今なお愛され続けるモスのテント!購入方法からメンテナンス方法まで詳しく解説!
2020.01.23キャンプ用品
アウトドアファンやキャンパーの心をとらえて離さないモスのテント。残念ながら現在では手に入れにくい貴重品となっています。なぜモスが販売するテントがこれほどまでに愛されるのか。また、テントの種類から入手方法、入手後に重要となるメンテナンス方法など、詳しく解説していきます。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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モステントは入手困難なレア物
モスのテントというと、多くのアウトドアファン垂涎のアイテムといわれています。もちろんテント自体の良さは語るまでもないのですが、人気に拍車をかけているのが、そのレア加減。モスのテント部門は2001年に買収されて、現在では販売をストップしているため、非常に入手困難な貴重品となっています。
販売されていないながら、その機能性やデザイン性から欲しがるキャンパーが多く、いまなお注目されています。「ビッグディッパー」や「スターレット」「オリンピック」など、その美しいフォルムが夜景にも映え、独特の景色を作り出します。
また、ベージュや赤といった暖色系の色合いが多く使われていますが、暖色は精神的にも安定する色といわれています。心地よい色に包まれることで、そこにいる人たちの心を落ち着かせてくれるのです。
美術界にも認められたMossのテント
MOMA(ニューヨーク近代美術館)に収蔵!
そんな熱狂的なファンを持つモステントはどのようにして生まれたのでしょうか。創業者であるビル・モスは、テントデザイナーの神ともいえる人物。レイトン学校でアートを学び、クランブルックアカデミーでもまたアートを学びました。そして、フォードへの在籍中は「ステーションワゴンリビング」という名のポップテントの設計などを手がけました。当時、Mossのデザインをきっかけにキャンプブームが巻き起こり、1960年にはデザイン事務所を設立。1975年にはMoss tent worksを設立します。
かつてないような先進的なデザインのテントを考えたMoss、ドーム型テントを初めて作ったのも彼と言われています。アートを学んだMossならではのアーティスティックなテントはMOMA(ニューヨーク近代美術館)にも収蔵されたことで、美術界でもデザイン性を認められました。
愛され続けるモスのテント6選!
モステントの魅力を把握したところで、今なお愛され続けるテントを6つご紹介していきます!どのテントも曲線が美しく多くのキャンパーの支持を得ていますが、それぞれが独自の特徴を持っているため要チェックです。
ビッグディッパー
ビッグディッパーは20年前でも国内では入手困難と言われたテントです。風に強い独自の構造を持ち、単にアウトドアというよりはむしろ山で利用することを想定したといわれています。前室があるものとないものがありますが、前室があるものは、調理をしたり荷物を置いたりするスペースもあり、使い勝手は抜群です。もちろんなくてもその人気は変わらずです。
ビッグディッパーの特徴はなんといってもデザイン性でしょう。大きな花が開いたようなデザインは開放感を味合わせてくれます。メッシュ付きの天窓もより開放感を演出してくれます。
リトルディッパー
ビッグディッパーよりもサイズが小さい仕様のテントです。4シーズン対応で、メッシュ窓が搭載されているため、夏でも涼しく快適に過ごすことができます。4本のポールが、12箇所の交点を作ることで強度は抜群!過酷な環境下でも耐えうるため、2〜3人の登山等での使用におすすめです。
オリンピック
1983年に発売された歴史あるテントです。前後に一つずつ付いたドアが開放感を感じさせてくれます。フライシートをかぶせることで前室を確保することができるため、居住空間は広く快適に過ごすことができるでしょう。モスならではのデザイン性に富んだ独特のフォルムは大自然の景色と軽妙にマッチし、さまざまなシーンにマッチする美しいデザインが女性にも大変人気です。
アウトランド
3本のポールで自立させるスタイルの1〜2人用テントで、ポールには超超ジュラルミンポールが使われていることから強度性バッチリ!フライシートで前室を作ることができます。
アンコール
クロスポールで作りだす魚座型状が特徴的なテント。テントの両側側面にメッシュスクリーンがあることで通気性抜群!暑くて湿気に悩まされる夏場に最適のテントです。モスが販売するテントの中ではサイズが大きく、大人でもテント内で余裕で立つことができます!フロアサイズは213×267cmと広く、4人のファミリーキャンプ等での使用におすすめです。
スターゲイザー
モスのテント部門で最後の年と言われる2001年前後に生産されたテントで、MOMA(ニューヨーク近代美術館)に展示されていることでも有名です。インナーテントの天井部分がメッシュ仕様となっているため、テント内で寝転びながら夜空を楽しむことができます。
モスが販売するテントの中でも最終年頃に作られたテントほど、ベトつきや匂いの発生する可能性が少ない仕様で、実用性がアップしています。テントのメンテナンスを極力減らしたいと考えている方には、モスが販売する中では最新と言われている「スターゲイザー」の購入をおすすめします。
モスのテントはどうやって手に入れる?
貴重品ゆえに余計に欲しがるキャンパーも多いであろうモスのテント。それではどうやって手に入れたらよいのでしょうか?モスの熱烈なファンは、今なお入手方法を模索しています。いくつか入手方法をご案内します。
1.ネットで購入
Amazonでも中古品として売られていることもあるのですが、こうしたアイテムはどちらかというとメルカリやヤフオクといったところで出回ることが多いようです。5万前後の品が多く、高いものでは20万ほどで売られています。モスのテント部門が売却されてからすでに20年近くが経過していますので、新品の入手はさすがに困難ですが、どうしても欲しいという方はチェックしてみましょう。
2.アウトドア専門店で購入
大手というよりは地域に密着した店舗に出回ることが多いようです。ショップの経営者やスタッフと親しくなっておくことで、入荷情報を手に入れることができるかもしれません。
メンテナンスが重要
モスのテントはほとんどが20世紀に作られたものなので、テントを手に入れたとしても加水分解を起こしやすい状態になっており、定期的なメンテナンスは必要となります。加水分解とは化学物質と水が反応し分解を起こす現象のことで、生地がベタついた肌触りになったり、場合によっては異臭を放ってしまうことも少なくありません。
メンテナンス方法は?
このような加水分解を防ぐためには、防水剤やニベア、ワセリンを塗るのがおすすめで、加水分解の進行を緩和させることができます!ちなみにクリーニングではベタつきを取ることはできません。
加水分解に関する詳細はこちら↓
最後に
デザイン性・機能性に富み、MOMAの永久収蔵品にまでなったモスのテント。アウトドアファンやキャンパーの心をとらえて離しません。現在では入手困難なモスのテントですが、どうしても欲しいという方はネットなどで購入する方法もあります。絶対手に入れたいという方はぜひともチェックしてみてください。