若手ハンターが作るジビエのキャンプ飯!コックピットスタイルでシカ肉料理を堪能

 ノウハウ

野生鳥獣の食肉「ジビエ」。近年の飲食業界での盛り上がりとともに、いつもとは違ったキャンプ料理を楽しみたい人たちの間でも、にわかに注目を集めています。国内各地で加工施設が整い始め、都市部でもシカやイノシシなどの肉がインターネット通販で簡単に入手できるようになったのも理由の一つ。そこで、キャンプをしながら誰でも味わえるジビエ料理を、現役ハンターに実際に作ってもらいました。


 目次


若手ハンターが語るジビエとキャンプの相性の良さ

   

ジビエを使ったキャンプ料理に名乗りを上げてくれたのは、都内の会社員で、東京都猟友会日暮里地区に所属するハンター田中佑児さん(35)。ジビエの種類や調理方法について解説してもらいながら、hinata編集部が通販で手に入れたシカ肉などで料理を作ってもらいました。

日本でも古くから愛されていた「ジビエ」

   

レストランや外食チェーンでも聞く機会が増えた「ジビエ」。狩猟で得た野生鳥獣の食肉を意味するフランス語です。ヨーロッパでは伝統的な食文化として根づき、特にフランス料理ではウサギやシカなどが高級な食材として重宝されています。

「日本でもイノシシやシカなどは古来から食べられ、栄養価も高いことから、山の周辺に暮らす人たちの身近な食材でした。ただ、近年のジビエブームまでは、ハンターの減少や都市化で一般的な食材として認知されてこなかったのが現状です」(田中さん)。

家畜にはない旨味

   

田中さんによると、国内の「ジビエ」は加工施設も少なかったため、ハンターの暮らす周辺でしか手に入りませんでした。ただ国内で有害鳥獣による農作物の被害が拡大するにつれ、駆除した鳥獣の活用を目指す動きが各地で活発化。2014年に国が狩猟から加工までの衛生管理を規定したガイドラインを示したことをきっかけに、加工処理場の整備も進み、流通量が増加したとのことです。

   

田中さんが強調するジビエの魅力は、「個体ごとに異なる旨味」。「野生動物は食べ物や生息する地域によって味が変わります。脂がのったイノシシは豚よりも美味とされていますが、特にドングリを食べるイノシシは臭みがなく、絶品と聞いています」。

Instagramの投稿でも、ジビエ料理を楽しむキャンパーの姿が目立つようになってきたのも事実。実はキャンプも嗜むという田中さんはこう分析しています。「自然の中で自然で生きていたものを食べることで、よりキャンプの満足度が高まるからではないでしょうか」。

狩猟ではなく、ネット通販で手軽に購入

ジビエキャンプの初心者は鹿肉から

   

今では、インターネットの大手通販サイトで「ジビエ」で検索すれば、全国各地の精肉店などがシカやイノシシの肉を販売。「おすすめは、猟師ときちんと関係があることをうたっているお店。腕の良い猟師が仕留めたものなら、撃つ場所も的確で、血抜きの処理もうまいため、臭みのない肉が手に入ります」。

特に田中さんがジビエ料理の初心者向けにおすすめするのがシカ肉。「高タンパク、低カロリーな赤身肉で、誰でも食べやすいですよ」。今回はこうした条件をそろえた、長野県飯田市にある精肉店から鹿肉を取り寄せ、実際に田中さんに料理に挑戦してもらいました。

料理を重視するならコックピットスタイルで

   

今回のキャンプでは、田中さんは焚き火台を中心にしてテーブルなどを周囲に配置する「コックピットスタイル」を採用。フライパンも使う場合には、耐熱テーブルや肉を切るスペースにもなるので重宝します。家の台所のように立ちながらの料理も効率的ですが、お酒を飲みながらゆったり料理するキャンプのスタイルに向いているそうです。

今回使用した焚き火台はこちら!

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超簡単ローストビーフの作り方

「焼いたばかりの肉を切って、肉汁が出て喜んでいる人もいるけど、それは旨味が逃げているということ。本当の肉のおいしさを味わうには冷まして食べるローストが一番だよ」。

通販で購入した精肉店の社長にレシピについて相談した中で、特にイチオシを受けたのは、シカ肉の簡単ロースト。キャンプでもすぐに作れ、前日からの仕込みも必要ないとっておきのお手軽レシピを託されました。冬ということもあり、シカ肉のシチューも食べたそうな田中さんではありましたが、最初はお手軽ローストに挑戦してもらいました。

   

【シカ肉のロースト(4人前)】
シカ肉モモ 300g
塩 適量
こしょう 適量
ガーリック 適量
(ロースト用のタレも自分で作る場合)
赤ワイン 100cc
砂糖 大さじ2杯ほど
しょうゆ 大さじ2杯ほど
バルサミコ酢 大さじ1.5杯ほど

【用意するアイテム】
焚き火台(炭火が使える物)

アルミホイル
タオル
クーラーボックスか保温できる発砲スチロール

肉を炭火で焼く

   

塩、こしょうで下味をつけた鹿肉のモモ300gを、ブロック状の塊のまま炭火で焼きます。肉に弾力が出てくるまでが炭火からはずす目安。見た目は、気持ち焼きすぎぐらいでも構いません。細かいことを気にせず、豪快に焼きます。

アルミホイルで包む

   

肉が熱いうちに、アルミホイルで何重かに包みます。

1時間ほど保温

   

さらにタオルに包んで、保温ができるクーラーボックスや発砲スチロールに入れます。「この保温状態だけでも、熱は中まで入る」(精肉店の社長)とのこと。

1時間待って完成

   

約1時間待てば、お手軽なシカ肉のローストの完成。肉にかけるソースは市販のものでも構いませんが、フライパンで赤ワインに砂糖、しょうゆ、バルサミコ酢を加えてとろとろになるまで煮ればすぐに完成します。

今回使用したクーラーボックスはこちら!

MINI COOLER 6→

今回使用した耐熱テーブルはこちら!

HEAT-RESISTANT SIDE TABLE→

シカ肉のロースはステーキでワイルドに

シカ肉のロースは、背骨についている細長い希少部位。ハンターの中には、場所によって味や固さが変わるモモ肉を知人に譲っても、ロースだけは自分で食す人も多いです。ロースの持つ柔らかな肉質を味わうため、次はワイルドなステーキを作りました。

シカのロースならステーキ一択

   

【シカ肉のステーキ(1人前)】
シカ肉のロース150グラム
塩 適量
こしょう 適量
ガーリック 適量
バター 適量
添え物のトマトなどの野菜

【用意するアイテム】
焚き火台
炭か薪
フライパン

フライパンで焼く

   

フライパンにバターを敷いてからロースを投入します。「ステーキならただ焼くだけ」と思いがちですが、ここがシカ肉の難しいところ。赤身のシカ肉は焼きすぎるとパサパサしてしまうため、火が通りすぎない絶妙な火加減が求められます。

バターで赤身にジューシーさも

   

炭火で直接焼きたいところですが、フライパンでの調理がおすすめです。「脂の少ないシカ肉はバターで焼くことでジューシーさが増しますよ」と田中さん。レア気味に焼いたロースは、クセもなく、柔らかな肉のなかに赤身のコクを感じることができました。

田中さんからおすそ分けされた「ジビエ」

「実は先日に獲って、家に残っていたものがありまして…」。田中さんが取り出したのが、今年1月上旬に埼玉県で狩猟をしてきたキジのムネ肉。さっそく焼き鳥にしてもらいました。

獲ったばかりのキジの肉も料理

   

調理方法はシンプル。焼き鳥サイズにブツ切りにし、鉄串に刺すだけ。塩こしょうで味を付けて、炭火で焼いていきます。

切る

   

一般的な焼き鳥のサイズになるように、適当な大きさにブツ切りにしていきます。

鉄串に刺して焼く

   

キジのムネ肉は、ニワトリのササミの部分に当たる部位。ただ実際に一口噛み締めてみると、淡白さの中に深みのある旨みが感じられ、田中さんも狩猟風景を振り返るように味わっていました。

日本が世界に誇るジビエ

クセのなかった長野のクマ

   

今回は、クマ肉のジンギスカンも用意。単純にフライパンで焼くだけのシンプルなスタイルで調理すると、「クマ肉は初めて食べましたが、この肉はタレの味付けもしっかりしていて、臭みもないですね。普通におかずとして食べられます」と驚く田中さん。

   

精肉店の社長はその理由ついて「北海道の雑食性のヒグマと違って、ツキノワグマは草食性が強いので、臭みのない肉になりやすいです」と説明しています。

キャンプでジビエならより自然を身近に

自然の中で自然の中に生きていた動物の肉を味わう「ジビエキャンプ」。田中さんは「単なる自給自足感だけでなく、より自然に近づける感じがして、普段のキャンプにはない醍醐味を味わえます」と強調します。フランス料理のように凝ったものだけでなく、シンプルに食材を焼くだけでも旨みを感じられるのがジビエの魅力。自然を感じに行くキャンプでこそ、最大限にその恩恵があることを田中さんは示してくれました。


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