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釣りを成功させる時短キャンプ術。ケンさんが教える「キャンプの合間でフライフィッシング入門」【キャンプ×釣り2時間】

釣りフェス

キャンプと釣りを両立させるカギは、「全部を頑張らない」。釣りをたしなむ著名キャンパーたちが、「キャンプで癒やし」「釣りで興奮」を確実に得るコツや穴場を、連載企画「キャンプ×釣り2時間」で案内します。全4回(毎週金曜)の初回は釣りは初心者の家族やカップル必見。キャンプ歴約30年、アウトドア企画会社の代表、田中ケンさんが、必ず知っておきたい設営や料理の時短テクニックとともに、「釣り初心者こそ、フライフィッシング」という理由を教えてもらいました。

キャンプで「癒やし」、釣り2時間で「興奮」を。

【プロフィール】釣りキャンプ案内人は田中ケンさん

田中ケンさん
有名アウトドア企画会社「チームアウトサイド」の代表を務めるキャンプ界の第一人者。キャンプ歴は約30年で、釣りやカヌーなど幅広くアウトドアの魅力を発信しています。 人気キャンプ場「outside BASE」(群馬県北軽井沢)とファミリーパーク那須高原(栃木県那須町)など、全国各地のキャンプ場をプロデュース。「アウトドアを取り入れることで、生活はもっと快適になる」を信念に、「快適生活研究家」として各メディアで活動しています。東京都出身。57歳。

おすすめは自然渓流を生かした「管理釣り場」

管理釣り場
▲自然渓谷を利用した奈良子釣りセンターでフライフィッシングを楽しむ田中ケンさん
「キャンプは自然に一番近いホテル」をモットーに、釣りやカヌーなどさまざまなアクティビティをかけ合わせて楽しむ田中ケンさん。川のせせらぎを聞きながらのキャンプと、釣り初心者でも確実に魚の姿を拝めるスポットとして教えてくれたのが、山梨県大月市の管理釣り場「奈良子釣りセンター」です。

キャンプ場としては穴場!?

田中ケンさん
──キャンプ場と管理釣り場を併設したキャンプ場は、都内近郊でも神奈川・相模原や山梨・道志などに多くあります。なぜ奈良子釣りセンターを選んだのでしょうか。 田中ケンさん(以下、敬称略):奈良子釣りセンターの釣り場は全長1kmほど。自然渓谷を利用した管理釣り場としては大きくはありませんが、そこがポイントです。魚が分散しないため、釣り好きの間では「よく釣らせてくれる管理釣り場」として知られています。実は管理釣り場でも、釣れないので有名なところはありますからね…。 さらに、本州の管理釣り場ではおなじみのニジマスだけでなく、イワナやブルックトラウト、タイガートラウトなど8種がコンスタントに放流されていて、初心者から上級者までが一緒に楽しめる釣り場です。
田中ケンさん
▲さっそくニジマスを釣り上げ、満面の笑みを浮かべる田中ケンさん
管理釣り場
▲自然渓谷にあり、四季折々の景色が楽しめる奈良子釣りセンター
──都心から約80km、高速を使って1時間強という近さにもかかわらず、キャンプ場としてはまったく知られていない気もします。ネットで検索してもキャンプ情報はほぼありません。ケンさん、大丈夫ですか…。 田中:キャンプ好きにまだ知られていないのは、キャンプのみの予約はできないからですね。釣りをする場合だけ、1日1組限定で、洗い場やトイレが整ったキャンプサイトをほぼ貸し切りで利用できます。釣りがすぐできるのはもちろんですが、土日に混雑するキャンプ場が増える中で、のびのびできるのはうれしいですよね。
ニジマス
▲キャンプ場の目の前に広がる魚の楽園

管理釣り場のキャンプ場は「キャンプの服装でいい」

毛鉤を投げる田中ケンさん
──海や湖もある中で、なぜ渓流の管理釣り場を選んだのでしょうか。 田中:海は釣れるときはものすごく釣れます。でも、魚が回遊してこなかったり、潮の動きが悪いとまったく、釣れないリスクがあります。本当の自然の渓流は禁漁期間があったり、山奥に入っていく必要があったりと、1匹を手にするまでの難易度は高いですよね。その点、管理釣り場は放流されている魚が年中釣れ、足場も整備されているのでキャンプの服装で大丈夫なところがほとんど。川に不慣れな子どもでも安心です。 ──キャンプの間に釣り2時間を楽しむには、管理釣り場が最適なわけですね。 田中:釣りの醍醐味を最初に知るのが大事です。最初に釣れないと、次に行くモチベーションがなくなってしまいますからね。一般的によく放流されているニジマスとヤマメは、淡泊な味わいで食べてもおいしい、というもポイントです。管理釣り場ベースのキャンプ場なら、魚をさばくための炊事場もしっかりしているので、普通のキャンプ以上に楽に調理できます。

なぜキャンパーに釣り好きが多いのか

釣りをする田中ケンさん
──そもそも、釣りは釣り、キャンプはキャンプとして、それぞれで楽しめる魅力があるわけですよね。そこをかけ合わせる魅力とはどこにあるのでしょうか。 田中:一般的に、渓流釣りで魚が活性化するのは、えさを追う朝夕とされています。それなら朝に釣って、魚の反応が鈍くなる昼はテント設営をして、ゆっくりランチと昼寝。夕方にまた釣れる時間で楽しむほうが、釣りもキャンプものびのび、効率的に過ごせますよね。キャンプでは仕事の疲れを癒やし、釣りでは日常で得られない興奮を得て、休日というか、人生の豊かさに気付けます。

時間にしばられない醍醐味

田中ケンさん
──キャンプでなく、ペンションや民宿での宿泊と釣りではだめなのでしょうか。 田中:チェックイン・アウト、朝夕食、温泉の時間など、どうしても時間と宿泊施設のルールを意識して、街のシステムと同じように動かざるを得ないですよね。その点、キャンプはチェックイン・アウトの時間は意識はしますが、比較的自由に時間を使えます。おなかがすいたら、もう早く食べて晩酌を始めればいいわけですし。キャンプは、魚の楽園に一番近い、宿泊施設。せっかく来たなら、釣りをしなければもったいない!

ケンさん流!「頑張らないキャンプ」とは?

サイトの設営はとことん楽をする

田中ケンさん
▲朝に釣りが終わった後、ゆったりキャンプの時間を楽しむ田中ケンさん
田中ケンさん
▲設営が終わったら再び釣りに。これぞ管理釣り場キャンプの醍醐味
奈良子釣りセンターで、フライフィッシングで毛鉤を投げ、お昼前の1時間で4匹釣った田中ケンさん。釣りが一段落したら、渓谷の高台にあるキャンプサイトに移動。車からキャンプ道具を取り出して設営を始めます。テントの設営と思いきや、車に装着するテント「サイドオーニング」を取り出し、わずか15分ほどで今夜の宿の準備を完了させます。

車の「サイドオーニング」の活用こそ、釣りキャン成功の秘密

田中ケンさんのアイテム
▲田中ケンさんの釣りキャンプスタイル。車に接続する簡易テント「サイドオーニング」を使用し、テントの設営の時間を短縮
───テントを張らないことで、圧倒的に設営が早いですね。釣りとキャンプの両立のために、準備で気をつけることを教えてください。 田中:いつものオートキャンプのように小物のレイアウトなどを頑張りすぎず、手を抜くのがポイント。釣りに限らず、ほかのアクティビティと楽しむ場合には、設営や料理で楽をできるところは、楽をします。今回使用したサイドオーニングなら設営、撤収も10分ほど。釣りに行く前に疲れたり、釣り終わってから設営に苦労する心配もありません。ファミリーでも、子どもを飽きさせない時間で、設営できるのは助かりますしね。

子どもの釣り体験で「命」を食すことを知る

池でニジマスを釣る田中ケンさん
▲池でニジマスを釣る田中ケンさん
──キャンプ好きで、釣りも楽しんでいる人はかなり増えてきました。田中ケンさんは特に、子どものいるファミリーこそ、「釣り×キャンプ」をおすすめしていますね。 田中:魚といったら、今の子どもたちは食卓で切り身を見るのがほとんどですよね。実際に魚が泳いでいるところを見るのは水族館ぐらいではないでしょうか、食育という点でも、人間はほかの生物の命で生きているということを、釣りと魚のキャンプ料理を通して知れるわけです。 さらに、どうやったら釣れるのかを考えることで、子どもの考える力も養われます。多少の手間はかかりますが、釣った魚を食べる、という体験ができるという点では、釣りだけ、キャンプだけでもなく、「釣り×キャンプ」がいいんですよね。

初心者こそフライフィッシングなワケ

キャンプサイトになじむフライフィッシング道具

田中ケンさん
──ケンさんは、釣り初心者に、フライフィッシングをおすすめしています。同じ毛針を使う点では、リールのない1本竿の「テンカラ釣り」もキャンパーの間では人気が高まっていますが、これはなぜなのでしょうか。 田中:フライフィッシングとテンカラ釣りは、毛鉤を糸の重さで飛ばすという点で共通しています。しかし、1本竿のテンカラだと竿が長くなり、初心者だと河原の枝葉にひっかけやすいです。フライは竿も短かく、糸の長さもリールで調節できます。最初は糸をあまり出さないようにすれば初心者でも簡単。慣れれば遠くにも毛鉤を飛ばせるようになるので、経験を積むと、さらに楽しくなります。 ──釣りの上達のために、どうするのが一番の早道でしょうか。 田中:釣りで一番の早道は釣りの師匠とともに出かけ、手取り足取り教えてもらうこと。しかし、周りにそんなに都合よく、釣り好きっていないですよね。YouTubeで基本も学べますが、フィールドに立つなかで、どんな毛鉤がいいのか、水温が今日は高いのか、低いのかなど、いろいろと湧く疑問に対しては、答えをすぐにくれるわけではありません。 今回の奈良子釣りセンターにしたのは、管理人の渡辺勲さんが、初心者にもやさしくアドバイスしてくれることで有名だから。ほかの管理釣り場にはないホスピタリティで、安心して初心者を名乗り、教えてもらえます。

見える魚を釣る醍醐味

見える魚は釣れない?
▲魚が毛鉤をくわえるところがみられる池の釣り場
──そもそも、ケンさんがフライフィッシングを始めたきっかけは何だったのでしょうか。 田中:体が動くうちは、カヌーや自転車を楽しんで、釣りは動きの少ないアクティビティなので、歳をとったときにでもタイミングがあれば、とずっと思っていました。実際に3年前にテレビの撮影でやってみると、沢を歩くという行為が冒険をしているような感じもあり、すっかりはまってしまいました。 さらに、渓流魚を対象にしたフライフィッシングは水も透き通っているし、魚が毛鉤を食べるところが見られます。その瞬間に針を魚の口にかけるために合わせ、水面を跳ねる魚とファイトする興奮は、1匹釣れば誰でもとりこになるはずです。キャンプギアに、フライの道具が似合い、ながめていても美しいですしね。
毛鉤
▲フライフィッシングの毛鉤も多種多様だが、実は浮くものと沈むものを用意すれば大丈夫
──フライフィッシングというと、その季節に飛んでいる虫に合わせて、毛鉤を選ぶ難しさがある気もします。 田中:私もそこまで経験があるとは言えませんが、管理釣り場なら、虫をイメージした毛鉤ならだいたい釣れます。種類としては、水面を浮くものと、沈んで水中を漂うものがあれば、どうにかなります。

管理釣り場での注意点

──最後に、管理釣り場で初心者が釣る上で、注意点はありますか。 田中:フライやルアーができない管理釣り場があるので、事前の公式サイトや電話での確認は怠らないようにしましょう。ルアー・フライができたとしても、使ってはいけない疑似餌や毛鉤の種類が指定されている場合もあり、よく釣れる種類の毛鉤を確認しつつ、予約のときに電話で聞いてみましょう。

釣りキャンプについてもっと知りたい!

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時間は節約、バターの量はぜいたくに!頑張らないニジマス料理

ケンさんが釣り×キャンプで、手を抜くポイントはテントの設営と、もう一つが料理。焚き火台で遠火でじっくり塩焼きにするのもおいしいですが、スキレットで焼くニジマスの時短料理を教えてくれました。ただ、時間は節約しても、味は高級レストラン並みの本物です!

姿焼きより早い、ニジマス10分料理

田中ケン氏
──魚料理は時間がかかりそうなイメージですが、肉を使ったキャンプ料理よりも手軽そうですね。 田中:じっくり焚き火台での塩焼きもシンプルにいいのですが、待つ間はおなかがすいてしまいます。そこで、内蔵とエラをとってから手間のかからない料理にしたいところ。そのためには、スキレットで焼いて、缶詰のソースをかけるぐらいのものが10分ほどでできるので、おすすめです。 ──ケンさんはキャンプ料理に一家言あるようですね。 田中:料理の時間を節約するのは大事ですが、バターをケチってはいけません。うまい料理はバターが肝です。さっきまで目の前で泳いでいた魚が、ぜいたくなフランス料理のように食べられるのも、釣りキャンプの良さ。そのためにも200gブロックのバターは買って行きましょう!

【レシピ】ニジマスのきのこクリームソース添え

料理をする田中ケン氏
【材料(2人分)】 ニジマス…2匹 マイタケ…適量 *お好みのキノコでOK キャンベル濃縮缶スープ…1缶 *今回はクリームマッシュルーム 塩…適量 こしょう…適量 バター…50gほど(200gバターの4分の1〜5分の1) 万能調味料…適量 バジル…適量 【作り方】 ①内蔵とエラをとったニジマス2匹に塩こしょうをふり、バターと一緒に炒める。 ②マイタケもバターと炒め、クリームマッシュルームの濃縮缶を入れてソースを作る。 ③焼いたニジマスの上にソースをかけ、バジルをふりかければ完成。

奈良子釣りセンターの詳細

奈良子釣りセンター
休憩所
▲休憩所もあり、寒くなっても暖まれる奈良子釣りセンター
焼き芋
▲奈良子釣りセンター管理人の渡辺さんは「焼きいもマイスター」としても知られ、甘い焼き芋を目当てに買いに来る人もいるほど。ほしい場合は、事前に予約が必要
【基本情報】 住所:山梨県大月市七保町奈良子10番地 電話:0554-24-7636 営業時間:午前6時30分〜午後5時 定休日:木曜(祝祭日の場合は営業) 詳細はこちら:奈良子釣りセンター公式サイト

釣りフェスについて知りたい

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協力:奈良子釣りセンター 撮影:宿利泰蔵 衣装協力:シマノ 釣りコーディネート:斎藤竜也
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