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【担当者に直撃】「防水のプロ」GORE-TEXを理解するための5つの質問

【担当者に直撃】「防水のプロ」GORE-TEXを理解するための5つの質問

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GORE-TEXのアウトドアウェア

販売店で陳列されているアウトドアウェアの中に、よく見かける「GORE-TEX」と書かれたひし形のタグ。なんとなく防水性の優れた良い素材であることはご存知な方も多いと思いますが、普通の素材と一体何がそんなに違うのでしょう?よくよく考えると謎の多い「GORE-TEX」について、担当者にインタビューしてきました!


 目次


尽きない疑問を胸に、日本ゴア社へ取材!

GORE-TEXのタグ    

アウトドアウェアをお店で見ていると、間違いなく一度は目に飛び込んでくる「GORE-TEX」と書かれたひし形のタグ。「防水透湿性」のある素材ではありますが、メカニズムや素材の詳細について、しっかり理解できている方は少ないのでは?

筆者も、「服の外は濡れても、中はドライですごい!」というレベルの認識しかありません。

日本ゴア株式会社の市塚さん    

そこで今回は、GORE-TEX® ファブリクスを製造している日本ゴア株式会社の市塚さんに、普段から筆者が疑問に思っていたことを質問してみたいと思います!用意してきた、質問は次の5つ。

Q1. 「防水透湿性能」って、つまりどういうこと?
Q2. GORE-TEX® ファブリクスは、なんで水を通さないの?
Q3. GORE-TEX® プロダクトは洗濯しない方がいい?
Q4. GORE-TEX® プロダクトをデビューするならどのカテゴリから?
Q5. GORE-TEX® プロダクトはどうして商品に大きなタグが付いているの?

早速質問してみましょう!

Q1. 「防水透湿性能」って、つまりどういうこと?

━━━本日はよろしくお願いします!早速質問です。「GORE-TEXは防水透湿素材だから、なんとなくすごい!」ということは知っているのですが、正直、どういうことなのかよく分かっていません。具体的には普通の防水素材と何が違うのでしょうか?

端的に言うと「防水透湿性能=水は通さず、水蒸気だけ通す」というのが、GORE-TEX® ファブリクスの特徴です。つまり、衣服としてまとっていると、雨は内部に染み込むことがない一方で、身体から発汗した水蒸気は外部に逃がす、ということです。

GORE-TEXファブリクスの手袋とビニールの手袋を片手ずつにはめた手    

GORE-TEX® ファブリクスの手袋と、ビニール袋の手袋を片手ずつ使っていただくと、その違いがよく分かりますよ。

━━━ビニール手袋(写真右)はすぐにジメジメして、手に手袋が引っかかって不快です。。。逆に、GORE-TEX® ファブリクス(写真左)はずっとサラサラですね!

右手のジメジメした感覚は、手から発汗して生じた水蒸気が原因です。もちろん、両手とも同じように発汗していますが、ビニール手袋は水蒸気を通さないので中がジメジメし、GORE-TEX®ファブリクスは水蒸気を通すので中がドライのまま、という違いが生まれるんです!

━━━なるほど、ビニールの雨ガッパを使っていると、身体が濡れている感覚がありますが、あれは全部発汗した水蒸気だったんですね。あの不快感がなくなると考えると、GORE-TEX®プロダクトはやっぱりすごいですね!

Q2. GORE-TEX® ファブリクスは、なんで水を通さないの?

3重構造のGORE-TEXファブリクス    

━━━ところでGORE-TEX®ファブリクスって生地ですよね。ビニール袋が水を通さないのは分かるのですが、生地のGORE-TEX® ファブリクスが水を通さないのはなぜなんでしょうか?

確かに表面は生地になっていますが、実は、GORE-TEX® ファブリクスは、3重構造になっているんです。そして、防水透湿性能を持っているのは、中間層のGORE-TEX® メンブレンという素材。これは一見ビニール袋と同じフィルム状になっているのですが、実は肉眼では見えないほど細かな網目状になっているんです。

中間層のGORE-TEXメンブレン    

科学的な話になりますが、水と水蒸気ではサイズが異なります。水と比べて水蒸気はとても小さく、目には見えないサイズなのですが、GORE-TEX® メンブレンはそのサイズの違いに着目して作られています。網目のサイズが水よりも小さく水蒸気よりも大きいので、「水は通さないが水蒸気は通す」という状況をつくることができているのです。

フェンスの金網をイメージしていただくとわかりやすいと思いますよ。砂は金網にひっかからないのでフェンスを通過しますが、岩は網目にひっかかるので通さないですよね?GORE-TEX® メンブレンも同じ構造なんです!

分かりやすい実験をしてみましょう。ビニール素材の袋とGORE-TEX® ファブリクスの袋をコップにセットして、それぞれに熱湯を注ぎます。

どちらも水は通さないので、コップに熱湯が入ることはありませんが、GORE-TEX® ファブリクスのみ水蒸気を通すので、左側のコップの内側だけ水蒸気で曇っているのがわかります。

━━━すごい!ビニール袋との違いが一目瞭然ですね!ちなみに、GORE-TEX® メンブレンの網目の大きさによって、水蒸気のみ自由に行き来ができるのならば、外の水蒸気が衣類内に入ってくることもあるのでしょうか?

厳密に言うと、水蒸気が外に出ていくこともあれば、中に入ってくることもあります。ただ、中に入ってくる水蒸気よりも外に出て行く水蒸気の方が圧倒的に多いんです。
基本的に水蒸気は、湿度と温度の高い方から低い方へと移動します。衣服の中は外気に比べて湿度も温度も非常に高いので、雨が降っていたとしても、衣服内から外に移動する水蒸気が圧倒的に多いのです。

━━━なるほど、入ってくる以上に水蒸気が外に出ていくので、衣服の中をドライの状態を保つことができるんですね!

Q3. GORE-TEX® プロダクトは洗濯しない方がいい?

GORE-TEXプロダクト    

━━━高機能なウェアなので、GORE-TEX® プロダクトはあまり洗濯しない方がいいんですよね?

いえいえ、逆に洗濯することを推奨していますよ!

━━━ええ!そうなんですか?なんとなくのイメージで、機能性が落ちてしまうから、あまり洗濯しない方が良いと思っていました。。。

そのイメージをお持ちの方が多いのですが、GORE-TEX® プロダクトを7年間扱う中で、「洗濯のしすぎで劣化した」というのは聞いたことがありません。

先程お伝えしたように、GORE-TEX® ファブリクスは、生地にコーティングをしているわけではなく、中間層の細かい網目が防水透湿性能の役目を果たしています。そのため、洗濯によって生地や中間層にあるGORE-TEX® メンブレンをきれいにしてあげると、防水透湿性能も維持できますし、製品も長持ちするんです!!

GORE-TEXのファブリクスの手触り    

━━━逆に、洗濯はしっかり行った方がいいのですね。洗濯時の注意点は何かありますか?

洗濯するにあたっては、基本的に普通のTシャツを洗うのと変わりません。洗濯表示を確認して「洗濯機」のマークがついていれば洗濯機を使用して構いません。私も自宅では普通の家庭用洗剤を使って洗濯機で洗っています。

ただし、注意してほしい点が2つ。洗剤を気持ち少なく入れることと、漂白剤や柔軟剤を使用せず、洗剤のみで洗濯することです。洗剤を入れすぎても落ちる汚れは変わりませんし、逆に洗剤残りによって、防水透湿性能や表面の撥水性が低下してしまう可能性があります。また、洗剤残りと同様、柔軟剤も匂いを付けるために、繊維に成分が付着するのでおすすめできません。

Q4. GORE-TEX® プロダクトデビューするなら、どのカテゴリから?

GORE-TEXプロダクトの靴    

━━━GORE-TEX® プロダクトは様々ありますが、キャンプ初心者はどの商品カテゴリーから商品を揃えるべきでしょうか?

おすすめは、ずばり靴ですね!キャンプ場は晴れていても、地面がぬかるんでいたり、朝露で地面が湿っています。そんな場所に普通のスニーカーで行くと、靴の中が濡れてしまって非常に不快ですよね。

GORE-TEX® ファブリクスを使用した靴であれば、アクティブに動いても靴内が蒸れにくく、水たまりだって気にする必要はありません。靴なら季節問わず使えますし、使用頻度から考えるとコスパがいいので、初心者の方でも購入しやすいのではと思います。

━━━たしかに、思い返すと、キャンプ中に足が蒸れて不快な思いをしたことが何度もあります。毎回感じるあの不快感がなくなるのであれば、多少値段が張っても、初心者が購入する価値は十分にありますね!

Q5. GORE-TEX® プロダクトにはなんで商品にタグが付いているの?

GORE-TEXのアウトドアウェア    

━━━最後に、最大の疑問をぶつけさせてください。販売店で陳列されているGORE-TEX® プロダクトには、すべてひし形のタグが付いていますよね?ブランド問わず、あのでかいひし形のタグが付いているのはなぜでしょうか?アパレルブランドのタグよりも、GORE-TEX®プロダクトのタグの方が目立っていますよね。

実はあのタグは、ゴア社が設けている一定の基準をクリアしていないと、付けることができません。逆にあのタグが付いている製品は、ゴア社が「防水透湿性を保証している」という大事な意味があるのです。

ジャケットの縫製部分    

そして、ゴア社が求める「防水透湿性」を一定の基準でクリアしているかどうかは、アパレルメーカーではなく、ゴア社が試験しています。一定の基準の例としては、マネキンにウェアを着せて雨を降らせた際に、中に雨が侵入していないこと、ウェアの弱点である縫い目に、ゴア社が設定している適切な処理が施されていること、などがあります。

徹底した品質管理があるからこそ、最終的に利用していただくお客さまに安心してアウトドアを楽しんでいただけると考えているので、その点は譲れません!アウトドアアパレルを作る上で、「GORE-TEX® ブランドは、防水透湿性能のプロフェッショナルである」というプライドがあるんです。

━━━それだけの想いとこだわりがあのタグに。取材前は「なんだかよく分からないけどすごい」というイメージしかありませんでしたが、「徹底した品質管理に裏打ちされた信頼感」がGORE-TEX® プロダクトの人気のヒミツだったんですね。

今後はタウンユースにも!

GORE-TEXの市塚さん    

━━━2017年は、GORE-TEX® ファブリクスを使用したコンバースが発売されるなど、チャレンジングな試みもありました。2018年以降も、何か新しい動きがあるのでしょうか?

アウトドアでも耐えうる優れた機能性というのは、近年タウンユースでもニーズが高まっていますよね。なので、今までの登山やキャンプといったアウトドア領域にも引き続き注力しつつ、今後はタウンユースも「そと」と捉えて、GORE-TEX® プロダクトを展開していければと思っています。

━━━hinataの考える「そと」とも通じる部分がありますね。今後、街でも使えるGORE-TEX® プロダクトが増えることを期待しています!市塚さん、本日はありがとうございました。

まとめ

GORE-TEXのロゴとファブリクス    

まだまだ話し足りない様子の市塚さんからも、そのこだわりの深さを感じたインタビュー。高機能なウェアの代表格であるGORE-TEX® プロダクトですが、その値段に見合うだけの機能性と信頼性があるのということがお分かり頂けたのではないでしょうか?今後、販売店に並ぶあのひし形のタグが、信頼の証に見えるはずです!


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