【2024年】チノパンの人気おすすめブランド16選!スタイリストが教える選び方も解説
メンズファッションにおける定番アイテムのチノパン。選び方やおすすめのブランドを、ファッション誌を中心に幅広い分野で活躍するスタイリスト・杉浦優(すぎうら・ゆう)さん監修のもと紹介します。コーディネートのポイントも徹底解説!
チノパンの"チノ"とは?
チノパンとは、チノクロスという綾織り生地で仕立てたスラックス型パンツのこと。チノパン自体の出自はミリタリーにあり、英国軍が白い軍用パンツを敵から目立たなくするためにカーキに染めたことがルーツといわれています。
その後、この軍用パンツを第1次世界大戦中の米軍が作業着として採用したことがきっかけで、一般的に普及しました。ちなみに“チノ”という呼称は“中国の布地”という意味合いも持ち、かつて米軍が中国からこの生地を調達していたことに由来するという説もあります。
失敗しない!チノパンの選び方
ひとくちにチノパンといっても、多彩なシルエットやスタイル、配色が存在します。豊富な選択肢のなかから自分に合う1本を失敗なく選ぶための情報を、スタイリストの杉浦優さん監修のもと紹介します。
シルエット|ストレート、ワイド、テーパードから選ぶ
裾の長さ|フルレングスかクロップド丈がおすすめ
ディテール|タックとセンタープレスできれいめを演出
カラー|迷ったらベージュを選ぶべし
シルエット|ストレート、ワイド、テーパードから選ぶ
チノパンのシルエットは、大きく分けて3タイプ。ストレート、ワイド、テーパードという主要シルエット別に、それぞれの特徴とおしゃれに履きこなすためのポイントを解説します。
チノパンにおけるベーシックなシルエットといえば、ストレートタイプ。全体的に太すぎず細すぎもしないスタンダードな太さで、膝下も過度に絞っていないそのシルエットは、ビジネスシーンとの親和性も高く、クリーンな印象で履くことができます。
ワイドタイプのチノパンは、太もも部分のワタリやふくらはぎ部分の裾幅にゆとりを持たせた太めのシルエットが特徴。スタンダードなストレートタイプと比べるとカジュアル度が高くなり、ゆるっとしたスタイルを楽しみたいときにうってつけです。
テーパードタイプのチノパンは、膝下をシェイプし、裾まわりをすっきりさせたシルエットが特徴的。足元が軽快に見え、シュッとした印象で履けるのできれいめな着こなしによく映えますが、クセのないシルエットでさまざまな着こなしに合わせやすいです。きれいめにもカジュアルにも合わせやすい万能タイプで、着回しやすさを重視する人におすすめです。
裾の長さ|フルレングスかクロップド丈がおすすめ
チノパンの印象はレングス(裾の長さ)によっても大きく変わります。スタンダードなフルグレングスと、昨今のトレンドであるクロップド丈の特徴と、おしゃれに履きこなすためのポイントを解説します。
フルレングスとは、足首がしっかり隠れる長さのこと。裾のクッションをつくるかどうかによっても印象は微妙に変わりますが、本来のシルエットをきれいに描き出せ、ニュートラルな印象で履けるのが特徴。シーンを選ばず汎用性高く履きたいときは、迷わずフルレングスにするのがおすすめです。
クロップド丈のチノパンは、裾を少し短めに設定しているのが特徴。最近はくるぶしが見えるか見えないかくらいの9部丈、あるいは9.5部丈を提案しているブランドが多く、足元を軽快に見せて“抜け感”を演出することが可能です。フルレングスと比べるとカジュアルな印象が強くなりますが、オフィスカジュアルが許される職場であれば、春から夏の装いの印象変化を楽しむために取り入れるのもおすすめです。
ディテール|タックとセンタープレスできれいめを演出
きれいめに着こなしたいなら、タックやセンタープレスの有無を確認しましょう。あるのとないのでは全くチノパンの印象が違ってきます。それぞれの特徴を踏まえて、自分に合った仕様のものを選んでみてください。
タックのあるチノパンは、
スラックスっぽい印象が強くなり、カジュアルというよりきれいめなスタイルとの親和性が高くなります。またタックには動きやすくなるといった実用性の高さに加え、座りジワがつきにくくなったり、シルエットが崩れるのを防ぐ効果も期待できます。
きれいめな印象で履きたいときのディテールとしておさえておきたいのが、センタープレス。タックと混同されることが多い印象ですが、タックがヒダのような構造なのに対し、センタープレスは
アイロンワークで生地にクセづけすることで腰から裾に至る縦のラインを入れたものになります。
カラー|迷ったらベージュを選ぶべし
チノパンにおける定番色といえば、ベージュ。コーディネートを選ばない汎用性の高い色で、チノパンとして認知されている色でもあるので着回しがしやすいのも利点です。1本目に選ぶなら、まずはベージュをおすすめします。
2本目からは、コーデの差し色となる色を選ぶのがベター。カーキも定番色のひとつですが、ミリタリーという出自を感じさせる色なので、カジュアルメインで履きたいときの選択肢におすすめです。
チノパンの定番人気ブランド3選
チノパンにおける人気ブランドを紹介します。いずれもチノパンの王道ブランドとして歴史も実績もある老舗なので、迷ったときはここから選べば安定のかっこ良さをもたらしてくれるはずです。
BUZZ RIKSON'S(バズリクソンズ)
バズリクソンズは、東洋エンタープライズが手掛けている本格志向のミリタリーウェアレーベル。今回紹介するチノパンはその代表作のひとつです。
Dikies(ディッキーズ)
ディッキーズは1922年にテキサス州で創業した、アメリカを代表するワークウェアブランド。採用しているコットンポリエステル生地の丈夫さに定評のあるチノパンが、看板アイテムとなっています。
Levi's(リーバイス)
デニムにおいては説明不要の知名度と実績を誇るリーバイスですが、チノパンにも秀作がそろっています。
スタイリストが選ぶ!チノパンのおすすめブランド
スタイリストの杉浦さんがおすすめするチノパンブランドを紹介。いずれも良質でセンスよく履けるチノパンを手がけている日本ブランドなので、ぜひ選択肢に入れてみてください。
Barnstormer(バーンストーマー)
バーンストーマーは、1977年に創業し、日本で初めて国産のチノパンをつくったといわれる伝説的なブランドです。
orSlow(オアスロウ)
ヴィンテージのデニムやワーク&ミリタリーウェアに現代的な解釈を加えた、温故知新なウェアをつくっているブランドです。
ほかにも!チノパンのおすすめブランド10選
なじみのあるアウトドアウェアブランドやセレクトショップも、良質なチノパンを手がけています。慣れ親しんだブランドやショップならサイズ感やテイストもわかるので、チノパン選びに迷ったときは頼りにしてみてはいかがでしょうか。
L.L.Bean(エルエルビーン)
BEAMS(ビームス)
SHIPS(シップス)
GRAMICCI(グラミチ)
URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)
TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)
EDWIN(エドウィン)
TOMMY HILFIGER(トミーヒルフィガー)
DIESEL(ディーゼル)
ALPHA INDUSTRIES INC(アルファ インダストリーズ)
チノパンを使ったおしゃれコーデを2パターン紹介
自分好みのチノパンが見つかったら、それをシーンに合ったおしゃれとして楽しむポイントもおさえておきたいもの。ビジネスとカジュアル、双方のコーデを成功させるための要点をスタイリストの杉浦さんのアドバイスとともに紹介します。
アウトドアではカジュアルに!ゆるりと快適さ重視のコーデを
▲ジュゲムのアノラックパーカー 29,000円(HEMT PR) 、アズスタンダード×スクリーンスターズのインナー 12,100円(アドナスト ミュージアム) 、アルファインダストリーズのパンツ 9,900円、ネイタルデザインのサンダル 14,300円(スキャターブレイン)、ラッキールアーの帽子 5,500円(アドナスト) 、そのほかスタイリスト私物
アウトドアや休日の外出でカジュアルに着こなしたい人には、シルエットが太めなワイドタイプがおすすめ。休日らしいリラックス感を印象付けられるうえ、座ったりしゃがんだりの動作も無理なくできるので、クルマの運転やテントサイトの設営も苦になりません。
オフィスカジュアルでは都会的かつクラシックなコーデに!
▲コノロジカのジャケット 30,800円、キクスドキュメント.のシャツ 29,700円、バーンストーマーのパンツ 19,580円(全て税込/HEMT PR)、そのほかスタイリスト私物
ビジネスシーンやフォーマルシーンでチノパンを履きたい場合は、センタープレスが入った細身のストレートタイプがおすすめ。太過ぎてるとジャケットやポロシャツといったきれいめなトップスを合わせた際に、カジュアルさやファッション性が過度に際立ってしまうことも。細身のストレートタイプならその心配がなく、足元がスニーカーであってもビジネスシーンで違和感のないきちんと感を保てます。
最適なチノパンを選んでおしゃれな毎日を!
デニムやスウェットとは違う大人らしさを、オフィスでもアウトドアでも楽しめるのがチノパンのいいところ。ミリタリーという出自を感じさせるものから、ジャケット映えするものまで選択肢が豊富なので、上手に使い分ければ、新しいおしゃれの楽しさを発見できるはず。今回の記事を参考に、あらためてチノパンの魅力を体験してみてください。
撮影協力:
アドナストミュージアム
スキャターブレイン
アドナスト
HEMT PR