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難燃ブランケット

「難燃ブランケット」って本当に燃えないの?編集部の検証結果と今冬おすすめの極暖アイテムを紹介!

キャンプ中に身に着けていると、焚き火のそばでも安心して過ごせる「難燃ブランケット」。防寒しながら火の粉から身体を守るだけでなく、チェアカバーとして使ったり、寝袋に入れたりと、1枚あると重宝します。しかし、「難燃」と「"非"難燃」はどれほど差があるものなのでしょうか。実際に火の近くで検証した結果と、おすすめ難燃ブランケットを紹介します。

手頃で買いやすい「難燃ブランケット」

焚き火にあたる女性

出典:PIXTA

世の中にはアウトドア向けの難燃グッズが数多くありますが、「汎用性」という観点で考えると、ブランケットに勝るアイテムはありません。 火の粉から身体を守るだけであれば足元にかけておけば良いですし、肌寒い時はアウターの上から肩にはおれば防寒具にもなります。インナーシュラフのように寝袋の中に入れたり、グランドシートの上に敷いてラグにしたり、アイデア次第で使い方は無限大。 一方で、値段はアウターやシューズと比べるとかなりお手頃。定期的にキャンプをするなら、一枚は持っておきたいお役立ちアイテムです。

【禁断の検証…!?】「難燃」がどのぐらい火に強いのか、実際に試してみた

Amazonでほぼ同じ値段の難燃、非難燃ブランケットをそれぞれ購入。火を近づけてどうなるか検証

難燃ブランケット
▲難燃ブランケット。約2,000円で購入
難燃じゃないブランケット
▲こちらは"非"難燃ブランケット。同じく、約2,000円で購入
ぼんやりと「キャンプに持っていくなら難燃素材のほうが良い」と思っていても、「難燃」と「非難燃」でどれぐらいの違いがあるのか実際に試したことのある人は少ないはず。 というわけで、hinata編集部が検証。Amazonで難燃ブランケットと普通のブランケットを購入し、火を近づけて燃え広がり方の違いを比較してみました。アイテムのグレードがあまりに違いすぎると比較にならないため、価格はどちらも2,000円前後のもので統一。 チェック柄の方が難燃で、無地のブランケットは特に難燃仕様ではありません。肌触りはどちらもなめらかで、パッと見ただけでは素材感の違いはわかりませんでした。

同じ距離から同じ秒数、火にあててみる

火であぶる箇所をわかりやすくしたもの
火にあてる部分と、燃え広がった範囲をわかりやすくするため、どちらのブランケットにも10cm四方の枠を描いておきます。
実験につかったチャッカマン
リアルな使用シーンをなぞるなら、焚き火の近くで火の粉をかけるのが一番ですが、今回はわかりやすさ重視でライターを使用。ブランケットから3cmほどの距離で、30秒間連続で火をあててみました。

【結果】圧倒的な差が。やっぱり「難燃素材」はすごかった!!

非難燃のブランケット
▲完全に穴があいてしまった非難燃素材のブランケット
着火して早々、普通のブランケットは生地がよれていくのを視認できました。開始から10秒ちょっと過ぎたところで、中心部に穴が。 30秒後には人差し指の先がすっぽりはまるぐらいの大きさまで広がりました。ゆらいだ炎があたったまわりの部分も、生地が熱で溶けて薄くなっているのがわかります。
裏まで完全に穴の空いたブランケット
裏から見ても穴があいてしまっているのが丸わかり。ものの数秒で生地が溶け始めてしまったので、焚き火のそばで使うと洋服や肌にダメージが響きそうです。
ブランケットのアップ
▲30秒間、火であぶった難燃ブランケット。やや焦げてはいるものの、穴にはなっていない
ブランケットに寄った図
一方、難燃ブランケットはご覧のとおり。柄がブラウンなのでわかりづらいですが、よ〜く見ると中心部分が茶色く焦げています。しかし、穴が空いたり、生地が溶けていたりする様子はナシ。非難燃のものと比べるとその差は歴然です。
ブランケットの裏地
裏から見るとこんな感じ。若干熱でひきつれたような跡があるような気がしますが、見た目ではほとんどわかりません。もちろん、商品によって素材や難燃性に違いはあるものの、「キャンプ用のブランケットとして、難燃を選ばない理由はないな」というのが正直な感想でした。

なぜここまで「難燃」「非難燃」で差が出るのか

非難燃のブランケット
軽量で水に強い特徴を持つ化学繊維「ポリエステル」は、扱いが簡単で比較的安価なことから、多くの布製品に使われています。今回の「非難燃」ブランケットもポリエステル製。 しかし、ポリエステルの原料は石油なので、一度火がつくとどんどん燃え広がってしまいます。油断してうっかり洋服に穴を開けてしまう人が多いのもそのため。焚き火には注意が必要です。
難燃加工のブランケット
ポリエステルと同じように、素材にはそれぞれ特色があります。一般的に、熱に強い(燃えにくい)と言われるのが綿(コットン)やウール。それ以外に、各メーカーが独自に開発した難燃素材を使っていたり、ポリエステルの表面に難燃剤を塗布したりという場合も。 今回使った難燃ブランケットは、ポリエステルの表面に難燃加工が施されているものでした。あくまで生地表面に加工してあるだけなので、洗濯を繰り返すと徐々に難燃効果は薄れてきてしまいます。あくまで「燃えにくい」だけであって、「燃えない」わけではないことは覚えておくといいでしょう。
それでは、難燃ブランケットの中でも、特に見た目や機能が際立ったおすすめのアイテムを紹介していきます。

確かな実力の難燃ブランケット、おすすめアイテムをピックアップ

素材・柄でまわりと差をつける、個性派ブランケットの数々

丈夫で長持ちしやすく、肌当たりの柔らかいコットンと、汚れに強く保温性に優れたウールの混紡生地。表面の毛足が短めなので、パキッとしたカラーリングと「NANGA」のロゴが映えます。上部にスナップボタンがついているため、上半身に巻いてケープとしても使用可能。
難燃ブランケット3種
[写真手前]アッソブ アルバートン ファイヤープルーフブランケット7,480円(アンバイPR:03-6434-0709)、[奥左]バッシュ ウールブランケット25,300円(植山テキスタイル:03-5724-5539)、[奥右]ザ・ノース・フェイス ボンファイヤーブランケット15,400円(ゴールドウインカスタマーセンター:0120-307-560)
[写真手前] 表地はキャンバス生地、裏地はモコモコのボア生地になった一枚。表裏両面に、作業服やインテリアにも使われる難燃素材「カネカロン®」を使用しています。縦72×幅77cmとややコンパクトなサイズ感で、ヒザにかけた時に地面につきにくく、汚れにくいのがうれしいポイント。 [写真奥左] 「長く愛用できる確かなものづくり」にこだわり、日本一の毛布の街・大阪の泉大津で手織り生産されているブランケット。ていねいに織られたウール100%の生地は密度が高く、極上の肌触りです。ブラウンと淡いコーラルピンクの優しい配色で、どんなサイトにもなじみます。 [写真奥右] 表面に難燃加工を施した、肌触りの良いオーガニックコットン素材を使用。しっかりと厚みがあるので、肩掛けやひざ掛け以外に、マットとしても使えます。収納時は丸めてストラップで留めるだけなのでコンパクト。
サイケな宇宙柄が目を引くこちらは、アウトドアブランド「オレゴニアンキャンパー」独自の燃えないマイヤー毛布素材を使用。スナップボタン付きで、肩にはおってポンチョとしても使用可能。縦140×横200cmの大判サイズなので、成人男性が使っても体全体をすっぽりとおおってくれます。

くるっと腰に巻いてエプロンに早変わり!機能性重視の男前ブランケット

ジーアールエヌ アウトドア独自開発の難燃素材「バーニングディフェンス」を表地に採用。キャンプでの使い勝手が最大限に考えられた、焚き火用のブランケットです。裏地はボアフリースになっており、保温性抜群。
ブランケットを巻いている男性
ブランケットを腰に巻き、スナップボタンを留めればまるでエプロンのような風貌に。ガストーチや小型のLEDランタンなど、必要なときにサッと使いたい小物を取り出せます。

冬キャンプを楽しむには、まず頼れる難燃アイテムがないと!

ブランケットを重ねて置いてある様子
寒い時期のキャンプは、焚き火の暖かさが心身に染みわたります。日が落ちてグッと冷え込んだ時の防寒用、そして何より火の粉からウェアと身体を守る用に、火に強い難燃ブランケットはマストアイテム。万全の装備で冬ならではの空気や景色を満喫しましょう!

冬は難燃、欲しいねん。

冬こそ一年を通して焚き火の魅力を最も感じられるシーズン。冷たく張り詰めた空気のなかで炎の暖かさを感じる時間は、こたつでアイスを食べるような、何とも言えない幸福感があります。しかし、そんな至福の時間に水を差すのが、舞い上がる「火の粉」。防寒は絶対条件として、冬前に買うべき「おしゃれ」かつ「火の粉に強い」最強ウェアを紹介します。



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