アウトドアチェア4種を徹底比較。家族で快適に過ごすにはどれがベスト!?
キャンプで長い時間をともに過ごすチェアは、キャンプの相棒とも言える存在。持ち運びやすいよう、軽さとコンパクトさを重視して選ぶ人も多いですが、それぞれのスタイルによって「使い勝手のいいチェア」は違ってきます。今回は子ども連れファミリーが特に気になる「座り心地」と「子どもの座りやすさ」に着目して、4種類のチェアを比較します。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
子どものチェア選びって難しい…
キッズ用チェアだとすぐサイズアウトしてしまう
キッズサイズのテーブルやチェアなど、小さくてかわいい「お子様向け」のキャンプギア。家族でキャンプを始める際、張り切って子ども用を一式そろえる人は少なくありません。しかし、当然ながら子どもは成長するもの。今年我が子が座っている、おままごとのミニチュアのようなチェアも、来年には座れなくなっている可能性があります。
子どもの成長に合わせてギアを新調してもいいですが、買い替えの手間やお財布事情を考えると、お気に入りのアイテムを長く愛用できるほうがうれしいはずです。
子どもも使いやすい、「持て余さない」大人用チェアが欲しい
子どもが大きくなっても座れるよう、小さなうちから大人と同じチェアを使うというのも選択肢のひとつ。「ただ座る」だけならどんなチェアでもできますが、大人も子どもも座り心地のいいものを見つけ出すのはなかなか骨が折れます。
収納や持ち運びを考えると、コンパクトかつ軽ければ軽いほど良いと思いがちですが、「家族共用」という目線でのチェア選びは「安定感」が重要なポイント。子どもがよじのぼったり、浅く腰掛けたりしても、簡単には倒れないどっしり感があると安心です。
タイプの違う4種類のチェアを、親子キャンパーが使ってみた
試すのは「中綿入り」「中綿+ひじ掛けつき」「ローチェア」「リクライニング」の4タイプ
[FRONT]
「ファミリーキャンプで真に使いやすいチェアとは何なのか?」。それを探るため、タイプの違うチェアを集め、親子で使用してもらいました。今回検証するのは4種類。
・中綿入り
・中綿入り+ひじ掛けつき
・ローチェア
・リクライニング
[SIDE]
使用感にばらつきが出ないよう、今回は全て同じブランドで統一。お手頃価格でファミリーキャンパーに人気の「ホールアース」のチェアを使用します。
大人と子ども、それぞれの視点で使い勝手を検証!
家族共用で使うことを考え、大人と子ども、両方の視点で使い心地を検証します。今回チェアを試してもらったのは、mokochesskiさん親子。休日は3歳の娘・きいちゃん、1歳4ヶ月の息子・さとくんを連れ、家族でたびたびキャンプに出かけるアウトドア好き一家です。
【タイプ①】ホールアースの売れ筋!中綿入りの「マーメイドチェア」
子どもの足はつかないが、包み込まれるような安定感
まず最初は、「マーメイドチェア」に座ってみます。中綿の入った円形の座面が特徴で、ふんわり包み込まれるような座り心地が人気のアイテム。
座面の高さが約38cmあるので、小さな子どもが座ると地面に足がつきません。しかし、深く腰掛けるとほぼ体全体が座面に収まり、マーメイドチェアの長所である包み込まれるような座り心地を存分に堪能できます。重心が座面の真ん中にくるので、子どもがチェアの上で動いてもそう簡単にぐらつきません。
フカフカで最高の座り心地。大人がくつろぐのにも最適!
お母さんが座るとこんな感じ。丸いフォルムの座面が体に自然にフィットし、一度座るとなかなか立ち上がる気になれません。ゆったりと食事やティータイムを楽しむのにぴったりです。
【タイプ②】肘掛けつきの「クラムチェア デラックス」
好評だった前モデル「クラムチェア」の1.5倍の中綿入り
続いてはこちらの「クラムチェア デラックス」を使用。包み込まれるような感覚はマーメイドチェア同様ですが、ひじ掛けのついたぜいたくな1脚です。座面には光沢感のあるベロア調の素材を使用。昨年発売され、好評だった「クラムチェア」の1.5倍量の中綿入りで、落ち着いたグレーのカラーリングとあいまって、ラグジュアリー感あふれる仕上がりとなっています。
肘掛けつきでキャンプでも極上の座り心地を実現
ひじ掛けにゆったりと腕を預けられるだけで、快適度が格段に上がります。ソファでくつろぐような極上のリラックスタイムが欲しいなら、間違いなくおすすめ。
背もたれとひじ掛けに高さがあるので、子どもが座ると上半身をぐるりと囲まれるような感じになります。座っている間にうとうとしても、座面が受け止めてくれるので、チェアの後ろや横から落ちたり転倒したりする心配がありません。
【タイプ③】地面に近く安定する「ボンファイアーチェア」
小さな子どもでも自分で立ち座りができる
続いては座面高約15cm、ロータイプの「ボンファイアーチェア」。座りながらあぐらをかくこともできるので、地面をより近くに感じられます。シートには難燃加工が施されているので、ゆらめく焚き火を近くで見るのにもぴったりのチェアです。
高さのあるチェアだと子どもが自分で座れないので、立ち座りをするたびに大人が抱っこする必要があります。しかし、これぐらいのローチェアなら子どもでも自力で立ったり座ったりが可能。背もたれとの距離があるので、背中にクッションを入れてあげると安定します。
子どもとも目線が合わせやすい!
ローチェアに座ると目線がぐっと下がるので、子どもと同じ目線で過ごせます。テントのまわりで遊ぶわが子を見守りながら、のんびりと休憩タイム。自然と一体化したような没入感に浸りましょう。
【タイプ④】リクライニングタイプの「ハイバックチェアステラ」
メイン用途は大人用
最後はハイバックで体全体を預けられる「ハイバックチェアステラ」をお試し。3段階のリクライニング調節機能がついており、食事から星空鑑賞まで幅広く使いやすいチェアです。
ひざの上に子どもを長時間座らせていると、だんだんずっしりと重たく感じてきます。そんな時はハイバックチェアの背もたれを倒し、一緒に寝そべるような形でチェアに体重を預けてしまえば楽ちん。わが子との触れ合いを存分に楽しめます。
ごはん後の「ちょっとお昼寝」にも最高
こちらのチェアは、食事やキャンプ場探検の後、疲れた子どものお昼寝場所にも最適です。泊まりのキャンプならばテント内に寝かせてもいいですが、デイキャンプではリクライニングチェアが頼れます。
収納しやすさも気になる…
今回使用したチェア4つは全て折りたたんで収納可能。ファミリーキャンプで使うとなると、家族全員の装備を用意する必要があるので、車への積載のしやすさや自宅の収納スペースにあったものを考えて購入しましょう。
【結論】「一番使いやすい」ものはそれぞれのキャンプスタイル次第
タイプの違う4つのチェアを使用してみてわかったのは、「みんな違ってみんな良い」ということ。当たり前ではありますが、それぞれ個性があるので「どういう使い方をしたいか」「自分たちのキャンプスタイルにはどれが合うか」を考えことで、自然と各家庭のベストなチェアが浮かび上がってくるはずです。子どもの意見も聞きながら、理想のチェアを家族で話し合ってみてください。