ホールアースの最新テント「アースハーフクーヘン SC」がスゴい!【編集部が本音でレビュー】
どんなサイトにもなじむナチュラルなデザインと、初めてでもすぐに設営できる簡単設計で、ファミリーをはじめ幅広い層に人気のホールアース。手頃な価格からキャンプ初心者向けのブランドと思われがちですが、テントはベテランキャンパーも納得の機能性が自慢です。そこで、今飛ぶように売れている最新テント「アースハーフクーヘン SC」にhinata編集部は注目。設営しながら人気の理由を探りました!
制作者
キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
ホールアースの新作ツールームテントがショップで人気らしい
ファミリーを中心に、ツールーム人気は安定
リビングと寝室が仕切られたツールームテント。テント内が広く使え、ファミリーキャンパーからの支持が厚いテントです。ドーム型テントと違って、タープを張らなくても済むので、準備の手間も少なく、初心者にもおすすめ。キャンプ場で見かけることの多いテントです。
新作ひしめく中でも、今年の注目はホールアースのアース ハーフクーヘン SC
安定した人気があるので、国内外のアウトドアブランドが毎年、新たなツールームテントを続々と発表しています。ホールアースもそのひとつ。特に2020年に発売された「EARTH HALF KUCHEN(アースハーフクーヘン)」は、ツールームのテントに4~5人向けの大人数サイズが多かった中で、2~3人向けのやや小さめサイズが好評でした。
そんな人気作が今年、さらに使いやすくアップデート。「アース ハーフクーヘンSC」として新発売されました。前モデルのファンはもちろん、大型アウトドアショップでは、店頭の展示を見て、初めてのテントとして選ぶ人が増えています。
「アース ハーフ クーヘン SC」人気の理由は?
編集部がキャンプ場で実際に使用。使い勝手をすみずみまで検証してみた
アース ハーフクーヘンSCの実力はどんなものなのか?それを探るため、hinata編集部がキャンプ場で設営〜撤収まで、実際に使ってすみずみまで調べてみました。
▲SIDE
▲FRONT
まず全体像はこんな感じ。幅約255×奥行き500cmで、大人2~3人で使ってもゆとりのあるサイズ感です。高さも前室が約180cmあるので、平均的な男性なら、テント内でかがまずに移動できます。インナーテントの高さも約165cmあり、窮屈な感じは全くありません。
大人のグループキャンプでも余裕のリビングスペース
入り口を上げて、前室空間を広くとるとこんな感じ。中に入ると外から見た以上に広く、ローテーブルとチェア3脚、ラックを置いてもまだまだ余裕があります。友人同士のグルキャンでも、大人4〜5人でゆったり食卓を囲めそう。
側面パネルと前後の入り口はフルメッシュにできる
ツールーム愛用者の多くが挙げるデメリットは、テント内に熱がこもりやすいこと。ドームテントに比べて大型で縦に長く、インナーテントのついた二重構造ゆえの難点とはいえ、夏場は特に気になります。
アース ハーフクーヘンSCを張って編集部が驚いたのは、ほぼ全てのパネルがメッシュにできる点。前後の出入り口だけでなく、両サイドの4カ所にもメッシュパネルが搭載されています。インナーテントにもメッシュ窓がついているので、フルメッシュの状態にしておけば風通しが抜群。日中でもテント内で気持ちのいい風を感じながら、日陰で涼めます。
インナーテントも広々。大人2人、子ども2人がゆったり寝られるサイズ
リラックススペース兼寝室となるインナーテントの中も、外から見る以上に広々。家族で寝ても窮屈さは感じません。高さも約165cmあるので、寝袋はもちろん、ハイタイプのコットを並べても圧迫感を感じにくい点が魅力。春夏はコットで涼しく過ごし、秋冬は真ん中にテーブルを置いて、こたつキャンプをしても楽しめそうです。
インナーテントの窓はジップで簡単に開け閉め可能。就寝時は外からテント内が見えない程度に開けておけば、通気性を確保しながら、プライバシー確保も叶います。
フライシート側の窓にはミニキャノピーが付いているので、テント内への雨粒の侵入を防ぎながら換気ができます。
オールシーズン対応、細部へのきめ細やかなこだわり
フライシートの内側には特殊加工のシルバーコーティングが施されています。コーティングがあることで太陽光によるテント内の気温上昇が防げるので、暑い日のキャンプも快適に過ごせます。
フライシートには、UVカットの基準値で最高レベルを示す「UPF50+」の性能が。「キャンプは楽しみたいけど日焼けが気になる」という人にありがたい仕様です。
フルクローズの状態でも、入り口付近の大型ベンチレーションで通気性はしっかり確保。悪天候や気温が低い日、また隣のテントと距離が近く、あまり入り口を開けっぱなしにしておきたくない日も快適に過ごせるよう配慮されています。
テント下部、フライシートの裾部分には、外気の侵入を防ぐウインドスカートを搭載。寒い季節も十分使えそうです。
使ってわかった「あってよかった!」な機能が満載
撥水・難燃加工の丈夫な生地
フライシートに使われているのは210デニールの高密度生地。一般的にテントの耐水圧は、キャンプ場に泊まる場合は2,000mmあれば十分と言われていますが、アース ハーフクーヘンSCは耐水圧3,000mm。ただ丈夫なだけでなく、撥水加工も施されているので、使用後の乾燥時間も削減できます。
さらにうれしいのが、火の粉が付いても燃え広がりにくい難燃加工。テントのそばでも安心して焚き火を楽しめます。
インナーテントのボトムとフライシートの内側、縫い目部分には、防水テーブが圧着されています。天井から流れ落ちてきた雨粒や、芝生の朝つゆがテント内に染み込んでくるのを防ぎます。
インナーテントのメッシュは虫を寄せつけない素材
キャンプにつきものの虫。慣れないうちは、いや、慣れていても苦手な人は苦手です。アース ハーフクーヘンSCは、インナーテントのメッシュ部分に虫が止まっても逃げていくスコーロン(R)素材を採用。素材自体が虫を寄せつけにくいので、就寝時に虫の羽音に悩まされたり、出入りの際に虫が紛れて入ってくる心配が少なくなります。
※スコーロン(R)は帝人フロンティア(株)の登録商標です。
ストッパーが夜間の目印になる
テントのサイズが大きくなるほど、まわりに張り巡らされたガイロープの数も増えます。日中は視認できますが、暗くなると見えづらくなるので、子どもがロープに足をひっかけてつまづいてしまうトラブルもキャンプ場では起こりがち。
こちらのテントは付属ロープのストッパー部分が蓄光仕様になっていて、夜間でもどこにロープがあるかわかりやすいです。
気になる設営の難易度は?
カラーアシストシステムで迷わない
ポールとスリーブ、土台のピンが色分けされていて、どのポールをどこに通せばいいかひと目でわかる「カラーアシストシステム」。これこそホールアースが初心者に支持される大きな要因のひとつです。初見でも説明書を見ずに、迷わず設営ができました。
インナーテントも吊り下げ式で簡単
設営は、フライシートを立ててからインナーテントを吊り下げるという順。吊り下げる位置を間違えないよう、フックと留め具がポールと同様に色分けされています。
▼詳しい設営手順の動画はこちら
アース ハーフクーヘンSCの難点は?
重量13kg。女性1人で持ち運ぶのはやや大変
収納時の重さは約13kg。さすがにスイスイ持ち歩ける重量ではないのが、強いて挙げるとすれば難点です。ただ、持ち手が短めで、肘を伸ばして持っても地面につかないのは良い点。サイトの近くまで車が乗り入れられるオートキャンプサイトなら、重くてもさほど気になりません。
慣れないうちは1人で設営するのが難しい
今回の撮影では2人体制で、20分程度で設営。左右から同時にテントを持ち上げたり、2人がかりでペグを打ったのでさほど時間はかかりませんでした。ただ、ツールームテントに慣れていない人が1人で設営するとなると、最初は30~40分程度かかりそう。扱いに慣れるまでは、無理せず同行者に力を借りるのがおすすめです。とはいえ作りは非常にシンプルなので、コツを掴めば1人でも15分ほどで設営できそう。
圧倒的にメリット>デメリット。ツールームデビューにおすすめ
多少のデメリットはあれど、圧倒的にメリットの方が強し。実際に使ってみて、細部へのこだわりように驚かされました。特に多様な気候への対応力が抜群。高温多湿、冬場の寒さも厳しい日本でキャンプをするなら、アース ハーフクーヘンSCは自信を持っておすすめできます。ツールームテントの購入を迷っている人は、ぜひチェックしてみてください!