ランタンの殿堂「ビブラント」が教える、今さら聞けないランタンの世界。【ビンテージと最新型編】
2022.06.08キャンプ用品
キャンプ場で夜を過ごすのに欠かせないランタンのこと、あなたはどれだけ知っていますか?燃料ごとの違いがわかったら、玄人がこぞって持っているビンテージものが気になってくるはず。後編は、ランタン愛好者の聖地・アウトドアショップ「ビブラント」の店長に、ビンテージランタンと、最新型ランタンそれぞれの良さについて語ってもらいました。
制作者
キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
ビンテージと最新、それぞれに魅力がある
どっちがいいかは自分次第!
ランタンは新しければいいとも、古ければいいとも、とは限りません。最新型の使い勝手の良さを重宝する人もいれば、ビンテージにロマンを感じる人もいます。どちらがいいかはあなた次第。それぞれの魅力を、アウトドアショップ・ビブラント(東京・二子玉川)で聞いてみました
▼ランタン全般の人気商品を知りたい方はこちらの記事をチェック!
ビンテージもLEDも愛用する中村さん
ビブラントの店内には、普段なかなかお目にかかれないレア物のビンテージガソリンランタンや、人気沸騰中のフュアーハンドランタンなど、初心者からマニアまでキャンパーの心を掴むランタンが、所狭しと並んでいます。
お店ではランタンの購入ができるだけでなく、使い方や修理、メンテナンスの実演をしています。「ランタンのことなんて何もわからない!」という状態で駆け込むのにもってこいなお店です。
そんなお店で店長を務める中村さんが教えてくれたのは、「どのランタンにもそれぞれの良さがある」ということ。
ビンテージランタンという選択肢
手間もひまもかかりそうなのに、マニアやベテランキャンパーたちがこぞって使っているビンテージランタン。中村さんからも「初心者にこそ、怖がらず手にとってもらいたい」と意外なコメントが。キャンパーたちをひきつけてやまない魅力を聞いてみました。
選択肢がぐっと増える
例えばコールマンで現行のガソリンランタンを購入しようと考えた場合、メインランタンとなりうるのは、ワンマントルランタン 286a・パワーハウス(R)ツーマントルランタン、シーズンズランタンとほとんどこの3つの選択肢しかありません。
ただ、ビンテージに目を向ければ、コールマンの120年の歴史のなかで作られてきたあらゆるガソリンランタンが選択肢に入ってきます。もちろんブランドを限定しなければさらに選択肢は広がります。カラーやデザインひとつとっても、実にさまざま。一点ものという魅力も相まって、選ぶ楽しみが味わえる上、愛着も湧いてきます。
2.部品の質の高さ
ビンテージランタンを使っていると気がつくのが、部品の品質の高さです。1940年代当時のランタンは、主に家庭用や軍用。毎日使ったり、ハードな場面で使ったりするためには、必然的にタフさが要求されます。当時のランタンの部品には素材として真鍮が使われており、これによって100年も150年も長持ちするのです。
現行のランタンは、部材の高騰もあり、昔ほど良質な部品を使用できなくなっているため、30年程度の寿命で終わってしまうものも。
自分より長く生きていて、さらに長生きするかもしれないランタンが手元にあるというのは、なんともロマンを感じるものです。他にも手入れをするほど愛着が湧いたり、生まれ年・生まれ月のランタンを使ったりと、「魅力は尽きることがない」といいます。歴史と手間ひまにロマンを感じる点が、ビンテージランタンの一番の魅力です。
正しく使えば一生モノ!憧れのランタン
お手入れが大事なガソリンランタン。サボるとどうなる?
手入れをすればもっとも長くメインランタンとして使えるのが、ガソリンランタン。ガスやLEDランタンにはない圧倒的な光量を誇りながら、何十年も現役で使用できます。ただし、それには正しく定期的なお手入れがマスト。だんだんと入り込んだ虫などで内部は汚れてしまうので、定期的に部品をきれいにしてあげることが重要です。
特に虫の汚れは放置しているとサビにつながるため、その分だけ劣化が早くなります。もちろん、点かなくなるなどの不具合も生じます。
なんとなく点火しにくくなったり、火が安定しなくなったら、一度自宅でお手入れをしてみましょう。道具ひとつで手順も簡単なので、お試しあれ。
お手入れ方法を図解!
モンキーレンチを使い、まずは最上部についているボールナットを回してかさを外します。
次にグローブ(ガラス)を手で持ち上げて外します。これで一番虫のたまりやすい火元の部分がオープンになりました。
乾いた布やティッシュペーパーを使って、汚れをふき取ってください。虫がこびりついて取れない場合は、ウェットティッシュなどを活用しましょう。
さらに中央のフレームナットを回して外し、フレームも外していきます。
見えていなかった部分もけっこう汚れているもの。ここも丁寧に汚れをふき取ってください。
すべて終わったら順番通りに部品を戻していくだけ。改めて点火してみて、問題なく使用できればメンテナンスは完了です!
これでも火が安定しなかったり、そもそも圧力がかからなかったりなどの問題がある場合は、かなり長く使用して空気圧を高めるポンプカップが劣化しているなど、数十年に一度のお手入れが必要な段階。購入したお店やビブラントなど専門店に問い合わせてみるのがおすすめです。
今やガソリンに勝る?LEDランタン
新世代のLEDランタンは実力派ぞろい
他からひとつ飛び抜けて文明的なLEDランタンは比較されがちですが、昔と違って性能やデザインは格段にアップ。ガソリンランタンにも迫る勢いで人気です。特に魅力的な3つのLEDランタンを編集部がピックアップして紹介します。
デザインや光量がGOODなLEDランタン・ベスト3
ロゴス ゆらめきクラシカルランタン
見た目がまるでガソリンランタンのようにレトロチックな、ロゴスのゆらめきクラシカルランタン。ですがガソリンランタンのような手間はなく、ボタンひとつで点灯できます。
光量が3段階に調節できることに加え、本物の炎が点いているかのようにチラチラと光が動くゆらめきモードが搭載されています。雰囲気たっぷりなキャンプサイト作りにもってこいです。
【基本情報】
サイズ:約22×22×34cm
重さ:約970g
明るさ:約360ルーメン
電源:単一アルカリ乾電池×6(別売)
点灯モード:ゆらめき/強
常用点灯時間目安:約50時間
価格:9,900円(税込)
購入はこちら:ゆらめきクラシカルランタン
ルーメナー2
従来の印象だと、LEDランタンはキャンプで使うには文明的すぎる点に加え、光量が足りないためにあまり好まれていませんでしたが、そんな常識を覆す圧倒的な明るさを誇るのが、ルーメナー2です。その光量なんと1500ルーメン!
手のひらに収まるほどの小ささ、軽量さ、扱いやすさでこれほど明るいのは驚きです。他にも、防水・防塵・耐衝撃性を備え、ハードなアウトドアシーンでも活躍してくれる優れものです。
【基本情報】
サイズ:129×75×22.7mm
重さ:280g
明るさ:100〜1500ルーメン
連続点灯時間:約8〜100時間
充電時間:約5時間
カラー:メタルグレー、メタルブラック、メタルブラウン
価格:16,280円(税込)
詳細はこちら:ルーメナー
ダッチルナー LNA2 ランタン
卓上用、テント用、懐中電灯など、用途に合わせていくつも用意しなければならないランタン。ですが、DACHのランタンは3WAYで、その問題を解消してくれます。
通常時はカサつきの灯油ランタン風に、白いカバーに付け替えれば吊るしたり置いたりして使えるLEDランタンに、持ち手をつければ一点を照らす懐中電灯にと、使い勝手は抜群です。
変形してさまざまな用途に使えるのは、燃料がこぼれたり熱による不具合などを気にする必要がないLEDならでは。
【基本情報】
サイズ:約7.6×7.6×17.8(h)cm
重さ:約450g
明るさ:20~430ルーメン
連続点灯時間:10~240時間
付属品:トーチライト×1、コンパクトライト×1、ハンギングチェーン×1、ポーチ×1、充電用USBケーブル×1、ユーザーガイド(保証書)×1
カラー:ヴァレンタイン、ナポリ、アッシュ
価格:20,350円(税込)
購入はこちら:ダッチルナー LNA2 ランタン
秋キャンプの相棒を選ぶべし!
LEDとガソリン、最新型とビンテージ、相対するランタンについてそれぞれ魅力を解説しました。前編の基礎編と合わせてあなたの秋キャンプの相棒は見つかりましたか?今年の秋のランタンを彩る逸品を手に入れましょう。
【店舗情報】
viblant(ビブラント) 二子玉川店
住所:東京都世田谷区玉川2-15-13, 2-A
電話:03-6805-6366
営業時間:11:00〜20:00(※定休日:火曜)
詳細はこちら:viblant
▼前編はこちら
今さら聞けないランタン選びの世界。ランタンの殿堂「ビブラント」が徹底解説【燃料別の基礎編】
キャンプ場での夜の雰囲気作りに欠かせないランタン。今回は、全国のランタン愛好者の聖地・アウトドアショップ「ビブラント」(東京・二子玉川)が、燃料ごとの特徴の違いや最適な使用シーン、ビンテージから最新まで、余すことなく教えてくれます。前編は、燃料や光源のタイプが異なる5種類のランタンについて、購入前に知っておきたい基礎知識を解説します。