【4/29】東京・二子玉川にスノーピークの新店がオープン。初の家具ブランドもリリース!
スノーピーク初の家具シリーズ「TUGUCA」が登場!アウトドアで培った居心地の良さを自宅で実現【体験レポート】
2021.11.04ライフスタイル
スノーピークがキャンプで培ってきた快適な住空間。それを日常で実現するユニット家具「TUGUCA(ツグカ)」が2022年春、ついに登場します。木の柱と梁をベースに、多彩なオプションが付属する家具の開発にあたっては、同社の自然に対する愛がふんだんに注ぎ込まれました。都内で開かれた体験展示会の取材でわかった、TUGUCAの魅力を余すところなくお届けします。
制作者
辻 康太郎
気の置けない友人たちと行く、グループキャンプが好きです。たまに山登りも。よく行くキャンプ場は足柄の大滝キャンプ場です。KEENとザ・ノース・フェイス愛用者。自宅でもキャンプめしをよく作ります。チャレンジしたいのは豚バラブロック肉の燻製。
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「居心地の良さ」を知るスノーピークが作った「TUGUCA」
木材を基調とした家具シリーズ
スノーピークが来春より発売する「TUGUCA(ツグカ)」は、同社初の家具シリーズ。ユーザー自身が木の柱と梁を組み立て、プライベート空間を作り上げるセルフビルド式の家具です。
木材の表面積が大きくなるようデザインされた柱と梁は、室内にいながら自然を想起させ、外遊びへの気分を駆り立てます。
現在、日本のキャンプ人口は約7%。アウトドア業界のトップランナーであるスノーピークとしては、「残りの約93%にも自然の大切さを感じてもらいたい」。そんな思いを背負って推し進めるのが新プロジェクトの「ライフビオトープ」であり、製品として生み出したのが家具シリーズの「TUGUCA」です。
体験展示会を取材
TUGUCAの発売に先駆け、11月7日(日)まで二子玉川の蔦屋家電で体験展示会が開催中。会場にはTUGUCAの基本となる3種類の形を展示し、専門のコンシェルジュスタッフが常駐しています。
hinata編集部は会場を取材し、TUGUCAと触れ合ってみました。生身で体験してわかった、スノーピークの家具シリーズについてお伝えします。
つなぐ、受け継ぐ、それがTUGUCA
ライフパートナーとなる家具を目指して
TUGUCAの語源は、「受け継ぐ」や「つなぐ」といった言葉に由来しています。
『木の柱と梁を「つないで」、ユニットを組み立てていく』
『親から子へ「受け継ぎ」、世代をまたいで愛用する』
そこには「物質的にも精神的にもつながりを持たせることで、一生使える家具にしたい」というスノーピークの思いが込められています。
買い替えではなく「継ぎ足し」
スノーピークの開発担当者で、未来開発本部の鴨志田栄汰さんはこう強調します。
「TUGUCAは工具なしで、柱や梁を気軽に組み換えられ、自在にレイアウトを変更できます。一般的に、家具を新調する理由は『飽き』が大きな要因。TUGUCAのように可変性を持たせれば、価値観が変わっても対応できます。年を重ねれば家具に対する考え方も変化すると思うので、その際に買い替えるのではなく、TUGUCAのユニットを『継ぎ足す』という選択をしてもらえたらうれしいですね」
鴨志田さんが話す通り、TUGUCAの特徴のひとつに「可変性」があります。本体フレームは、木の柱と梁を連結させるだけのシンプルな構造。だからこそ、設営も解体も容易で、レイアウトの変更に手間がかかりません。
そのため、月ごとに配置換えをしてみたり、ホームパーティに際して人数に応じた最適なレイアウトに変更したりと、従来にはなかった発想で、部屋のあちこちに移動できる家具に仕上がりました。
モデルは全部で3つ。体験レポートの前に、まずは製品のスペックから紹介します。
TUGUCAの基本となるのは3種類の形
面で使える「ウォールセット」
最もシンプルなモデルが「ウォールセット」。2本の柱と1本の梁をベースに、ガルバリウム鋼板のパンチングウォールやシェルフトップ、ハンガーを引っ掛けられるマルチロッドストレートなどがセットになっています。
2本の柱は付属の突っ張り棒で室内のどこにでも配置できるので、一つの空間を柔らかく区切ることが可能。向こう側のスペースを視認しながらも仕切られている感覚があり、圧迫感の少ないパーテーションとしての活躍が期待できます。
【基本情報】
サイズ:幅1282×奥行86×高さ1960mm
セット内容:TUGUCAタテ×2、TUGUCAヨコ×1、シェルフトップ×3、パンチウォール×1、マルチロッドストレート×1
価格:25万3,000円(税込)~
角で魅せる「コーナーセット」
2つ目は「コーナーセット」。ガルバリウム鋼板のパンチングウォールなどは上のモデルと同様ですが、こちらは「角」としての機能があるので、空間の占有性がさらに高まりました。
しかし、やはり柱の間からは向こう側が見られるので、閉塞感はゼロ。セット内容に含まれているテーブルトップを用いて、趣味の作業に没頭するスペースを設けられそうです。
【基本情報】
サイズ:幅1282×奥行1282×高さ1960mm
セット内容:TUGUCAタテ×3、TUGUCAヨコ×2、シェルフトップ×3、テーブルトップ×1、パンチングウォール×1、マルチロッドストレート×1、マルチロッドカーブ×1
価格:38万5,000円(税込)~
開放的な小部屋にもなる「スクエアセット」
3つ目は空間を四角く切り取る「スクエアセット」。同モデルには引き出し付きのテーブルユニットが含まれているので、家に来たその日からテレワークのスペースを確保できます。
もしくは趣味の道具をたくさん詰め込んで、自分だけのコレクション空間にしてもいいかもしれません。四方の柱のおかげで「小部屋感」があるので、秘密基地のような雰囲気を味わえます。
【基本情報】
サイズ:幅1282×奥行1282×高さ1960mm
セット内容:TUGUCAタテ×4、TUGUCAヨコ×4、ユニットフレーム×1、シェルフトップ×3、ホワイトウォール×1、マルチロッドストレート×2、マルチロッドカーブ×2、テーブルトレー 1ユニット×4、テーブルラック 1ユニット×4
価格:60万5,000円(税込)~
TUGUCAに触れて感じた5つのこと
現場で組み立ての様子を見せてもらうと、驚くほど簡単に、そしてスピーディに作業が行われていました。空間利用のバリエーションもテーマによってさまざまで、TUGUCAの持つ家具としての多様性、そして可能性を大いに体感できました。
【その1】組み立ての容易さ
シリーズの中で最もパーツの多いスクエアセットでも、組み立ては10分程度で完了します。その要因となっているのが、こちらのT字の連結金具。「つなぐ」がテーマのTUGUCAにおける重要なパーツで、柱と梁を連結させる場合はもちろん、柱とパンチングウォールやシェルフトップなど、あらゆる部品を連結させる場面で使用します。
使い方は至ってシンプル。T字の先端部分を柱の隙間に差し込み、クルリと回転させます。柱の内部には21段階で高さを調整できる「受け」の金具が入っているので、その金具にT字の先端部分を引っ掛けるという仕組み。
こちらが引っ掛かった状態。ここに梁などを連結します。
柱ではない方の部品には、T字の連結金具に符号する金具が取り付けられているので、その部分を合わせていきます。
カチャンとハマればOK。反対側も同様の作業を済ませれば、柱と梁の連結は終了です。
柱1本に対してひとつ、こちらのロゴ入りマーカーが附属します。組み立ての際に、高さの目印として使用するもの。こういった細かい部分で気が利いているのも、TUGUCAが簡単に組み立てられる一因と言えます。
【その2】補強パーツによる安心感
TUGUCAの構造は至ってシンプルですが、だからと言って強度を犠牲にしたわけではありません。その単純な機構を支えているのが、これから紹介する各所の補強パーツです。
まずこちらは、柱と梁に結ぶように斜めに走らせる補強パーツ。柱1本につき、ふたつ使用します。
先ほどの連結金具と同じく、柱の隙間に先端を差し込みます。
これでハマりました。ここからボルトとナットで固定していきます。
梁に開けられた専用穴にボルトを差し込み、片手で押さえます。
上部のナットを手で留めれば完成。このナットはあえて指に引っ掛かりやすいようザラザラとした質感で、工具を使わなくてもしっかりと固定できます。
柱が2本のウォールセットの場合は、突っ張り棒が付属します。これにより、柱を天井で突っ張り室内のどこにでも設置できるので、レイアウトの自由度が高まっています。
2本の梁が直角に交わる部分は、マルチロッドカーブというパイプを斜めに走らせ、補強します。
スクエアになっている場合は、マルチロッドカーブを2本使用。これにより、柱のグラつきを抑えてくれます。
【その3】各パーツがアイデアを刺激する
TUGUCAで使用されている各パーツは、好みの位置や高さに取り付けられるので、多様な使い方が想定できます。
たとえば補強パーツとしても紹介したマルチロッドカーブは、梁の下側に走らせれば、ロープで観葉植物を吊り下げたり、フックで霧吹きを引っ掛けたりと趣味のアイテムを飾ることが可能。「どこにどのパーツを取り付けようかな」と、ユーザーのアイデアを刺激してくれるのがTUGUCAの特徴でもあります。
こちらのホワイトウォールはマグネットが付く上、ホワイトボードのようにペンでいろいろと書き込めるので、子どもの遊び道具にピッタリ。一方でテレワークスペースとして使う場合は、仕事用のメモ書きや資料をマグネットでとめておくという活用方法もあります。
シェルフトップは、子どもの遊び道具を並べてもよし、趣味のギアを飾ってもよし。奥行が広いので、加湿器など家電を置いてもいいかもしれません。
大人が軽く体重を預けても問題なし。
テーブルユニットももちろん、高さを自由に変えられるので、日によってはスタンディングデスクとして使うのもアリです。このユニットはスノーピークの人気商品「IGT(アイアングリルテーブル)」と互換性があるため、天板の一部をウッドテーブルやグリルバーナーに変更し、調理台としての機能を持たせることが可能。
全モデルのセット内容に含まれているマルチロッドストレートは、ハンガーを引っ掛けるのにうってつけ。子ども服の場合は低い位置で、ロングコートを掛けたい場合は高い位置に取り付けるなど、用途に合わせたアイデアが膨らみます。
武骨な印象のパンチングウォールは、ほどよく視界を遮ってくれるので、視覚的に空間を仕切りたい場面にピッタリ。木材とガルバリウム鋼板が織りなすコントラストによって、室内の雰囲気をグッとお洒落にしてくれます。
【その4】「半空間」という感覚
TUGUCAの前に立ったり、仕切られた空間に入って感じたのは、「ほどよく周囲から隔離されている」ということ。たとえばスクエアセットの真ん中に立ってみると、四方に柱があるだけで物理的な隔たりは少ないはずなのに、どこか守られているような気分になります。それでいて圧迫感はないので、自宅内における極めてパーソナルなスペースとして活躍してくれます。
【その5】会話が生まれる
スノーピークの方々にTUGUCAについて取材していると、どんどん会話が広がっていく感覚を覚えました。「ここはこんな見せ方がいいかもしれない」とか「こうしたら面白くなるんじゃないか」というような、自ら手を加えたくなる魅力がTUGUCAにはありました。
先に紹介したように、組み換えが簡単で、いつでもレイアウトを変更できるからこそ、各人がアイデアを持ち寄り、あーだこーだと喋りたくなるのかもしれません。
そうして考えてみると、TUGUCAは居住者同士を「つなぐ」家具でもあります。ともに協力して組み立て、レイアウトについて話し合う。ときにはテーマを変えて配置し、完成した見せ方について意見を交換する。変化するから、飽きない。飽きないから、捨てない。結果、ひとつの家具を長く使い続けることで、サステナビリティ(持続可能性)への貢献にもなります。
同居人や家族とのコミュニケーションを生み出し、会話をつないでくれるTUGUCAは、持続可能性を追求する現代にこそ、うってつけの家具と言えるでしょう。
発売は2022年春
これまでとは一線を画す家具シリーズが「TUGUCA」。コンセプトや構造、隅々のディテールに至るまでユーザー目線で使い勝手を追求し、シンプルな形で具現化する。だからこそ一生をかけて寄り添いたくなる、人に優しい家具だと感じました。
現段階では、発売予定は2022年の春。先行予約や取扱店舗など、今後の最新情報はスペシャルサイトでぜひチェックしてみてください!
詳細を見る:TUGUCA スペシャルサイト
【基本情報】
イベント名:TUGUCA 体験展示会
開催期間:2021年10月22日(金)〜11月7日(日)11:00〜20:00
場所:二子玉川 蔦屋家電 2階 E-room 1&2(東京都世田谷区玉川1丁目14番1号 二子玉川ライズ S.C.テラスマーケット)
入場:無料
※ご来店の際は、店舗ホームページで最新の営業時間をご確認ください。