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Big Agnesのタイガーウォール

【Big Agnes】北米シェアNo.1!アウトドアの聖地で生まれる多彩なギア

テント、寝袋、スリーピングパッドを3本柱に、アパレルからアクセサリーまで幅広い商品展開をしている「Big Agnes」。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、北米ではテントや寝袋でNo.1のシェアを誇るトップブランドなのです。その歴史とともに、人気ブランドがひしめくアメリカで支持される理由を紐解きました。

聖地「スティームボート・スプリングス」に遊び好きが集結

2001年にアメリカ・コロラド州で誕生したBig Agnes(ビッグアグネス)。CEOのビル・ギャンバー氏が自らデザインの指揮を執り、自然を愛するスタッフたちとつくる高性能なギアは瞬く間に市場を席捲。今や北米シェアNo.1にまで成長しました。 まだ比較的若いブランドが、ここまでの成長を遂げた理由はなんなのでしょうか。日本正規代理店であるケンコー社の取締役営業部長、横部耕司さんにお話を聞きました。

「白馬とニセコと上高地を足して割ったような」アウトドアの聖地

ビッグアグネスの魅力を語るとき、まず欠かせないものに「土地のブランド力がある」と話す横部さん。 彼らが本拠地とするコロラド州のスティームボート・スプリングスはアメリカ屈指のスキー場。さらに、本社の裏手にはアメリカの三大ロングトレイルの一つ、コンチネンタル・ディバイド・トレイル(CDT)のコースが走り、周辺ではスキーやハイキング、マウンテンバイクなど、あらゆるアクティビティが楽しめます。 ここは北米のアウトドアを愛する人にとって聖地であり、「スティームボート・スプリングスを本拠地とするアウトドアブランド」という肩書は大きな価値となっているのです。
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ケンコー社 横部さん

スティームボート・スプリングスを日本でたとえるなら?ってよく聞かれるのですが、あえていうなら「白馬とニセコと上高地を足して割った」感じ(笑)。それくらい、アウトドアの楽園なんです。ちなみにブランド名の「ビッグアグネス」も、本社の北側にある標高3,676mの山の名前なんですよ。

フィールドテストもすぐ裏にある山やスキー場で

Big Agnes社イメージ、コロラドの大自然の中でキャンプしているところ
CEOのビル氏はスティームボート・スプリングスの出身ですが、スタッフの多くはこの地にあこがれて移住してきた人たち。「もっとアウトドアを楽しみたい!」とやってきた彼らが、地元が誇るアウトドアブランドのビッグアグネスにジョインするのはごく自然な流れでした。 ブランドの立ち上げ前から独学でギアやアウトドア用の服をつくっていたというビル氏のアイデアは、そと遊びが大好きなスタッフたちによって本社のすぐ裏に広がる大自然の中でテストされ、キャンパー目線でフィードバック。このPDCAによって、優れたギアが次々と生まれているのです。

米国シェアNO.1の人気ブランド

軽くて革新的なテントや寝袋でアワードも続々受賞

Big Agnesのフライクリークでキャンプする女性
もちろん、ビッグアグネスの知名度は土地の優位性だけで広まったわけではありません。軽さや頑丈さ、革新的なアイデアで数々のアワードを受賞。アウトドア雑誌の読者アンケートでも年々人気を高めており、得意とするテント、寝袋、パッドの3つでは、ビッグアグネスが軒並み1~2位を独占しています。 代表的なアイデアが、「寝袋の背中に綿を入れず、パッドを入れる」という独自のスタイル。綿を抜くことで寝袋本体が軽量化でき、パッドと寝袋が一体化するので寝ていてずれることもありません。「寝袋の綿は使ううちにつぶれるからいらないのでは」という視点から生まれた一石二鳥の工夫です。

幅広いターゲットを包容できる多彩なラインナップも強み

もう一つ、ファンを増やし続けている理由はラインナップの広さ。年代、スタイル、シーズンなど、幅広いニーズをカバーするマスブランドでありながら、ガレージブランドのように尖った商品もリリースするため、ユーザーを飽きさせません。 ロットが大きいからこそ使える素材があったり、アメリカ・カナダのヘリノックス代理店を2019年まで担っていたために、DACの最新ハブや素材をいち早く使えたりというアドバンテージもあります。
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ケンコー社 横部さん

たとえば「ソリューションダイ」という染めない生地があるのですが、これを使うことで化学薬品を80%、水を50%も削減できます。ロットが大きいため、テントに使ったのは世界でもビッグアグネスが初めて。欧米では「ECO」「ノーエネルギー」という要素はショップに置いてもらうための重大なフィルター。会社の成長にも大きく影響します。

コロラドの自然の守り手としても活動

Big Agnesのフィールドテストイメージ
ビッグアグネスは、メキシコからコロラドを通り、カナダへ抜けるロングトレイルコース「CDT」の一部に、管理者としても関わっています。道を歩きやすく整備したり、ハイウェイを歩かなくてはいけなかった危険なコースを避けられるように新しいトレイルをつくったりと、雄大な自然と人との架け橋に。 「そとに出る度に環境に感謝するようになる」と語る彼らは、自然を守りながら冒険を快適に楽しむギアをつくり続けています。

日本の気候に合わせた限定品も!手に入れるべきおすすめギア3選

ケンコー社がビッグアグネスを日本で販売し始めたのは2010年の春。2011年からは、日本の気候に合わせた別注の「EXシリーズ」もほぼ毎年出しています。本国で人気のアイテムから日本別注まで、ビッグアグネスのおすすめアイテム3つを横部さんに教えてもらいました。

【フライクリークHV UL EXソリューションダイ】代表テントの日本限定モデル

Big AgnesのフライクリークEX
最初に紹介するのは、ビッグアグネスの代名詞ともいえるテント、「フライクリーク」の日本限定バージョン。前述の「染めない生地」ソリューションダイを使用しており、環境にやさしいのはもちろん、軽量で頑丈、さらに従来の生地よりUVカット率はアップ。 日本別注バージョンではメッシュをなくし、寒さや強風への耐性を上げています。こちらも年々アップデートしており、HV(HighVolume)バージョンからは半自立モデルながら足元にカーブポールを使用して高さを出し、ポールのハブの位置も見直しました。入口に座った状態で頭が天井に当たらないくらいゆとりのある設計が特徴です。 また、スタッフバックもアメリカバージョンに比べて小さくし、コンプレッションベルトを搭載。コンパクトに持ち運べるようになっています。
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ケンコー社 横部さん

本国では、ロングトレイルハイカーに一番使用されていたということもあり、2010年にアメリカを代表するアウトドア雑誌「BACKPACKER MAGAZINE」のエディターズチョイスを受賞。その後もアップデートを繰り返しながら今もなお売れ続けています。

キャンプから登山まで頼れるULテント

【タイガーウォールUL2ソリューションダイ】居住性にもこだわった軽量テント

Big AgnesのタイガーウォールUL2ソリューションダイ
2つめは、軽さも居住性も重視したい人におすすめの「タイガーウォールUL2ソリューションダイ」。 こちらもフライクリーク同様ソリューションダイを使用した超軽量テントです。トップにサブポールをもちいることで、天井部がフライクリークより広いのが特徴。また、両サイドにドアと前室があるため、開放的に使用したり、狭い場所でも仲間とドアトゥドアで食事や会話を楽しめます。 本体、フライ、ポールを合わせた最小重量は992g、ペグやガイラインまで含めた総重量も1,130gと、ダブルウォールとは思えない軽さを実現。

身軽な装備とゆったりした休息を両立

【スカイラインULスツール】重さ539g!軽量・快適なチェア

Big AgnesのスカイラインULスツール
最後に紹介するのは、長年ヘリノックスを北米で販売してきたビッグアグネスだからつくれる軽量ファニチャー「スカイラインULスツール」です。 背もたれをなくすことで軽量化させ、その分座面を立体的に設計して、見た目以上の座り心地を実現しました。素材はRobic™という、同じデニール素材と比べて25~30%強度が高いものの70Dナイロンを使用。軽量ながら引き裂き強度も高く、ハードな環境でガシガシ使える頑丈さです。

お尻にフィットする座り心地がクセになる

リペア対応も安心!北米No.1の実力派テントで新しい冒険に

2024年現在、円高が続いているためにどうしても高く感じてしまうものの、たしかな品質と「リペアチームがいるため、できない修理はない」という安心感があり、使ってみればきっとコスパの良さに気づくはず。日本国内でも修理できる体制があるのもうれしいところです。 山にもキャンプにもフットワーク軽く出かけたくなる、軽量で高品質なテントを探している人はぜひ候補に入れてみては。

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今週の注目ブランド

hinataストアの旬なブランドを毎週紹介!気になっていたあのブランドのバックグラウンドストーリーやギアへのこだわりを掘り下げます。



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