いまだからかわいい！SUVブームの先駆け「トヨタ・RAV4」

2024.02.28ライフスタイル

キャンプの相棒にクルマは必須！そんなコダワリ派に選んでもらいたい自動車を紹介するのが当企画「ツウがいま乗りたいキャンプなクルマ」です。主に1990〜2010年ころに発売された、ちょっと古いけど現行車にはないアイコニックなキャラクターのhinata的名車をサラリと解説。今回は、元祖コンパクトSUVともされている「トヨタ・RAV4(初代)」の魅力をお届けします。

制作者

増田満

国産旧型車専門誌『ハチマルヒーロー』創刊編集長、『ノスタルジックヒーロー』編集長を経て独立したフリーランスライター＆編集者。以前は頻繁にキャンプに出かけたが、コロナ禍前に山間部へ移住して自然を満喫中。現在クルマ3台、バイク4台を所有して持て余し気味。

初代「RAV4」って、どんなクルマ？

1990年代前半は、日本のクルマたちがどんどん世界レベルに達していった時代でした。

走行性能だけでなくデザインや使い勝手など、クルマに求められる機能が成熟されていったのです。すると当然のように新たな価値観をもつモデルも生まれます。1994年に新登場した「トヨタ・RAV4」もまさにそんな存在でした。まだSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)という呼び名が一般的ではなかった当時、小型乗用車なのに4WDという目新しさで話題となったというわけです。

4WDなのに街も得意なキャラクター

RAV4は4輪駆動方式を採用しながら、普通の乗用車と同じように街中の走行も得意としています。

オフロード4WDというとゴツイ車体とタイヤで「乗り心地が悪そう」「頑丈そうだけど大き過ぎる」などなど、一般的な使われ方には不向きにも思えます。本格的なオフロード4WDには堅牢なハシゴ型のラダーフレームが採用されることも少なくありませんでしたが、RAV4には乗用車に多いフレームレスのモノコック構造が採用されました。そのためソフトな乗り心地と快適な居住空間が確保されていたのです。このように全長4m以内のコンパクトなサイズで登場したRAV4は、普通に乗れる小型乗用車でありながら、4輪駆動による悪路での優れた走破性も備えられていました。

初代RAV4は写真の「3ドアモデル」が主流です。発売翌年にはリヤドアを備える5ドアモデルも追加されましたが、やはり人気は3ドア。前述のように「コンパクトさ」が魅力でしたし、スタイリッシュさでも3ドアが上。リヤシートは広くありませんが、小学生くらいまでの子どもなら問題ないはずです。

木村拓哉さんの登場も起爆剤に

登場時から特に若い世代に人気を博したRAV4は、女性から支持されたことも特徴です。

その理由のひとつに、宣伝キャラクターに「木村拓哉さん」を起用したことが挙げられます。当時20代前半だった木村拓哉さんの魅力で、同世代の女性に強くアピールすることに。これも本格オフロード4WDとは正反対と言える現象だったことは間違いありません。当時テレビや雑誌などの広告に登場するキムタクに、筆者も「結局そういうことね」と、ちょっと嫉妬したのもいい思い出です。「タレントの力を借りるのはズルイ！」なんていうふうに思った非モテな男子も多かったかも？

横開き＆多彩なシートアレンジも、今キャンプで乗りたい理由

横向きに開くリヤゲートが備えられているのもキャンプで乗りたい理由のひとつです。縦向きに開くリヤゲートのように、キャンプギアの積み下ろし時に頭をぶつけてしまうようなこともありません。しかもガラス面積が広くボディサイドも大きなガラスで構成されているので、リヤシートからの視界がよくキャンプ場までの道中も開放感を満喫できるはずです。

当時のカタログより

オプションで「ダブルサンルーフ仕様」が用意されていたのも見逃せないところです。オープンカーのような爽快なクルーズが楽しめるのも、非日常感を期待するキャンパー向きなポイントです。

リヤシートをフロントシートとともに倒して「フラットな室内」を構築することも可能です。凹凸はありますが、キャンプ中にドアを開けて車内でくつろぐのにもぴったり。また、リヤシートは分割して倒すこともできるので、シーンや人数に合わせてさまざまなスタイルで楽しめるのもうれしいところです。

実は一度絶版になっていた？

2018年に登場した現行のRAV4

RAV4は日本だけでなく世界的にも人気となりました。ただ世界的な人気となると、次世代モデルになるたびに大型化していくのも自然な流れ。日本では扱いにくいボディサイズになったことも手伝って販売不振が続き、一時期は輸出モデルのみの展開という残念な状況にも…。そんな中、現在のモデルが2018年に発売されて久しぶりに国内市場に復活したのは、RAV4ファンにもうれしい出来事でした。

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中古相場は「100万円前半〜」。タマ数が少なめなので見つけたら即買い

中古車Webサイトでの中古車価格は、100万円台前半〜半ば(2024年2月中旬時点)となっています。当時の新車価格は170万円〜189.9万円(4WDとしては破格)でしたが、それに対して中古車も大幅な値落ちをしていないことからも、人気の高さが伺えるところ。また、手放す際にもそれなりの価値がつくであろうというメリットも魅力ではないでしょうか。

あなたはどう乗る？次回はデリカスペースギアをお届け予定

これだけ古いモデルですから、現存している個体は大切に維持されてきたはずです。希少性も高いので、キャンプ場でオンリーワンな優越感に浸れることも間違いありません。つまり買って損はないはず！いまのモデルにはなかなかない「かわいらしいサイズ」と「個性的なスタイル」、さらに「高い走破性」を備えた初代RAV4。ちょっと魅力的だと思いませんか？

【基本情報】 トヨタ・RAV4(初代)