ブッシュクラフト

【ブッシュクラフト入門】「ナイフ使用の基本」と「ペグ作り」をマスター

キャンプで実践者が増えつつある「ブッシュクラフト」。とはいえ、未経験者には敷居が高いのも事実かもしれません。そこで合計3回に分けてブッシュクラフトの達人「川口 拓」さんに、初心者も簡単に実践できるテクニックや知識を伝授してもらいます。2回目は実践編として、「ナイフ使用の基本」と、練習にももってこいの「ペグ作りの方法」を教えてもらいました。

【指南役】ブッシュクラフトの達人「川口 拓」さん

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1990年代に幾度も訪れたカナダやアメリカで、アウトドア全般や野外救急法、野外教育法、ネイティブアメリカンの古来の教え、大地と共に生きるサバイバル技術などを学ぶ。2001年からは自然学校「WILD AND NATIVE」を主催。自然の教えを基に、ネイティブアメリカンの大地と共に生きる術や哲学、アウェアネス、サバイバル技術などを、一般の人をはじめ自衛官や警察官などにも指導。 著書に『ブッシュクラフト〜大人の野遊びマニュアル〜(誠文堂新光社)』や、『焚き火入門』(コスミック出版)、『究極の野遊び野遊びスタイル ブッシュクラフト入門』(コスミック出版)、『都市型災害を生き延びる サバイバルプラン』(イースト・プレス)など多数。

ナイフの練習にもぴったりな「面取り」

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ブッシュクラフトを楽しむためには、ナイフの扱いに慣れることが重要です。そこで今回は、ナイフの練習にもぴったりな「面取り」作業の方法から教えてもらいました。ナイフで木材の角を削ぎ落として角をなくす作業ですが、自宅でもできるのでぜひ参考にしてみてください。
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練習には、爪で押すと跡が残るくらい柔らかい木材を使用するのがおすすめです。今回は100円均一ショップなどでも簡単に手に入る、扱いやすく柔らかい木製の角材を使用しました。

ステップ1

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ナイフは、写真のよう親指を背に添えずにナイフを握り込む「ハンマーグリップ」で行います。 ※ナイフの握り方の呼び名は、団体などによって異なる場合もあります
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木材の角に45度の角度でナイフをあてて、ブレードをナイフの持ち手に近い方から、刃先の方へスライドさせるように動かします。木材を固定してブレードだけを動かしたり、ナイフを固定して木材だけを動かしたり、両方とも動かしたりなど、自分が作業しやすい方法で行いましょう。 <ワンポイント> ・木目に逆らっているときはガタガタすることもあります。このような場合は木材の向きを反対に持ち直すのがおすすめ ・ブレードを幅広く使うようにスライドさせるとスムーズに削れます

ステップ2

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角を削ると2つの角ができるので、この角をまた削っていきます。これを繰り返して全体を丸くしていきましょう。この作業はフェザースティックを作る工程とほぼ同様なので、習得すればさまざまなシーンで応用できるはずです。
【フェザースティックとは】 木材の表面を薄く削り重ねて羽のような状態にしたものです。木材に火がつきやすくなるので、焚き火などで焚き付けの代わりにフェザースティクを作るのも一般的。 積雪地帯で生まれた技術で、雪で湿った木材の乾いた部分を露出すると同時に、削りカスを濡れた地面に落とさないようにする先人の知恵でもあります。

マスターしておきたい「Vノッチ」

ブッシュクラフトでのナイフ使用時に多用するのが「Vノッチ」です。この技術をマスターすれば、太い枝を短くしたりペグ作りなどの際に役立ちます。

ステップ1

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Vノッチを行う際は、写真のように刃の背に親指を添える「レギュラーグリップ」がやりやすいです。

ステップ2

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面取りと同様に、ナイフを45度ほどの角度で木材にあてます。そのままブレードをスライドさせるように動かして、木材に5mmほど食い込ませます。 <ワンポイント> ・力を伝えやすいブレードの根本寄りを木材にあてましょう ・ナイフを握っていない方の親指を添えると力を加えやすくなります

ステップ3

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木材の向きを反対に持ち直し、最初に入れた食い込みの反対側からもステップ2を行い、木材をV字にカットします。

【応用編】木材カットを楽にする方法

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写真のようにくびれた状態になるように、木材の全周にVノッチを施します。
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木材に入れた切れ込みにひざをあて、手前に引くと簡単に折ることができます。そのままでは折るのが難しい太い枝でもこの方法なら簡単!

基本を応用した「ペグ作り」

次は、「バトニング」と「Vノッチ」でペグを作ります。数分で作れるので、初めてのブッシュクラフト作業にもおすすめです。 <用意するもの> ナイフ、木材(ペグ用)、直径3〜4cmの枝(バトニング用)、作業台

ステップ1

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ペグにする木材は、丸棒や面取りをした角材などがよいでしょう。作業台の上にペグになる木材を寝かせ、切れ込みを入れるためにナイフを添えます。ナイフを握る手は、安全確保のために作業台より外側になる位置に。

ステップ2

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利き手に太い枝を持ち、バトニングの要領で数ミリの切れ込みを入れます。切れ込みが深くなると折れやすくなるのでほどほどに。この切れ込みはストップカットと呼ばれ、次のステップで入れる切れ込みを止める役割を持ちます。詳しくは次ステップで。
【バトニングとは】 ナイフの背を硬い木などで叩き太い枝などを割る、ブッシュクラフトにおける技術の一つです。

ステップ3

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ステップ2で入れたストップカットに向かって、Vノッチを作る要領で切れ込みを入れます。
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写真のようにガイロープが引っかかるようなくぼみができればOK。

ステップ4

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地面に刺さりやすくするために鉛筆のように削って尖らせるとペグの完成です。ハンマーグリップで握り、手首を少しひねるように思いきって削ります。この使い方はパワーカットとも呼ばれ、大きな破片を一気に削り取る際や、細めの材を一刀で切断する時などに便利です。
今回はナイフの練習にもなる面取り作業やVノッチ、ペグ作りの方法を紹介しました。いずれも簡単で自宅でも試せるものばかりです。ナイフの基本を覚えて、いつものキャンプにブッシュクラフトを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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