インテリアとしてのアウトドアギア論。家でも自然にキャンプ道具を取り入れるコツ
キャンプの経験値を積むうちに、悩みの種となるのが収納問題。居住スペースの確保と買い物欲のバランスをうまくとるために、「家用」「アウトドア用」と区別せず、キャンプギアを家でも普段使いしてしまうのもひとつの手です。インテリアとして違和感なくギアを取り入れるコツと、おすすめのアイテムを紹介します。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
キャンプギアの収納はキャンパー共通の悩み
「物が増えればかさばる」というのは世の中の常。頭ではわかっていても、ついつい買い足してしまうのがキャンプギアです。家の中で確実に存在感を増し続けるギアたちに、途方にくれている人も多いのではないでしょうか。ガレージなどの収納場所がある家ならギア類をまとめて置いておけますが、都心のマンションの人は特に、収納スペースが限られています。
家でも「出しっぱなし」をデフォルトに!ギアをインテリアにしてしまおう
かさばるギアほど家外兼用にしてしまうのが賢いやり方
当然のことながら、収納場所に困るのはサイズの大きなアイテム。テントはさすがに部屋の中に張っておくわけにはいきませんが、ソファやテーブルなど家の中でも使えるものは、室内でも家具としてそのまま出しておく、というのもひとつのアイデアです。
床や壁とトーンを合わせると、アウトドアギアが室内でも浮いて見えない
メディアやSNSで見るおしゃれキャンパーの自宅は、アウトドアギアと一般的な家具とをうまくミックスさせています。ですが、いざ自宅で同じことを実践しようとしても「どこか風景になじまず唐突な感じがする」と違和感を感じる人も多いはず。アイテム自体はおしゃれでも、室内にある他の家具とマッチしない。その原因は「トーンが合っていない」ことが考えられます。
インテリアを考える際に重要なトーンとは、大きく「色」と「素材」のふたつ。淡い色合いの部屋なら白やベージュのギアが、武骨なトーンの部屋ならアイアンなど硬質な印象のものがマッチしやすいです。壁紙の色や他の家具、床の素材に似た雰囲気のものを選ぶと、変に浮かずに自然と部屋の景色になじみます。
景色になじむよう、ブランケットでイメチェンするのも使えるテクニック
手持ちのギアを自宅でも活用したいのに、トーンが合わないからと新しいアイテムを買い足しては元も子もありません。そんなときに使えるのが、キャンプでも重宝するブランケットです。薄手のものはソファカバーやテーブルクロスがわりにでき、ギアの汚れ帽子にも最適。「ちょっと雰囲気が部屋に合わないな…」というギアも、ブランケットひとつで一気になじむかもしれません。
細々したキッチン小物も家外兼用で!
見せて置いても画になるコーヒーセット
キャンプ中にコーヒーをたしなむ人も多いはず。設営がひと段落した開放感の中、良い香りに包まれながらおいしいコーヒーがドリップされるのを待つ。そんな至福の瞬間には、こだわりのギアが欠かせません。見た目にもこだわって選んだコーヒーセットは、キャンプ場ではもちろん、家の中でも洗練された空間を演出してくれます。
豆を挽くところから丁寧に淹れるぜいたく感を味わうために、手挽きのミルを使って手間をかけると、ひと口飲んだときの幸福感が格段に増します。持ち運びやすいよう、スッキリとしたフォルムでかさばらないものがおすすめです。
かさばらずスタイリッシュ、でも温かみのある木製ドリッパーがおしゃれ
今回使った「ヒノキドリッパー」は、木製の板に穴を開けただけのシンプルな構造。薄くてコンパクトなので、荷物を少なくしたいソロキャンプや電車キャンプにも気兼ねなく持っていきやすいです。スタンドにのせてフィルターを差し込めば、カップに直接コーヒーをドリップできます。
こちらのドリッパーのうれしい点が、シェラカップやマグカップに直接のせてもドリップ可能というところ。「最小限の荷物を厳選したい、でも澄んだ空気の中で飲む淹れたてのコーヒーは諦めたくない…!」というわがままにも応えてくれます。
組み立て式のスタンドなら、持ち運びもコンパクト
より丁寧にコーヒーを淹れるなら、コーヒースタンド(ドリップスタンド)はぜひ持っておきたいアイテムです。ドリッパーからカップに抽出されるコーヒーの様子を目で確認できるため、適切な蒸らし具合やカップの中の量を確かめながら作業を進められます。
さらに、使わないときはカップやドリッパー、フィルター類を収納するラックとしても機能。アウトドアに持ち出す際は、スタンドごと一式まとめて運べるので便利です。かさばるのが嫌だという人は、コンパクトに分解できる、組み立て式のウッドスタンドがおすすめ。
キャンプギアを賢く使って、自宅にアウトドアのある暮らしを
アウトドアギアをインテリアにすると、部屋の中にいながらアウトドアの開放感をほんのり味わえます。単なる収納場所の捻出テクニックとしてだけでなく、「いちばん心が休まる自宅に大好きなアウトドアの要素を取り入れる」と発想を転換。アウトドアな暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。