン持っていきます

犬とのトレッキング装備
今回鋸山に持って行った装備一覧。左上から時計回りに、 ポイズンリムーバー(蛇、ヒル対策)、犬用おやつ、酢を薄めたスプレー(ヒル対策)、ハンズフリーリード、くるくるワンワン、マグカップ、燃料用アルコール(調理用)、ターボ式ライター、風防付きアルコールストーブ、メスティン(中に浸水させた炊き込みご飯セットとサバ缶)、ペットスリング(なくてもOK)、うんち用袋、折りたたみ式の犬用食器(3COINS)、犬用の水+お散歩ハンディシャワー(リッチェル)、レジャーシート
トレッキングのため、あれもこれもと持っていかず、バックパックひとつに収まるだけの荷物にします。 写真の装備のほかに、人間の水500mLと、行動食としてスコーンも持っていました。ちなみにペットスリングは必須ではないため、これがなければ結構身軽です。

【登山レポ】山中はまるでラピュタの世界!?約2時間の異次元トリップを満喫

9:30 電車ならJR浜金谷駅、車なら近隣の駐車場からスタート

鋸山へ向かう途中の風景
住宅街を抜け、川沿いに歩いて登山道へ。正面に見えるのが鋸山
鋸山はアクセスの良さもいいところ。JR浜金谷駅から車力道登山道まで約10分、近隣には小さな駐車場もちらほらあります。今回は帰りにロープウェーを利用するため、鋸山ロープウェーの駐車場に停めさせていただいて出発しました。鋸山ロープウェーの駐車場から登山道入口までも約10分くらいです。

9:40 車力道の登山道入り口(分岐A)

犬と鋸山登山をしているところ
看板がかなりしっかりあるので、登山道入り口まで道に迷うことはまずありません。鋸山ロープウェー駐車場から歩いて10分ほどで、「車力道」と「関東ふれあいの道」に分かれる分岐Aに到着。今回は車力道を上るので、ここを左に曲がって川沿いの道を歩きます。 それにしても、緑が多くて空気がおいしい!水音や葉擦れの音を聞きながら、早くも癒されています。ウタも初めての場所に慎重に匂いを嗅ぎながら、楽しそうに歩いていました。

9:55 いよいよ山道

犬と鋸山登山、山道へ入るところ
アスファルト舗装された道が続いていましたが、分岐から15分ほど歩くともう完全に山道になります。とはいえ、最初の方はそこまで急こう配でもなく、まだ5か月のウタも段差をぴょこぴょこ飛び越えながら登山開始!

10:10~ 岩壁の通路「切り通し」や「車力道」が現れる!

鋸山の切り通しを犬と歩いているところ
岩を削った切り通し。かつての採石の様子をありありと思い浮かべられる遺構があちらこちらにあるのも鋸山・車力道登山道がおすすめの大きな理由
登り始めて間もなく、岩を削った「切り通し」や、登山道の名前の由来でもある「車力道」が現れました。かつての鋸山は、房州石のすぐれた産地。山中から岩を切り出して運ぶために、こうした道が整備されたそうです。 ちなみに、1本80kgの房州石3本を、「ねこ車」と呼ばれる荷車に乗せて山中から麓まで、主に女性が運び下ろしていたのだとか。いくら石が敷き詰めてあっても、細く急な坂道を240kgの石を積んで降りるとは…。昔の人の頑健さには脱帽です。
犬と鋸山登山。車力道を歩いているところ
石が敷き詰められた「車力道」。登りやすくてありがたいけれど、重たい石を積んだ荷車を運ぶのはとてもムリ!

10:30 ベンチのある広場で休憩がてら、炊飯

犬と鋸山登山。ベンチのある広場
鋸山の歴史や見どころが書かれた看板もある広場の休憩スポット。
車力道は、ちょこちょことベンチが置いてあって、登山に不慣れな人でも自分のペースで登れそう。ただ、狭い登山道の途中にあるベンチも多いため、犬が一緒なことを考慮して少し広場になっているところまでやってきました。 それでも登り始めてから30分ほどなのでほどよいところ。ついでに、ここでご飯を炊いて、蒸らしながらお昼時にちょうどよくなるように登ろうと思います。
くるくるワンワンを地面に入れているところ
犬の係留には「くるくるワンワン」が活躍。ネジの要領で地面にステンレス製の杭を回しいれてリードをかけます。ハンマーなしなので本当に楽!使ったあとは、山の保全や事故防止のためにも穴をちゃんと埋め戻しておきましょう
リッチェルハンディシャワーで犬に水をあげているところ
ウタもお水とおやつで休憩。まだまだ疲れ知らずの模様…
メスティンに入った浸水したごはんとサバ缶
人間と犬のお昼ご飯。蒸らすのに時間がかかるので、ここで炊飯だけして布巾に包み、リュックの中に入れて蒸らしながら登ります
ちなみに今回のメスティンご飯のレシピは、
  • お米一合
  • 水180cc
  • ツナ缶(水煮を汁ごと)
  • さつまいも小1本(5mm幅)
  • エリンギ小1本(5mm角)
を、あらかじめ混ぜてチャック付き袋の中に入れ、浸水させておいたもの。さつまいもの甘みやツナのうまみで、人間はもちろん犬もおいしく食べられます。きのこはシメジやシイタケでもいいのですが、繊維が多いので、特に子犬や小型犬には細かく刻んであげると安心。 薄味仕様なので人間はあとから塩を少し足すとよりおいしく、塩分補給にもGOOD!

11:10 「猫丁場」に「観音洞窟」「ラピュタの壁」…。神秘的な世界が続くハイライトへ!

ベンチ広場を11:00頃出発し、10分ほど登って脇道を進むと、石切り場跡の一つ、「猫丁場」。かなり高い直角の岩壁が立ちはだかっていますが、よーく見ると岩肌全体に規則正しく模様が刻まれています。これ、実は明治期に採石された時のツルハシの跡!その正確な規則性と定規で計ったようにまっすぐな切り出し面は、鳥肌モノ。一見の価値ありです。
鋸山の猫丁場に犬といるところ
まるで建造されたコンクリート壁のようにまっすぐな岩肌。人が手で削り取ってこの形にしたことにびっくり
鋸山の「猫丁場」に彫られた猫
どこかの岩壁には「猫丁場」の名前の由来となった猫が彫られている。探してみて!
中腹を過ぎて、いよいよ山頂が近くなると、もうここからはハイライトの連続です。天空の城ラピュタ!?RPGのトリコ!?と言いたくなる世界観が広がっていて、シャッターが止まりません。
鋸山の観音洞窟前にある石切り場
猫丁場から10分弱のところに現れた石切り場。下は水場になっていて神秘的な雰囲気
鋸山の切り通し
巨大な切り通しには階段が付けられていました。左手に登山道が続いています

11:30 愛犬とシェアして、少し早いランチタイム

犬とメスティンのごはんをシェアしているところ
取り分けるそばから食べていってしまうウタ…。犬生初めての炊き込みご飯、気に入ったようです
上の切り通しを通過してすぐ、「観音洞窟」と呼ばれる大きな石切り場の跡に出ました。メスティンの中で蒸らしていたご飯も出来上がった頃なので、少し早くランチにします。 それにしても、目の前にそびえる石切り場の巨大な壁と苔むした岩に囲まれて犬とふたりきりで座っていると、異世界に迷い込んだような気分に…。
鋸山の観音洞窟
こちらが「観音洞窟」。立体的な掘削跡が、まるで砦のようです

12:00 めざすゴール日本寺の「地獄覗き」が見えた!

犬と鋸山登山。背景に地獄覗きが見える場所
ウタの左後ろに少し突き出ている岩が「地獄覗き」。まだ遠く見えるけど、じつは日本寺境内へはここから30分弱!
お昼ご飯を食べ終わってから再び歩き始めると、山の稜線が見え始めました。手すりが小さく見えるのは、目指している日本寺の「地獄覗き」!あとちょっとでゴールです。 ※今回目指している日本寺の地獄覗きと、鋸山の山頂は別になります
犬と鋸山登山をしているところ
石の階段が延々と続く。手すりやロープが張ってあるので、それを支えに進みます
最後は車力道一番の急坂と急こう配の石階段が続きます。ここまでは大したことない、むしろ楽しいと思っていましたが…最後の最後に鋸山が牙をむきました。かなりキツイ。一応、階段はあるものの…実質、鎖場です。

12:30 「車力道」終了。さらなる絶景を求めて日本寺へ!

鋸山のラピュタの壁
切り立った岩山と水平線まで見える海のコントラストが美しい!
階段を登りきると、車力道最後の絶景「ラピュタの壁」!。この日は天気が良かったこともあり、海も綺麗に見えています。日本じゃないみたいな風景に疲れも吹き飛びました! そして、いよいよ車力道ルートも終わりへ。ここから少し登ったところにある、日本寺北口管理所から境内へ入ります。
日本寺北口管理所から境内へ入るところ
管理所で拝観料700円を払って境内へ。さっき下から見えた「地獄覗き」を目指します。当たり前ですが、境内では糞の持ち帰り、おしっこをしたら水で流す、他の参拝客や犬の迷惑になる行為はしないなど、マナーを心掛けて

【登山レポ】百尺観音や地獄覗きなど、大スケールの石像や眺望が待つ日本寺

12:30 高さ約30m!石切り場跡に彫られた大観音像が迎えてくれる

鋸山の百尺観音
日本寺に4つある管理所のうち、北口管理所から入るとすぐに「百尺観音」が現れます。その名の通り100尺(約30m)もの高さを誇り、鋸山特有の切り立った崖の中に佇む姿は圧巻の一言。陸・海・空の交通安全を守る本尊だそうなので、無事に帰宅できるようにお参りしておきました。

12:45 いよいよゴール。下から見えていた「地獄覗き」に到着!

今回のゴールに設定したのは「地獄覗き」。日本寺の山頂展望台にある、切り立った岩の上から海を一望する絶景スポットです。 「山頂展望台」というだけにまたまた階段ですが…今度こそ本当にラスト!360°に広がる絶景についに到達!
日本寺の階段であくびする犬
あまりの坂道続きにさすがの甲斐犬・ウタも疲れてきた!?大きなあくびが出始めましたが…あと少しがんばって!
鋸山の地獄覗き
これが「地獄覗き」。手すりの向こうは断崖絶壁のスリル満点な展望台ですが、眺望は最高!
詳細はこちら:日本寺

13:15 帰りは鋸山ロープウェーで空中散歩を楽しみながら下山

境内を抜けて西口管理所から出ると、約10分で鋸山ロープウェーの山頂駅。10kgまでの犬は同乗することができるので、行きは登山を楽しんで、帰りはロープウェーで降りるという愛犬連れの登山者も多いようです。
鋸山ロープウェーに犬を連れて乗るところ
今回は肩掛けタイプのペットスリングに入れましたが、抱っこでもOK
鋸山ロープウェーに犬と乗っているところ
もちろんロープウェーも初めてのウタ。目の前に広がる大パノラマの海と山に、心なしか興奮気味。真剣に外を眺めていました
詳細はこちら:鋸山ロープウェー

13:30 野菜ソムリエchiori特製シロップと天然氷が絶妙!「好日堂」でご褒美かき氷

創作かき氷好日堂の外観と犬
じつは鋸山登山道へ向かう道を少しそれた場所にあります。徒歩で下山する人も立ち寄りやすい立地!駐車場がないので、近隣に停めてから来訪を
約4分の空中遊覧で、駐車場に車を置かせてもらった山麓駅に到着。坂道をたくさん登って暑くなったし、ちょっと甘いもので休憩したい…。そんな人にぴったりなのが、鋸山ロープウェーから徒歩8分ほどのところにある「創作かき氷 好日堂」さん。 野菜ソムリエchioriが、山梨県の天然氷と、自ら足を運んで厳選した季節の果物や野菜で完全手作りしたシロップで作るかき氷は、果物や野菜の味が何倍も華やかにおいしく感じる絶品!テラス席は犬もOKです。
好日堂の天然かき氷「マスクメロン」
純系マスクメロン1,700円。ちょっと高価だけれど、多分かき氷の概念が変わるはず!
今回は定番人気の「マスクメロン」をオーダー。一本の苗に一玉しか実らせないという「純系マスクメロン」を使っており、甘みも香りも濃厚!手作りの練乳の中にも溶けだしたメロンのおいしさが天然氷全体に回って、こんな大きさですが、どこをすくってもおいしい!
犬に氷を舐めさせているところ
ウタにも氷だけの部分をおすそ分け
公式Instagramはこちら:創作かき氷 好日堂

14:15 駐車場で犬のボディチェック。ケガも寄生虫もないことを確認

犬をブラッシングしながらノミやダニをチェックしているところ
鋸山を無事登り切ったウタ。お疲れ様!
かき氷でリフレッシュして、駐車場へ戻ってきました。これで今回の犬連れ登山は終了ですが…。車に乗せる前に、必ず犬のボディチェック! 目の細いくしでブラッシングしながらノミやマダニがいないかをチェックしたり、足の裏などに怪我をしていないかを確かめましょう。

愛犬と自分の体力に合った山を選んで安全に登山を楽しもう

草木の匂いに包まれた山道を楽しそうに歩く姿に癒されたり、頂上からの絶景を一緒に見たり…。愛犬と行く登山はやっぱり最高!慣れてくると、一緒に制覇する山が増えていくのも楽しみの一つです。でも、自分も犬も他人も危険にさらされる可能性がいつだってある場所にいるということも忘れないで。今回伝えた心得と装備を万端に、周囲への気配りもしながら、ぜひ犬連れ登山を楽しんでください。 次回は「#hinataいぬ部で聞いた、全国の犬連れ登山におすすめの山」を紹介予定! 「犬との外遊びでこんなことが知りたい」「犬とのおすすめお出かけスポットがある」など、情報があればInstagramで 「#hinataいぬ部」のハッシュタグを付けてどんどんお寄せください。Instagram(@hinata_outdoor)と「#hinataいぬ部」もぜひフォローよろしくお願いします!

「#hinataいぬ部」で投稿しよう!

今回紹介したアイテム

商品画像Safety LifeポイズンリムーバーReFUNA ペットスリングくるくるワンワン
商品名Safety LifeポイズンリムーバーReFUNA ペットスリングくるくるワンワン
商品リンク

#hinataいぬ部

飼い主もワンちゃんも「もっと外が好きになる」、みんなでつくる外遊びガイド。読者からも情報を募って、小型犬はもちろん、中・大型犬も楽しめるアウトドア情報を発信します。



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