キャンプで何をするか迷ったらこれ!子どもも大人も手放しで楽しめる究極の野アクティビティ、“泥んこ遊び”
キャンプデビューを控え、ギアの準備はできたけれど、キャンプ場で子どもと何をして遊んだらいいかわからない…という人へ。特別な準備もテクニックも必要なく、全力で楽しめる遊びがあります。それは、「泥遊び」。汚れが気になるし躊躇する気持ちもあるものの、泥遊びは子どもにも大人にもメリットがいっぱい。本気の泥遊びの楽しみ方、実際の教育現場からのレポートをまじえてお伝えします。
キャンプでもっとも身近で手軽な泥遊び
キャンプ場をはじめ、あらゆる「おそと」で楽しめる遊びといえば、砂・泥遊び。子どもは泥遊びが大好き。さらさらと気持ちの良い砂に水をかけ、ドロドロの泥にするのをとても喜びます。楽しいのはもちろんのこと、五感の発達や想像力が養われたりと、情操教育という面でもメリットが。全身で体感できる感覚遊びの活動として、プログラムに取り入れている幼稚園や保育園もあります。
現代では意外とハードルが高い
気候や場所に注意
泥遊びはいつでも・どこでもできるわけではありません。いうまでもなく服が汚れ、遊んだ後に体を洗ったり、着替えたりする必要があるので、半そでで過ごせる季節がベスト。真夏は短い時間でも屋外で活動すると熱中症の恐れがあるので注意。
ちょっとした泥遊びなら、近所にある公園でもできますが、実は公園の砂場はあまり衛生的でない場合も多いのが事実。ガラスの破片やタバコの吸い殻、動物の糞などが混ざっていることがあるので、遊ぶ前に必ず大人が点検する必要があります。
海やキャンプ場なら思う存分楽しめる
思い切り泥遊びがしたいなら、やはりビーチ!シャワー完備の海水浴場や、海沿いのキャンプ場を利用すれば、気兼ねなく遊べます。コインランドリー完備のキャンプ場であれば、泥まみれの服をすぐに洗濯でき、暑ければテントで休憩できるのでより快適に過ごせるのでおすすめ。
泥遊び現場に潜入!
毎年夏〜秋ごろ、感触遊びの一環として「泥遊びの日」を設けている川崎市の認可保育園、
アスク宮前平保育園を訪問。3歳・4歳・5歳児クラスの泥遊び現場を見学し、教育のエキスパートから、遊ばせ方や、実際行う際の注意点などについて教えてもらいました!
本日の泥遊び場
アスク宮前平保育園の泥遊びは、毎年6月と8月に予定されていますが、熱中症や感染症対策のため、今年は9月に実施。3歳・4歳・5歳児の全6クラスを、1クラス(約15人)およそ10分ずつ順番に行なっていきます。
場所は、園庭の一角にある砂場。ホースで水を流し入れ、波が去った後の海の砂浜のような、絶好の泥遊び場の完成です。
道具があると遊びが広がり、深まる!
手足で泥に触れたり、泥だんごを作るのももちろん有意義ですが、道具があると便利。泥を運ぶバケツや、穴を掘るシャベル、生き物を型取るおもちゃやおままごとセットなど。100均でも一式揃えられ、色や形などいろいろな種類があるので、子どもと一緒にお気に入りを選びましょう。
お待ちかねの、泥遊びスタート!
軽く準備運動をした後、1クラスずつ子どもたちが泥遊び現場にやってきます。最初は泥の中に入るのをおそるおそる、といった子もちらほら。ふだん、大人に笑顔で「服を汚していいよ!」と言われることはなかなかありません。いざお許しが出ても、ためらう気持ちもわかります。
「昨今はコロナ禍や熱中症対策で、泥遊びを見送る年もありました。ですので、泥遊びをあまり経験したことがない子もいるんです。最初は泥に慣れず、嫌がる様子をみせているこどもたちも、時間が経つとだんだんとダイナミックな動きが出てくるようになります」(園長先生)
数分もすると子どもたちは、手足や体、顔まで泥だらけになり、夢中で遊びはじめました。泥が「気持ち悪い」と思わずに「気持ちいい」と感じている証拠です。
「泥遊びを通して、水を混ぜると柔らかくなったり、乾くと固まったりといった砂の特性や感触を、自然と学ぶことができます。ひんやりとした泥の冷たさや、地面の温かさを全身で体感できるのも醍醐味ですね」(園長先生)
遊んでいるだけで創造力や集中力が高まる!
何も言わずとも子どもたちは、泥を積み上げて山を作ったり、穴を掘って水路を作ったり、泥を固めて団子を作ったり。「形のないものから『何を作ろうかな?』と創造して実践したり、創作したものが壊れてもまたやり直したりと、根気や集中力も養われます」(園長先生)
実は、いい運動になっている!
狭いところに留まり、じっと座っていることも多そうに思える泥遊び。鬼ごっこなどに比べ、外遊びの中では運動量が少ないように感じますが、実はいい運動になっているのだそう。「立ったり、座ったりを繰り返したり、泥をバケツに入れて運んだりという動作が、意外と体力を使います。砂遊びもそうですが、水で重たくなった泥は体にも付着しますし、運動量が多い遊びと言えますね」(園長先生)
社会性も身につく
「お友だちと一緒にひとつのことに取り組むことで、道具の貸し借りをしたり、役割分担が生まれたりと、社会性も身につきます」(園長先生)
泥を集めては流し、集めては流し、と大人からすると一見「どうでもいいこと」をひたすら一生懸命やり続ける子どもたち。小さな実験を繰り返すことで、多くのことを学んでいるようです。
大人も泥んこで楽しさ倍増!
「子どもは、一緒に遊んでくれる大人が大好き。子どもたちと全力でコミュニケーションを取ることで、信頼も得られます」(園長先生)
大人だって泥遊びは楽しい。先生方も、全身泥だけらになり、満面の笑みで子どもたちと泥を塗りあっていました。
「泥遊びは、見た目以上に体力を消耗するので、園では、ひとクラス10分程度で切り上げます。月齢にもよりますが、乳幼児なら様子を見ながら20分くらいが限度。小学生でも休憩しながら、1時間程遊べば十分でしょう」(園長先生)
楽しい泥遊びのお土産対処法
泥だらけの服は即効で洗濯すべし!
楽しい楽しい泥遊びのあと、家に戻ってくるのは泥だらけの服…。すぐに泥を落とし、手洗いしてからいつも通り洗濯すれば、あらかたきれいになります。が、どうしても落ちないときの救世主がありました!
泥遊びができるキャンプ場はこちら!
お天気のいい日なら、まだまだ泥遊びキャンプのチャンスありです。年中温暖な千葉県南部の房総半島、東部の九十九里浜はこの時期の泥遊びにぴったり。おすすめのキャンプ場をピックアップしました!
館山サザンビレッジ
南房総エリアで唯一、海水浴場まで歩いていけるキャンプ場。目の前の海水浴場は波もなく風も穏やかなので、小さい子どもも安心して遊べます。無料の温水シャワーに水洗トイレも利用可能。
九十九里浜シーサイドオートキャンプ場
太平洋沿岸に面する日本最大級の砂浜海岸、九十九里浜に隣接。海辺まで歩けるほどの距離で、潮風と波の音が心地よく、キャンプ場でも海を感じて過ごせます。第1キャンプ場内にはシャワーの他、露天風呂も完備。
お台場海浜庭園オートキャンプ場
房総半島の最西端、お台場海浜庭園の中にあるオートキャンプ場。三浦半島に大島、伊豆半島、天気が良ければ富士山、遠くに南アルプスまでもを望むことができます。ロケーション抜群の貸切風呂やシャワーがあり、砂遊びをした後も安心。
外で思い切り泥遊びをしよう!
「泥だらけ」になることで、子どもが心身ともに成長し、親子でのコミュニケーションも生まれ、いいことづくめの泥遊び。やるときは事前準備をしっかりとし、全身全霊で泥の恩恵を受けましょう。