【ガス・薪・炭で検証】ステーキ食べ比べチャレンジで分かった圧倒的な違い!ブランド炭が選ばれる理由に納得
キャンプの醍醐味の一つが、肉料理。屋外で食べる肉が家よりおいしく感じられるのは、開放的な雰囲気の中で食べるからだけではありません。そのカギは燃料ごとに異なる「火」の特性にあります。そこで今回、ガスと薪、炭を用意。肉焼きのプロ料理人が同じ味付けのステーキを焼き、食べ比べをして違いを解説。さらに同じ炭でも「普通の炭」と「ブランド炭」に違いがあるのか、検証してみました。
制作者
キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
何で焼いても同じって思ってない?
キャンプ場など自然の中で楽しむ食事は、いつもよりおいしく感じます。特に肉の場合は、開放的な雰囲気の中で心理的においしさを感じるだけでなく、炭火で素材の旨みを残した焼き具合ができているから。ただ、一般的に炭火がおいしいとされていますが、ガスや薪とどれだけの差が出ているのかよくわからないもの。そこで、肉を焼くプロに、燃料ごとの火の違いを教えてもらいました!
炭火焼きが美味しいのには理由がある
教えてくれたのは、山梨の炭火焼き達人
「食材を1番おいしく調理できるのは炭火」。そう教えてくれるのは、山梨県富士吉田市で炭火焼き専門の居酒屋「yama」を営む山口貴之さん。甲州牛などの地元の味覚を炭火焼にこだわって提供している人気店です。今回は、炭火料理の達人である山口さんに、炭火の良さと、ガス、薪との違いについて聞いていきます。
遠赤外線による加熱
──炭火が調理にいいのはプロたちが愛用しているから分かるのですが、その良さについて教えてください。
山口:炭火で焼くメリットの一つが、食材が柔らかく仕上がること。炭火は火であぶるだけでなく、遠赤外線で食材を加熱します。これが肉の表面を均一に焼き上げ、さらに肉汁を閉じ込め、素材のうまみを引き出す仕上がりになります。鶏肉でも豚肉でも牛肉でも、どの肉を焼くにしても、炭火の効果で食材が優しく仕上がります。それは一口食べれば、誰でもわかるほどです。
炭火で焼くことによって食材の香りも変わる
──炭火だと、ガスにはない香ばしさもあるような気がします。
山口:炭火で焼くと、煙が上がって香りも変わります。炭そのものから上がる煙ではなく、肉や魚などを焼いている時に余分な脂が炭に落ちて、そこから出る煙です。これが食材にいい香りをつける場合もあります。
ガス、薪、炭で焼き比べ!炭は高級炭も用意
炭火焼きの達人が同じ肉を違う燃料で焼き比べ
▲(左から)ガスコンロ、一般的な炭を燃やしたバーベキューコンロ、岩手切炭を燃やしたバーベキューコンロ、薪を燃やした焚き火台
ここからは炭火料理のおいしさを検証すべく、実際に薪、木炭、ガスで、ステーキの焼き比べを行います。木炭に関しては、スーパーやキャンプ場で手に入る一般的な海外産マングローブ炭と、ナラを使った国産ブランド炭の2種類を用意。食材の仕上がりがどう変化するか、実験していきます。
今回使う高級炭は岩手木炭の「岩手切炭」
──今回、ディスカウントストアで6kg400円で購入した安価なも炭と、高品質なものとして「岩手切炭」を用意しました。そもそも良い炭と悪い炭には、どのような違いがあるものなのでしょうか。
山口:悪い炭は炎や上がってしまいます。炎は温度が高すぎて、結局ガス火と同じように表面が硬くなってしまったり、焦げたりしてしまいます。その点良い炭は、炎が少ないので、温度も低すぎず、高すぎず、ちょうどいい温度。炎で焼くのではなく、遠赤外線のみでおいしく焼き上げられます。
岩手切炭と通常の炭の違いとは?
(実際に着火してみる)
山口:私自身、岩手切炭のことは正直知りませんでしたが、これはいい感じの炭ですね(笑)。先ほど言ったような、炎も煙も少ないですし、温度も安定してます。あと、普通の炭はどんどん燃え尽きてしまって炭を追加する必要がありますが、この炭は長持ちで形がしっかり残っていてとても良いですね。炭を足していく手間が少ないのもうれしいです。
いざ、調理開始!
今回は燃料ごとの焼き加減の特性を検証するため、使用するお肉を統一。アメリカ産のサーロインステーキを4枚用意しました。全て、塩こしょうで下ごしらえをすれば準備が完了です。
最初は焚き火台で
──まずは焚き火台でステーキを焼いてもらっていますが、薪の火にはどんな特徴がありますか?
山口:焚き火は火力が安定しません。炎が上がっているところでしか肉を焼けないので、炎の動きに合わせて肉を動かす必要があります。風で熱が飛ばされると、なかなか火が通りません。あとは、どうしても食材にすすがついて黒くなってしまいます。
ガスコンロでステーキを網焼き
──ガスコンロの網焼きでステーキですが、どんな仕上がりでしょうか?
山口:ガス火は取扱が簡単ですね。当然ですが火力も安定しているので、さっきの焚き火より綺麗には焼けると思います。ですがやっぱり、どうしても表面に焼きムラができ、焼けていないところから肉汁が落ちていくので、お肉は硬くなってしまいます。せっかく外で食べるなら炭火の方がおすすめです。
最後に2種類の炭でステーキを焼き上げる
──まずは普通の炭で焼いてもらっていますが、いかがでしょうか?
山口:うまい具合に炭の準備が出来たので、これはおいしく仕上がると思います(笑)。やはり炭を見ると炎が上がっていますが、炭の量や配置を工夫すれば上手く避けて焼けます。
──最後に岩手切炭ですが、焼いていて違いはありますか?
山口:やっぱり違いますね。炎もあまり上がっていないし、煙も少ない。脂が落ちても、比較的落ち着いているので、味も見た目も1番いい感じに仕上がると思います。
それぞれの燃料で焼いた食材その味やいかに?
薪で焼いた肉は真っ黒、他の肉は一見同じだが?
▲出来上がったステーキ、それぞれの燃料は左:ガス火、上:安価な炭、下:岩手切炭、右:薪
──それでは、全ての燃料でステーキが焼き終わり、試食に移ります。どの燃料で焼くステーキがおいしいか、とうとう決まります。
山口:正直、どれがおいしいか、包丁を入れただけでわかっちゃいますね。全然柔らかさが違います。でき上がりは、薪で焼いたお肉はすすで黒くなっていて、見た目でも少し劣ります。ですが、それ以外のお肉は、良さそうな仕上がりです。
いざ、実食!
山口さん焼いたステーキを味見してもらいます。薪→ガス→安い炭→岩手切炭の順に、それぞれ一切れずつ味わっていきます。
──4種類を一通り食べてみていかがでしたか?
山口:薪で焼いたお肉は、薪の割には上手に焼けました。でもやっぱりすすがついていて、良くも悪くも焚き火の味ですね。ガス火のお肉は、家庭の調理法と全く同じなので、家で焼いた味と言う感じがします。どちらもやはり炭で焼いた肉とは比べ物になりませんね。炭で焼いた方は、柔らかく中にもちゃんと火が通りどちらも優しい味に仕上がっています。
岩手切炭で焼いた肉が一番美味しい!
──炭で焼いた2つではどちらがおいしいですか?
山口:岩手切炭の方が、より柔らかく、ジューシーです。表面がカラッとしていながら、内側はふわっと仕上がっています。火の通り具合に関しては、焼き方のテクニック的なところで、どちらも同じくらいにできています。岩手切炭で焼いた方が煙燻のいい香りがして、よりおいしく感じます。焼き方まで全く同じにそろえていたら、さらに味に差が出ていたかもしれません。
見ていたメンバーも試食
山口さんが食べたあと、そばで様子を見てよだれを垂らしていたhinataのメンバーの松本も、ステーキを試食。同じように食べ比べをしてもらいました。決して、料理の専門家でもないスタッフが試食しても、味の違いは明らかで、岩手切炭のステーキが一番おいしいことがはっきりとしました。
岩手切炭は厳しい品質調査をくぐり抜けた最高品質の炭
指定の炭職人が、長時間焼き上げた
今回国産ブランド炭として使った岩手切炭は、岩手県独自の構造を持つ岩手窯を使用し、製炭方法について指導を受けた岩手県木炭協会員によって作られています。
岩手木炭は800度以上の高温で焼き、木に含まれている水分や様々な不純物などを煙と一緒に飛ばし抜きます。これにより純度の高い炭となり、使用時の煙や炎の少なさを実現します。600度以下で焼かれた炭は、不純物が抜けきれずに炭の中に残っています。そのため、炭になっても煙や炎が出てしまいます。
また、ただ高温で焼くだけではなく、約25日前後の長い時間をかけることで炭の硬さがでます。この炭の硬さが火持ちがよさと崩れにくさを実現しています。
木炭協会による厳しい品質確認
岩手切炭の品質の高さは、製法だけでなく、「岩手県木炭協会」による厳しい品質管理によって守られています。協会職員が木炭の生産者を巡回し、生産技術指導と品質検査ををするのとともに、年1回の品評会で、さらなる技術向上にも努めています。
バーベキューに限らず、専門店でも使用される木炭
岩手切炭は、その品質の高さから、バーベキューなどの個人使用に限らず、炭火焼き専門店などでも支持されています。せっかくキャンプやバーベキューで料理をするならば、ぜひ良い炭で、家では味わえないおいしさを体験してみてください。岩手切炭は、公式ホームページから購入可能。ぜひ、事前に岩手切炭を準備してキャンプやバーベキューに行ってください。
紙包装ではキャンプやバーベキューに持っていきにくいと言う方は、岩手県木炭協会オリジナルのチャコールバッグセットがおすすめ。麻素材のため耐久性が高く、何度でも使えるバッグです。
木炭にこだわることで、キャンプご飯はより美味しく
良い炭で焼いた料理はガスや薪、悪い炭で焼いたものとは一線を画すおいしさです。これからキャンプ・バーベキューで食材を焼くときは、炭にもこだわってみてください。そこで、炭火焼きのプロも認める品質の岩手木炭を使えば、今までにないおいしさを体験できます。
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