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【取材】THE NORTH FACEだけではない! Goldwin新展開“アウトドア”コレクションの裏側

THE NORTH FACEなど、有名アウトドアブランドを展開するゴールドウイン。自社の名前を冠した「Goldwin」というブランドがあることをご存知でしょうか。アウトドアではあまりなじみがありませんが、今季からアウトドアコレクションを始動。シンプルでありながら洗練されたウェアと、その誕生秘話を紹介します!

ゴールドウインのブランド「Goldwin」

キャンプやアウトドアを楽しむ方が「ゴールドウイン」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは取り扱いブランドの「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」や「HELLY HANSEN(ヘリーハンセン)」などのイメージ。 「Goldwin」というブランド自体の存在をあまり知らない、知っていたとしても「スキー関連のブランド?」という印象ではないでしょうか。この「Goldwin」というブランドが最近ロゴのリニューアルや新たなカテゴリーをスタートし、進化とともににわかに注目を集めつつあります。 スキーというマーケットの中で新たな機能やデザインに挑戦し続ける「Goldwin」には最近陰ながら注目してきましたが、今年の秋冬からついにアウトドアコレクションを開始。「ぜひ真意を確かめたい!」。そう思ったhinata編集部は、新たなGoldwinブランドのキーマンである事業部長、新井元さんにお話を伺ってきました。
【プロフィール】 新井元さん:執行役員兼Goldwin事業部長 1967年、東京都生まれ。91年、ゴールドウイン入社。THE NORTH FACEにて企画を担当した後、2014年からGoldwin事業部長。自身もゲレンデスキー、バックカントリースキーを中心にキャンプなど幅広くアウトドアやスポーツを楽しむ。

アウトドアコレクションの展開を開始!ウェアの魅力に迫る

━━━ これまでスキーを中心に展開されてきたGoldwinですが、近年他ジャンルへと少しずつ足を伸ばしています。そして今回、ついにアウトドアコレクションの登場しました。アウトドアの情報を発信し続けるhinataとしては、とてもうれしく興味深いところです。早速ですが、アウトドアコレクションの新作ウェアについて、どのような特徴のある展開になっているのかお聞きします。 新井さん:大きくは2つ。「素材」と「細部へのこだわり」がポイントになっています。

信頼のおける「ゴアテックス」という素材

新井さん:今回特におすすめしたいウェア、ASCEND JACKET(アセンドジャケット)SPUR LIGHT JACKET(シュプールライトジャケット)にはゴアテックスを採用しています。
新井さん:高機能素材は、アウトドアウェアのマーケットでは当たり前の存在となっています。特に、その先駆者で20年以上も前からアウトドアシーンで愛用されているゴアテックスは信頼性が高く、多くの人に良いものとして受け入れらており、実力は本物です。 私たちはこれまで多くのゴアテックスを採用してきました。その経験からその機能性をよりよく理解して、その上さらに高い機能開発や独自性を生み出す工夫を行っています。 ━━━ ゴールドウインで展開されている多くのブランドで採用されていますが、やはり、譲ることのできない最高の素材になっていますね。

"遊び心"を忘れない!細部に宿るブランドのポリシー。

新井さん:もう一つのポイントは、Goldwinならではの、細部に遊び心のある機能やデザインでしょうか。 ━━━ 個人的には、シンプルでありながら洗練されていると分かるそのデザイン性に魅力を感じていましたが、細部にこだわりが詰まっているのですね!
新井さん:もちろん、シンプルなデザインも特徴の一つではあります。ワントーンや同系色ツートンの落ち着いた配色に洗練さを感じていただけているのかもしれません。しかし、実際に使ってみたときに分かる、あるとうれしい 遊び心を感じさせる機能やデザイン、利便性こそ、Goldwinのウェアならでは、他のブランドにはない特徴だと思っています。
新井さん:例えば、ASCEND JACKETの胸元の大きなポケット。ポケット口が大きく空いている外側と、防水性の高いフラップ付きの2つが一体化した仕様になっています。外側のポケットはアウトドアシーンで濡れや汚れを気にせず自由にお使いいただける非常にユニークなポケットです。内側のフラップ付きのポケットは雨や雪の侵入を完全に防ぐ、セキュリティ性も高く、利便性と安全性の2つを合わせたものになっています。 ━━━ 絶対に必要では無いけど、あるとうれしい細やかな配慮ですね!
新井さん:もう一つの特におすすめしたいSPUR LIGHT JACKETも、シンプルな機能、デザイン、利便性が融合した商品です。胸から腹にかけて、カラーが切り替わっている部分は内側がメッシュとなっており、ファスナーの開閉でベンチレーションの機能をして、衣服内の温度調節ができます。この機能は他のウェアでもみられますが、デザイン上の切り替えを利用して実現しているのは「Goldwinらしさ」と言えます。ブランドの背景であるスキーから、滑走の軌跡をイメージした曲線美をデザインに落とし込んでいます。 ━━━ 細やかなデザインと機能が融合してGoldwinらしさとなっているんですね。洗練さを感じていた理由の一つかもしれません!
新井さん:アウトドアや遊びの道具であるウェアは、流行り廃りに左右されない普遍的なものであるべきです。アウトドアウェアの固定概念にとらわれず、使うシーンを想定して、便利な機能を付加することで、いくら歳を重ねようと愛用し続けてもらえるようなものづくりができると思っています。どんな時代であろうと、そしてどの世代であろうと、着れば着るほど愛着を持ってもらえるような商品を提案したいです。 ━━━ まさにGoldwinのウェアにはその思いが体現されていますね!感覚的に良いと感じていた理由がよくわかりました。そのこだわりに驚嘆です。

“アウトドア”という領域に踏み込んだ想い

━━━ アウトドアコレクションのウェアの特徴と、その素敵なこだわりを伺ってきましたが、そもそもなぜアウトドアという領域に裾野を広げたのでしょうか。 新井さん:一言で表すと、スキーウェアとアウトドアウェアの開発の方向性がマッチしたからです。私たちの強みを生かして、アクティブなライフスタイルを送る人たちに必要な服を、カテゴリーの垣根を取り払って提案していくべきではないかという想いも理由の一つです。

あらゆる環境やシーズンに対応するウェア

新井さん:もともとスキーウェアは、極寒環境にのみ対応したものでした。しかし、環境や時代の変化とともに、幅広い環境対応が求められるようになりました。そうなると、登山やトレイルランニングのようなアウトドアやアウトドアスポーツと求められるものが同様になります。そこでスキーを起源とはしながらも、アウトドアという領域に踏み込み、これまでの開発背景を活かせるのではないかと考えたのです。

服にある、カテゴリの垣根をなくしたい

新井さん:アウトドアコレクションを展開し始めたもう一つの大きな理由は、カテゴリーの概念 にとらわれることなく、裾野を広 げることで、スポーツやアウトドアに親しむより多くの人々へ、 私たちの考える最高のウェアを提案できるのではないかと考えたからです。カテゴライズして、専門性を追求することは大切です。しかし、スキーヤーにはスキーウェアと閉鎖的に展開するのではなく、そのスキーヤーが楽しむアウトドアアクティビティや日常にとって、必要な服は何かを考え、ブランドとして提案していったほうが良いと思いました。 ━━━ Goldwinというブランドが、2016年にライフスタイルコレクションを展開し、変化を始めた話につながる部分ですね!

ここから始まった!Goldwin、革新の時。

新井さん:そう、まさにGoldwinというブランドが大きく舵を切った理由へとつながっていきます。今の時代、様々なライフスタイルがあり、なにか一つの趣味を楽しむというよりも、派生するいくつかの趣味を楽しむということが増えたように思います。例えば、温かい季節にはキャンプを楽しんで寒い季節にはウィンタースポーツ。登山とスキーが趣味で、バックカントリーも始める。派生して様々なスタイルを楽しむのに、そこで必要なウェアは、環境に対応 する安全性を担保する機能は必須ですが、それぞれの存在する専用のモノだけを使わないとけない!なんていうルールは無いわけです━━━ 確かに、山に行く時もキャンプに行く時も同じウェアを使ったりしますね!ここ数年、アウトドアアパレルはタウンユースとしても注目されています。
新井さん:はい、まさにそう考えて、スキーウェアも長く使っていただけるようなシンプルなデザインにリニューアルし、さらに多くの人へこの想いやアイテムを届けようと、2016年にライフスタイルコレクションの展開をスタートしました。
新井さん:もともとスキーウェアを愛用してくださっていたユーザーの方には、イメージが変わったことで厳しいご意見をいただくことも多々ありましたが、今では新しくなったGoldwinブランドを応援していただけるようになりました。2018年には、ブランドロゴをリニューアルし、ブランドのイメージを新しく確立。2019年には、より広くアクティブなシーンをカバーするためアウトドアとアスレチックのコレクションを展開し始めました。

Goldwinの見据える未来。これからの展望とは?

━━━ 今ここまで広く展開を進めてきたGoldwinというブランドですが、今後はどのような展開が見られるのでしょうか?
新井さん:裾野は少しずつ広がっていき、多くの人へとGoldwinというブランドが届くようになってきました。これからは、さらにGoldwinだからこそできる特別感を追求していきたいと思います。 「会社として様々 なブランドを扱っていることを背景に、そのノウハウを集結する」「スキーを起源 としている 背景 から、Goldwinというブランドらしさを表現し続ける」。そして最初にお話したような「遊び心を忘れない」。これらをさらに追求し、多くの方の様々なシーンで活躍するウェアをお届けしたいと思っています。

最後に

Goldwinの考える素敵な想いと、それを体現したウェアにひかれるお話でした。キャンプや登山など、アウトドアシーンはもちろん、スポーツやタウンでも存分に楽しめるようなウェアの展開に、今後も目が離せません。新井さん、素敵なお話をありがとうございました!


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