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【MOUNT DIMENSION】香港発!普遍的な美と機能性を発信する「点と線」の魔術師
2024.02.20キャンプ用品
国際的な貿易都市・香港。高層ビル群が立ち並ぶビクトリアハーバーや活気ある尖沙咀(チムサーチョイ)のイメージが強いものの、実は国土の約40%が自然公園で、アウトドアも盛んです。そんな香港で今注目を集めているのが「MOUNT DIMENSION」。幼少時から自然に親しんできたオーナーによる、機能とデザインの核心に迫るギアを紹介します。
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もくじ
第二の家である「自然」を原点に、2020年香港で誕生
MOUNT DIMENSION(マウントディメンション)の創業者であるトーマス=ウォン氏は、香港の山奥にある小さな村出身。父親はスカウトリーダーで、約50年もスカウティングの現場で活躍し、引退した後もサポートとしてスカウトの世界にかかわり続けているそうです。
そんな父親の影響を受け、ウォン氏も幼少時から自然の中で幾度となく冒険してきたのだそう。みずからも25年以上スカウトにかかわってきた経験を生かし、「自然の中で足りないものがあれば、その場でつくり、快適に過ごすのが当たり前。心に活力と安定をもたらしてくれる自然は、第二の家です」と語ります。
ウォン氏の人生初めてのDIYも父親と一緒に作った自分たちの家だというのだから、父と過ごした幼少期に今につながる多くの宝物が詰まっていたのは間違いありません。これらの経験が蓄積され、「自然」と「ものづくり」はごく当たり前にウォン氏の中で焦点を結び始めました。
「デザイン」と「自然」という「点」がつながり、ブランド誕生へ
大人になり、デザイナーの道を選んでからのウォン氏は、多くのデザイナーが志すプロダクトデザインよりも美術館や舞台などのインテリアをデザインするような展示デザインに惹かれていったと語ります。
「新しくてユニークな発想を必要とするこのジャンルに私が惹かれたのは、アートやデザインにかかわる人が多い家系だったことも関係するかもしれません。幼いころから興味のあった、幾何学模様や機械の構造についてもこのフィールドで多くの経験を積むことができました」
こうして、独学と経験から生まれたメカニカルな構造と幾何学模様やデザイン美の融合がウォン氏の持ち味に。2019年、新型コロナウイルスによって香港でもアウトドア市場が過熱する中で、彼は培ってきたデザインへの愛と自然の中で快適に過ごすためのこだわりを詰め込み、最高のアウトドアギアをつくることを決意したのです。
点と線がもたらす無限の可能性を三次元へ造り変える
点と線による構造がわかりやすいガレージバッグホルダー。ポールとロープのシンプルな構造で、総重量はわずか約50g
ウォン氏が自然の中から見出したシンプルな幾何学模様がもたらすのは、無駄がなく美しいデザインだけではありませんでした。
「設計ではこの基本的な要素に集中することで、あらゆる面に神経を行き届かせ、素材を正確に使用することができます」とウォン氏。
点と点の接続、線の方向、面の使い方などを熟慮し、全てが最高の状態で機能するよう慎重に計算され尽くして生まれるマウントディメンションのギア。それらは軽量であることを維持しながらも、耐久性や機能性にも効力を発揮しています。
モダンアートのようで本当に頼れる、唯一無二のギアたち
マウントディメンションのギアは、そのほとんどがブラック。金属やカーボンファイバーといった素材の質感を引き立てる色であり、ウォン氏は「感情を伝える色だ」と語ります。
確かに、シンプルなようでいてシルエットを見ればすぐにその商品が浮かび上がる個性的なデザインには、ウォン氏からのメッセージを感じます。彼自身の冒険とデザイン探求の旅を映すアイテムをいくつか見てみましょう。
【THE PLATFORM】香港の古典的な「見張り台」にヒントを得たテーブル
ユニークなデザインの「THE PLATFORM STANDARD MODE」。ほかにもMINIや拡張用のDuplex MODEもラインナップ
まずはマウントディメンションの代表作とも言えるテーブル「THE PLATFORM」。なんと地面に設置する脚は一本で、四隅からロープでテンションを張ることでバランスを取っています。
「このデザインは、“パイオニアエンジニアリング”と呼ばれるスカウトの古典的な技術の一つにヒントを得ました。組み立てが簡単で軽量なだけではなく、山のような険しい地形でもテーブルトップは水平に保てます。また、テーブルの高さも好みに応じて変えられ、臨機応変にキャンパーに寄り添ってくれるのです」
山岳地帯が多く、平地が少ない香港でのキャンプにとってこれはとても理にかなった構造なのだそう。同じく山が多い日本でも、キャンプや登山で大いに活躍してくれそうです。
香港のスカウトに伝わる“パイオニアエンジニアリング”は、展望台や橋、遊具などを簡単に作る技術。イラストは「カラスの巣」と呼ばれる見張り台。一本の支柱を4本のロープが支えており、まさに「THE PLATFORM」の原点であることがわかります
「THE PLATFORM STANDARD MODE」は単体でも「Duplex MODE」で拡張してより広い天面を確保することも可能。また、ソロキャンプや登山に便利な「THE MINI PLATFORM」も用意されています。
軽量さと安定感、シーンに応じた拡張性で、あらゆるアウトドアにおいてシンプルに課題を解決してくれるギアです。
【THE DIMENSION PLATE AL】ミニマル&軽量でありながら耐久性に優れたテーブル
二つ目に紹介するのは、もう一つの人気テーブル「THE DIMENSION PLATE AL」。
「THE PLATE」のシリーズはいくつか出ているのですが、この"AL"は軽量で頑丈なアルミニウム合金製。ものを置いたり掃除したりすることを考慮したフラットな天面には、「THE MINI STAND」(別売)を取り付けてテーブルとランプを組み合わせたものを作成するために使用できる穴も各コーナーに設けられています。
耐候性、耐食性、耐熱性に優れており、ハードな環境でもガシガシ使えるうえに、重さは約185g、サイズは折りたためばわずか30×10×1cmとコンパクト。持ち運びはもちろん、使わないときの収納も場所を取りません。
【THE HILT】キャンプの頼もしい相棒となる多機能ハンマー
最後に紹介するのは、キャンプの頼れるアシスタントとなる多機能キャンプハンマー「THE HILT」。
ステンレス鋼とアルミニウム合金でつくられた耐久性のあるハンマーで、人間工学に基づいたハンドルデザインと溝の付いたグリップは、「握り心地がよく扱いやすい」と好評。また、高強度の織りストラップが付属しており、手の動きとハンマーの動きを連動させてくれるのも使いやすさの理由です。
反発力を最小限に抑え、ストレスのない打撃を実現するハンマーヘッドは、実は取り外し可能。使わないときはハンドル部分に収納できるのもユニークなアイデアです。ほかにも、オープナーやテントペグ用のフックも付いており、一本で多彩に活躍します。将来的には斧や大型ハンマーなどの交換用ヘッドも登場予定と、今も進化中!
ハンドル部分にフックや穴があり、ペグを打つだけではなく抜くときにも活躍。写真部分のフックはオープナーにもなります
シンプルな幾何学模様がつくりだす快適な空間から抜けられない
ユニークなデザインが最初に目に飛び込んでくるマウントディメンションのギアは、一見すると「デザイン優先のおしゃれギア?」と思わせられます。でも、最もシンプルな幾何学模様を、経験に裏付けられたアイデアで無限に広げたその形の中には、アウトドアで求められるものが凝縮。
機能とデザインの核心に迫る「点」と「線」の魔法を体感すれば、もうほかのギアに目移りできなくなるかも?
今週の注目ブランド
hinataストアの旬なブランドを毎週紹介!気になっていたあのブランドのバックグラウンドストーリーやギアへのこだわりを掘り下げます。