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「CAMPERS PARADISE TOKYO」の内観

初めてでも簡単。たった3ステップのシンプルコーヒー術【NO coffee, NO camp】

2020.09.23ノウハウ

「キャンプでの最高の一杯は、ビールよりコーヒー」。そんなキャンプとコーヒーをこよなく愛する5人を紹介する連載企画「NO coffee, NO camp」。前回は、キャンプラバーが集うダイニングバー「CAMPERS PARADISE TOKYO」(東京都目黒区)でオーナーを務める小松優介さんにコーヒー好きになった経緯を聞きました。今回は、実際にコーヒーのいれ方をレクチャーしてもらいます。

キャンプで飲む一杯はコーヒーなのか?

CAMPERS PARADISE TOKYOの内観
「コーヒーはちょっと手間がかかるけど、むしろそこがいい」。キャンプで飲むのはもっぱらお酒だった筆者をすっかりコーヒー党にしてしまった5人のキャンパーがいました。連載企画「NO coffee, NO camp」では、彼らの濃いキャンプ&コーヒーライフをお届けします。

初めてでも安心。CAMPERS PARADISE TOKYOの小松さんがレクチャー

CAMPERS PARADISE TOKYOの内観
まさかの元コーヒー嫌いだった小松さんは、前回、キャンプをきっかけにコーヒー好きになった経緯を語ってくれました。
今回は、元々コーヒー素人だった小松さんが、8年のキャンプ経験でキャンプでコーヒーを飲んできて確立させたマイコーヒー器具とオリジナルレシピを紹介します。

熟考を重ねて選んだ道具には、10年選手も!

「CAMPERS PARADISE TOKYO」の内観
━━━ 前回は節約好きとおっしゃっていましたが、道具を選ぶ際のポイントはやはり価格ですか? 小松さん:もちろんそこもかなり考えます。「安くてイイもの」が自分の道具選びの基準なので、ありとあらゆる販売サイトやブログをチェックした上で、購入を決めています。そのおかげか、コーヒー器具に限らず、どの道具も長持ちしてくれています。なかにはキャンプをはじめた当初から使っているものもあります…。

ユニフレームのUFコーヒーミル

ユニフレームのコーヒーミル
━━━ そんな物持ちの良い小松さんが実際に愛用している道具をぜひとも教えていただきたいです! 小松さん:まずは、コーヒーにハマった当初からずっと使っているこのコーヒーミルです。 ━━━ 当初というと、キャンプをはじめて以来ずっとですか?つまり8年!? 小松さん:そうですね!ユニフレームは手頃な価格なのに作りもしっかりしていて、すごく信頼感があります。 ━━━ どんな点にひかれて購入されたのですか? 小松さん:外に持ち出すものなので、サイズが小さめで、コンパクトに収納できる点は魅力です。当時、輸入食品店のカルディで販売されていたおしゃれなコーヒーミルと迷ったのですが、最後はやっぱり持ち運びの手軽さが勝ちました。
ユニフレームのコーヒーミル
━━━ 外での使用に特化しているのは、アウトドアブランドならではですね。 小松さん:そうそう。仲間と1台の車でキャンプに行くことが多いので、自分の持ち物は最小限にしたいんですよね。コンパクトさのわりに、3〜4人分の豆が一気に挽けるのがうれしいところ。一度でたくさん豆が挽けるのは便利です。 ━━━ この小ささは1人分かと思いきや、そんなにたくさん!みんなでコーヒータイムをする際に重宝しそう。価格が手頃だからと言って、なかなかあなどれませんね。

プリムスのライテック・ケトル0.9L

プリムスのケトル
小松さん:プリムスのライテック・ケトル0.9Lは比較的最近購入したものです。ちょうど去年、夏キャンプをしたころだったと思います。 ━━━ 1年前でしょうか…。それまでは何を使っていたのですか? 小松さん:ホームセンターで買った自宅用のやかんをずーっとキャンプに持って行ってました。  ━━━ レトロチックな金のやかんですか!? 小松さん:はい(笑)。でも使っているうちに真っ黒にすすけてしまって、仲間にも言われたし、自分でもさすがに買い換えようかな…と。 ━━━ そこでプリムスのケトルの登場ですか。 小松さん:手のひらサイズで、コンパクトに収納できるので、ずっと欲しいと思っていました。
「CAMPERS PARADISE TOKYO」で小松さんがコーヒーをいれる様子
━━━ 実際使ってみてどうでした? 小松さん:最高です!外だけではなく家でも使ってます。最大容量が0.9リットルなのですが、意外に2リットルも3リットルもお湯を沸かす場面って少ないんですよね。だからちょうど良い。 ━━━ コーヒーもカップ麺も、1人分なら沸かすお湯の量はそこまで必要ないですもんね。 小松さん:こればっかりは「早く買っておけばよかった!」と思いました。

コールマンのマグメイト 0.35L

コールマンのマグメイト0.35L
▲コールマンのマグメイト0.35L(写真左)
小松さん:最後はコールマンのマグです。 ━━━ コールマンに、こんなアイテムもあったんですね。 小松さん:うーん、今はあるかどうか分からないです。キャンプを始める以前から使っている10年選手なので。 ━━━ ええ!?す、すごい。不具合などはないのですか? 小松さん:ありません。保冷、保温ともに申し分ないですね。キャンプの朝、片付けの片手間にコーヒーを飲むことが多いのですが、冬でもちゃんと暖かいですよ。 ━━━ コールマンの名前はだてじゃないってことですね。
コールマンのマグメイト0.35L
小松さん:ふたに取っ手が付いているのが良いですね。フェスで特に重宝しています。 ━━━ どこへでも連れて行けますね。10年も使っていると聞くと、ちょっとしたキズやへこみにもすごく味があるような気がしてきます。 小松さん:そうなんですよ。面白いのが、使って4〜5年くらいのときは「まだそれ使ってるの?」なんて言われていたんですが、それでも10年も使い続けると「味があるね」「相棒だね」と言われるようになります。そうすると、自分でもますますかわいく思えてきます。 ━━━ 小松さんの長年の愛が勝利しましたね!

小松さん流・ざっくりだけどおいしい3ステップレシピ

「CAMPERS PARADISE TOKYO」のオーナー・小松優介さん。
「コーヒーはおいしくいれるために手順がたくさんあって、おっくう…」。そう考えている方のために、小松さんが持っているいつものレシピを教えていただきます。要点だけ押さえて、あとはざっくりでOK!な楽ちんスタイルです。

今回小松さんが選んだ豆は?

小松さんが選ぶ豆
小松さんが用意してくれたのは、カルディで「甘めのコーヒーないですか?」と聞いて購入したという豆。ざっくりレシピはすでに豆選びからスタートしています。
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小松さん

いつでも行けるカルディで豆を買うことが多いです。たまにはちょっと遠出して、素敵なコーヒーショップに行くのもいいですが、気合を入れすぎても続かないので(笑)。

①お湯を沸かす

プリムスのケトル
まずはプリムスのケトルでお湯を沸かします。温度はあまり気にせず、沸騰したら一旦ケトルを置いて、豆を挽く準備をします。
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小松さん

いわゆる湯通しはしません。個人的には湯通ししなくても味に満足していることと、細かい手順を追加するとコーヒーをいれたくなくなりそうなので。

②豆を挽く

豆を挽く小松優介さん
次に、豆を挽いていきます。目分量でざらざらと豆をミルに注いでいく小松さん。だいたい最大容量の半分(25g)程度まで入れて、ガリガリと豆をひいています。
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小松さん

自分なりに外さないレシピとして持っているものはありますが、豆の量や挽き具合などのさじ加減は、必ずお店の人に聞いた上で実践しています。

③抽出する

コーヒーを抽出する小松さん
最後に、コーヒーを抽出していきます。円を描くように1周お湯をくぐらせてから30秒蒸らし、その後はくるくるとお湯を回しかけていきます。コーヒーが、500mlマグカップの3分の2程度まで注がれた時点で抽出終了。小松さん流はたったのこれだけです!
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小松さん

シンプルですが、このくらい大雑把でもレシピを持っておけば、あとはキャンプの力で必ずおいしくなります!

大事なのは「場所」と「時間」

小松さんのいれたコーヒー
━━━ 小松さん…、超シンプル3ステップとはいえ、この工程だけでは寂しすぎる気がします!小松さんなりのこだわりポイントはないのでしょうか? 小松さん: すみません、いれ方にほとんどこだわりがなく…。大事にしているのは、キャンプで飲むことと、あとは飲むタイミングですね。 ━━━ キャンプでコーヒーにハマったというくらいですものね。タイミングは、やはり朝ですか? 小松さん:ひとつはそうです。まだ誰も起きていない時間に、ひとりでコーヒーをいれて片付けをして、それでも人が起きてこないので、さらに散歩してキャンプ場の管理人さんとお喋りまでしています。 ━━━ 朝からかなり活動的ですね! 小松さん:ひとりで手や足を動かすのがなんとなく、好きなんですよね。コーヒーもその好きな時間に入っています。いよいよ誰も起きてこないので、コーヒー豆とミルとマグだけ人数分用意して、セルフコーヒーコーナーを作ってあげることも…(笑)。 ━━━ 片付けをしてくれる上に、コーヒースペースまで用意してくれるとは、なんて親切なんでしょう。
小松さん流コーヒータイム
小松さん:もうひとつのタイミングは、夜、お酒の合間ですね。 ━━━ お酒の合間ですか!?あまり聞かないタイミングですが…。 小松さん:実はこれ、韓国流なんですよ。会社員時代、韓国の方と仕事をする機会がありまして。彼らは飲みにいくとき平気で4〜5軒お店をはしごするんですよ。そのとき、あいだにブレイクでスターバックスに寄ったりします。 ━━━ それは初めて聞きました! 小松さん:僕らで言う、シメのラーメンみたいなイメージでもあるのかもしれません。おかげでその習慣が身につき、今では人にも勧めています。 ━━━ 思いがけず面白い文化に触れてしまいました。 小松さん:お酒はもちろん飲みますが、せっかくキャンプ場にいるなら、夜はきれいな星を見ながら、温かいコーヒーを合間にいれて一杯飲むのがおすすめです。一度口がリセットされますし、普段よりなぜかおいしく感じます。ここはシメのラーメンと一緒ですね(笑)。 ━━━ しかもラーメンを食べるよりよっぽど健康的!

夢はキャンプ場の運営!キャンプの輪を広げたい

「CAMPERS PARADISE TOKYO」の内観
━━━ 小松さんはキャンプという空間や時間をとても大切にされていますね。 小松さん:シンプルに「好き」というのが大きいですね。だからこそ人にも広めたいという想いがあり、この店を立ち上げました。 ━━━ その構想はいつから? 小松さん:キャンプにハマったその日から、かもしれません。会社員時代も、資金がある程度貯まったら辞めて、何か店を開こうとずっと考えていました。バーベキュー場でアルバイトしていた経験もあり、人が集まって交流しやすい飲食店という形に落ち着きました。 ━━━ ずっと覚悟は決めていたのですね。これからは、さらにお店を大きくしていく部分に注力するのでしょうか? 小松さん:というより、もっと違う意味で大規模にしたいです。将来的にはキャンプ場を経営し、その中でこのお店を開きたいと考えています。 ━━━ 思った以上の大構想でした!人を通じて、キャンプの輪を広げたいという気持ちが大きいためでしょうか?
CAMPERS PARADISE TOKYOのオーナー・小松さん
小松さん:そうなってほしいですね。他にも、例えばレンタル畑や林業など、さまざまな取り組みをしたいと考えています。その夢に向かって、今は飲食店としてどんな貢献ができるか模索しているところです。 ━━━ お客さんとキャンプの話をしたり、キャンプ場をおすすめしたりできるこのダイニングバーは、すでにキャンプの輪を広げつつありますね! 小松さん:そうそう!今はさらに、お客さんにとっても、キャンプ場にとっても、より良い関係が築けないかと考えていて、キャンプ場の管理人さんと連携してポイントカードを作ろうとしているところです。 ━━━ なんだか面白そうな取り組みです。 小松さん:提携しているキャンプ場へ行ったり、このお店に来てもらうことでポイントが貯まり、一定数以上でプレゼントがもらえるような仕組みにしようと考えています。 ━━━ それは良さそう!偶然にお店に来た方でも、キャンプへ行ってみようかな?という気持ちになりますね。 小松さん:7月ごろにはアプリを完成させたいと考えているので、ぜひ利用してください!ただ、プレゼントなどはキャンプ場の負担にせず、すべてこちらで用意しようと考えているので、実はちょっと赤字なんですけどね(笑)。 ━━━ なんて素敵なキャンプ愛…!小松さんのおかげでますます多くの人がキャンプを好きになってくれそうです!

キャンプの楽しさを広げる、CAMPERS PARADISE TOKYO

CAMPERS PARADISE TOKYOの内観
圧倒的なキャンプへの愛を見せてくれた小松さん。コーヒーに限らず、さまざまな物を通してキャンプを楽しみ、アウトドアの魅力を周囲へ広げたいという確かな志が感じられました。アウトドアの未来についてワクワクするような話がたっぷりできるCAMPERS PARADISE TOKYOで、ディナーを楽しみましょう。 【基本情報】 店舗:CAMPERS PARADISE TOKYO 目黒店 住所:東京都目黒区下目黒1丁目5-20 4F 営業時間:11:00-17:30 定休日:日曜 公式はこちら:CAMPERS PARADISE TOKYO

次回、噂の「エアロプレス」を知る!

3人目となるコーヒーフリークは、キャンパーにとって流行の発信源となっているセレクトショップ「NORDISK CAMP SUPPLY STORE」の店長、関詩緒里さん。同店が2015年に誕生した当初から、コーヒー器具「エアロプレス」の使い手でもある関さんに、その極意を聞いていきます。


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