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ダナーライト

【徹底解剖!】アウトドアブーツの名作「ダナーライト」とはナニモノなのか。

いつの時代、どんなジャンルにも「名作」と呼ばれるホンモノが存在するもの。屋外という過酷な環境下での実用性が求められるアウトドア用品にも、世代を超えて愛される名品があります。1979年に誕生したブーツ「ダナーライト」は、キャンプに登山、野歩きと、あらゆるアウトドアシーンに対応する、まさにアウトドアシューズの名品と言える存在。一体何がここまで、アウトドア愛好家たちを惹きつけるのか——。商品を徹底解剖し、その魅力を考えます。

アウトドアシーンで「名品」と呼ばれる道具たち

2つのカーミットチェア

出典:kermitchair

洗練されたデザインが世界中で愛されている、アウトドアチェアの王様「カーミットチェア」
「名作」と呼ばれるアウトドア用品は多数ありますが、そのどれもに共通しているのが「圧倒的な使いやすさ」。当たり前のことではありますが、見た目を取り繕ったり、必要以上の機能を詰め込んだりした"だけ"では、真にユーザーにとって「使いやすい」道具とは言えません。

アウトドア「シューズ」の名品といえば、文句なしにダナーライト

ダナーのシューズ
アメリカ・オレゴン州ポートランドで生まれた「ダナー」は、労働者向けの安価で丈夫な仕事用ブーツから始まったブランド。グリップ力に優れた「ビブラムソール」をアメリカで初めてシューズに取り入れ、次第にワークブーツ・ハイキングブーツのブランドとして支持されるようになっていきました。 そんなダナーが1979年に発売したブーツが「ダナーライト」です。「防水なのに蒸れにくい」「悪路もガシガシ進める丈夫な素材」など、アウトドアシューズに求められるものを全て備えていると言っても過言ではないほど、機能性も着用時の快適性も極上。ある革新的な素材を、シューズブランドとして初めて取り入れたことで一躍話題となり、発売から40年以上経つ今でも売れ続けている怪物的なブーツです。

世界で初めてゴアテックスを使った、画期的なフィールドブーツ

ゴアテックス
ダナーライトが世界で初めて取り入れた「ある革新的な素材」とは「ゴアテックス」。今でこそアウトドア業界では当たり前のように使われている存在ですが、当時の常識は「靴は蒸れるもの」。ゴアテックスの持つ「防水透湿性」をシューズに搭載するのは難しいと言われていました。 「少しでも優れた、使いやすいシューズを作りたい」。ダナーの誇る職人魂とこだわりによって実現したゴアテックス搭載のダナーライトは、完全防水ブーツの代名詞と言える存在なのです。ダナーライトを追いかけるように、他のシューズブランドやアウトドアメーカーも、続々とゴアテックス搭載の製品を販売するようになりました。

ディテールにも妥協なし。実直すぎる職人魂が宿る

90年変わらぬものづくり精神。ポートランドの職人が一足ずつ手作り

ダナーのミシン
日本にあるダナーのリペア工房で使用されているミシン
ダナーライト、ひいてはダナーのブランド自体が誕生以来ずっと貫いているのが、製造を機械任せにせず、ポートランドの職人が手作業で行っていること。大量生産品と比べるとどうしても流通する数が少なく、価格も高くなってしまいますが、それでも「できる範囲で一番優れたシューズを作る」というプライドは譲れません。 ものづくりへの並々ならぬこだわりが人々からの信頼を生み、「欲しい」と思う理由になる。使う道具に機能性や説得力を求めるアウトドア愛好家にとって、これだけでもダナーライトを履く大きな意味があります。

独自の「ステッチダウン製法」

ダナーライトのステッチ部分
ダナーライトを作るのに使われているのは「ダナー式ステッチダウン製法」というもの。アッパー(甲を覆う部分)のレザーの端をソール(靴底)に貼り付け、頑丈な糸で縫い合わせるのが「ステッチダウン製法」。ダナーはそれをベースに、253にも及ぶ独自の工程でダナーライトを作っています。 職人の綿密な計算によって仕上げられたダナーライトは、ちょっとやそっとでは壊れない頑丈さと、フィールドをぐんぐん進んでいける軽さを両立。

こちらもダナーが世界初、グリップ力に優れたビブラムソールを採用

ダナーライトのビブラムソール
ダナーライトをはじめ、ダナーのブーツの多くに採用されているのが「ビブラムソール」。軽さと耐久性、グリップ力に優れたラバーソールは、舗装されていない地面を力強く踏み進むアウトドア活動にピッタリ。 イタリアで開発されたビブラムソールは、誕生当初、ヨーロッパ外ではまだあまり広く知られる存在ではありませんでした。しかし、機能性への飽くなき探究心を持つダナーの職人たちがビブラムソールの圧倒的な機能性に注目。アメリカ国内で初めて、イタリアからソールを輸入してブーツに採用しました。

厚手のレザーアッパーが、履くほどに足になじむ

ダナーのアッパー
足をホールドして歩行を支え、小枝や石から身体を守るのが、アウトドアシューズに求められるもうひとつの大きな役割です。ダナーライトに使われているアッパー素材は「ウォータープルーフフルグレインレザー」と呼ばれる、防水性のあるレザー。 しっかりと厚みがあるので、頑丈さは折り紙つき。履けば履くほど柔らかくなるレザーが足になじんで、どんどん履き心地がよくなっていきます。

どんなコーデにも合うスマートなシルエットから、履き込むことで自分だけの形に「育つ」

履き込んだダナーライト
職人の技術力が詰まったダナーライトは、とにかく頑丈で壊れにくく、修理しながら長く履けるのが魅力。トレンドや年齢に左右されない、洗練されたデザインも「一生モノ」として使い続けたくなります。 上の写真のように、一番左の新品のうちはスッキリとした、どこか直線的なシルエット。そこから履き込むにつれてどんどん持ち主の足の形にフィットしていき、8年ほど履き続けると一番右のような状態に。まるで別の靴のような顔つきですが、この経年変化を楽しむことこそ、ダナーのブーツを履く最大の理由になるのかもしれません。

時代に合わせて進化し続けるシューズ

ダナーライト2
ダナーライト2
ダナーライト3
ダナーライト3
発売から40年以上、大きなモデルチェンジがないのもダナーライトが「完成されているホンモノ」の証。アッパー部分の革の面積や細かなシルエットの変更で「ダナーライト2」「ダナーライト3」といったモデルも発売されましたが、現在、日本国内で買えるのは誕生当初とほぼ変わらない「ダナーライト」のみです。 根っこの大切な想い、精神は決して変えず、時代に合わせて必要な改良は加えていく。それも全て、その時で一番「優れたシューズを作る」ため。製品に込められたそんなメッセージが人の心を打ち、ダナーライトが誰もが納得する「名作」たらしめているのかもしれません。

想いを貫くかっこよさ。ダナーについてもっと知りたい



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