【BRING】“心地いい”が半永久的に循環!場所も時間もつなぐ「次世代アパレル」
衣類の素材としてメジャーなポリエステルは、速乾性や耐久性の高さからアウトドア界でもおなじみ。でも、これまでは「ペットボトルのリサイクルは何度もできない」という課題があり、サステナブルには向いていなかったのです。そう、“これまでは”。ポリエステルをサステナブルな原料に変え、快適なウェアをつくり続けている「BRING」を紹介します。
これ、見たことある?「ハチのマーク」の回収ボックス
ハチがTシャツを持って飛んでいるマークが目印の古着回収ボックス。
ショッピングモールやアウトドアショップで目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。このボックスを展開しているのがサーキュラーエコノミーブランド「BRING(ブリング)」。着なくなった服を回収し、再生ポリエステルなどの新たな素材に変え、また服として循環させていくという取り組みを行っています。
再生素材というと“エコ”の印象が先立つかもしれませんが、ブリングのウェアは、山でも街でも着たくなる快適な着心地と機能の高さをそなえているのが特徴です。服の未来を変える挑戦を、ブリングを運営するJEPLANの髙橋 龍宇さんに聞きました。
10年近くかけて形になった「地球を着まわせ!」
ブリングが目指すのは、「再生素材を使った服を、また服に戻す」循環型のものづくり。
ブリングの母体であるJEPLANは、もともと「FUKU-FUKUプロジェクト」というプロジェクトでコットン製品をバイオエタノールに変換するリサイクルを行っていましたが、時代とともにコットンとポリエステルの供給量が逆転。
「ポリエステルをリサイクルできなければ服をリサイクルしているとはいえない」と、ポリエステルのリサイクルに着手しました。
ブリングが10年近くかけて成功させた再生ポリエステル樹脂「BRING Material」
とはいえ、これまでペットボトルを繊維にリサイクルする方法はあっても、リサイクルした繊維をさらにリサイクルする方法はほとんどありませんでした。
ブリングは、「何度でもリサイクルできる再生ポリエステル」を目指し、実に10年近くに及ぶ試行錯誤を積み重ね、ついに再生ポリエステル樹脂「BRING Material」をつくりだす独自のPETケミカルリサイクル技術を開発。
はじめのうちは再生ポリエステル樹脂そのものを販売していましたが、自社で服もつくろうということになり、2017年にブリングが誕生しました。
着なくなった服や繊維くずをエチレングリコールで煮詰めて溶かし、ポリエステル繊維を分解。脱色・精製をして、「BRING Material」へ生まれ変わります
さらっと快適、動きやすい!アウトドアウェアとしても優秀
環境への配慮だけではなく、日常でもアウトドアでも気持ちよく着られる機能とデザインもブリングの魅力。
代表的な「DRYCOTTONY(ドライコットニー)」シリーズは、吸水速乾性やUV機能に加え、バックパックを背負っても裾が捲れにくい設計や、100%ポリエステルなのにまるでコットンのような肌触りなど、街でもアウトドアでもうれしい特徴が詰まっています。
また、メリノウールと再生ポリエステルを掛け合わせた「WUNDERWEAR(ワンダーウェア)」シリーズは、汗をかいても肌に張りつきにくく、乾きやすいのが特徴。ベースレイヤーとしてはもちろん、季節の変わり目や標高差のある登山シーンでも頼れます。
環境配慮も快適さも譲らない、ブリングおすすめアイテム3選
“山だけではなく普段着としてもちゃんと着れる” という絶妙なバランスをめざし、幅広い年代から愛されているブリングの服。
今回は、その中からhinata読者におすすめしたい3つのアイテムをピックアップしました。シーンを問わず活躍してくれる機能とスタイリングのしやすさは、一度体験するときっと手放せなくなるはず。ぜひお気に入りを見つけてください。
【DRYCOTTONY マルチボーダー Tシャツ】コットンのような肌触りと吸水速乾性を両立!
最初に紹介するのは、ブリングのロングセラー「ドライコットニー」 シリーズから「DRYCOTTONY マルチボーダー Tシャツ(ドライコットニーマルチボーダーTシャツ)」です。
優れた吸水速乾性とコットンのようにやわらかな肌触りが特徴で、山や海、ジョギングなど、シーンを問わずに活躍してくれます。ボーダーに6色使用しているためボトムスとの色合わせがしやすいのも人気の理由。タウンユースでも活躍してくれる1枚です。
【WUNDERWEAR スリーブレス】夏はサラッと、冬は暖かく!365日活躍するインナー
2品目に紹介するのは、「BRING Material」とメリノウールを組み合わせたワンダーウェアシリーズから「WUNDERWEAR スリーブレス(ワンダーウェアスリーブレス)」。
ワンダーウェアに使われているのは、ウールの特徴である調温効果や防臭の効果を持ちながら、ポリエステルの耐久性、速乾性をあわせ持つ、アクティビティのベースレイヤーに最適な素材です。肌への張りつきが少なく、活動中の不快感を最小限に抑えてくれるのもうれしいポイント。
夏場や運動量の多いシーンでも快適さをキープしてくれる、頼れる1枚です。
【WUNDERWEAR "ONE" 50/50】連泊で大活躍!4日間はけるボクサーパンツ
ラストは、同じくWUNDERWEARシリーズから男女兼用ボクサーパンツの「WUNDERWEAR "ONE" 50/50(ワンダーウェア “ワン” 50/50)」。
一体成形で縫い目がない「ホールガーメント」で編まれているのでストレッチ性が高く、どんな体型にもやさしくフィット。さらに、デザインに前後をなくしたことで、前後・表裏とどうはいても食い込みやひっかかりなどがなく快適。この構造により、4回はけるという画期的なインナーを実現しました。
また、ベルト部分まで一枚の生地で仕上げているため、従来のメリノウール素材を使ったボクサーパンツにありがちな「長時間はいているとベルト部分のゴムがにおう」という課題を解決。
連泊のキャンプや登山、ロングトレイルなどはもちろん、長期出張などのビジネスシーンでも活躍してくれます。
着て、感じて、循環へ。サステナブルをもっと身近に
「ブリングが目指すのは、再生素材が“特別な選択肢”ではなく、“当たり前”になる未来です」と高橋さん。
そのためには一人ひとりの「着る→回収に参加する→再生する」という循環への意識が大切ですが、最初の一歩は「これ、着てみたい」という思いからで十分。街でもフィールドでも活躍するブリングの服が、心地やすさや使いやすさを通じてサステナブルをぐっと身近にしてくれます。