バイクのキャンプツーリング道具一式!おすすめ商品や積載のコツを紹介
一度行けばやみつきになる!バイクで行くキャンプツーリングが楽しいワケ
2022.05.20ノウハウ
バイクで行くキャンプツーリング、通称キャンツー。ソロキャンプ、グループキャンプに関わらず、車で行くのとバイクで行くのではその楽しさはケタ違い! キャンツー歴40年の "おやじライターにわたかし" がその魅力を教えちゃいます。
制作者
丹羽孝之
北アルプスを愛するアドベンチャー系オヤジ。黒部川源流部の釣り旅、バイクでの全国テント泊ツーリング、北インドやヒマラヤ山域のトレッキングやバイクツーリングなど活動の幅は広い。アウトドア経験はあっという間に40年。酒は強いが高山病には弱い。モットーは、”広く深く” 。
JAC オートキャンプインストラクター、YouTube: @outdooroyaji
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もくじ
バイクでツーリングとキャンプを同時に楽しむ
キャンプツーリングの荷物はどれだけコンパクトにできるかが命
世間のソロキャンプブームと同様に、バイク乗りの間でも「キャンツー(キャンプツーリング)」が流行ってきました。
今でこそどのキャンプ場でも当たり前のようにバイカーの姿を見かけますが、実はほんの数年前までは超レアな楽しみ方でした。「なんでわざわざバイクでキャンプに行くの!?」って感じだったんですよ。
筆者が初めてキャンツーをしたのは、もう40年も昔…。当時はキャンプ場なんてほとんど無くて野宿ばかりでした。今では考えられませんが、男鹿半島(秋田県)の灯台脇で幕営したこともありました。当時、キャンプは目的ではなく、ツーリング中の宿泊コストを抑える手段でした。現在のキャンツーはちょっと変わってきてます。ソロキャンプブームもあって、キャンプそのものを楽しむ、その行き帰りの移動をバイクで楽しむという側面が増えてきている気がします。
車とバイクどっちが楽しいの!?
あくまで筆者の個人的な意見ですが、バイクに乗らない人は人生の半分を損していると言いたい!身体むき出しで危険と隣り合わせであることは間違いないですが、歳を取ってから免許を取ったライダーは必ずと言っていいほど、"もっと若い頃から乗れば良かった"と思うはず。その理由は、全身で風をきって走る爽快感、空気のにおい、両手両足で車体を操る楽しさなど、挙げればキリがありません。
が、しかし…。この "操る" の部分、慣れれば自律神経が勝手にやってくれるようになり最高に気持ちがいいのですが、その境地に至るまでには、歳を取るとなかなか時間がかかるのよぉ…。
と言うことで、興味がある人は早いうちに "こちら側" に足を踏み込んでみましょう!
バイクキャンプのメリット、デメリット
他にはない爽快感と「旅してる」感
残雪の北アルプスと芝桜
メリットは、なんといってもバイクで風を切る爽快感!「旅してる」実感も強く感じられ、旅中の全ての瞬間が楽しく思えます。車は家族や仲間とワイワイ会話できるし、荷物も沢山積める。天気に左右されることも無いですが、それでも筆者は旅の足は間違いなくバイクを選択します。
仲間と走る際の会話に関してはインカムと言う通信機器をヘルメットに装着すると少人数での同時会話もできるし、音楽やナビの音声を聞いたり、通話をしたりできます。小回りが効く事も大きなメリットです。観光地での駐車場待ちとも無縁!
積載にテクニックがいり、快適さは天候に左右される
バイクは天気や気温次第では辛いし、荷物の積載量が限られる点はデメリット。容量にすると一般的には70L程度しか積めません。場合によってはキャンプギアだけではなく、レインウェアなど雨対策の品やスペアパーツ、修理用工具なども積みます。
しかし、車だと感じづらい空気やにおいを全身で感じられるので、五感で大自然を満喫できる点はデメリットを圧倒的に凌駕します。バイクでのキャンプツーリングはデメリットも多いけど、爽快感や楽しさが車とはケタ違いなんですよ!
キャンツーに最適な季節はいつ?
ツーリング中に見上げる、白樺の芽吹き
キャンプツーリングに最適な季節は、春から初夏と秋から初冬。目的地によって差はありますが、関東であれば4〜5月、10〜11月は快適です。キャンプと一緒で、暑くもなく寒くもないシーズンがベスト。天気が安定するのはGW明けから6月頭まで、夏は梅雨明けから10日間あたりです。秋からは台風により左右されることが多いです。キャンツーを始めるならまさに今、5月中旬を強くおすすめします。
長年バイクで旅をしていると、必然的に天気に対する知識もついてきますよ。雨雲レーダーを見ながら走るルートを決めるのも楽しいんです!
筆者は、夏場にキャンツーするのであれば、標高2,000mあたりのキャンプ場にターゲットを絞り込みます。暑いのは嫌いなので…。夏場のキャンツーでは移動は早朝か夜にしたり、ルートをできるだけ涼しい道にしたりすれば、灼熱の中身ひとつで走るようなことは避けられますよ。
キャンツーをしていて楽しかった事
バイク仲間との楽しい宴会
単なるツーリングだけではなく、キャンプがプラスされる事によって、バイクに乗っててよかったと思ったことがたくさんあります。
一期一会 旅先での人と人とのふれあい
車に比べて人口が少ないこともあり、バイク乗り同士はお互い仲間意識のようなものがあります。キャンプ場でも話しかけたり、話しかけられたり。知らない者同士が焚き火を囲んで酒を酌み交わすなんてことはよくある事。筆者は全国にそんな仲間が、バイクに乗り始めた頃から今に至るまで、数十年の間増え続けています。
SNSで連絡を取り合い、再会してまた一緒に走ったり飲んだり。全国に仲間ができることを想像してみてください。もちろんバイク乗り同士だけではありません。いろんな方達から声をかけられることがめずらしくありません。ちなみに、サービスエリアなどでのあるあるは、「大きいバイクだねぇ、これ何cc? 俺も若い頃乗っていたんだよ…」と話しかけてくるご老人。 バイク乗りの間では、こういう人を「ナンシーおじさん」と呼びます(笑)。
本当のバイク乗りは、お互いのスタンスを尊重するので、つかず離れずの距離感で接します。見極めも大事なポイントです。
旅の思い出が鮮明に残る
残雪の白馬三山と松川の清流
走行中の空気の匂いや気温差って、すごく脳裏に残るんです。雨あがりのアスファルトの匂いや、トンネル内の冷気…。車での旅とは大きな差です。時にはそれが辛く感じることもありますが、旅やアウトドア・アクティビティーってそういうものだと思いませんか?
そういう一瞬が何年経っても昨日の事のように記憶に残っています。バイクでのキャンプツーリングであれば、なおさらそういう機会が増えるんです。
キャンツーをしていて辛かった事
もちろん楽しい事ばかりではありません。自分の経験、知識、ギアを駆使して切り抜けなければいけない時もあります。
持っていく道具の取捨選択が難しい
カップ麺用の湯わかし
バイクだと積載量が限られるので、持ち物は普段のキャンプ以上に取捨選択しなければなりません。しかし、同じく道具が限られる登山と比べて大きな違いは"すぐに買い物ができる"こと。いざとなったら現場で買えると思っておけば、いくらか安心。ほとんど使わないものを保険として持っていくのか、それを使わないように工夫するのかは自分次第って事です。
かろうじて荷物に残っていたもやし炒めで空腹を凌ぎました
ただし、知らない土地に行くならば事前の情報収集はやるに越したことはありません。以前四国をキャンプツーリングした際に、一日中山の中の道をつないで走っていたら、通過する村や集落が過疎化によって商店が全て廃業していたことがありました。バイクに積んであった食料はカップ麺と米のみ。夕飯にカップ麺を食べて、スープをとって置いて翌朝は雑炊に…。お金は持っていても店が開いてなければどうにもなりませんからね…。
キャンプ場などの環境面
キャンプツーリングでのサイト設営例
バイク乗りのキャンプ場選定で大事なポイントは、荒天の際に逃げ込める場所があるかどうかです。東屋や、大きな炊事棟などなど。雨の中の設営・撤収は何年やっていても楽しくはありません。
バイクの場合はキャンプ道具だけではなく、レインウェア、レイングローブ、ブーツカバーなど雨天走行の装備対応があるので、脱いだり着たりに屋根があると助かります。バイクの乗り入れができないキャンプ場だと、なおさら大変です。
ハンモック泊は身軽ですが、長旅の装備としてはリスキーです。キャンプ場に立木が無かったら設営できません。流行りの軍幕も自立しないので、バイクキャンプには不向き。ここ数年はコロナの影響でクローズされてるキャンプ場が多く、キャンプ場難民になることがあります。
筆者も昨年の長旅で、何度か道の駅の隅に夜がふけてからテントを張り、仮眠だけして夜明けと同時に撤収、なんてことがありました。こういうリスクを考えるとテントは自立式のドームテントが安心です。
バイクの故障
旅先でのバイク修理
バイクに限ったことではありませんが、どんなに事前に点検/整備しておいても、故障は突然やってきます。筆者は全国どこでも距離制限無しのレッカーサービスを契約してます。幸いにも40年バイクに乗り続けていてレッカーのお世話になったことは一度もありません。
これまでの故障経験は、ウィンカースイッチ不良、燃料ポンプからのガソリン漏れ、駆動系オイルシールからのオイル漏れなど…。持参した工具や補修剤を駆使して乗り切りました。インドで挑戦したアドベンチャーツーリングでは、パンクはしょっちゅうでした。
でもね、そんなピンチも旅のスパイスになるんですよ。
自然が好きなら、ぜひお試しを。「こちら側」からの景色は一見の価値アリ
チャレンジ精神がメラメラ出てきた人、「やっぱ車でいいや」と思った人、さまざまな印象があると思います。これまでバイク×キャンプの楽しさをああだこうだ語りましたが、実は筆者はバイクに乗らない人にバイクを勧めたり、キャンツーに誘ったりはしません。自分で判断してチャレンジするからこそ楽しいものなのです。
でも、「バイクに乗らない人は人生の半分損をしてる」という意見は揺るぎません(笑)。こちら側の景色は、間違いなく人生に彩りを添えてくれます。
実際のソロキャンプツーリングの様子は、私のYouTubeチャンネル 『アウトドアなちゃんねる』 を覗いてみてください。今後もどんどん公開していきますので、チャンネル登録もよろしくお願いします(笑)!(ちゃっかり!)