【今日のキャンプ用語辞典】「トライポッド」とは?
【ブッシュクラフト入門】「トライポッド作り」と「自然の味わい方」でもっと楽しく!
2023.01.17ライフスタイル
キャンプで実践者が増えつつある「ブッシュクラフト」。とはいえ、未経験者には敷居が高いのも事実かもしれません。そこで合計3回に分けてブッシュクラフトの達人「川口 拓」さんに、初心者も簡単に実践できるテクニックや知識を伝授してもらいます。3回目のテーマは「食を楽しむブッシュクラフト」。自然の素材を使ったトライポッド作りや、松の葉ドリンクの作り方などを教えてもらいました。
制作者
すぎたま
クルマ雑誌やおでかけサイトなど約10年編集に携わる。愛車を走らせサーキットでグイグイだったかつての週末…が、今や年間約80泊、もっぱらソロキャンプ三昧。JBS認定ブッシュクラフトアドバイザー
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【指南役】ブッシュクラフトの達人「川口 拓」さん
1990年代に幾度も訪れたカナダやアメリカで、アウトドア全般や野外救急法、野外教育法、ネイティブアメリカンの古来の教え、大地と共に生きるサバイバル技術などを学ぶ。2001年からは自然学校「WILD AND NATIVE」を主催。自然の教えを基に、ネイティブアメリカンの大地と共に生きる術や哲学、アウェアネス、サバイバル技術などを、一般の人をはじめ自衛官や警察官などにも指導。
著書に『ブッシュクラフト〜大人の野遊びマニュアル〜(誠文堂新光社)』や、『焚き火入門』(コスミック出版)、『究極の野遊び野遊びスタイル ブッシュクラフト入門』(コスミック出版)、『都市型災害を生き延びる サバイバルプラン』(イースト・プレス)など多数。
現地調達の材料で作る「トライポッド」
焚き火の上に設置するトライポッド(三脚)は、ケトルやクッカーなどをつるして焚き火料理が楽しめる便利なギアです。
ステンレス製やスチール製などと、さまざまなスタイルのものが登場していますが、今回は、そんなトライポッドを枝やロープを使って手作りする方法を伝授してもらいます。比較的簡単に製作できるので、ブッシュクラフトの入門に試してみるのもおすすめです。
<用意するもの>
なるべくまっすぐな枝3本、ロープ1m2本、小枝2本(高さ調整用)
ステップ1
枝3本を並べ、端の1本に本結びでロープを固定します。
そこから順番に上側、下側と、蛇行させながら3本の枝を複数回巻いていきます(ロープの残りが50〜60cmになるくらいまで)。
ステップ2
縦方向(2カ所)に2回ほど巻き、最後にロープのそれぞれの端を結んでポール部分が完成です(ちょう結びなどでOK)。
完成したトライポッドを使用する際は、3本の枝が隙間なく触れる(木同士が支え合う)ようにして地面に立たせます。
ステップ3
次にケトルやクッカーなどをトライポッドにつり下げるためのロープを作ります。まずは用意したもう1本のロープの先端同士を二重止め結びなどで繋げ、ロープ全体をリング状にします。
リング状にしたロープの途中に写真のような2つの輪を作り、小枝を通して固定。同じ作業を反対側にも行います。
この小枝の部分で、ケトルとポール上部をそれぞれ固定します。ポール上部側への巻きつけ回数を変更することで、ケトルの高さが調整可能です。
松葉での「お茶作り」
自然の中で楽しむブッシュクラフトらしく、身近な植物で楽しむドリンクの作り方も教えてもらいました。
今回は、どこでも比較的入手しやすい松葉を使用します。使用する松葉は1杯あたり写真ほどの量。キャンプ場などで収穫する際は許可を得ることもお忘れなく!少し噛むと酸味が感じられるほどビタミンが豊富なのもポイントです。
<用意するもの>
ケトル、水、松葉、マグカップ、トライポッド、焚き火用の小枝適量
松葉の先を2〜3cmほどカットします。
水を入れたクッカーをトライポッドを使って火にかけます。今回は許可されている場所で直火で行いましたが、事後は焚き火の痕を残さないようにするなどの配慮は必須です。
沸騰したら松葉をクッカーに入れ、トライポッドでつるしたクッカーの高さを上げ、蒸すようなイメージで15分ほど加熱し続けます。この際は、沸騰させない程度で加熱するのがポイントです。
松葉のエキスがたっぷりお湯に溶け出し、少し色味が薄くなった感じに。酸味を感じる素朴な味に自然を満喫できるはずです。
ブッシュクラフトでキャンプをもっと楽しく!
3回にわたりブッシュクラフトの達人・川口 拓さんに、ブッシュクラフトの魅力や基本を指南してもいました。自然の素材で道具を作ったり、自然の味を楽しんだりと、いずれもビギナーでも楽しみながらチャレンジできるものばかりなので、ぜひブッシュクラフトの世界を満喫してみてください。