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ブレッドウィナー・サイクルズのトニーさんとアイラさん

ポートランドのハンドメイド自転車 「Breadwinner Cycles」の魅力

「DIYの聖地」「全米1自転車に優しい街」と言われるポートランドで誕生した「ブレッドウィナー・サイクルズ (Breadwinner Cycles)」。美しいデザインと機能性で、日本をはじめとした世界中の人々から愛されています。昨年オープンしたばかりの工房とカフェを訪ね、創業オーナー兼ライダーのトニーさんとアイラさんに、自転車の魅力や作り方についてインタビューしました!

ポートランドの自転車文化

ポートランドと自転車

私の住むオレゴン州ポートランドは、「全米で最も自転車に優しい街」と言われるように、バイクパスが比較的整備されていて、街中でもたくさんのサイクリストを見かけます。環境への配慮から自転車を通勤手段に選ぶ人も少なくありません。また、周囲を自然に囲まれているので、街から自転車で30分ほど走れば、森林の中のオフロードに走ることができます。このこともサイクリストが多い要因の一つかもしれませんね。 そんなポートランドの自転車文化を愛する二人のライダーが興した、ハンドメイドの自転車ブランドが「ブレッドウィナー・サイクルズ」です!

ブレッドウィナー・サイクルズとは

トニーとアイラ
「ブレッドウィナー・サイクルズ(以下ブレッドウィナー)」は、バイクライダーでフレイムビルダー(自転車職人)でもあったトニー・ペレイラ氏とアイラ・ライアン氏が2013年に創業した自転車のブランドです。それぞれ10年ほど自転車職人として独自ブランドを展開していた二人が、英国発のサイクルアパレルブランド「ラファ(Rapha)」のオリジナルバイク「コンチネンタル」での協業を機に知り合い、タッグを組むことになりました。 実は筆者は、2年ほど前にもブレッドウィナーを取材したことがあったのですが、その頃はアイラの自宅のガレージを工房にしていました。その工房も手作り感が溢れていていい感じだったのですが、増え続ける注文に対応するために塗装以外の全行程を一箇所で行える現在のスペースへと引っ越したそうです。
ブレッドウィナー・サイクルズのスタッフ
現在の工房では、トニーとアイラの他にも2名のフルタイムスタッフが働いています。日本でのレースにも参戦しているジョシュ・ケリー氏も、同スペースを間借りするハンドメイド・カーゴバイクブランド「metrofiets」と掛け持ちでメカニックをしています。
ブレッドウィナー・サイクルズのジョシュ・ケリー氏
彼は日本の自転車シーンに触れ、「日本の自転車文化は、ポートランドと通じるところがある」「例えば、レースはレーサーだけじゃなくて、家族が子供連れで観戦に来てたりしていて楽しい雰囲気。自転車文化を支えるコミュニティがある」とかなり日本びいきな様子。「でも、都内に溢れるママチャリは、どうかなー。ハイエンドな自転車との差が激しいよ」と笑っていました。 ブレッドウィナーはブランドが誕生してから口コミなどでファンを増やし、現在は全米ではもちろん、欧州や日本、韓国などからも注文が入ります。トニーは世界のあちこちでSNSにアップされるブレッドウィナーユーザーの写真を見るたびに、仲間が増えたような誇らしい気持ちになるそうです。

世界中の人々から愛されている理由は?

ブレッドウィナーの自転車が人気の理由は、「ポートランド・メイド」らしい伝統を生かしつつ、現代的で無駄のない美しいデザインと、それを実現する職人技にあります。現在はロードバイク、マウンテンバイク、その中間の計10モデルがありますが、どのモデルもライダーでもあるトニーやアイラが乗りこんで満足のいくフォルムや強度になっています。 またブレッドウィナーの自転車は、顧客一人一人のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。ただし、顧客に言われた通りになんでもカスタマイズするのではありません。気になる点があれば顧客とより深く話し合って、顧客にとってベストな自転車を、一緒に考えて作り上げます。 ライダーとしての経験、職人としての技術、顧客に対して親身なこと。そんな彼らのこだわりが、世界中の人々から愛される理由なのではないでしょうか。

ブレッドウィナーの工房はこんなところ!

ブレッドウィナー・サイクルズ 工房の外貨
ブレッドウィナーの工房は、ポートランド市内のバイクパスが走るノース・ウィラメット通り沿い。ブランドカラーのブルーに映える大きなロゴが目印です。工房の隣にはブレッドウィナーのカフェ、バイクフィッティングとフィジカルセラピーのクリニック、また向かいには自転車ショップなどがあります。 工房では、1週間に3台の自転車が職人の手により生まれています。 自転車は全て顧客の体格やニーズに合わせて製造されるので、オーダーする際には、まず身長から足の大きさまで体の各部分のサイズと、これまで使っていた自転車のサイズや改良したい点について各15問程度のアンケートに答えることから始まります。その回答を元に、フレームのサイズが決められます。 また、パーツや色なども1つ1つ顧客の希望に基づいて決めていきます。例えば、色は基本色が9色ありますが、ロゴの1部だけをゴールドにする、といった細かいオーダーにも対応しています。 顧客からゴーサインが出れば、作業開始です。
ブレッドウィナー・サイクルズの色見本
ブレッドウィナーではスムーズな仕上がりになるよう、溶接だけではなく、ろう接も採用しています。細やかな職人技術が光りますね!そして完成した自転車は、顧客が工房まで取りに来るか、郵送することになりますが、休暇を利用して出来上がった自転車をピックアップし、ここからバイクの旅に出る人も少なくないそうです。

ブレッドウィナーの自転車をご紹介♪

「コンチネンタル」とロードバイク

アイラとトニーがブレッドウィナーを創業するきっかけにもなった「コンチネンタル」。「1年間を通して乗れるロードバイク」「クラッシックな見た目と楽しい乗り心地」と、アイラのお気に入りでもあります。
ロードバイクは、その他にも「2016年バイセクリング・エディターズ・チョイス」を受賞した人気の軽量バイク「Lolo」、ハンドメイド・ポーターラックが特徴の「Arbor Lodge」があります。ピンクのポーターバイクは、みんなの注目を集めてくれそうですね♪
Breadwinner Cycles B-Road
また、オフロードも無理なく走れる「B-Road」も人気があります。トニーやジョシュも愛用しているとか。 ダート用としては、他にもシクロクロス「Holeshot」があります。

マウンテンバイク「グッドウォーター」

Breadwinner Cycles グッドウォーター
続いては、トニーのお気に入りの「グッドウォーター」。「とにかく乗っていて楽しい」と言うマウンテンバイクで、休日になるとこの自転車を乗りに出かけることをとても楽しみにしているそうです。

KOMOREBI

Breadwinner Cycles KOMOREBI
それから、私が気になったマウンテンバイクが、日本語の名前がついた「木漏れ日」です。実物を見たいとお願いすると、ブレッドウィナースタッフたちの友人の自転車を借りてきてくれました。
KOMOREBIのロゴ
彼女は、夫婦で色違いの「木漏れ日」を所有していて、一緒にバイクパッキングに出かけるそうです♪日本でも話題上昇中のバイクパッキングですが、この自転車で出かけると、羨ましがられそうですね!

夢の一台を叶えてくれるかも

きめ細かいカスタマイズ

カスタマイズの様子
彼らのモットーは「できるだけたくさんの人に自転車に乗ってもらい、ハッピーになってもらうこと」。 ブレッドウィナーでは、顧客一人一人に合わせてカスタマイズをするものの、その元となる優れたモデルがあるため、費用面でも時間面でも一から作るのに比べると抑えられます。
カスタマイズされたG-road
もちろん、自分の体格にぴったり合わせた採寸で自転車が出来上がるというのは、アメリカ人とは体型の違う日本人にとっても安心ではないでしょうか。また、パーツを付けたり、色の組み合わせやオリジナルロゴを入れたり、と自分のこだわりを詰め込めるのも嬉しいところ。写真はどちらも限定モデル「G-road」ですが、それぞれの個性が詰まっていて、同じモデルなのに印象はかなり違いました。

ポートランドと日本の取扱店

日本では、名古屋にある「Circles」が商品を取り扱っています。 本場のポートランドでは、工房はもちろん、カフェでも実際に自転車をみることができます。ただし工房を訪れる際は、あらかじめHPからアポイントメントを取るようにしてください。 Breadwinner Cycles & Breadwinner Cafe 2323 N. Williams Ave. Portland, Or 97227 HPはこちら Facebookページはこちら 幾つも自転車を乗った人たちに「今までで最高!」と言わせてきたブレッドウィナーの自転車。夢の一台を叶えてくれるかもしれません。ぜひ、チェックしてみてくださいね!

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