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パックラフトで夏のキャンプがもっと楽しく!初心者が始めるためのコツ、聞きました【水遊び、はじめました】
2021.08.04ノウハウ
キャンパーの間でもじわじわと人気が広がっているパックラフト。その人気の秘密は、誰でもできる手軽さと持ち運びやすさ。キャンプにプラスαの刺激を求める人のため、パックラフトの道具の準備から実際の川下りのコツまで、基礎知識を解説します!
パックラフトの基礎知識
【洞窟探検家・縣さんが監修】
今回、パックラフトについて教えてもらったのは、愛知の洞窟探検家、縣(あがた)智丈さん。探検家として、国内だけでなく、インドネシアを中心とした海外に遠征しており、パックラフトはもちろん、山スキー、自転車、釣りなど、探検活動の手段としても、多くのアウトドアアクティビティに取り組んでいます。
代表を務めるオンラインのアウトドアショップ「元気商會」では、パックラフト本体だけでなく、自身の経験をもとにした専用のアイテムを開発、販売。国内でもパックラフトに詳しい一人です。
アラスカ生まれの画期的な移動手段
▲女性でも持ち運びが簡単なパックラフト
パックラフトはアラスカ生まれの空気でふくらませるボート。もともとは探検家が愛用していました。PACK(バックパック)+RAFT(ゴムボート)という名前からわかる通り、バックパックに取り付けられる取り回しの良さが特徴。日本でも公共交通機関を使った川旅の相棒として、ハイカーの間で評価はうなぎ上り。今注目のウォーターアクティビティです。
パックラフトのココが凄い!!
ほかのアウトドアとの相性バツグン
▲バックパックに取り付けられるパックラフト
フレームがなく、空気でふくらませるゴムボードのような形状なので、一般的なモデルの重さは約2〜3kg。バックパックに取り付けて、公共交通機関での移動もできるのは、カヌーやカヤックにはない良さです。
最寄りのキャンプ場を拠点にして、キャンプサイトの設営が終わって汗をかいたら、パックラフトで下り、電車やバスで戻ってくることが可能。キャンプの幅が広がります。
荷物の積載も魅力。「MTBをのせて川下りを楽しむなど、アクティビティをかけ合わせながら、複合的にアウトドアを満喫できるのがパックラフトです」(縣さん、以下同)。
カヌー、SUPにはない特徴とは?
▲浅瀬でも下れるのがパックラフトの良さ
パックラフトは水深が足首ほど、約15cmもあれば川下りができる点が、カヌーやスタンドアップパドルボード(SUP)より優れている点。さらに激しい流れにも対応しており、急流を下って楽しむ「ラフティング」のような刺激がほしい人には最適です。
空気を抜いて、たたむだけで収納できるので、都市部の狭い共同住宅や戸建てでも、保管場所に困らないのも人気の秘密。「カヌーやカヤックに興味はあるけど、賃貸マンションで保管や移動が難しい」という人にはおすすめの水遊びです。
混んだキャンプ場を抜けて川旅へ
ウルトラライト(UL)系ハイキングのアイテムを組み合わせれば、バックパック一つで野営ができるのもパックラフトの良さ。週末のキャンプ場がどこもいっぱいになる中で、誰の目も気にせずに、河原の自分だけの幕営地でキャンプができるのは、キャンパーだからこそわかる魅力の一つかもしれません。
パックラフトの選び方
日本発のパックラフトブランドも誕生
▲グリフォンラフトのストレウス
縣さんによると、元気商會が展開する「日本発」のパックラフトブランド「GRIFFON RAFT」では、2気室構造の1人用「ストレウス」が売れ筋。手軽に操船、持ち運びできるのが特徴です。日本人の体型に合わせて開発された日本仕様。上級者も満足でき、初心者の最初の1艇にも使えます。
2気室がおすすめ
浅瀬に乗り上げたり、岩にぶつかっても、そうそう穴があくことはないパックラフト。自転車などの荷物を積む場合には、ストレウスのような2気室のタイプがおすすめ。片方に穴があいても、もう半分の浮力で荷物の水没からは逃れられます。
川に下りるときの藪に鋭利な枝がささると、さすがに穴があいてしまうので、取り扱いには注意が必要。万が一、穴があいたときにも、リペアキットがあるので、川下りは継続できます。
パックラフトの組み立て方
▲付属の袋での空気入れ
▲Amazonで購入できる充電式ポンプで、組み立ても楽々
パックラフトは袋に集めた空気を入れる方法のほか、縣さんがおすすめするのがUSB充電式のポンプ。最後にシワがなくなるまでパンパンにするために、口で息を吹き入れます。
また水が冷たい場合には、中の空気も冷たくなってしぼむため、休めるところで上陸して再び息を吹き込むのがポイントです。
パックラフトに必要な道具
キャンプ場を拠点に、日帰りで下るだけなら、コンパクトな荷物ですむのがパックラフトの良さ。ここでは必要な道具について解説します。
パドルは4分割がおすすめ
パドルは持ち運びのしやすい4分割できるものがおすすめ。急流のときは、短め(220cm前後)、ゆったりとした湿地帯や湖のときは長め(230cm前後)がおすすめ。長さを調整できるものが重宝しますが、重量はやや増えます。
素材はアルミ製の安価なものもありますが、カーボンやグラスファイバーなどの繊維強化ブラスチックものが軽量で、パックラフトにはおすすめ。それだけ値段は上がってしまいますが、パックラフトの機動性を活かすには、パドルは妥協したくないところです。
ライフジャケット
▲エア注入式のPFD
PFD(Personal Floating Device, ライフジャケット)も川遊びには不可欠なアイテム。カヤック用や釣り用など、アクティビティごとの特性や浮力があり、パックラフトではパドリング用のものの中から、体に合うものを選びます。
お腹まわりに浮力体があるものだと、お腹がつっかえて再乗艇しにくくなるので、注意が必要。公共交通機関を使ったパックパックスタイルなら、エア注入式がかさばらず、使い勝手に優れています。
シューズも重要
ベスタードのアクアプロ
真夏であれば、かかとが固定できるスポーツサンダルや、水抜けのいいトレランシューズで十分。ただし、浅瀬での移動や、急流手前の偵察で岩の上を歩くこともあるので、靴底が滑らないウォーターアクティビティ用のシューズが重宝します。水陸両用のアドベンチャーシューズなら、川を下った後の駅やバス停への徒歩も楽になるので理想的です。
服装は
グリベルのヘルメット
湖の静水ではなく、川を下る場合にはヘルメットは必須アイテム。流されている間や川岸を歩いている間に頭をうつ場合があるので、忘れないようにします。服装は真夏であれば、化繊の半袖とハーフパンツにタイツのスタイルで問題ありません。
防水に重要な小物はコレ
CURVERのウォータープルーフタンク 3.6L
▲縣さんが愛用するオルトリーブの防水バックパック。チャックを締めるだけで防水できる。
流れのある上流部では、常に水を浴びるので、携帯電話やカメラなどの防水対策は必須です。防水バッグやリュックを用意し、それでも心配な車の鍵などの小物は、ジップロックに入れるなどし川の中で沈して完全につかってもいいようにします。
川の下り方と注意点
川の流れを理解する
▲長瀞を下る縣さん
流れのいちばん早い「流芯」を見つけるのが川下りの基本。スピードも速く、浅瀬にのりあげる心配がなくなります。逆に、休憩する場合や、先の流れを偵察する場合には、川のカーブの内側や、岩の下流の流れの変わるところ(エディ)を活用します。
▲エディで一休み
白波のたつ、瀬をこえるときには、必ず一度上陸して、下見することを忘れず。川の中に隠れている岩にぶつかって沈することもあります。
橋脚や岩、川岸の波消しブロックなどにパックラフトが張り付いてしまうと、流れからパックラフトを脱出するのは難しくなってしまうので、障害物を避けて通るのが賢明です。
フェリーグライド
流れを横切りたいときには、船首を上流に対して45度かたむけながら漕げば、そのまま横に移動していきます。初心者でも練習すればすぐにできるようになります。
エディーキャッチ
急流の前や、仲間を待つためにも、本流からエディ(トロ場)のほうにパドルを入れて急回転する「エディキャッチ」はマスターしたい技術の一つ。
パックラフトに座ったときの視線は低いため、進行方向に落ち込みがあっても、直前まで気づかないことも。視覚だけでなく、水が落ち込む音で察知できるように聴覚も研ぎ澄ます必要があります。
安全に川を下るための注意点
▲川に落ちたときは足を前に向ける
川に沈したときには、パドルをなるべく放さないようにして、足を下流に向けて流れに身をまかせます。PFDをつけていれば体は確実に浮くので、おぼれる心配はありません。頭を前にして流されてしまうと、岩の間に足が挟まってしまう危険があり、注意が必要。
パックラフトが流れていってしまっても、たいていは淀みにとまっていることが多いので、まずは自分の身の安全確保を最優先にします。
流れにないところでは、パドルを持ってクロールのようにして泳ぐと、普通に泳ぐよりもかなりの推力が得られます。
この夏はパックラフトをマスターしよう!
持ち運びが楽なことから、キャンプなどのほかのアウトドアアクティビティとの相性が抜群のパックラフト。今夏は川辺や湖畔のキャンプ場で、川を下る楽しみを見出してみてはいかがでしょうか。アウトドアの新たな世界が見えるはずです!
取材協力:将門の滝オートキャンプ場
▼パックラフトを使った川旅についてはこちら
水遊び、はじめました
キャンプと一緒に遊びたい水遊び。 湖面をゆったりSUPで、清流をのんびりパックラフトで…。 今年は新しい遊びをキャンプに加えてみませんか?