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シェラカップで無骨に焼酎をゴクリ。レジェンド・田中ケンが語る、キャンプとお酒の切っても切れない関係

シェラカップで無骨に焼酎をゴクリ。レジェンド・田中ケンが語る、キャンプとお酒の切っても切れない関係

ライフスタイル

田中ケン

人はなぜ、キャンプでお酒を飲みたくなるのか。そんな永遠の問いに、アウトドア界の重鎮が、実際にキャンプ場で一杯やりながらざっくばらんに答えます。ゲストは、快適生活研究家の田中ケンさん。全国各地の数々のキャンプ場をプロデュース、運営しながら、アウトドアの楽しさを広め、自身も探求し続けています。ケンさんが語る「キャンプ×酒」の魅力とは?

目 次

キャンプとお酒の切っても切れない関係に迫る

アウトドアで飲むお酒が、味わい深い理由とは

田中ケン
街中ではお酒を片手に外を歩くことなんてないのに、キャンプ場だとビールの缶が手放せない…。そんなお酒好きのキャンパーには、星の数ほど出会ってきました。しかしなぜ、キャンプで飲むお酒はおいしいのか。あえて理由を深く考えてこなかった問いに、じっくり向き合ってもらうのがこの企画です。答えるのはアウトドア界の重鎮と呼ばれる有識者の方々です。

今回のゲストは、快適生活研究家の田中ケン氏

田中ケン
第1回は、キャンプにとどまらずアクティビティや野外料理などアウトドアの楽しみを追求する、快適生活研究家・田中ケン氏をゲストに迎えました。波乱万丈なアウトドア人生を、自身の会社が運営するキャンプ場・ファミリーパーク那須高原で、飲みながら語ってもらいます。

人はなぜ、キャンプをするのか?

先輩キャンパーの圧倒的なカッコよさに痺れた

田中ケン
── 若い頃は、ファッション雑誌の『POPEYE』や『MEN'S CLUB』などでモデルをしており、アウトドアとは縁のない生活をしていたと伺いました。そんなケンさんがキャンプを始めた理由とは何でしょうか?

田中ケンさん(以下、田中):僕が24歳のころ、公私ともに兄貴分として親しく付き合っていた、モデルの先輩に誘われたキャンプがきっかけでした。山梨の山中湖が目の前に広がる「みさきキャンプ場」で、テントを設営する先輩の手際の良さや、当時珍しかったツーバーナーを使いこなして振舞ってくれた豪華な料理、自家用車のルーフトップに取り付けたカナディアンカヌーで、湖の上を颯爽と漕ぐ姿…。

そんな様子が、体に衝撃が走るほどカッコよかった。同時に何もできずにただ見ているだけの自分に悔しさも感じました。一瞬でとりこになり、キャンプの翌日、すぐに道具を買いに行きました。当時はキャンプ用品を扱っている店を見つけるのも一苦労で、登山用品店を巡ったり、海外のカタログ通販で取り寄せたりしました。

自然の中では、スタートラインが全員同じになる

田中ケン

出典:田中ケンのHAVE A NICE DAY

── 今でこそ道具の性能も上がり、ブームも手伝ってキャンプへのハードルはかなり下がっていますが、道具は少なく、現地で不便も多かったであろう30年前。それでもキャンプを続けられたのはなぜでしょうか。

田中:人知の及ばない自然の領域で、工夫しながら遊ぶのが面白いと感じていたからでしょうか。自然の中では、その人の生まれや身分、肩書きは一切関係なくなって、心の余裕やこれまでの経験が生きてきます。フィールドでは人は皆平等なんです。そこがアウトドアの良さだなと、ずっと感じています。

昔から仕事を転々とし、どれも長続きしませんでしたが、アウトドアの魅力だけは、探求し続けても尽きる気配がありませんでした。僕にとっての快適な生活とは、すなわちアウトドアのある生活。それを仕事として追求していこうと決意し、先輩が1年間だけ名乗っていた「快適生活研究家」の肩書きをいただいて、かれこれ30年以上使い続けています。

キャンプでお酒を飲む理由

キャンプなら、上質なお酒にお金をかけられる

田中ケン

▲本日の田中ケンさんのお酒。霧島酒造「虎斑霧島」の炭酸割りに山椒をひとさじ振りかけたもの。

── アウトドアと自宅、飲むお酒に違いはありますか?

田中:
キャンプのときは、普段より良いお酒を用意します。キャンプ場って、ホテルや温泉施設と比べて宿泊費が格段に安いですよね。例えばここ、ファミリーパーク那須高原は家族4人で泊まっても7,000円程度。本来、宿泊費として消えてしまう分のお金を酒代に回せるので、ちょっと高価なシャンパンを持って行ったりしています。良いロケーションで、良いお酒が飲めるのが、アウトドアの良さですよね。

初キャンプで食べた、メキシコ料理の忘れられない味

田中ケン

出典:田中ケンのHAVE A NICE DAY

▲イベントで料理の腕を披露するケンさん

田中:あとは、料理に合わせて楽しむためにお酒を持っていきます。どうしても忘れられないのが、初キャンプで食べた先輩の手料理。

── 山中湖でのキャンプのときですね。どんなメニューだったのでしょう?

田中:
キャンプでの食事というと、僕はすっかり、バーベキュー、カレー、焼きそばなどのありきたりなメニューが出てくるものだと思い込んでいました。ところが先輩が用意してくれたのは、メキシコ料理!しかも前菜から始まるフルコースで、食卓が次々と皿で埋まっていきました。それに合わせて飲んだワインやシャンパンのまたおいしいこと…。その体験が忘れられず、料理とお酒にはずっとこだわっています。凝りすぎていた時期は、ダッチオーブンでミートローフを蒸したり、パテを作ったり、一日中料理にかかりきりだったことも(笑)。今は現地の食材を調達し、素材の味を生かしてシンプルに食べるようになりましたが、食卓には必ず4品ほど料理が並びます。

昔からよく作っているのは、初キャンプで食べた「チラキレス」。メキシコ風のチキンのトマト煮です。トマトとじっくり煮たチキンに、トルティーヤを入れるだけで一気にメキシカンな風味が出るお手軽料理。炭酸で割ったテキーラにライムを絞り、テーブルにダン!と打ち付けてショットガンスタイルで飲むのがたまりません!

飲みすぎてテントにたどり着けなかった!?失敗も思い出に

田中ケン
── 料理はもちろん「お酒が好き!」という気持ちがひしひし伝わってきます。

田中:
よく酒好きに見られますし、実際にお酒は大好きです!特に若いころはバブルの雰囲気も手伝って、毎晩飲めや歌えやのお祭り状態。ちょうどアウトドアにハマった24歳のころ、お酒好きが高じて実家近くの東京・西永福でカラオケスナックを営んでいた経験があり、お客さんにつられて浴びるように飲む日々を過ごしていたら体がやられました(笑)。

キャンプでは酔っ払いすぎて、下半身が外に出たまま、上半身だけをテントに突っ込んだ状態で寝てしまったこともしばしば。他にも色々とやらかしているようですが、実はあまり覚えていなかったり…。あとで「お前、昨日の夜はこんなすごい酔い方をしていたよ」とよく聞かされていました。でも記憶にない行動が自分でも面白くて、笑い話のネタになるのが実は嫌いではなかったりします。

ケンさん流の、キャンプでのお酒の楽しみ方は?

夜ふけにアイリッシュウイスキーをちびり

── お酒を飲んだり飲まれたりなケンさんですが、今、キャンプではどのようにお酒を楽しんでいますか?

田中:
料理とのペアリング以外の飲み方だと、食事が終わった後、寝る前にウイスキーをちびちびと飲むのが定番になっています。特にアイリッシュウイスキーが好きで、ブッシュミルズが飲めれば最高ですね。

モデルだった時代、表参道にあった行きつけのバーで、いつも締めにおいしいアイリッシュコーヒーを出してもらっていました。その味が印象的で、今でもアイリッシュウイスキーは愛飲しています。アイリッシュセター(セッター)を2匹も飼っていたほど、思い入れの深いお酒です。

シェラカップで、無骨に焼酎をゴクリ

田中ケン
── 焼酎を飲むときの、お気に入りのキャンプギアがあると伺いました。

田中:
コールマンの500mlのシェラカップと、オリジナルで製作しているマッコリカップです。シェラカップってついつい何個も買ってしまいますよね。なので、コールマンのシェラカップは一体いつ、どんなタイミングで買ったのか検討もつかないです…(笑)。10年以上は愛用しているので、今はもう販売されていないかもしれません。

焼酎は黒霧島などを水割りで飲むことが多いのですが、カップが小さいと飲み終わるのも早いため、何度も作らなければいけないのが面倒で。このシェラカップなら500mlの水割りを一気に作れるのが最高です!無骨さ、男らしさのある焼酎を飲むなら、器もシェラカップにしてさらに雰囲気を出したいところです。

マッコリカップは、ちょっとひねくれた心をアイデアに製作した商品。3年ほど前、アウトドアが盛り上がり、各社が一斉に同じような形のシェラカップを作り出したので「うちはみんなと違うことをしてやろう」と、マッコリカップという名でこの器を作りました。取っ手も少し変わったものにして、軽井沢にある自営のキャンプ場・アウトサイドベースのロゴ入りで販売したところ、人気商品に!マッコリを飲むために使っても良いし、食事を盛ったりお酒のカップにしたりしても良し。用途としてはシェラカップと同じです(笑)。

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あと3年で、アウトドアの裾野をぐっと広げる

田中ケン
── 今後も快適生活研究家としての活動を続けて行くのでしょうか。

田中:
いや、あと3年くらいでやめちゃおうかなと!実は今、プライベートでアウトドアがほとんどできていないんです。快適生活を研究しているはずの自分自身が、快適さを感じられていないのは矛盾しているなと思い。アウトドアを一過性のブームにしないためにも、アウトドアの裾野を広げるために自分ができる最大限のことをしたいと考えています。60歳になったらプライベートでしっかりアウトドアを楽しみ、あらためて快適な生活とは何か、を考えていきたいです。

次回は誰が飲み語るのか?

しっとりと雨が降る中、タープの下で、アウトドア界を牽引する田中ケンさんに、初キャンプで衝撃を受けた一杯やキャンプ料理とお酒へのこだわりについてたっぷり語ってもらいました。取材中、「アウトドアはこんなに楽しいのに、何でみんなやらないんだろう?」と口にしていたケンさん。その強い思いが、多くの人にキャンプの道へ進むきっかけを作っているのだと感じられました。

今度は誰の胸の内が明かされるのか?次回をお楽しみに。
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