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ボーイスカウト

アウトドアを通じて子どもの自主性やリーダーシップが身に付くボーイスカウトを深堀り!

ボーイスカウトはキャンプやハイキング、街頭募金のような活動を通して、自主性、協調性、社会性、リーダーシップなどを育んでいくと言われています。入団してみたいからもっと詳しい活動内容が知りたい!という方に向けて、ボーイスカウトの指導者にお話を伺い、深堀りしてみました。アウトドアを通じて子供を成長させたいと思っている読者、必見です。

ボーイスカウトの方を紹介

ボーイスカウト藤江正明
藤江正明さん…ボーイスカウト川崎第54団のカブスカウト隊隊長。

ボーイスカウト全体の活動内容について

テントの設営から食事の片付けまで、全て自分たちで考えて行い、自主性を伸ばす

ボーイスカウト
──ボーイスカウトの主な活動内容について教えてください。 藤江正明さん(以下、藤江さん):ボーイスカウトは年代別に部門が分かれていて、小学校6年生から中学校3年生で編成されているボーイスカウト隊が中心になって、年少の隊、年長の隊が存在しています。自分たちで日当たりや水捌けを確認してからテントを張り、自らかまどを作ってから煮炊きをし、食事から片付けまで子どもたちで行っていますね。 安全かつ快適にキャンプをする場所を探したり、食事を一から準備することはボーイスカウトならではの体験です。大人に頼らず、自ら課題を解決する力をつける良い経験に繋がっていると思います。 日々改善して作り上げていくのがボーイスカウト活動の狙いなので、5泊6日と長期間なんです。一日二日過ごしてみて改善した方が良い箇所を話し合い、考えながらキャンプしています。
──仲間と協力してより改善していこうとするのは、子どもにとって良い経験になりますね。 藤江さん:そうですね。時には、宿泊中に雨が降ってしまうこともあります。悪天候の中どのように工夫すれば火を起こせるか、どうやったら雨風を凌いで暮らしていけるか、ということを試行錯誤しながら、学び、改善し、身につけていきます。

異年齢の人たちと関われて、学校や家庭と違った居場所

ボーイスカウト
──ボーイスカウトの活動を通じて、学校や日常生活に変化があった子はいましたか。 藤江さん:変化というより、子どもたちにとって新たな居場所になるのだと感じています。 ボーイスカウトの活動は学校や家庭とは違い、異年齢との関わりをとても重要視していて、それぞれの隊の中でも必ず異なる学年の子どもと一緒に活動しているんです。異年齢の子どもたちと縦割りでグループを組んで寝食を共にすることで濃密な関係を築けます。 学校では基本的に同年代、家庭では兄弟や一人っ子と、こじんまりとした社会になりがちなので、年齢が異なる子たちと関わるようなボーイスカウトは他では見られない特徴です。同世代以外の子たちと関わる機会が増えることで、コミュニケーションが増え、新たな社会で学べることが増えると思いますよ。
──異年齢との関わりが増えるのはいいですね。海外との交流もあるんでしょうか。 藤江さん:ボーイスカウトは世界中にあるので、4年に一度行われる「世界スカウトジャンボリー」という大会に参加したり、私たちの団も所属する川崎地区ではアメリカのボルチモアと交流をしていて、毎年交代でスカウトが互いの国に2週間程度滞在して国際交流体験を楽しんでいますよ。 ボーイスカウトは海外との交流にも力を入れているので、さまざまな経験を通じ、長い目を見て成長できるのが魅力だと思いますね。

社会人に必要なリーダーシップが小学生のうちから経験できる

ボーイスカウト
──活動していく上で、大切にしていることは何ですか。 藤江さん:ボーイスカウトでは年長がリーダーになり年少に率先して教えていくように、自主性を伸ばしていくことを大切にしています。 社会に出れば、リーダーシップを取ることを経験しますよね。自分がリーダーになったときに誰もがすぐに従ってくれるということは難しいですし、自分の考えを周囲が必ず理解できるとは限りません。どうやって伝えよう、どうやってグループをリードしていこう、という自分で課題を決めて解決していく姿勢を自然と学べます。
──リーダーシップを経験するのは変えがたい経験になるのでとてもいいですね。 藤江さん:そうですね。自分で企画して検証していくような行動力は、大人になればきっと役に立ちます。それこそ、人に頼ることなく、自分の力で物事をやっていくような自立性が身に付くいい経験になると思いますよ。

カブスカウトの活動内容について

ハイキングをしながら、ゲーム感覚で課題を解決!

ボーイスカウト
──カブスカウトの直近の活動はどういったことをしていましたか。 藤江さん:最近だと、ハイキングをしました。ビーバースカウト隊(小学1年〜2年)の子たちと縦割りで班を作ってハイキングをするんですが、ただ歩くだけではなく、いくつか課題を与えてクリアしながら移動していきます。 移動中はカブスカウト隊(小学3年〜5年)の子たちに、困っていたり、疲れた様子のビーバースカウト隊の子たちをサポートしてもらったり、年齢別に考えられたプログラムに挑戦したりと、常に考えながら活動してもらうことを重視していますね。
──課題というのは、例えばどういったものですか。 藤江さん:季節のものを見つけてきてスケッチしてもらったりします。私たち大人ではあまり注目しないようなことを描いてきてくれて、そのユニークさが面白いなと思いますね。 他の学年は、自然の中にあるものでフィールドビンゴをしたり、「みんなと仲良くすること」をテーマに挨拶をして名前を聞いてきてもらったりして、遊びを通じて何かを学ぶ、身につけるということをさまざまな場面に取り入れています。

ボーイスカウトは、非日常性を楽しむのが醍醐味

ボーイスカウト
──ボーイスカウトで代表的な活動はありますか。 藤江さん:代表かはわかりませんが、私が知るなかでは30kmを12時間も夜通し歩き続けるオーバーナイトハイキングやキャンプ用品を担いでキャンプ場を転々として2日間かけて100kmほど歩く移動野営などがあります。 非日常性を演出するというのはリーダーも意識して企画していますね。夜通し起きていたり、重い荷物を背負って歩いたりといった辛いことをノルマ的にこなすのではなく、楽しみながらできるプログラムづくりを心がけています。その結果、子どもたちからも「楽しかった」と言ってもらえることが多いので嬉しいです。

入団前について

活動を知ってもらうためには、普段の様子を体験してもらうのが一番

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──体験入団では、基本的に何を行うのでしょうか。 藤江さん:何をやっているのかを知ってもらうためには、普段の様子を見てもらうのが一番わかりやすいと思うんです。団によって違うと思いますが、私の川崎第54団では、基本的にスカウトで行っている活動の中にそのまま参加してもらっています。

馴染みやすい環境で活動できる安心感

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──アウトドア未経験の子どもがいるかと思いますが、問題なく馴染めますか。 藤江さん:小学3年から5年がいるカブスカウト隊では、舎営(宿舎での就寝)や野外活動センターを利用してキャンプをします。寝泊まりする場所が確保されているので、年長の隊の活動よりは取り組みやすいです。年齢層に応じてハードルも下がるので、ステップアップしながらスキルや経験を身につけられます。
──小さい頃から徐々に身につけていき、自分たちで活動していくんですね。 藤江さん:いきなりは誰でも難しいので、徐々に慣れていけるように活動しています。活動中は、必ず先輩スカウトがついているので、その先輩の様子を観察しながら活動を覚えていく子が多いですよ。
──コミュニケーションが苦手な子でも馴染めますか。 藤江さん:今はコミュニケーションが苦手な子が多いと思うのですが、それはボーイスカウトも変わりません。中には口数が少ない子や人前に出るのが苦手な子が少なからずいますし、それは個性です。コミュニケーションが苦手だからと躊躇せずに踏み込んできてほしいです。

入団後について

ボーイスカウトの活動は長期を見据えた学びの場である

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──入団したら取れる資格はありますか。 藤江さん:ボーイスカウトは、特定の資格取得を目的としたものではありません。しかし、ボーイスカウトの活動って生涯を通じて続けていくことで興味関心を深めていけます。その結果として資格取得や望みの学校に進学するといった目標の心の支えになっていければいいですね。

安全性を優先し、常に危険がないように行動することを心がける

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──怪我や事故が起きてしまった場合はどのように対処していますか。 藤江さん:ボーイスカウトには「そなえよつねに共済」と呼ばれる保険があり、万が一怪我や事故が起こったときに事後的に適用されます。他にも、計画時は怪我した場合の対処法を共有したり、近くの救急医療センターを確認したり、安全担当の人が改良点を話し合ったり、リーダーが日常的に使用する応急キットを装備したりしていますね。 活動時は安全に行うのが一番優先すべきという考えを常に持っているので、危険がないように備えたり、実際に怪我や事故が起きた場合の保険を準備しています。

まとめ

今回は、ボーイスカウトの活動内容を深堀りしました。ボーイスカウトはアウトドアを通じて新たな分野に興味関心を持てるので、学校の部活動や習い事とはまた違った楽しみを見出せます。 アウトドアを通じて成長したい、異年齢の子どもたちとコミュニケーションが取りたいという方は、この機会に体験入団してみるのもおすすめです。 詳細はこちら:ボーイスカウト日本連盟


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