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保存版・知っておくべきキャンプマナー大全【日本オートキャンプ協会監修】
2025.10.09ビギナー
キャンプを始めてみたいけど、“ルールや作法”がわからない!今回はそんな人に向けて、日本オートキャンプ協会の協力のもと覚えておきたい「キャンプのマナー」をギュッと凝縮してお届けします。ベテランでも知らず知らずのうちに迷惑をかけてしまうこともあるので、あらためて確認してみてください。※2021年7月の取材記事です
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
キャンプの基本は「来たときよりも美しく」
キャンプのマナーについて教えていただいたのは、日本オートキャンプ協会の事務局長、堺 廣明さん。キャンプのマナーの前提として、まず次のように強調してくれました。
「キャンプは、撤収するときに現状回復することが、最低限のマナーです。『来たときよりも美しく』を心がけましょう」

日本オートキャンプ協会
堺 廣明さん【監修者】
日本のオートキャンプの発展のために活動する協会の事務局長。全国のキャンプ場に詳しい。
そのうえで今回紹介するマナーもあくまで一例だということも把握しておくことも重要です。
堺さんによると、まずは「キャンプ場のルールに従うことが最優先」だとか。
また、ほかの人に『これをしてはいけない』と強要しすぎるのも、せっかく自由な時間を過ごせるキャンプが硬苦しいものなってしまうことがあることも覚えておきましょう。まずは自分が率先して模範的なキャンパーになることを目指すのが理想です。
キャンプで特に気をつけるべき「音」の問題
キャンプ場でのトラブルの原因ナンバーワンが“音”。気をつけている人でも知らず知らずのうちに大音量で迷惑をかけてしまうこともあるので、ベテランと自負するキャンパーもあらためて確認しておきたいところです。
クワイエットタイムは夜10時〜が一般的

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多くのキャンプ場では、夜10時以降は静かに過ごしたり消灯する必要があるクワイエットタイムが設定されていることがほとんどです。
キャンプ場によってはクワイエットタイムの時刻が異なることもあるので、チェックイン時によく確認しておくのが鉄則です。
また、クワイエットタイムの到来に気が付いていない人がいる場合は、トラブル回避のためにも管理人さんに相談してみるのがおすすめです。
音楽を聞きたくない人もいる

音楽を聴きながらのキャンプ時間は最高!
ではありますが、日中だとしても音楽さえもノイズに感じる人が少なくないことも覚えておきましょう。場合によってはイヤホンの使用などの配慮も必要です。
クルマの音も注意
クルマの走行音やエンジン音、ドアの開閉音も不快に感じてしまう音の一つ。
特にクワイエットタイム中は可能な限りクルマを動かさないようにするのが常識です。食品や備品の買い出しは夕方までに済ましておくと、このようなマナー違反につながることも少なくなるはずです。
早朝もなるべく静かに

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夜が明けても、クワイエットタイムの終了時間(朝7時ころまでが一般的)まではなるべく静かに過ごすようにしましょう。
とはいえ特に子どもは朝からたくさん遊びたいもの。そういう場合は、ファミリーキャンパー限定のキャンプ場など、子ども連れに理解ある人が多い場所を選ぶのも一つの手です。
ペットの鳴き声
意外と本人がマナー違反だと気が付きにくいのが“ペットの鳴き声”。夜中に鳴き続ける犬がいると、隣接サイトの人を不快にさせてしまうこともあるはずです。
どうしても泣いてしまうペットがいる場合は、ペットホテルの利用やペット連れ向けのキャンプ場などの利用も選択肢にいれるのがおすすめです。
大惨事にもつながる「火」の問題
キャンプ飯づくりや焚き火などなど、“火”はキャンプと切っても切れない関係です。とはいえ、火災ややけどの原因にもなりえるものなので、扱いには十分気をつけたいところです。
強風時の焚き火はNG
火の粉が隣のテントに飛んだりして、トラブルになることも少なくありません。焚き火はキャンプの醍醐味の一つでもありますが、天気予報で当日の風の強さを確認することも忘れないようにしましょう。
焚き火台&焚き火シートはマスト

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ほとんどのキャンプ場では、安全性の担保と環境保護の観点から「焚き火台」の使用が義務付けられています。
焚き火台を使わずに直火で焚き火を楽しんでしまうと、熱や炭の影響による地面へのダメージが大!
また、芝や微生物を守るためにも、難燃性の焚き火シートも合わせて使用するのがおすすめです。前述もしていますが、キャンプでは“原状回復”することが基本中の基本です。
可燃物を遠ざける
また、特に焚き火を楽しむ際は、周囲に可燃物がないことを確認しましょう。
落ち葉がある場合は全てどかしたり、頭上に立木の枝がない場所を選んだりと、チェックしたいポイントはたくさん。テントなどのキャンプ道具からもなるべく遠いところで焚き火を楽しんでください。
また、焚き火中は目を離さないようにするのも鉄則です。
灰の処理はキャンプ場の指示に従う

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炭は自然に戻らないので、その場に捨ててしまうのはNGです。
多くのキャンプ場には、焚き火後の灰や炭を破棄できる「灰捨て場」が設けられています。しっかり鎮火させてから灰捨て場に破棄しましょう。
そのような設備がない場合には、火消し壷などを利用して自宅に持って帰りましょう。帰宅後は自治体のルールに沿って処理してください。
うっかり捨ててしまいがちな「ゴミ」の問題
ここまでも述べてきましたが、キャンプは原状回復が基本。つまり、ゴミもしっかり処理することが鉄則です。
キャンププサイトに放置して後にするのは絶対にNG。ゴミの量をなるべく抑える工夫も大切です。
使用後は洗い場の排水口もきれいに

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キャンプ飯の調理や食器類の洗浄などの際にありがたい設備が洗い場です。
利用するとどうしても排水溝にゴミが溜まってしまいますが、放置すると詰まりにも直結してしまいます。次の人が気持ちよく使えるためにも、これらのゴミはは必ずまとめて持ち帰るようにしましょう。
キャンプ場のルールに沿った分別を
敷地内にゴミ捨て場が設けられているキャンプ場も少なくありません。
ゴミを自宅に持ち帰らなくてすむ、とても助かる設備ではありますが、利用時はルールに沿った分別を行う必要があります。キャンプでの使用頻度が高いガス缶はしっかりガス抜きしたりと、ていねいな作業を心がけましょう。
また、キャンプ場によって分別ルールが異なることが多いので、チェックイン時やゴミ捨て時に必ず確認するようにしてください。
キャンプ場で処理できないゴミは持ち帰る
キャンプ場にゴミ捨て場が無い場合や、キャンプ場で受け付けられていないゴミがある場合は、自宅に持ち帰って処理するようにしましょう。
稀にキャンプ場に布団を捨てたり、バーベキュー道具を放置して帰宅してしまうケースが報告されていたり、道中のコンビニエンスストアやサービスエリアでゴミを捨ててしまう人も…。キャンパーのイメージを損なわないように、皆できちんとしたゴミ処理を意識することも大切です。
不当なキャンセルによる「損失」の問題
場所が確保できて安心して当日を迎えられるのが、予約制を採用しているキャンプ場のいいところ。
とはいえ、当日の急なキャンセルや連絡なしでのキャンプの中止などは、キャプ場にとっては大損失。キャンセル料の支払いを忘れてしまう人も少なくないようなので、事前にキャンセルポリシーを確認しておくことも重要です。
また、天候や体調などの影響でキャンプの実施が確実で無い場合は、予約不要のキャンプ場を選ぶのも一つの手です。
「SNS」も投稿前に考えよう
XやInstagramなどのSNSでキャンプの様子を発信をしたくなるのは、どのキャンパーも同じ。とはいえ、その投稿、発信する前にちょっと考えてみてください。
女子キャンパーのつぶやきに注意

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SNSでの投稿は場所の特定にも繋がってしまいます。特に女性のソロキャプの場合は「いまここにいる」と分かる投稿は避けるのが得策です。
無断で他人のサイトを撮影するのもNG
隣のキャンプサイトがすてきだな…と感じても、無断で撮影・投稿してしまうのはNG行為です。近年は動画撮影を楽しむキャンパーも増加していますが、その際も他の人やキャンプサイトが映り込まないように注意を払いましょう。
また、動画撮影が禁止されていたり、事前の申告が必要なキャンプ場もあるので、事前に確認することもお忘れなく。
マナーやルールを守って気持ちよいキャンプを楽しもう
今回は、いまさら聞けない「キャンプのマナーやルール」の基本を紹介しました。
キャンプは自由な時間を楽しむためのものではありますが、そんなすてきな環境を守るためにも迷惑行為や自然破壊につながるような行動は避けるべき。もし判断に迷うようなことがあれば、キャンプ場の管理人さんに問い合わせてみるのもおすすめです。
監修/日本オートキャンプ協会
※2021年7月の取材記事です