キャンプ・アウトドア情報メディア | hinata〜もっとそとが好きになる〜
肉に調味料をかけているところ

出典:PIXTA

【調味料忘れた日のレシピ選手権】開幕!ピンチから生まれた絶品キャンプ飯

設営が終わって、火もおこした。さあ、お楽しみのキャンプ飯だ!…と意気込んだところで、「調味料がない!?」と叫んだ経験、ありませんか?今回はそんな苦い経験を英知で乗り切ったキャンパーのアイデアレシピが大集合。これを見れば、いざというときあなたも安心!

調味料って意外と忘れやすい?

キャンプで忘れ物をした女性のイメージ

出典:PIXTA

テントに焚き火台にテーブルに…。持ち物が多いキャンプは、大物に気を取られてうっかり細かい物を忘れてしまいがち。なかでも調味料は盲点になりやすく、「食材とお酒は完璧なのに…」と絶望感に浸った経験者は多いようです。 塩やバターといったエース不在から調味料セット全忘れのハードモードまで、「食を諦めなかった」キャンパーたちの足跡を紹介。また、ピンチのときの参考にしてほしいという思いを込めて、真似しやすいかどうかを「再現度」でも評価してみました。 それでは見て行きましょう!

エントリーNO.1 バターを忘れて「レモンサワー」で酒蒸し

レモンサワーでハマグリを酒蒸しにしているところ
最初に紹介するのは@hilanoxさんのエピソード。 娘さんたちと潮干狩りキャンプに行ったときのこと。夜のメインは家族で採ったハマグリを食べよう!という予定で、10歳の「おこと」ちゃんと8歳の「おすず」ちゃんも張り切ってハマグリを探していたのだとか。ところが、潮干狩りが終わり、料理をしようと思ったら、ハマグリ用のバターがないことが発覚! 「子どもたちが取ったハマグリだったので、採れたてを食べさせたいのに…と落胆しかけたとき、自分が飲んでいるレモンサワーが目に入りました

家でもつくるほどの「定番レモンサワースープ」に!

ハマグリが浸るよう、ラージメスティンにレモンサワーを入れてハマグリをグツグツと煮込んだら…アルコールも飛んで、サッパリした中にもコクのあるハマグリの酒蒸しが完成!娘さんたちにも大好評でスープまで飲み干してしまい、hilanoxさんは食べられなかったほどだそう。 「このときから、家でもシジミやアサリでレモンサワースープを作っています。家ではキャベツや万能ネギなどを入れるとちょっとした一品になりますよ」と、すっかりhilanox家の定番料理になったそうです。機転の利くお父さん、素敵ですね!
【再現度】 ★★★★★ レモンサワーで煮込むだけという簡単さなのに、このためだけにレモンサワーを買いたくなるほどクオリティの高い酒蒸しに。レモンサワーといえばキャンプの定番なので、真似もしやすい名アイデア!

エントリーNO.2 カオマンガイのつけダレを忘れて「スナック」で代用

カオマンガイにベビースターを乗せているところ
2番目に紹介するのは、事前に準備しておいたカオマンガイのタレを忘れてしまった…という@mach_87さんのアイデア。 ソロキャンプのお楽しみにと、自宅でカオマンガイのタレを用意していた@mach_87さん。サラダチキンでつくる時短カオマンガイを予定していましたが、その分、タレは手作りでとこだわっていたようです。ところが、炊き上がる直前になってそのタレを冷蔵庫に忘れてしまったことが発覚! 「おやつ用にベビースター持っていたことを思い出し、蒸らしのタイミングで少し砕いてご飯に混ぜてみました」 と、咄嗟にアドリブを効かせます。

タレにこだわらず、「全体に味を行き渡らせる」ことへ発想を転換!

ご飯にベビースターを混ぜたところ
「コンビニのサラダチキンを汁ごと使っていたのも、おいしく仕上がったポイントかなと思います」とのコメントも。言われてみれば、サラダチキンの汁も立派な調味料代わりになりそう!
炊き上がったカオマンガイから一度サラダチキンを取り出し、ご飯に砕いたベビースターを混ぜ込んでからサラダチキンを戻して10分ほど蒸らしたそう。これにより、ベビースターの味が全体に回りました。 「蒸らしのタイミングで入れたことでベビースターが少し柔らかくなってごはんとなじみ、味も移っていておいしく食べられた」のだとか。 タレを忘れた…となると、どうしても「何か掛けるもの」の代用を考えてしまいそうですが、柔軟な発想で「蒸らすことで、ご飯と鶏肉全体に味を回せばいい」と思い付くのがお見事です。 「1点デメリットがあるとすれば、水分が少なくて口が渇く」ことだそう。スープなどを添えていただけばパーフェクト!
【再現度】 ★★★★ タレ以外にも、例えば炊き込みご飯の調味料を忘れたときにも活用できそうなアイデア。「濃いめが好きならシーズニングが表面に付いているようなスナックの方がよさそう」とのコメントもいただきました。おかきやしょうゆせんべいなどもおいしそう!

エントリーNO.3 調味料セットを忘れて「レモン汁縛り」

レモン汁と餃子
お次は調味料セットを丸ごと忘れてしまったという悲劇を乗り切った@muniriruさんのアイデア! 紅葉が始まり出した頃に、とあるキャンプ場へ出かけた@muniriruさん夫婦と愛犬の結ちゃん。設営も終え、ビールを開けてカンパーイ!の直後、その恐ろしい事実に気づきます。 「調味料セットがないじゃん…」 飲んだ後だから車で買いに行くこともできず、素材の味を楽しむしかない…?と思ったその時、目に入ったのは「焼酎を割るために持ってきたレモン汁」! その日、@muniriru家では「調味料レモン汁縛り」のフルコースが焚き火台を彩りました。その内容と本人のコメントがこちら。
  • マコモダケとサトイモの炭火焼き:素材の味そのままでいける
  • ササミ串とシイタケ焼き:本当は梅肉付ける予定だったけれど、酸っぱい繋がりでレモン汁でもいける。本音は塩が欲しい
  • ナスの丸焼き:レモン汁でさっぱりと食べられる
  • チルド餃子:レモン汁が意外にもベストマッチ!
鶏ささみ串とシイタケを炭火で焼いているところ
レモン汁でひたすらに酸味を楽しんだキャンプフルコース。この後のキャンプで、ササミの梅肉乗せはしっかりリベンジしたそうです
めちゃくちゃ万能なレモン汁。ここに塩かバター、どちらか一つでもあれば最強だった気がします。「今後も餃子にはレモン汁で行きたいレベル!」と、意外なベストマッチまで発見し、無事に難を乗り切ったのでした。
【再現度】 ★★★★★ 手に入れやすく、お酒を飲むキャンパーなら荷物の中に高確率で入っていそうなレモン汁は再現度も抜群!ぜひ覚えておきたいアイデア!

エントリーNO.4 しょうゆの代わりに「塩辛」で鍋を引き締める!

塩辛イメージ
4つ目は、hinata編集長・中西のエピソード! 3人でキャンプに行った際、道の駅でほうとうセットを買い、撤収日の朝食にみんなでシェアしようとしたのだそう。ところが、野菜や余った肉を片付けようとぽいぽい入れたら添付のみそスープが薄まってしまい、なんだか味がぼやけてしまいました。 みそ味が野菜の水分で薄まっていたので、コクのある塩味が欲しいところ。それをかなえるのは恐らく「しょうゆ」だったのですが…。調味料を改めたところ、塩とほりにしはあったものの、しょうゆは持っていなかったのだとか。

二日酔いの体に染み渡る奇跡のマッチング

そこで目を留めたのが、前日のおつまみ(塩辛ポテト)に使った開封済みの塩辛!海鮮だし&塩味&生ゴミ削減で意外とアリじゃないか…と思ったそう。 「そもそもイカとみそ、イカと野菜が合わないわけない、という謎の自信もありました」 結果、欲しかったコクと塩味がちゃんとプラスされ、磯の風味が加わってあら汁っぽいおいしさに!見た目は正直あまり素敵ではなかったそうですが、「二日酔いの体にはしじみ汁的に染みました」と、キャンプの締めくくりに相応しい朝食になったようです。
【再現度】 ★★★ 「塩辛を持っている」というシチュエーションさえクリアすれば、手軽で簡単な「ちょい足し」!確かに、キャンプ最後の食事って残った食材を片付けようとして味が薄くなりがち。おつまみって味が濃いものが多いから、調味料の代替品になりやすいのかも?

エントリーNO.5 調味料がなければ「燻製」すればいいじゃない

スキレットで燻製
最後に紹介するのはhinataのアンケートに「燻製しかないでしょ」と、目からウロコのひと言を投稿をしてくれた@ano_misoさんのアイデア。回答をもとに、編集部がやってみました! 前提として、
  • 塩やコショウ、タレなどの調味料は一切なし
  • 肉と野菜、チーズなどキャンプで使いそうな素材で実験
  • 燻製チップはない
  • 燻製の網もないはずなのでアルミホイルを駆使する
という条件で試してみました。

燻製チップを薪からつくる!

薪でウッドチップをつくっているところ
燻製の予定でキャンプに来ていない…という前提なので、薪をナイフで刻んで燻製チップをつくります。本当はナラなどの広葉樹だといいのでしょうが、実験時に謎の針葉樹(多分杉)の薪しかなかったので針葉樹でやってみます。
スキレットに敷いたチップ
二重にしたアルミホイルをスキレットに敷き、薪でつくったウッドチップを入れます。問題は、「燻製用の網もない!」ということなのですが…考えた結果、アルミホイルに穴を開けたらいいんじゃないか?と気付きました。
アルミホイルに穴を開けているところ
ウッドチップを入れたスキレットの上に、アルミホイルをピンと張って被せ、爪楊枝で細かく穴を開けました。このアルミホイルも二重にしています。
スキレットの上にのせたササミと野菜
その上にササミ、エリンギ、トマト、チーズを乗せます。ちなみに、向かって右側のササミはウイスキーに30分ほど浸しておきました。左側のササミはそのままです。
スキレットを焚き火台にかけているところ
スキレットにフタをして、焚き火にかけます。フタに高さはありませんが、穴を開けたアルミホイルが具材の重さでいい感じに少し沈んだので、フタに具材がくっつくこともなさそうでした。 さて、これで燻製ができるのでしょうか…。
燻製が完成したところ
オープン! いかにもおいしそうな色が付き、予想以上にうまくいきました。そして気になる味ですが、針葉樹でもばっちり薫香が付いておいしくなっています。 ただ、やはり素材そのままのササミは物足りず、燻製チーズをのていただきました。文句なし。間違いなし。また、ウイスキーに浸け込んだササミはしっとりとして、少し甘みのようなものも出ており、こちらも大成功!野菜ももちろん美味です。 というわけで、スキレットとフタ、アルミホイルがあるのなら燻製もいい選択肢です!チーズやナッツがあれば、一緒に燻して味のアクセントにしちゃいましょう!
【再現度】 ★★★ ほかに比べて作業が多いことや、フタ付きのスキレットやフライパンなど、燻煙を閉じ込められる調理道具が必須にはなるので星3つ。でも、想像よりずっと手軽にできました。アルミホイルを敷くため洗い物が少ないのもGOOD

調味料がないことで新たな「うまさ」に出会えるかも!?

甲乙付けがたい5つのアイデア、いかがでしたか?ほかにも、 「ピザをつくった残りのバジルですべてを洋風料理に変えた」 「焼きそばソースを忘れて焼き肉のタレで焼きそばをつくった」 「ピザ生地をつくるのにドライイーストを忘れてヨーグルトで発酵させた」 などなど、たくさんのアイデアが寄せられました。 調味料を忘れたことで、新しい美味への扉が開くことも多々ある模様。もしも調味料を忘れても、ここに登場した先人の知恵を参考に、楽しく「未知のキャンプ飯」を探求してみてください!

特集・連載


あわせて読みたい記事