関東・関西キャンパーのあこがれ!日本最北の通年キャンプ場でできる体験とは?
キャンプ好きなら一度は遠征したい北海道。その中でもアウトドアの中核的な場所の一つが、道北エリアにある上川(かみかわ)町です。同町の人気キャンプ場がリニューアルされ、「週末移住」をコンセプトに打ち出したコテージも完成。hinata編集部は8月下旬に開かれた体験型アウトドアイベントに参加しながら、日本最北の通年キャンプ場の魅力を探りました。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
北海道のアウトドア拠点=上川町
北海道の第2の都市、旭川から車で東へ1時間強。上川町は、アイヌ民族の人々がカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼ぶ大雪山系の峰々を背景にした人口3700人の町です。町内にある層雲峡温泉は道内随一の名湯で、大雪山の秀峰、黒岳(1984m)などへの登山客の拠点にもなっています。女子スキージャンプの高梨沙羅選手の出身地としても有名です。
日本最北の通年キャンプ場がリニューアル!
大雪山の自然を五感で味わえるキャンプ場
上川町が運営する層雲峡オートキャンプ場は、道内随一の人気観光地、層雲峡温泉から車で約10分の好立地。大雪山の麓で道内一の流域面積を誇る石狩川のほとりにあり、大自然を身近に感じられる林間キャンプ場です。
国道からのアクセスが良いためオートキャンパーからの人気が高いのはもちろん、約40張分あるフリーテントサイトは、登山の前・後泊、自転車・バイクのツーリングの利用者など、多種多様なキャンパーが集います。
週末移住コテージが完成!
▲新しく完成した週末移住コテージ
今年12月には、2〜4人用の施設「週末移住コテージ」3棟9部屋が完成。さらに2棟も近日竣工する予定で、道外や札幌圏からの観光客が週末にゆっくり過ごせる「山岳リゾート」の一翼を担います。新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークが普及したことを受けて、休暇先で働く「ワーケーション」のニーズにも対応。近くwifiも導入され、自然の中で晴れやかに仕事ができる環境が整います。
▲週末移住コテージの内部
▲週末移住コテージ専用の共用キッチン
週末移住コテージの宿泊者は、2口のコンロとテーブルが5つある専用キッチンの利用ができます。日中はドライブをしながら地域の朝もぎの野菜や特産品を買い集め、戻って調理する楽しみ方もできます。
グランピング施設もオープン間近!
▲近日オープン予定のグランピング施設
グランピング施設も近日オープン予定。計4張のおしゃれなコットンテントが設営されており、木漏れ日の中でまどろみながら、いつもとは違う特別な週末を楽しめます。
芝生エリアと駐車場からなるオート区画サイトは1台で1泊1,500円、フリーサイトはテント持ち込み料500円。キャンプサイトや炊事場などもきれいに管理されているにもかかわらず、首都圏のキャンプ場にはないコストパフォーマンスの高さも魅力で、キャンプ場を拠点に連泊して周辺観光にも繰り出す人も多くいます。
【基本情報】
住所:北海道上川郡上川町清川
電話:.01658-5-3368
営業期間:通年営業
チェックイン/チェックアウト:13:00〜21:00/10:00
料金:
[週末移住コテージ]:7500円(税込)
[フリーサイトテント持込料] 1張 1泊 500円
[オート区画サイト]1台 1泊 1,500円
アクセス:JR旭川駅から車で約1時間15分
初開催のアウトドアイベント「DAISETSU OUTDOOR DAY」とは?
上川町から外遊びを提案
リニューアルしたキャンプ場で、上川町のアウトドアアクティビティの魅力を発信するために8月下旬の週末2日間にわたって開かれたのが、体験型イベント「DAISETSU OUTDOOR DAY(大雪アウトドアデイ)」。
会場内には約10ブースが出展。今回はコロナの流動的な状況もあって道外から集客はしませんでしたが、各ブースがアウトドアを楽しむノウハウや上川町の食の魅力などを発信。来場者は北海道のからりとした気候の中で、ワークショップや飲食をゆったりと楽しんでおり、今後の道外の人を対象にした開催にも弾みをつけました。
大人から子供までもがアウトドアを堪能
▲フリスビーを楽しむ子供
▲ドローンを操縦する来場者
子供も大人も本気で楽しめる外遊びのコンテンツを用意。トランポリンやスラックライン、フライングディスクなどの体を動かすメニューだけでなく、発泡スチロール製の飛行機(スチロールグライダー)作りやドローンでの空撮など、アウトドアの幅を広げる遊びを多く提案していたのがイベントの特徴です。
アウトドアならでは?なワークショップ
▲タープに張られたてるてる坊主は、これからのトレンド!?
天候に左右されるアウトドア。晴天を願うために大事なものといえば「てるてる坊主」です。藍染ユニット「トシュカ」がハンカチで作るてるてる坊主のワークショップを開いたこともあり、イベント開催の2日間はきれいな青空が広がりました。キャンプでテントやタープのガイロープにつるしておくのも、テントサイトのアクセントとして人気が高まりそうです!
地図でつくる小物入れも人気
▲地図の小物入れを作る地図芸人の小林さん(右)
イベントには地図好き芸人として雑誌連載も持つ小林知之(ともゆき)さんも駆けつけ、北海道内の地図を切り取り、ミシンで縫い合わせて小物入れを作るワークショップを開催。参加者は登ったり、行ったりしたことのある山域の地図を選び、オリジナルアイテムを仕上げていました。
アウトドア+食の絶対的な魅力も発信
上川町のキャンプ料理は肉料理!
会場では地域特産の牛や豚を使った料理を販売。ブランド和牛である大雪高原牛のワンポンドハンバーグや、上川町渓谷味豚のスモークスペアリブと生ベーコン巻きソーセージを炭火で焼く匂いが、来場者の食欲を刺激していました。キャンプといえば、肉料理。自然の豊かさだけでなく、食の豊かさも楽しめるのは上川町のアウトドアイベントならではです。
メスティン料理教室も盛況
アウトドアパーティーの主催グループ「KIPPIS(キッピス)」が、上川町の特産品を人気のアルミ製飯ごうのメスティンで料理するワンバーナークッキング講座も開催。レシピは「上川町産とうもろこしと豚肉を使った中華風おこわ」。北海道の食材を使ったアウトドア料理の講座は今後も人気コンテンツに育ちそうです。
目指すのは「ライトアウトドア」の確立
今回のイベントの準備に奔走したのが、上川町職員で、イベントを企画した枻(えい)出版社に出向中の三谷航平さん。大雪山の本格的な愛好者だけでなく、道外の観光客に新たに提案したいのが、上川町でのライトなアウトドアの過ごし方です。
「上川町は旭川空港から車で1時間で来れます。週末の前後どちらかに休みをくっつけ、1日はコテージかキャンプ泊、1日はゆったりと層雲峡で温泉を楽しみたい人にぴったりの場所です。冬の白銀の世界のキャンプ場も道外の人には魅力的だと思うので、犬ぞりなどのコンテンツもさらに増やしたいと思っています」。
三谷さんによると、イベントも新型コロナウイルスが落ち着いた場合には定期的に開催し、上川町と周辺地域のアウトドアの魅力を伝えていく予定。上川町のアウトドアはさらに進化を遂げそうです!
取材を終えて
北海道の上川町と聞いて想像するのは、カムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)と呼ばれる大雪山の峰々を歩く本格的な登山。しかし、実際に層雲峡オートキャンプ場のイベントを取材して感じたのは、週末+1日の休みでキャンプと温泉でそれぞれ1泊しながら、そこでしか体験できないイベントも楽しむライトなアウトドアの可能性でした。週末のアウトドアライフに「上川スタイル」を取り入れ、アウトドア+αの体験で楽しみの幅を広げてみてはいかがでしょうか。