ホンダなのにアメ車?観音開きも楽しい、再バズり中のSUV「エレメント」
時代がようやく追いついた!?ミニバン×SUVな姿で人気上昇中の「クロスロード」
2024.10.29ライフスタイル
主に1990〜2010年ころに発売された、「ちょっと古いけどツウならいま乗りたい」そんなキャンプな自動車をサラリと紹介する当企画。今回hinata的名車としてお届けするのは、ミニバン+SUVな姿の、当時としては新感覚だったクロスオーバーSUV「クロスロード」です。3年半ほどで生産終了した不人気車でしたが、いまキャンパーが大注目!その理由を探りましょう。
制作者
増田 満
国産旧型車専門誌『ハチマルヒーロー』創刊編集長、『ノスタルジックヒーロー』編集長を経て独立したフリーランスライター&編集者。
以前は頻繁にキャンプに出かけたが、コロナ禍前に山間部へ移住して自然を満喫中。現在クルマ3台、バイク4台を所有して持て余し気味。
もっと見る
「クロスロード」って、どんなクルマ?
ホンダが2007年に発売した、幅広のボディやタフさを強調したフロントビューが特徴のクロスオーバーSUVが「クロスロード」です。
クロスロード 20X
前回紹介したエレメントでも述べた通り、ホンダ車はアメリカなど諸外国でも人気が高いのも特徴です。
そんな彼らのニーズに応えるべく、さまざまなクルマがモデルチェンジのたびにサイズアップしてきたのも事実です。例えば、初代CR-V(1995年登場)は全長4,400mmほどと比較的コンパクトでしたが、現行・6代目(2022年登場)では、全長4,700mm近くまで大きく成長しています。
クロスオーバー 20Xi
そのような流れの中では買い替えを控える人がいてもおかしくありません。そこでホンダは、コンパクトなSUVを求めるユーザーに訴求すべく、全長4,285mmしかないクロスロードを生み出したというわけです。
クロスロード 20X
実は今回紹介するクロスロードは、初代ではなく2代目だというのをご存知でしょうか。1993年にランドローバー・ディスカバリーをホンダ・クロスロードとして発売していました。
それからしばらくの時が流れて、全くの新型車として開発されたのが、いまキャンパーに人気が高まっている「2代目クロスロード」だというわけです。
直線基調のボクシーなフォルムにオーバーフェンダー風の処理もプラス。一部グレードに採用されている無塗装のバンパー周りや鉄ホイールなども、いまだから乗りたい「キャンプなクルマ」テイストを感じさせる部分なのかもしれません。
扱いやすいサイズ&広い室内
小型ミニバンのホンダ・ストリームをベースにしつつ、全幅を1,755mmと広く設定。7人乗車が可能な3列シートを有した、居住性の高い室内空間が確保されているのも特徴です。
2列目・3列目シートを倒せば、家族のキャンプギアはもちろん、スノーボードや自転車の積載もOK。シートには撥水加工も施されているので、タフに遊びたいアウトドア派にもぴったりです。
クロスロード 20Xi
また、ボリュームあるアームレストを採用した2列目シートにもクロスロードらしさが詰まっています。後方に大きくスライドさせられるので、膝周りに狭さを感じず長距離ドライブが楽しめるはずです。
ドライバーをサポートする「安全装備」も充実
クロスロード 20X
クロスオーバーSUVらしく、185mmという余裕ある最低地上高が確保されているのもポイントです。未舗装路にも対応しやすいので、凹凸のあるキャンプ場などにも不安なく出かけられるはず。
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車に加えて、グレードによっては4WD車も設定されているので、用途や予算に合わせて選べるのもうれしいところです。
エンジンには直列4気筒の「燃費に優れる1.8L」と「走りを追求した2L」が用意されていました。
どちらにもホンダ独自の「可変吸気量制御」による、オフロードでも頼りになる低速域からの力強いトルクが実現されているのもポイントです。
また、坂道発進時にブレーキペダルから足を離しても後退しにくい「ヒルスタートアシスト機能」を備えていたり、4WD車には横すべり抑制機能「VSA」が採用されていたりと、日常のドライブをフォローしてくれる装備が充実しているのも見逃せないところ。
ほかにも、警報とブレーキ制御で追突事故の回避や被害を軽減する「CMBS」や、「歩行者障害軽減ボディ」、死角を確認しやすい「プリズムアンダーミラー」なども採用されています。
また、約80°と大きく開口するリヤドアもキャンパーにうれしいところ。乗り降りはもちろん、キャンプギアなどの荷物の積み下ろし時にも、この広さに恩恵を受けるはずです。
不人気モデルから一転、中古車市場では200万円代も
こうして振り返ってみると、クロスロードは非常に魅力的なクルマだったことがわかるはずです。とはいえ、登場時はそれほど人気が高まることはありませんでした。
クロスロード 20X
当時はミニバンブームだったことに加えて、角張ったエクステリアデザインも敬遠された理由に挙げられそうです。
ところがそんな個性こそが、いま“キャンプなクルマ”を探している人にもヒットしているというわけです。中古車市場での価格が安定していることからも、一定の支持を得ていることがわかります。
そんな中古車市場の中でも、特にカスタマイズされた個体が高値をキープしているのも特徴です。ボディをマットなアースカラーに塗り替えていたり、大径アルミホイールを履かせていたり、オーバーフェンダーをブラックに塗装したりと、よりタフなアウトドアテイストを強調していることもめずらしくありません。
これらには、17年も前の中古車ながらも新車時と同じ200万円で台推移しているものがあるほどです。
クロスロード 20Xi/クロスロード 18L X Package
もちろん、50万円前後の中古車も見つけられるのでご安心を。
10万kmなどと走行距離が伸びていることがほとんどですが、ホンダ車のエンジンは丈夫に仕上げられているので、状態をよく確認すればまだまだ楽しめるはずです。
クロスロード 20Xi
内装がきれいに保たれているかどうか?も中古車選びの際にチェックしたいところです。
これまで大切に扱われていたクルマだという目安にできるからです。逆に外装がきれいにリフレッシュされているのにもかかわらず内装の痛みが進んでいると、雑に乗られていた可能性が高まるというわけです。
整備記録簿でこれまでのメンテナンス記録などをチェックしながら、理想的な相棒を探してみてください。
【基本情報】
2010年・クロスロード20Xi 4WD
- 全長×全幅×全高:4,285×1,755×1,670mm
- 車両重量:1,460kg
- エンジン種類:直列4気筒SOHC
- 排気量:1,997cc
- 最高出力:150ps/6,200rpm
- 最大トルク:19.4kgm/4,200rpm
- 発売当時価格:291.9万円
次回は、セダンの快適な乗り心地・ワゴン並のユーティリティスペース・クロスカントリー4WD車の機動性を融合させた、ホンダ「CR-V(初代)」の魅力をお届け予定です。キャンプの相棒を探している人はお見逃しなく!
ツウがいま乗りたいキャンプなクルマ
1990〜2000年ころの、ちょっと懐かしいネオクラシックなクルマの魅力を紹介!いずれもかわいくて頼りになる、キャンプに乗っていきたい名車ばかりです。