BESSが新しい発信基地MAGMAで提案する家とは?アウトドア帰りに感じる地方への憧れが現実に。
なぜアウトドア好きがBESSの家を選ぶのか。展示場で聞いて分かった理由とは!?
2020.06.22ノウハウ
多くのアウトドア愛好家があこがれるログハウスでの生活。近年、特に注目を浴びているのが、ログハウス国内最大手メーカー・アールシーコアが手掛ける人気ブランド「BESS(ベス)」の家です。同社が「LOGWAY」と呼ぶ展示場を訪れ、BESSが近年注目されている理由を探るとともに、アウトドア好きにオーナーが多い理由や、気になるメンテナンス事情を探りました。
アウトドア愛好家に好まれるBESSの家
代官山にある別世界の展示場
各国の大使館が並ぶ中にあるBESSのLOGWAY「代官山BESSスクエア」。一歩門の中に入ると、代官山にいるとは思えない、ログハウスと緑豊かな郊外の景色が広がります。アウトドア界隈でも聞く機会が増えたBESSの家を広報担当の榎本さんと見学しながら、多くの趣味人を魅了する理由を探りました。
ログハウスでトップシェアのBESS
メディアでの露出だけではなく、郊外や地方でもよく見かけるようになったBESSの家。それもそのはず。「ログハウスのシェアの半分以上はBESS。立地は住宅地が9割を占めるまでになっています」(榎本さん)。
ログハウスというと、軽井沢や八ヶ岳のような別荘地のイメージがありましたが、BESSの家は都心部から通勤圏にある自然豊かな郊外や地方部に建てる人がほとんど。転職やリタイヤしての移住もせず、多くの人が木のぬくもりある生活を日常としていることを知り、まず驚きます。
資産価値を重視するだけが家ではない
榎本さんによると、BESSが強調しているのが、次のような考え方。
「家は資産価値ではなく、活用価値。楽しい暮らしのための大きな道具」
「人間は自然の一部で、木の自然を感じながらおおらかに暮らせる家」
30代の筆者の回りでも都内で自宅の購入をする知人は増えていますが、「新築戸建は買ってもすぐに値下がりする」「10年前に買ったのと同じ価格でマンションが売れた」など、資産価値を重視した意見が目立つように。
アウトドアを趣味とする筆者の場合、共同住宅では、増えていくアウトドアギアの収納や荷物の搬出、泥で汚れたアイテムの清掃などでさまざまな制約があり、何かと我慢しながら暮らしてきたのは事実。アウトドア愛好者としては、暮らしの楽しみが二の次にされる「マンション=資産価値」信仰になんとなく違和感を感じていた一人でした。
「情報技術も進んで合理性や機能を追求すればするほど、遊び心ある人間としてのバランスがますます大切になってきますよね。感性豊かに暮らしを楽しむ文化を普通にすることが、BESSの理念でもあります」。漠然と思っていたことをきっぱりと説明してくれた榎本さんの言葉に思わず反応します。「手間や工夫、遊び心と利便性のバランス。それこそがアウトドアに求めていたことで、その大切さわかります!」。
家でなく、暮らす人が主役
BESSの家は一般的な戸建との間にも大きな考えの違いがあります。比較のために、ほかのメーカーの住宅も複数見学してみて気づいたのは、壁や鉄筋、基礎などの「ハード」の機能性をアピールし、耐震性や耐久性などの「家=安心」を最優先している点。この点について、榎本さんが明確な違いを説明してくれます。
「BESSは家(ハード)がしっかり作られている上で 『どう暮らすか』という体験(ソフト)を大切にしています。つまり、主役は家ではなく、あくまで暮らす人なのです」
薪ストーブのあるゆったりとした生活。大きなウッドデッキでの休日のうたた寝。登山やキャンプなどのアウトドア道具の見せる収納。代官山のLOGWAYで強調していたのは、家ではなく、「こんな暮らしができる」という生活の提案で、筆者にはとても印象的でした。
メンテナンスが重要
一般の新築住宅では、汚れが雨で落ちる外壁など、メンテナンスのしやすさもアピールしていますが、ログハウスは購入してからの維持も気になるところ。
放っておけば腐るのが木。ログハウスを守るためには、水分や湿度を遮断する必要があるので、ペンキなどで定期的に維持する作業は不可欠です。ウッドデッキも踏まれて負荷がかかるものなので、定期的にメンテナンスする必要があります。手間をかけることで家に愛着がわき、より大事にしようとする。アウトドア好きには、親和性が高そうです。
特徴のある家だからこそ、人のタイプによっては向き、不向きが出てします。だからこそBESS のスタッフは「休日に何をしているんですか」などと、来場者の暮らしぶりを聞くようにしているとのことです。
多いのは手間を楽しめる趣味人
そんな手間を楽しむ人向けのBESSの家ですが、主要な購入者は、20代後半〜40代前半。特に30代がボリュームゾーンで、多いのは、キャンプや釣りなど、のめりこめる趣味がある人。
「キャンプであれば、コーヒーをいれるだけでも、火をおこして、豆をひいてと、手間を楽しみます。それと同じ感覚で、BESSの家も手をかけることで良い状態が保てますし、愛着がわきます。道具や手間の大切さは、アウトドアが好きな人なら想像しやすいですよね」(榎本さん)。
木のぬくもりに自然を感じる
LOGWAYでBESSの家を見る中で、共通する一番の良さは、なんといっても木から感じる自然。山に登って頂上からの景色を見たり、森林の中でキャンプをしながら「やっぱり自然が最高だ」という感動にはかなわなくても、日常でそれに似た落ち着く感覚を持ちたい人は、ぬくもりあるBESSの家にたどりつくのも納得。子供に素足で木という自然に触れさせたいと、子育てを考えて購入する人も多いそうです。
BESS一番の人気モデル「ワンダーデバイス」とは
光が差し込む象徴的な吹き抜け
一言でBESSの家といっても、種類はさまざま。ブランドで計5モデルがある中で、特に人気は四角形の「ワンダーデバイス」です。2004年に登場してから、今年で17年目になるロングセラー。さらにワンダーデバイスは、無骨なガルバリウム鋼板と木の組み合わせになっていて、開放的なオープンフェイスの「フランク」と仮面のような大きな壁が特徴の「ファントム」があります。住宅地にもなじむスマートな外観。
代官山のLOGWAYのワンダーデバイスは、ガルバリウムのトンネルから一歩中に入ると、吹き抜けからつながる一面の棚にアウトドア道具が展示されるように収納され、住人の感性を家で表現。「住む人にとって、遊びやすい、暮らしの道具であってほしい」という願いから、デバイス(装置)のような四角い外観になっているというのもうなずけます。
リビングとデッキが一つになって広がる大空間
家全体の一体感を生み出す開放的な吹き抜けだけでなく、目をひいたのが、リビングとつながったデッキ。タープを張れば、もう一つのリビングに、はたまたキャンプ場にと、使い手の想像次第で家の楽しみ方の幅を広げられます。
天気がいい日の朝にモーニングを食べるだけで、「今日はいい朝だなあ」「コーヒーがおいしいなあ」と、家族とキャンプ気分を楽しむ自分を思わず想像。「BESSの家に住むと、薪を割ったり、デッキのこけをきれいにしたりと、家にまつわる『アウトドア』を楽しみながら、週末を自宅で過ごす人は多いですよ」と榎本さん。
日本的な価値観を取り入れた「G-LOGなつ 」
ザ・ログハウスな三角屋根
三角形屋根が特長の「G-LOGなつ」は、イメージ通りの「ログハウス」という形。G-LOGなつは丸太を組むログハウスなので、木の使用量は一般的な住宅の約3倍です。
イタリア語で“巣”を意味する室内ベランダ
G-LOGで最大の特徴が、三角屋根の下の広々としたベランダ部分の「NIDO(ニド)」。イタリア語で鳥の巣を意味するNIDOによって外と内がゆるやかにつながっているので、部屋の面積以上の広さを体感。NIDOには、くつろぎやすい低めの高さのデイベッドやシンクもついており、宙に浮いたような心地よさの中で自然を感じ、キャンプを超えてグランピング気分を味わえるが魅力的でした。
そもそも気になるのは、G-LOGという名前。BESSによると、G-LOGのGは、グローバル(世界規模の)とローカル(地域の)の造語であるグローカルを意味。外観こそ西洋風ですが、日本人の感性で、日本的な価値観を体現したのがG-LOGなつです。印象的な三角の大屋根は矢じりをイメージ。日本人は軒先の文化に親しみがあるということで生まれました。
軒先にあたる外のデッキ部分は約10畳。雨でも休日にゆったりしながら、趣味の道具のメンテナンスやDIYの作業ができるのは、天候に左右されがちなアウトドアを趣味にする人間としては良さそうです。
行くだけでも楽しい展示場
営業マンがつかない展示場?
BESSを買った人の話でよく聞くのが、何気なく見学に行ったBESSのLOGWAYで、直感的に購入を決めたオーナーが多いこと。生涯で一番高い買い物をそんなにすぐ決めるとは、「さぞや優秀な営業マンがいるのでは…」と思っていました。
国内42ヵ所にあるBESSのLOGWAYで意外だったのが、ほかの総合展示場と違い、見学中は営業マンがつきっきりではなく、家族で何時間でも、何回でもいられる点。取材とは別の日の週末に東京都昭島市のLOGWAYにいっても、子供と家の中でのんびりいすに座りながらくつろぐ家族が目立ち、購入後の生活を想像しやすいのもよく分かりました。
※完全予約制のLOGWAYもあるので、見学の際はこちらのサイトからご確認ください。
購入者に協力するLOGWAYコーチャーとは?
最近になって、BESSの暮らしを広めている存在が、オーナーの有志でつくる「LOGWAYコーチャー」と呼ばれるボランティアです。登録者は開始2年で1000人超。情報過多の時代に、人生で一番大きな買い物をしようとしている多くの人が、家の良し悪しに迷っているのは確か。そうしたときに、実際に暮らしている先輩として、一次情報を提供するのがLOGWAYコーチャーです。
自分の理想とする暮らしのためにBESSを手に入れているからこそ、共感する人を増やしたいオーナーの思いをくんだ戦略には脱帽です。
取材を終えて
外壁やウッドデッキなどのメンテナンスの手間がかかることを否定はせず、むしろそれを長所に変えていたBESS。キャンプや登山、釣りで使う道具と同様に、手入れをすることで愛着がわく道具としての魅力を感じます。「家を買うのがゴールではなく、買ってからがスタート」という榎本さんの言葉が見学後に理解できました。