今季こそ冬キャンプに挑戦!寒いからこそ美味しい、楽しい時間を満喫しよう
「今年のキャンプはもう終わり」。未経験の寒さと道具選びの不安から、冬のキャンプを躊躇してはいないでしょうか。キャンプの楽しみは、初夏の新緑や秋の紅葉など、その季節を全身で味わうこと。キャンプの楽しみは季節ごとにあり、冬ならではの魅力も多くあります。薪や灯油のストーブなどの本格的なアイテムに頼らずとも、初心者でも至福の時を過ごせる方法をお伝えします。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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えっ、冬行かないの!?
冬キャンプ…。玄人キャンパーのみに許された領域と思って臆していたら大間違い。豪華な薪ストーブがなくても、適切に防寒対策ができる道具さえあれば、初心者でも寒さで辛い思いをせず、十分に楽しめます。自然の中で四季の移ろいを感じるのがキャンプの魅力の一つ。初夏の新緑、秋の紅葉と同じように、寒さすら楽しめるようになる冬キャンプの魅力と方法を紹介します!
冬キャンプはメリットがいっぱいだった!
冬にもキャンプをする愛好者が口をそろえる魅力の一つが、混雑から解放され、ゆったりと自分の時間を過ごせること。夏には数ヶ月先に予約でいっぱいになってしまう人気のキャンプ場でも、予約が取りやすくなります。
さらに冬は空気が澄むため、満天の星を眺められる機会が夏よりも恵まれます。寒空の下でも暖かいコーヒーやお酒を飲みながら星空を眺められれば、すっかり寒さを忘れて冬キャンプにのめりこむことでしょう。
またhinata編集部が取材したキャンプ歴20年のあるベテランは次のように力説します。「寒い中だからこそ、焚き火と暖かい料理の有難さがより感じられ、ちょっとしたことで最大限の幸せがあるのは冬キャンプならではの魅力。さらに防寒のためのアイテムをそろえていくことで、火や毛皮などで寒さを克服してきた人類の歴史を追体験できるとも思っています」。
まずは服装から。街着との違いとは?
暑さはどうしようもないが、寒さは対策できる!
外で長時間過ごすキャンプで、まず重要なのが服装。スポーツ観戦時のようなベンチコートも暖かいですが、自然の中では不釣り合い。お洒落感はなくなってしまいます。では一体、キャンプではどのような服装をすればいいのでしょうか。
真夏のキャンプでは、いくら薄着になっても暑さ対策に限界はあるもの。ただ逆に寒さは着込めば対策できます。キャンプで焚き火をすることを考えると、化学繊維のジャケットやダウンを一番外側に着るのは避けた方が無難。そこで重宝するのが難燃素材のジャケットです。最近は冬のキャンプにも対応した難燃のダウンが多数出ているので、冬キャンプでも街中でもおしゃれに着こなせます。
焚き火のありがたさを一番感じるシーズン
冬キャンプの楽しみは焚き火にあり
「薪や灯油のストーブがなければ冬にキャンプはできないのではないか」。そんな心配は無用。極寒の北海道や東北などでなければ、暖を取れる焚き火さえあれば大丈夫。最初はいきなり泊まらず、デイキャンプで焚き火の暖かさを感じることから始めるのもおすすめです。
冬キャンプでの焚き火台は最重要アイテムの一つ。暖かい料理を作るために焚き火台に敷く「ロストル」や高さ調節できる「ロストル ハンガー」のオプションがあるものがおすすめです。焚き火台を囲む囲炉裏テーブルがあれば、暖まりながら食事もとれ、より仲間や家族と楽しい時間を過ごせます。
季節を問わず楽しみは料理
冬だからこそのキャンプ飯が楽しめる!
冬のキャンプの醍醐味といえば、おでん。直火で温めるには、ダッチオーブンがあれば安心です。特にスーパーやコンビニで具材と汁がセットになったものが多く売っているため、寒い中で料理を作る時間も省けるのもポイント。出汁をとっておけば、締めや朝食でうどんも味わえます。
おでんといえば、やっぱり熱燗。コッヘルの水をバーナーで温め、その中に「徳利」や「ちろり」を入れれば簡単に熱燗が作れます。お酒の温度加減はお好みで、おでんを食べながらも、ステンレス製のおしゃれなぐい呑みやシェラカップでちびちびと楽しみましょう。
おでん以外にも、シチューやアヒージョなど、体の温まるキャンプ料理は多くあります。ホットワインを飲みながら仲間と楽しむお酒も冬キャンプならではの楽しみの一つです。
一番の注意点は就寝時
妥協してはダメなのが寝袋!
冬キャンプで一番妥協してはいけないのが、就寝時。寒くて眠れないのは苦痛でしかなく、冬キャンプが好きになるかはここが分かれ目です。テントは冷気をシャットダウンするためにスカート付きのものが必須になります。
寝袋は、関東の平野にあるキャンプ場でも寝袋は最低温度0度以下を想定したものを選ぶ必要があります。さらに冷えを感じやすい女性の場合には、想定する気温の1、2ランク上の温度設定の寝袋がおすすめ。パジャマには長毛のボアフリースが肌触りもよく、保温性も抜群です。街中でもボアフリースが定番になりつつあり、そのまま家から着て出かけても違和感はありません。
マット選びも超重要!夏に快適なエアマットがNGな訳
特に気温が下がる地域では、エアマットは避けた方が無難です。マット内の空気が冷やされることで、どんなに良い寝袋で寝ていても、体の熱が奪われやすくなってしまいます。床から距離を取れるコットを使えば、底冷えの影響を軽減できます。
就寝時には湯たんぽが大活躍
寒さが不安な人に欠かせないが、湯たんぽ。寝る前に寝袋の中に入れておけば手軽にホカホカになり、快適に寝つけられます。お手頃な価格の割に活躍する、冬キャンプアイテムの定番です。
さらに日中から寝るときまで身につけておきたいのが、「ハクキンカイロ」。ベンジンの気化ガスとプラチナの接触で発熱する化学原理を応用した何度も使えるカイロで、わずか25ccの燃料で約24時間発熱します。製造メーカーによると、熱量は使い捨てカイロの13倍。その実力は冬山登山の愛好者も重宝するほど。これだけ寝袋に入れるだけでも、けた違いの暖かさになります。湯たんぽとは違って、お湯をわかす必要もありません。
最後に
本格的に薪や灯油ストーブを購入しなくても、楽しめる冬キャンプ。寒い中で食べる暖かい料理や焚き火など、寒さがあるからこそ感じられる魅力も多数あります。冬だからこそ外へ一歩踏み出し、季節を楽しむキャンプの奥深さを体感してみてください。