ファミリーキャンプの悩みに寄り添う「M.W.M」。オーナーの“徹底した親目線”から生まれたテントの小ワザに注目
2019年10月に立ち上がったギアブランド「M.W.M」。ここ数年、数多くの新進気鋭ブランドが狼煙を上げる中で、ファミリーキャンプにフォーカスした独自のギア展開で注目を集めつつあります。2022年10月、3周年を迎えるタイミングで、代表の山田さんへ改めてブランドへの想いをインタビュー。次々に魅力的な商品を展開する「M.W.M」のルーツと、人気テントのギミックを紹介します。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
ファミリーキャンプに特化したギア作りを手掛ける新進気鋭のブランドに迫る
今、注目すべきギアブランド「M.W.M」を改めて知る
代表の山田亮さんが、自身が体験したファミリーキャンプでの非日常感とリラックスできる空間を、より多くの家族に楽しんでほしいという思いから、2019年の10月に設立したのが「M.W.M」。
「子どもが大きくなるまでの、限られた期間での家族のキャンプをもっと思い出深いものにしてほしい」と語る山田さんが、ファミリーキャンプでの使い勝手と安全性という独自の切り口からデザインしたギアの数々は、ターゲットであるファミリー層を中心に、幅広いキャンパーから支持されています。
hinata編集部は、ブランド設立3年の節目となるタイミングで、山田さんに改めてブランドに込めた思いや今後の展望を聞きました。
「M.W.M」のコンセプトとは?
——改めて、ブランド立ち上げの経緯とコンセプトを教えていただけますか?
M.W.M代表 山田亮さん(以下「山田」):もともと私はアパレル関連の会社員をしていたのですが、やりがいこそあるもののハードな毎日で、結構疲弊していたんですよね。そんな中、気分転換を兼ねて家族でキャンプを始めてみたところ、日々のストレスから解放されるようなとてもリラックスできる時間をキャンプで過ごせることに気付きました。
それからキャンプにハマっていったのですが、やはり小さな子どもがいるとテントの設営や撤収をはじめ大変なシーンも多く…。当時仕事で縫製工場とのコミュニケーションなどもあったことから、「ファミリーキャンプに特化したテントを自分で作ろう」と思い、立ち上げたのが「M.W.M」なんです。
子どもの成長って本当に早くて。やっとキャンプ場に連れて行けるようになったと思ったら、あっという間に中学生とかになってしまって、部活が忙しかったりで付き合ってくれなくなってしまうんですよね。ブランドコンセプトになっている「今、一生残る思い出を。」には、そんな短い期間を、「M.W.M」のギアと共に最大限楽しんでほしいという気持ちを込めています。
ジェネレーションフリーなデザイン。ファミリーに最適なギミックの数々
「ファミリーキャンプでの使い心地」を追求した、ブランドを象徴する「READY Tent」
——ブランドを代表する「READY Tent(レディーテント)」は、空気の力で立ち上げる「エアポール」を採用しているのが特徴ですね。
山田:はい。そこがまさに「ファミリーキャンパー」目線でのこだわりです。一般的なファミリーテントでは、長くて硬い金属のポールを何本も扱いますよね。子どもたちの顔くらいの高さで扱うシーンも多く、グロメット(ポールの挿しこみ口)へ差し込む際などに、注意していないとポールが子どもに当たって怪我をする危険性もありました。結果的に、設営中は「ちょっと離れて遊んでて」となってしまうことが多かったんです。エアポールを採用することで、設営から家族みんなで楽しめるテントを目指しました。
人気モデルをさらに使いやすく改良した「READY Tent2」も登場
居住空間の広さやタープのように広げられる前室パネルなど、テントとしての性能はもちろん、「家族で過ごす時間」そのものを重視したゆえのエアポール構造で、ファミリーキャンパーからの信頼を獲得したM.W.Mの「READY Tent」。しかし、山田さんはさらなる進化に余念がありませんでした。
大型テントゆえに初代が抱えていた課題は、25kgという重さ。車移動が基本のファミリーキャンプでは「重くて持ち運べない」ということはありませんが、準備・片付けを考えると、軽量化は叶えたい命題。試行錯誤を重ね、2022年8月に発売した「READY Tent2」では、テントの素材を変更することで約10kgの軽量化を実現。15.5kgと、より扱いやすく改良しました。
——10kgの軽量化はすごいですね。その他に進化したポイントは?
山田:フライシートの裏にブラックコーティングを施工し、家族でキャンプに行くことが多い夏場の強い日差しも遮れるように改良しました。また、「READY Tent」最大の特徴であるエアポールも大幅にアップデートしています。前モデルではメインポール2本と天井のリッジポール1本、計3カ所への空気注入が必要でしたが、「READY Tent2」はフレームを連結。1カ所に空気を注入するだけで、全てのポールが立ち上がる仕様に変更しました。
【基本情報】
使用サイズ:275×275×210cm + 天幕280cm
収納サイズ:70×40×40cm
重さ:15.5kg
価格:89,980円(税込)
ファミリーキャンプならではのトラブルを予防する。「READY Chair 2」に隠されたこだわりの設計
——他に展開されているチェアやテーブルには、どのようなこだわりが隠されているのでしょうか?
山田:ユーザーの方からのヒアリングや自分自身の経験からの設計で、「READY Chair 2」を例に挙げると小さな子どもが椅子によじのぼったり浅く座った時も倒れにくいようになっています。また、座面はロースタイルでも使える高さですが、一般的なローチェアよりも少し高めの38.5cmにしています。立ち座りの多いお父さんやお母さんの負担を軽減できるようになりました。
【基本情報】
使用サイズ:52×52×73cm
収納サイズ:52×70×7cm
カラー展開:ブラック、ベージュ
重さ:4kg
価格:6,600円(税込)
家族みんなでそろえたい!入りながら作業もしやすいコスパ最強ダウンシュラフ
——なかなかオリジナルのシュラフをラインナップしているブランドは多くないと思います。「M.W.M」のシュラフにはどのような特徴があるのでしょうか?
山田:テントの中とはいえ屋外なので、家族全員で安心して使えるシュラフを開発したいとブランド設立当初から考えていました。オリジナルデザインのシュラフは、入ったままでもお子さんの寝床を整えるなどの作業がしやすいように、腕が出せるようになっています。
また、普段から寝袋に慣れていないファミリーキャンパー向けにファスナーは中央に配置。秋以降のキャンプでも活躍する600gのダウンを封入しながら、家族全員分をそろえやすいコストパフォーマンスを備えていると思います。
【基本情報】
使用サイズ:210×80cm
収納サイズ:φ20×38cm
重さ:約1.7kg
快適温度:5℃
下限温度:0℃
価格:14,850円(税込)
まずはここから!「M.W.M」のコンセプトを感じるはじめの一歩
——「M.W.M」のギアに興味があっても、いきなりテントを購入というのはハードルが高く感じてしまうこともありそうなのですが、手軽にコンセプトを体感できるオススメギアはありますか?
山田:季節を問わず活躍する縁の下の力持ちとして、まずはクーラーボックススタンドの「READY Box Stand」を試していただきたいです。
スタンド系は単体で活躍してくれるわけではないので見落としがちですが、このスタンドはサイト内で目立ちがちなゴミ袋もスマートにセットできるようになっているのがポイントです。クーラーボックスは調理スペースの近くに置くことが多いので、一体型にすることで動線をスッキリさせられます。底面がメッシュなので、空き缶などの水気があるものをそのまま入れられるのもポイントです。
小さいギアですが、シンプルな中にこだわりが詰まっているので、このギアをきっかけに「M.W.M」により興味を持っていただけたらうれしいですね。
【基本情報】
使用サイズ:40×50×33cm
収納サイズ:56×13×10.5cm
重さ:約1.65kg
価格:5,940円(税込)
その他、秋冬キャンプに活躍間違いなしの新商品を紹介!
「READY Tent 2」と合わせて快適性を上げてくれるフロントカバー
——READY Tent2の快適性をさらに上げてくれる、最新オプションパーツも発売されたとか。
山田:前室部分を閉じられるフロントカバーを2022年10月29日にリリースしました。「READY Tent 2」は高い開放感が特徴なのですが、どうしても冬場は冷気が入り込みやすいという側面もありました。今回発売のフロントカバーを装着することで、テント内部の保温機能を上げられるほか、前室部分をフルクローズ出来ることで目隠しとしても機能します。
じつは、フロントカバーと「READY Tent 2」がセットになったお得なパックを2022年11月13日(日)までの期間限定で販売中です。「M.W.M」のオンラインショップをぜひチェックしてください!
「ファミリーキャンプ × ユーザー目線」は全キャンパーにオススメだった
「ファミリーキャンパー目線」といえど、リアルなキャンプシーンでの使い勝手を追求したギアの数々は、家族に限らず、多くのキャンパーが納得できるスペックを備えているのではないでしょうか。
エアポールテントの「READY Tent 2」は、予期せぬ雨の中でも一人でサッと設営できる利便性。グループキャンプでも活躍するウッドテーブルはデザインももちろんのこと、誰にでも組み立てを頼めるシンプルな構造が魅力的です。
キャンプイベントへの出展など、実物を体感できる機会もあるそうなので、ぜひ公式Instagram(@m.w.m_official)からチェックしてみてください!