【夏休みのパパ・ママ必読】プロが教えるおもちゃ花火の正しいマナーとルール
親子一緒に楽しめる夏の風物詩といえば、おもちゃ花火。目の前で散る火花に、子どもの目もキラキラ!しかし、扱いを間違えると思わぬケガをしたり周囲へ迷惑をかけたりすることも。そこで、花火の楽しさやルール、マナーを伝える公益社団法人日本煙火協会に「おもちゃ花火の正しいマナーとルール」を教えてもらいました。身近な手持ち花火や打ち上げ花火を例に挙げているので、すぐ実践できますよ!
近所トラブルと事故を未然に防いで楽しい夏の思い出を作ろう!
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで手に入る「おもちゃ花火」は、私たちにとって身近な夏の遊びです。
しかし最近では、「おもちゃ花火で遊びたいけど、住宅地では近隣に迷惑をかけてしまうのが不安で、できない…」なんて声が多くあるそう。おもちゃ花火の誤使用による不本意なケガ、事故事例も挙がっています。
いずれにしても、事前に正しい取り扱い方法を知っておけば、気兼ねなく楽しめるもの。身近な遊び道具だからこそ、今一度ルールやマナーをおさらいして、花火のある夏の思い出をつくりましょう。
プロ直伝!おもちゃ花火を安全に楽しむための3カ条
おもちゃ花火の安全な楽しみ方を教えてくれたのは、公益社団法人日本煙火協会。花火の楽しさやルール、マナーを伝えるため、毎年全国で花火スクールを開催しています。
2023年7月28日、神奈川県の大滝キャンプ場で開催された「わくわく花火スクール」では、火薬類取扱保安責任者の資格を持った専門家スタッフ同席のもと、子どもたちが実際に手持ち花火を体験しながら、正しい使用方法や火の扱い方を学びました。
ここからは、イベントで子どもたちが実際に学んだ「おもちゃ花火を安全に楽しむためのルールとマナー」を紹介します。
【1】必要な道具と服装をそろえるべし
花火を安全に楽しむためには、まずは準備が大切!
用意するものは、水の入ったバケツ、ローソク、ローソクへの点火用のマッチやライター、ゴミ袋です。
次に、足元に注意。靴は、足がすっぽりと覆い隠せるタイプを選びましょう。ビーチサンダルや草履など肌があらわになるタイプだと、火花が飛んだときに火傷する恐れがあります。気を付けていても、火花が飛ぶ方向は予測できないもの。少し気を付けるだけで事故は未然に防げます。
意外と盲点なのが、風の状況。風の強い日に遊ぶのは、飛び散った火花が燃え広がりやすいので避けましょう。
おもちゃ花火を楽しむのに必要な道具と服装
- 水の入ったバケツ
- ローソク
- マッチやライター(ローソクへの点火用)
- ゴミ袋
- 足がすっぽりと覆い隠せるタイプの靴
【2】点火の仕方と点火後の取り扱いをマスターすべし
準備が整ったら、いよいよ花火に点火です。
ここで大事な注意点。マッチや使い捨てライターで花火に直接点火するのはNGです!火薬との距離が近いため、急に火が噴き出すと火傷をする危険があります。
点火をする際は、ローソクから!
細長いタイプの手持ち花火には、先端にぴらぴらとした紙が付いていることがあります。火が付きにくいと感じたら、花びら紙と呼ばれる紙をむしって花火先端の火薬に点火すると簡単です。
点火後は、腕の角度は斜め下45度くらいにとどめ、花火本体をなるべく体から離します。振ったり回したりせず、固定して楽しみましょう。
なお、きれいだからといって、同時に数本の花火に点火すると、大きな炎となって燃えあがるので危険!必ず、1本ずつ遊ぶようにしてください。途中で火が消えたとしても、顔を近づけてのぞいたり、火薬の部分を手で触ったりするのはご法度!中で火がくすぶっている場合があります。
楽しんだあとの花火は、一度、水の入ったバケツで消火してから、ゴミ袋に入れて家まで持ち帰ります。
点火の仕方と火のついた花火の取り扱い方法
- 点火をする際は、ローソクから!
- 花火に火がついたら、腕の角度は斜め下45度くらいをキープ。花火本体をなるべく体から離す
- 振ったり回したりせず、固定して楽しむ
- 必ず1本ずつ遊ぶ
- 途中で火が消えたとしても、顔を近づけてのぞいたり、火薬の部分を手で触ったりしない
- 楽しんだあとの花火は、一度、水の入ったバケツで消火してから、ゴミ袋に入れて家まで持ち帰る
【3】近隣の迷惑にならないように配慮すべし
せっかくの花火だからこそ、近隣とのトラブルは絶対避けたいところ。まずは、花火をする場所に条例がないか市区町村の公式ホームページなどでチェック!
条例がない場所でも、迷惑にならない時間や場所を意識するのが大切です。特に激しい音が出る打ち上げ花火は、マンションや民家から離れた場所で行いましょう。騒音だけでなく、花火の飛翔によるケガ防止にもなります。
意外と迷惑と思われがちなのが、煙。風向きによっては、おもちゃ花火から上がる煙が窓から侵入したり、干してある洗濯物にかかったりすることも。風向きにも配慮して楽しめると優秀です。
近隣の迷惑にならない配慮の仕方
- 花火をする場所に花火に関する条例があるかチェック
- 条例があれば守り、なければ条例の内容を参考に周囲に配慮する
- 激しい音が出る打ち上げ花火は、マンションや民家から離れた場所で行う
- 風向きも意識して周囲に煙がおよばないようにする
「タコ」に「炭火」!?種類豊富な「おもちゃ花火」って面白い!
ここまで、ルールやマナーを中心に紹介しましたが、「わくわく花火スクール」は、おもちゃ花火の魅力も存分に体験できる内容でした。
一般的な形の手持ち花火から、炭の火花を再現した「九州炭火」や、5本足からバチバチと火花を散らす「たこおどり」まで、ユニークなものが次々と登場。参加した子どもたちの「おおー!」という歓喜の声がひっきりなしに上がるほどの大盛況ぶりでした。
集まった子どもたち20~30人ほどのワクワクした表情は、花火の種類が変わるごとにコロコロ移り変わっていて、夢中になっていることが伝わってきました。その様子を優しく見守るパパママの姿も印象的。やっぱり、親子一緒に、楽しむ花火はいいものです。
手持ち花火は数あれど、ルールやマナーを一通り学んだら、基本的にどれでも遊び方は一緒。今年の夏は、おもちゃ花火の奥深さにぜひ、触れてみては。
日本煙火協会のスタッフが打ち上げ花火を披露!
イベントのフィナーレを飾ったのは、日本煙火協会のスタッフ総出で取り掛かった「ミニミニ花火大会」です。
子どもたちがイベントで体験したのが「手持ち花火」だったのに対し、スタッフが用意したのは「打ち上げ花火」。100個以上の打ち上げ花火がキャンプ場の河原に横一列に並べられた景色は圧巻!
イベントが始まる前の日が高いうちから、設置作業が開始され、横約30mにもなる花火会場が完成していました。
そして迎えた夜。スタッフが合図とともに打ち上げ花火の導火線に点火!ものの数十秒で大迫力の花火が噴出し、火柱は何と高さ約5mにもおよびました!
これには子どもたちも大喜び。大人も思わず驚きの声を上げる程の勢いでした。ミニミニ花火大会は大成功をおさめ、子どもたちそれぞれの心にきっといい思い出として残ったことでしょう。
ルールとマナーを守って、家族でおもちゃ花火を楽しもう!
おもちゃ花火は、家族全員で楽しめる身近な遊び。ルールとマナーさえ守れば、危険も少なく、近隣に迷惑をかけることもありません。一度覚えれば、次から簡単に実践できる内容なので、ぜひ習得あれ!今年の夏は、近所の公園や庭先で花火のある時間を過ごしてみてください。