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【ブランドラブ】普通の主婦が創設者!?適正価格を重視しつづける「Columbia」の軌跡と魅力

アウトドアブランドに勤める方へ、ブランド愛をうかがう連載企画「ブランドラブ」。第7弾は、ライトアウトドアから本格登山まで、幅広い高品質アウトドアアイテムを生み出している「Columbia(コロンビア)」にフォーカス!今回は根っからのアウトドア&コロンビア好きな広報担当の内藤さんに、ブランドへの愛をうかがいました!

ピンチをチャンスにしたアウトドアブランド

コロンビア再建の道のりを歩んだ、主婦と息子

自然が豊かで、アウトドアスポーツが盛んな場所で誕生したコロンビアは、もともとは帽子問屋がブランドの始まりでした。現会長ガートボイルの父が経営を始め、その後いくつかの企業と吸収・合併を果たし、代表的なアイテム「マルチポケットフィッシングベスト」を開発。 瞬く間にアウトドアブランドとして名を馳せた一方で、創始者の父や後継者だった夫を亡くし、多額の借金を背負ってしまいます。返済のために決断した「コロンビアを再建させる」という選択は、当時主婦だったガートボイル本人と、大学生だった息子の2人。細々と家業を継ぐ訳ではなく、過酷な拡大戦略の道を引き継ぐことで、着実にその足元を固めていったのだとか。 そんな驚きの素顔を持つコロンビアには、一体どんな人が働いているのか…?なかなか知ることのできないアウトドアブランド「コロンビア」の軌跡と魅力に迫ります!

「キャンプは、大人が楽しむためのものだと思う」

コロンビア広報・内藤さんのアウトドア愛

━━━ ブランドラブという連載企画の取材に伺う際、必ず聞いている質問があるのでさっそくその質問からどしどしお聞きしていきたいと思います! 内藤:よろしくお願いします(笑)。 ━━━ ずばり、アウトドアはお好きですか…? 内藤:もちろん好きですよ!生まれも育ちも長野なので、アウトドアは結構身近でした。幼い頃は、キャンプに連れて行ってもらったりしていましたよ。大人になった今でも、定期的にキャンプへ行っています。 ━━━ いいですね、アウトドアが身近な暮らし!ということは、キャンプの行く先は、長野が多かったりするのでしょうか? 内藤:そういうわけでもないんですよ(笑)。家族や仲間と行くことが多いので、行くメンバーによってキャンプ場は割と考えます。
━━━ どんな点に気をつけて選んでいらっしゃるんですか? 内藤:キャンプは、大人が楽しむためのものというか時間というか、僕はそう考えていて。だから、自分たちが楽しめる場所に行った結果、子供もなんだか楽しめている、というのが嬉しいですし、理想でもありますね。 ━━━ なるほど、目からウロコな考えだったかもしれません…!子供のいるキャンプは、やっぱり子供優先にしてしまいがちなのかと思っていました。 内藤:もちろん、子供のことを一切考えないわけではないですよ(笑)。ただ、あくまでも僕たちが主役になって楽しんでいていい場所なんだよな、っていう。

意外なサークルメンバーと行く、持ち寄りキャンプ

出典:ElenaNichizhenova / ゲッティイメージズ

━━━ 連れられて行くキャンプから、連れて行くキャンプになったんですね!ギアはいつ頃からご自身で集め始めたんですか? 内藤:大学生の時、サークルの仲間と「テントは〇〇」「チェアは〇〇」と担当を割り振って、それぞれがキャンプ場に持ってくるスタイルでした(笑)。 ━━━ 持ち寄り制、楽しそうですね(笑)。サークルメンバーで行っていたということは、登山とか、アウトドア系(?)のサークルだったんですか? 内藤:それが、テニスサークルだったんです(笑)。何で行こうと思ったのかまでは正直思い出せませんが、意気投合して不定期開催していたんじゃないかな。

楽しい!を仕事にしたら、やっぱり楽しい

━━━ その持ち寄りキャンプがきっかけで、コロンビアに就職を決められたんですか? 内藤:根っこには一因としてありますが、流れはまたちょっと違って。新卒でPR会社に勤めていた当時、アウトドアにあまり触れられていなかったんです。そんな折に、アウトドアブランドさんとお付き合いさせていただくことがあって、一緒にお仕事をしていくうえで「自由で楽しそうだな」「昔から好きなアウトドアの業界に挑戦してみるのも楽しそうだな」と思ったのが、大きなきっかけでした。 ━━━ 「楽しそう」が内藤さんの判断基準の根底にあって、その考え方自体が楽しそうで素敵ですね!では、そのきっかけを携えて転職活動に臨まれたわけですね…! 内藤:そういうことになります、楽しそうだったので(笑)。でも、アウトドアブランドという大枠で捉えていたので、最初からコロンビアにしよう!と思っていた訳ではないんですよ。 ━━━ それは…気になる言い回しです。 内藤:これ、後々になって気づいたことなんですけど、「多分、高校生の時初めて買ったシェルのジャケット、コロンビアのだったかもな?」と思ったんです。
━━━ 何だかロマンチックな展開になってきました…! 内藤:(笑)。というのも、コロンビアの現会長がガートボイルという妙齢の女性なんですが、その人をジャケットのタグか何かで見かけた記憶があって。転職活動中にコロンビアを調べていたら「あ、この人知ってる!」から「あの時着ていたのってコロンビアだったんだ」と気づいて「コロンビアってやっぱりいいな」に行き着いて。そして今に繋がる、といった感じですね。 ━━━ すごい、運命的な…!今の部署には、希望して入られたのでしょうか? 内藤:そうですね、もともとPRの畑にいたこともあって希望し、そのまま採用していただきました。それから早10年、マーケティング全般のお仕事を任せてもらっています。
━━━ マーケティング全般!想像もつかないほど、たくさんのお仕事を抱えていらっしゃいそう。担当業務の中でも、特にやりがいや楽しさを感じられるものがあれば教えてください。 内藤:コロンビアの中には、今5つのブランドがあって、僕の場合はコロンビアともうひとつ(ソレル)を横断しながら担当しています。基本的に、商品が先行して企画されていって、その商品を売るためにはどうしよう?とプロモーション内容を立案していくんですが、それがうまくハマって購買数に繋がったり、狙いがうまく当たったりしたときは、話題性が目に見えることがあるので、やっぱり純粋に嬉しいですね。 ━━━ 目に見える話題性…コロンビアさんほどのブランドともなれば、その規模はなかなかのものですよね!そういった反響はどこからキャッチされてるのですか? 内藤:やっぱり、SNSが大きいです。後は、動画とかの再生回数で反響を見ることもありますね。店舗スタッフから上がってくる「◯◯の雑誌を見て買いに来ました!」なんていうお客様からのフィードバックもとてもありがたいですし、励みになります。

2018年に、生誕80周年を迎えた「コロンビア」

老舗アウトドアブランドとしての葛藤

━━━ 直接もらえるお言葉ほど、嬉しいものはないですよね。でも、脚光を浴びることもあれば、ブランド自体が苦しい時期もあったかと思います。 内藤:そうですね…。僕が入社する、うんと前の話ですが、存続の危機に直面したこともありました。現会長・ガートボイルの活躍は本当に目覚ましいもので、再生を期して現在に至っています。 ━━━ 大分、内容がぎゅっと凝縮されている気が…? 内藤:そこは、ぜひ公式ページを見てもらえると(笑)。ただ、よくガートボイルが「家の一歩外に出たら、そこはアウトドアフィールド。だから、そこで快適に過ごせるような服を提供するのがコロンビア。高い山に登ることだけがアウトドアじゃないのよ。」ということを言っていて、コロンビアは外に出ることを応援しているブランドだ、ということが伝わるといいな、とは常々思っています。 ━━━ 確かに、一歩でも踏み出してしまえば、外は全部アウトドアフィールドですね!コロンビアの母の言葉は偉大です…。 内藤:コロンビアは、その母と呼ばれているガートボイル=普通の主婦だった人が大きくしたブランドでもあります。だから、企業理念というか、根底にあるものが他のブランドさんとは異なっているんです。
━━━ その違いを、ぜひ教えてください! 内藤:アウトドアブランドさんといえば「こんなギアが欲しい」「これがもっとこうだったらいいのに」と、ユーザー目線で欲しいものを考え、形にしているケースが多いと思います。でも、コロンビアは主婦ならではの目線で「家族が多いと一人当たりにかかるウェア代もかかってしまうから、適正価格を重視しよう」という考えが根底にあるんです。 ━━━ なるほど、だから独自の目線で、独自素材を開発して商品展開をされているのですね!? 内藤:そうですね、オムニテックやオムニヒートがその代表格です。全てオリジナルの素材を使っているが故に適正価格を守れている、というのがコロンビアの強みで、個人的にも好きなところですね。でも、だからこその悩みもあります。

出典:AlexBrylov / ゲッティイメージズ

━━━ お聞きしてもいいのでしょうか…? 内藤:そうですね、うーんと、良くも悪くもライトアウトドアなイメージが強いこと、かな…。 ━━━ 適正価格のお話と繋がっていそうな悩み事ですね…。 内藤:まさにその通りで、適正価格とはいえ、機能性は十分備わっているので、ある程度標高の高い山などでも問題なく着てもらえるんです。それがイマイチ伝わりきっていない気がするというか、何と言うか… ━━━ どんな観点からその壁を感じられているのでしょう…? 内藤:コロンビアがこの80年間で作ってきたブランドイメージって、アウトドアの敷居を下げるというか、間口を広げることだったんです。それ故か、標高の高い山でのコロンビアの着用率はまだ少ないというか、肌感の掴めない状況、というのが葛藤であり課題でもありますね。 ━━━ どうして着用率が今だに低いのか疑問な部分もありますし、何よりもスペックを持ち合わせているのに…という勿体無さがあとを絶ちません。 内藤:だから、日本にいる国際山岳ガイドさんにコロンビアを着てエベレストに登ってもらったりとか、なすびさんにも同じように着用して登ってもらったり、実は認知拡大のために取り組んでいたことがあったんですよ。

本場でも取り入れられている、日本のアイデンティティ

━━━ プロに着てもらって、その魅力がユーザーさんに届くのはすごく素敵ですね!でも、ブランドイメージの浸透率は嬉しくも、もっと良さを届けたいと求めてしまうものですよね…。ブランドイメージのいい意味での払拭というか、今力を入れていることが他にもあれば、ぜひ教えてください! 内藤:今、日本で展開しているものの中には、日本で企画されているアイテムもあるんです。だから、企画力というか、商品開発力というか、その分野での伸び代は大きいんじゃないかな。コロンビアは、「ベーシックでアースカラーのものが多い」「誰でもそつなく着こなせる」なんてイメージが今でも大多数を占めていますが、日本で企画されたアイテムはその時流行っている柄やスタイルを取り入れるようにしています。 ━━━ ほうほう…。もともと、本国で生まれたデザインを日本でもそのまま仕入れていたのを、ある時から日本でもデザインし始めた、ということでしょうか? 内藤:そんな感じです。それが今、本国でも「日本のデザインいいね!」と逆に評価してもらえるようになって、本国のデザインにも取り込まれるようなケースも出てきているんです。 ━━━ すごい、デザインの逆輸入ですね!(笑) 内藤:日本ならではの気候や環境がある中で、日本人が気にしている防水性・撥水性なんかの機能を、アメリカ人は気にしないみたいなんですよね(笑)。だから、意外と繊細なアイテムが少なかったというか。 ━━━ なるほど!?確かに海外に行くと、割とラフな格好で雨に打たれている人が多いかもしれません…。 内藤:(笑)。だからやっぱり、焚き火ウェアを作ろう、というのも日本ならではの発想だったんですよね。 ━━━ !!!

デニム界の巨匠と焚き火界のエースが手を組んだ!

コロンビアの焚き火ウェアがデニムないいやつだった

━━━ 話の流れを作るのがうますぎてビックリしてしまいました…(笑)。 内藤:ありがとうございます、でいいのかな(笑)。だから、「ならではの商品を作ってもいいよ」という本国コロンビアのローカライズさせてくれる心意気というか、スタンスが好きだな、と思ったりもします。 ━━━ 素敵な心意気ですね。焚き火ウェア“TENT HILL DENIM ANORAK”も、日本ならではの発想から、本国ならではの心意気によって実現したアイテムなのでしょうか? 内藤:それもありますし、他にも要素があります。実は、コロンビアの年間プロモーションのテーマが「ヒップアウトドア」でして、アウトドアに+αすることで、アウトドアをより身近に、むしろ+αを楽しんでもらうために山に登ってもらう、くらいの提案ができるといいなと生まれたものなんです。 ━━━ だから、焚き火もアウトドアの+α要素だったということですね! 内藤:そんな感じです(笑)。今回のは2シーズン目のアイテムで、イチオシがこのウェアです。
━━━ そもそものお話になってしまうんですが、なぜ焚き火ウェアとデニムを紐付けられたのでしょうか? 内藤:ドクターデニムの本澤さんとコロンビアとのコラボレーションで生まれた「コロンビア ブループロジェクト」という企画が存在しまして、焚き火との紐付けは相性のよさから実現しました。焚き火の難点は、火の粉が飛んでくるところと、燻された匂いが残ってしまうところにありますよね? ━━━ 火の粉も燻された匂いも、焚き火をするにあたり、一番の懸念点ですね。 内藤:でも、一般的に焚き火ウェアって洗えないじゃないですか。ところが、このウェアには色落ちしないデニムを採用しているので、じゃんじゃん洗って使ってもらえる仕様になっています。
━━━ それはとても嬉しい仕様ですね!デニムとの相性の良さはわかったのですが、何故、焚き火コミュニケーション協会さんと手を組まれることになったのですか? 内藤:焚き火コミュニケーション協会って焚き火の魅力を伝える、というより、焚き火を一緒に楽しもうよ!という協会で、そこがコロンビアの考え方と近しくていいなと思ったのがきっかけですね。 ━━━ 本当だ、私でも価値観の近しさがわかります! 内藤:というざっくりとした経緯(笑)があって、デニムのプロと焚き火のプロに監修をお願いして、今回のTENT HILL DENIM ANORAKが誕生しました。 ━━━ 途中確かにざっくりした気がしましたが、コロンビアさんを通して繋がったデニムと焚き火が、TENT HILL DENIM ANORAKという形になったのですね! 内藤:そういうことにしておいてください(笑)。 ━━━ 内藤さんにしかお聞きできないコロンビアのあれこれを教えてくださり、ありがとうございました!

手に入れたい!コロンビアの読者プレゼント

今回、記事内でもご紹介していたコロンビアの「TENT HILL DENIM ANORAK」を、なんと抽選で1名の読者にプレゼント!応募方法は、SNSで記事をシェアするだけ。プレゼントに応募して、コロンビアのイケてる焚き火ウェアをゲットしてくださいね♪ <応募方法> Facebook、あるいはTwitterで、この記事をシェアするだけ。(対象のSNSは、Facebook、Twitterに限ります。) <応募期間> 2019年8月21日(水)~9月15日(日) <注意事項> ・対象のSNSは、FacebookかTwitterに限ります。Instagramなどのその他のSNSは対象外となります。 ・SNSアカウントが鍵付き、限定公開で、応募が確認できない場合、当選できないのでご注意ください。 ・当選者へのプレゼントの発送は9月下旬予定となります。 ・当選は、発送をもって代えさせていただきます。

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まとめ

一度は存続の危機に危ぶまれながらも、見事再生を期し、変わらぬ人気を獲得し続けている「コロンビア」。ブランドを愛して止まない広報さんが、日々コロンビアの魅力を届けるために切磋琢磨していることがわかりました。第8弾のブランドラブもお楽しみに!

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